パラド社発の宇宙4Xゲーム「Stellaris」の開発日記#101が更新されましたので、その内容をご紹介。今回は略奪国家と海賊について。
概要
開発日記#101は、略奪国家と海賊について。
略奪国家(Apocalypseの内容)
- 略奪国家(Marauders)はApocalypseが入っていると出会える新たなタイプのプレイ不可の帝国だ。彼らは惑星に居住することを避け、少数の資源が豊かな星系で宇宙船やステーションに居住することを選び、互いに大規模に略奪し、あるいは定住帝国から貢物を巻き上げて食っている流浪のFTL社会だ。宇宙旅行者として生まれた彼らは頑健な戦士であり、宇宙船の専門家であり、他の古き帝国(没落した帝国のような)ほどの技術はないにもかかわらず素晴らしい艦隊を召集することができる。略奪国家は通常の帝国に対して常に敵対的だが、プレイヤーが彼らの本拠星系に侵入するか、彼らが略奪行の途上にない限りは一般に攻撃されることはない。
- 略奪国家はときおり、彼らと接触を持っている定住帝国に対して略奪行に向かう。襲撃前に、彼らは相手の帝国に対して非常に多量の鉱物・エナジー・食糧を貢物として上納する機会を与える。拒否すれば、彼らは相手の帝国内に艦隊を侵入させ、ステーションを略奪し、奴隷を得るために惑星を襲撃する。略奪が止むのは、彼らが撃破されたときか、集めた戦利品に満足したときかのどちらかしかない。略奪されている間に彼らを貢物で買収することもできるが、略奪される前に貢物を送る場合と比べてかなり高くつくことになる。
- 定住帝国は略奪国家を雇って宿敵の一国を襲撃させることができ、宿敵の注意をプレイヤーからそらし、また同時に宿敵の軍事力や経済力を弱体化させることができる。
- 略奪国家は本拠星系のすべてのステーションを破壊されることで消滅するが、こうした星系は固く守られており、中盤~終盤の宇宙軍とも渡り合えるほどに強力だ。
- 定住帝国は傭兵として略奪国家の助力を得ることもできる。スタート時点では彼らを高いスキルと特別な特性を持つ提督や将軍として雇用することができ、時間がたてば彼らの艦隊を雇うこともできるようになる。略奪国家の艦隊は前払いで多額のエナジーを必要とし、固定された規模の艦隊で分割・合流・解散はできず、提督を交代させることもできない。
- この艦隊は自国の艦隊保有上限には算入されず、維持費もかからないが、雇用期間は5年間に限られ、その後は再び全額を支払って契約を更新しなければならなくなる。
中盤の危機:劫掠帝国(Apocalypseの内容)
- Apocalypseで新たに追加された中盤の危機として劫掠帝国(Horde)がある。これはゲーム開始から100年が経過すると発生するイベントチェインで、略奪国家のひとつが大ハン(Great Khan)のもとに統一される。ひとたびこれが発生すると、略奪国家は劫掠帝国となり、全方位に拡大を始め、なにもない星系に領有権を主張し、ハンに服従しないあらゆる帝国の宇宙基地を破壊するために艦隊を送り込む。
- 通常帝国がハンに服従して、収入と艦隊保有上限の一部をハンに上納しなければならない一方で裁量に任される総督領(Satrapy)となることはいつでも可能だ。劫掠帝国は征服した星系や総督領によってますます強力になるが、組織が脆弱で、ハン個人の力によって団結できている。大ハンが戦死したり病気や暗殺の犠牲となると劫掠帝国は崩壊し、劫掠帝国や総督領には次のうちいずれかが起こる。すなわち、小競り合いを繰り返す無数の後継国家に分裂するか、灰の中から新たな民主的連邦国家が生まれるかだ。いずれにせよ、ハンと劫掠帝国の存在によって、どのような状態のゲームでも銀河の大改編が起こることは間違いない。
海賊の見直し(チェリイの内容)
- 最後に、略奪国家に直接関係するものではないが、私たちが2.0「チェリイ」アップデートで行った海賊の見直しについても述べておきたい。宇宙基地についての開発日記で、私たちは影響力を調整することで「細長く伸びる」ことや国境内に空の星系を残すことを推奨しないということを書いた。しかしこれはテストにおいてさまざまな理由でうまくいかないことがわかり、そこで私たちは別の解決法として、海賊のコンセプトを拡張することとした。
- 今後はひとたび宇宙海賊の誕生イベントが起こると、国境内のなにもない星系で海賊が発生するようになった。この海賊はプレイヤーの星系を攻撃し、彼らが撃破されるまでステーションを襲撃し、ゲームの進展に応じてより強く、数も多くなっていく。彼らは自国の国境で完全に囲まれた星系では特に発生しやすく、帝国中央部の空の星系は遅かれ早かれ自分で管理したいと思うほどのトラブルの温床となる。
- この変更に合わせて、銀河に湧いていた固定の海賊勢力のほとんどを取り除き、本拠星系に海賊のガレオン船を持つもののみが残っている。
質疑応答
Q1:貪食する群れとか狂信的排他主義者とかでも略奪国家と交渉できるの?
A1:襲撃されるときの貢物支払いを除いて交渉できない。
Q2:略奪国家も通常帝国と同じように経済が機能してるの?
A2:彼らはイベントドリブンだが、劫掠帝国の後継国家の一部は通常帝国と同じように機能する。
Q3:「大ハンが戦死したり」とあるけど、提督として出てくるの? もしそうなら、宇宙戦闘であまりにも早いうちに死んじゃったり、数年で老齢で死んだりするんじゃない?
A3:大ハンは提督だ。老齢で死ぬことはなく、戦闘でも大ハンは特殊な取り扱いがなされる。しかし大ハンを打ち倒す方法は他にもある。
Q4:劫掠帝国は近くにできたらすぐに襲撃してくるの?
A4:すぐには襲撃しに来ない。でも遭遇したら進貢するために備蓄を増やしておくのはいいアイディアだ(注:回答は略奪国家について述べているように見えるが……)
Q5:海賊はゲシュタルト意識にも出るの?
A5:出るが、固有のフレーバーやストーリーがあり、通常の海賊とは異なる。
Q6:略奪国家を別の略奪国家から雇った艦隊で攻撃できる?
A6:できる。雇った艦隊を略奪国家に差し向けることが可能だ。彼らのテキストで特にこのことに言及している。
Q7:略奪国家のPopを自国に組み入れることはできるの?
A7:誰かが略奪国家のステーションを破壊すると、略奪国家Popが難民(もちろんプレイヤー帝国に迎え入れることができる)として出現する可能性がある。
Q8:略奪国家のフレーバーテキストでずっと昔に母星を捨てたとあるけど、この惑星を発見することはできる?
A8:今のところゲーム中にそのような惑星は存在しない。時間の経過によって彼ら自身ですら既に故郷がわからなくなっているのだ……。
Q9:没落した帝国みたいに略奪国家をなくしたり強さを設定したりできる?
A9:できる。銀河を作るときに没落した帝国と同じように設定でき、完全に出現しないようにすることもできる。
来週は布告とUnity Ambitionsについて。
次回:開発日記#102
コメント
これはまた調整が非常に難しそうだけど…うまくいったら楽しくなりそうな要素ですね。
直接戦争はしたくないけど干渉したい、ってことは多いけど今までは手段がほぼなかったから期待してしまう。
海賊については普通にやっていてうっとうしくなってしまわないかちょっと心配ですが、ならず者国家をけしかけてライバルの力を削ぐというのは面白そうですよね。