「Victoria 3」新DLC「Pivot of Empire」発売は、Steamの表記によれば日本時間21日18時の予定です。

ゼロから始めるEU4――財政について その2

Europa Universalis IV

前回は財政の特に収入面について見ていきましたが、今回は支出面について掘り下げていきます。

執筆時の最新バージョン:1.21.1

前回:ゼロから始めるEU4――財政について


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今回のポイント

  • 主な支出は、顧問費・ステート維持費・要塞維持費・陸海軍維持費の5つ
  • お金がないときは、借りる・通貨価値切り下げ・艦艇やプロヴィンスの売却で資金調達ができる

財政について(続き)

前回は収入面を掘り下げましたが、今回は支出について詳しく見ていきましょう。

支出

主な支出項目は顧問費(Advisors)・ステート維持費(State Maintenance)・要塞維持費(Fort Maintenance)・陸海軍維持費(Army/Fleet Maintenance)で、この5つが恒常的な支出となることが多いです。

このほか、植民地を持っているときは植民地維持費(Colonial Maintenance)、宣教師を送っているときは宣教師維持費(Missionaries Maintenance)、汚職(Corruption)を下げるときは汚職根絶費用(Root Out Corruption)がそれぞれかかります。

顧問費

顧問費は政府顧問それぞれの月の費用の合計です。それぞれの月の費用は、スキルの2乗(スキル1なら1.00、2なら4.00、3なら9.00)を基本コストとして、さらに年数経過による増加分(1年あたり+0.5%)、インフレによる増加分を加味して計算します。

最も簡単な削減方法は顧問を雇わないことですが、そのほかイベントなどで顧問費の安い顧問が出現することもあり、こうした顧問を雇用するというのもひとつの手かもしれません。

ステート維持費

ステートの維持費は国内のステートそれぞれの維持費の合計ですが、各ステートの維持費の計算はゲーム上では詳しく表示されません。英語版Wikiに詳しく掲載されていますが、基本的には開発度と首都からの距離で計算され、そのほかに他の大陸であったり、受容していない文化だと上昇するようです。

ステートにしないとプロヴィンスをコア化できず、コア化しないとプロヴィンスの収入が大きく減少するので、基本的にステート維持費は削減しようがない(削減しようとすると収入が大きく減る)と考えてよさそうです。

要塞維持費

要塞維持費は国内の要塞維持費すべてを合計したものです。Castleで1ダカット、Bastionで2ダカット、Star Fortで3ダカット、Fortressで4ダカットかかります。また、要塞をモスボールすることで維持費を半分にすることができます。

要塞は特にゲーム序盤では金食い虫なので、私の場合は基本的に本当に必要なところ以外は撤去しますが、そうしない場合でも平時はモスボール状態にしておくことで削減できます。

陸海軍維持費

陸軍維持費は正規軍・傭兵・コンドッティエーリ・陸軍上限超過ペナルティ・人員補充それぞれの費用の合計です。陸軍上限超過ペナルティは、陸軍上限超過分の陸軍上限に対する比率を連隊維持費合計にかけたものとして計算される……ことに英語版Wikiの計算ではなるのですが、私のデータではうまく計算が合いませんでした。

海軍維持費も陸軍と同様に、艦艇維持費と海軍上限超過ペナルティの合計からなります。

平時の陸軍維持費削減のためには、まず基本として傭兵やコンドッティエーリを雇用しない(解雇する)ほか、保有連隊数を陸軍上限以内にする、貴族階級の忠誠度を上げる、陸軍維持費を下げる顧問を雇うなどのほか、陸軍は平時には基本的に出番がありませんので、陸軍維持費スライダーを最低にしてもよいでしょう(ただし、士気の回復には数か月かかるので、反乱が起こりそうな場合はすぐに最大にするべきです)。

平時の海軍維持費削減の方策は、どのような海軍を保有しているかによります。私がこれまで見た限りでは、小型船中心の海軍か大型船・ガレー船中心の海軍のどちらかですので、この2類型に着目すると、前者では支出スライダーは最大のまま「貿易の保護(Protect Trade)」任務を実施して貿易収入を増やす(正確には維持費削減ではありませんが)、後者では支出スライダーを最小にし、さらには艦艇をモスボールして維持費を減らすことが考えられます。

その他の支出

支払利息(Interest):借り入れ(loan)に対する利息の支払いです。借り入れは銀行借り入れ(Economyタブの「Balance」の下で借りるもの)と他国からの借り入れの2種類があり、銀行借り入れの場合の利率は基本が年率4%、借款の場合の利率はその都度1~20%の間で決定されます。

外交上の支出(Diplomatic Expenses):次の7種からなります。

  • 援助(Subsidies):他国への資金援助
  • 上納金(Vassal Fee):宗主国への上納金
  • 支払関税(Outgoing Tariffs):植民地国家の宗主国への関税の支払い
  • 戦争賠償金(War Reparations):賠償金の支払いを条件に講和した場合、10年間収入の1割を支払う
  • 支持者の支援(Support Loyalists):同君連合の下位国のLiberty desireを下げる
  • 士官の派遣(Send Officers):保護国のLiberty desireを下げ、相手国の軍にボーナスをもたらす
  • コンドッティエーリ雇用費(Condottieri Fees):コンドッティエーリについての支払い。陸軍維持費にもあったが使い分けは不明

植民地維持費(Colonial Maintenance):基本的には植民地1つにつき2ダカット+開発度/5で、植民者の数を植民地数が超えると、超過分の2乗だけ追加コストがかかります。英語版Wikiでは植民地のコスト計算式が2つ(EconomyColonizationのページで異なる式になっています。上の説明は両方合わせたものです)掲載されており、おそらく両方合わせた計算になるものと考えられますが、私のデータではうまく検証ができませんでした。情報をいただけるとうれしいです。

宣教師維持費(Missionaries Maintenance):宣教師1人につき、年5ダカット(月ではおよそ0.42)を基本コストとして、さらに年数経過による増加分(1年あたり+0.5%)を加味して計算します。

汚職根絶費用(Root Out Corruption):実質的開発度(自治度を加味した国内の開発度)×0.05ダカットのコストで、汚職を最大-1%/年することができます。

財務活動

EU4ではいろいろな財務活動手段があり、お金がなくてもどうにか捻出する方法が用意されています。

借りる

まずわかりやすいのは画像で「Balance」の下にある「借り入れ(Take Loan)」。上の支払利息のところでも紹介しましたが、基本的に4%の利率で開発度に応じた額を借り入れることができます。近いものとしてほかに外国からの借り入れもあり、こちらは外国から提案されることがあります(プレイヤーから借りに行くことはできないようです)。

資金調達手段としては借り入れが一番手っ取り早く、また反動も少ない手段ではないかと思いますが、4%の利払いは軽くはありませんし、できるだけ早く返す算段を立てて返済してしまいたいところですが、繰り上げ返済時には残りの利率もまとめて取られるようなので満期まで持っているほうが期間の利益(EU4にあればですが)を取ることができてお得です。

通貨価値を切り下げる

もう一つの資金調達手段は画像右下の「通貨価値切り下げ(Debase Currency)」。借り入れと同額を返済する必要なく手に入れられますが、汚職が2%上昇します。この汚職を根絶しようとするとおそらく借りた分をすべて吐き出して足が出てしまうと思いますので、資金調達手段としては借り入れのほうが穏当でしょう。

ものを売る

資金調達は借りたり通貨価値を下げることばかりではなく、国家の資産を売ることでも可能です。詳しくは外交についての記事で見ていく予定ですが、外交活動の「艦艇売却(Sell Ships)」「プロヴィンス売却(Sell Province)」でも資金を得ることができます。

万策尽きたとき

あらゆる手を尽くしてもお金が足りず万策尽きたとき、画像左側の黄枠の「破産の宣言(Declare Bankraptcy)」を使うことになります(個人的にはそこまで行ったらやり直してしまいますが、アイアンマンだと使うこともあるのかもしれません)。破産したときの影響は英語版Wikiをご覧ください。5年間強烈なペナルティを食らうことになります。


このほかにも紹介していない(戦争税など)ものもありますが、それは次回以降どこかで紹介します。

前回コメントでもご指摘いただきましたが、貿易についてはもう少し掘り下げていきたいと思っていますので、次回は貿易について。

次回:ゼロから始めるEU4――貿易について

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コメント

  1. 突然すいません。最近EU4を始めまし参考にさせていただいています。
    一つお伺いしたいのですが、モスボールとは何のことでしょうか。
    どこ見ても当たり前のように出てくる用語なんですが何のことかはどこ見てもわかりませんでした。よろしくお願いいたします。

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