「Europa Universalis IV」開発日記2018年7月24日分が公開されましたので、その内容をご紹介。今回はバランスの変更について。
概要
2018年7月24日分の開発日記は、バランスの変更について。今回の内容は1.26パッチに含まれるとのこと。
階級(Estates)
- 以前述べたように、階級は影響度(influence)が80%ではなく100%に達したときに国難(disaster)を引き起こす。また、領地の最低限の要求はなくなった。その他は以下のとおり。
- 階級の領地を没収すると、そのプロヴィンスにおいて15年間、不穏度(unrest)が+5されるようになった。この補正は別の階級にそのプロヴィンスを与えるとなくなる。
- 階級の領地を没収すると、以前に階級が持っていたプロヴィンスに25の自治度(local autonomy)が付与される。
- 階級との交渉で生成された顧問(Advisors)は階級の影響度によってコストが変動する。
- 階級イベントから生じる影響度が一般に増加した。
- コサックの階級はプロヴィンスを与えるにあたり、開発度(development)あたりの獲得する影響度が倍になった。
- 階級に与えているプロヴィンスの開発度が増大させうる影響度の上限は、すべての階級で40%ではなく50%となった。
貿易ノード
- BengalはDoabへ貿易を流すようにし、DoabはLahore(Kashmirから名称変更)へ貿易を流すようにして、これらのノードの不公平を解消した。
- インドの貿易ノードについて、全体的にリネームを行い、作り直した(スクリーンショットを見よ)。
- Katsinaの貿易ノードはAlexandriaではなくEthiopiaに接続するようになった。
- Ethiopiaの貿易ノードはAdenにも接続するようになった。
- Coromandelは直接the Capeに貿易を流すようになった。
- これによって、全体的により多くのインドの貿易が、Adenにおける大規模な制御の必要なしに、アフリカを回ってヨーロッパに流入しうるようになる。Zanzibarはこれまでそうであったようにボロい資金源ではまったくなくなったが、依然として儲かる。
進貢国(Tributaries)
- 救援の望みのない、あるいは従属国でいるもっともらしい理由のないはるか遠くの進貢国は、私たちがこのアップデートで変えようと思っているものだ。例えばAIは国境を接しない国家との間に新たに進貢関係を築くことに興味を示さなくなった。これは要求を出したり受けたりすることにも当てはまる。既存の進貢国は問題なく、したがってAyutthayaとKhmerが1444年に突然Mingを見放すということはない。
- Mingについては、1.26はスコータイアップデートとしてもいいかもしれない。というのは、独立戦争の宣戦は宗主国の宗主国(?)が参戦しないようになったからで、Sukhothaiは中国の介入なくAyutthayaに対して宣戦布告できる。
拡張
- EU4において長く認識されている問題は、征服することがほとんど常にいい考えだということだ。プレイヤーは領土から直ちに財政的な利益を得られ、自身の軍の上限、大きさ、貿易の潜在力が増大し、同時に敵には領土を与えない。私たちはこれを、征服する際にはもう少し事前の計画を考慮する必要があるように変えたいと思ってきたし、私たちは次にプレイヤーのステートのことを考えた。(?)
- ステートの最大数は非常に重要になった。ステート上限より多くのテリトリーを持っていると年ごとの汚職(corruption)ペナルティを、今のところテリトリーごとに(プロヴィンスごとではない)+0.02ずつ受ける。例えばプレイヤーのステート上限が15なら、プレイヤーは最大で15のステートかつ15のテリトリーをペナルティなしに持つことができる。海外植民地域(Overseas Colonial Regions)と勅許貿易会社(Trade Charter Companies)はこの計算から除外される。この汚職ペナルティはイージーモードでは半分になり、ベリーイージーでは完全になくなる。
- これに合わせて、すべての国家の基礎ステート上限は倍になった。
- defines.luaにALLOWED_TERRITORY_VS_MAX_STATESという定義があり、この値(注:名称から最大ステート数に対するテリトリーの数のことと思われる)を調整することができる。
従属国(Subjects)
- より間接的な統治を促進するため、長期間従属国を従えていると自由の要求(liberty desire)は徐々に減衰する。従属国はまた宗主国との間に信頼(trust)を得ることもできるようになり、50で固定ではなくなった。
- 従属国からの軍の上限への貢献(Force Limit Contribution)は従属国自身の軍の上限に合わせて変動し、最小値は+1、属国(vassals)からは+10%、辺境伯(marches)からは+20%される。
ゲーム終盤の国家(End Game Tags)
- おかしな国家の形成、すなわちOttomansがByzantiumになったり、Minghals(注:
ムガル帝国が明を征服した状態明がムガル帝国になった状態のことを言うようです。コメントにて教えていただきました。ありがとうございます)ができたり、EnglandがMughalsになりShanになりMughalsになりJapanになったりするようなことを避けるということについては、私たちはあまり満足していない。これは一般に多くのファイルの変更を引き起こし、よく見落としが起こる。 - 1.26時点では、スクリプトにおいて私たちは「ゲーム終盤の国家」というスコープを用意しており、これはある国家が他の国家を形成するのをほとんどの場合で妨げるものだ(Holy Roman Empire、Rome、Papal Statesは特別にこのリストに優先される。例えばByzantiumはRomeを、ItalyはHoly Roman Empireを建国できる)。
- 現在のリストは以下のとおり。
- Mughals
- Ottomans
- Byzantium
- Rome
- Holy Roman Empire
- Rum
- Qing
- Russia
- Commonwealth
- Japan
- Yuan
- Hindustan
- Bharat
- Arabia
- Papal States
- Spain
- Great Britain
- Italy
- Germany
- Ming
- これはバランス調整の中で大部分を占める。いつものように、完全なチェンジログでは細かな点に対する微妙な変更もあり、リリースが近づいたら公表する。
- 私たちはバランスの変更がプレイヤーをイライラさせ、論争にならずに済むことはほとんどないということをよく知っている。私はなぜそうした変更をするか説明しようと努めるが、自分のお気に入りのバランス変更に対する気持ちを表現するのと同じように礼儀正しさを保ってほしい。人の数と同じだけ多くの意見がある。お手数だがよろしくお願いする。
- バランス変更はみなさんのお好みのものではないとしても、1.26で行われるいくつかの国家アイディア(National Idea)の変更を見ていくことにしよう。ベンガル地方を見渡してThe Bangal Sultinateやその他の小国には優れた点がある。
Bengal Sultanate ideas start = infantry_power = 0.1 global_manpower_modifier = 0.15 bonus backrow_artillery_damage = 0.15 bng_combat_piracy = trade_efficiency = 0.1 bng_habshi_generals = army_tradition = 0.5 bng_clearing_the_delta = development_cost = -0.1 bng_attract_sufis = idea_cost = -0.1 bng_conquest_of_the_gangetic_plain = leader_land_shock = 1 bng_rupees = global_tax_modifier = 0.1 bng_bengali_industrialization = global_trade_goods_size_modifier = 0.1 Bengali Minors ideas = start = merchants = 1 infantry_power = 0.1 } bonus = prestige = 1 } hindu_sufi_syncretism = religious_unity = 0.5 ganges_brahmaputra_confluence = trade_efficiency = 0.1 rice_fields = global_manpower_modifier = 0.2 mustard_oil_ilish_mach = war_exhaustion_cost = -0.10 jute_production = production_efficiency = 0.1 opium_fields = global_tax_modifier = 0.1 bengali_renaissance = global_institution_spread = 0.1
来週は建造物インターフェースについて。Dharma発売まではまだかなりかかるようです。
コメント
Minghalsは明がdecisionでムガールに国家変態することです。
ムガールのほうがNIが強力なので、明の初期国力と合わせると非常に凶悪化する一種のプレイヤーチートとされています。
その後の「Ottomans to Byzantium」のくだりは上の例で指したような、大国が何度も何度も非現実的な国家変態を繰り返しして訳が分からなくなるゲーム的手法を指しています。
もうちょっと補足すると、「Ottomans to Byzantium」 or 「Minghals」 or 「England to Mughals to Shan to Mughals to Japan(4回国家変態、要は極めてゲーム的な手法の例示)」で文が切れます。
ありがとうございます。修正しました。
国名が並んでいるところはやっぱりその解釈でいいのですよね。ちょっと自信がありませんでしたが……。
階級の管理はちょっと面倒くさいところもあったので、最低要求撤廃と影響度100未満セーフは助かりますね