「Europa Universalis 4」開発日記5月19日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はDLCができるまで。
前回:開発日記 5月12日
2016/5/27 2016年5月26日分へのリンクを追加。
概要
5月19日分の開発日記は、DLCができるまでについて。今回はパラド社開発スタジオですべての自社開発タイトルのDLC開発プロデューサーを務めるCatalack氏によるものです。
どのようにDLCが生まれるか
- 最初は知恵を借りるところから始まる。次の拡張と同時に出すコンテンツの種類に合わせてデザイナーを捕まえるのだ。EU4の場合では、だいたいJohan、Wiz、最近ではDDRJakeだ。このステップはプロジェクトに既にアイディアがあるかどうかで難易度の変動がある。ときには仕事終わりのビールの後でデザイナーを座らせて、詳細を詰めなければならないこともある。EU4はよく練られた将来のコンテンツパックについての計画があったが、そこまでうまくは行かなかった。一方、CK2は……。
- また、パックに入れるものとして私が提案したものが入ることもある。こうした提案はデザイナーに確認してもらう必要があるが、彼らの仕事は減る。
ブランドチームがいいと言うかどうか
- デザイナーや製品の所有者がOKを出したら、次はブランドチームが制作にゴーサインを出すかどうかの最後の確認に入る。これは開発、販売、マーケティング、製造など、会社のすべての部署が集まって行われる。我々の顧客やプレイヤーに届けられるすべてのコンテンツの最後の関門だ。パラド社のブランドチームはどんな状況でも反応がとても早い。ほとんどの場合は互いに合意するが、さまざまな理由で内容を削ったり変更することもある。
制作開始
- パックがすべての関門を突破すると、誰がそれをやるのかを決める。私たちは社内にとても才能あるアーティストやコンポーザーを抱えているが、社内のリソースがメインの拡張でいっぱいいっぱいのときには、社外のスタジオの助力を得ることもある。大抵の場合、仕事は社内と外注に分割される。
- ここで取り立てて言う価値があることとして、私たちはファンやMOD制作者を社外クリエーターとして使うことがあるということだ。彼らとの協力は、彼らの貢献にお金を出す口実になるし、技術的なノウハウを持っているが私たちのゲームをよく知らない外注のスタジオとではなく、私たちのゲームを知っている人と働く機会でもある。彼らのゲームをよくするための仕事には驚かされる。
歴史調査
- コンテンツの制作は常に広範な調査とモックアップづくりから始まる。私もコンテンツクリエーターも、コンテンツの部分ごとに多くの時間を調査に費やしている。私たちは実際の歴史について多くをアーティストとスクリプター知ってもらって、スムーズにことを進めるようにしてもいる。
- 問題はソースをゲームやWikiに導入するときだ。いいソースはときに導入するのが本当に難しく、結果によくない影響が出てしまうこともある。最近では”Mare Nostrum”のコンテンツパックがそうだ。
- 私たちは最近、今までは外注していた素材やDLC制作を社内でやるためにアーティストを雇った。Carlbergがチームに入ってくれてうれしい限りだ。
アートではなにをやっているか
- モックアップができたら、3Dモデルの制作が始まる。クラウゼヴィッツエンジンのもともとのディテールの制約とバランスを取りつつ、多くの人はカメラを引いてプレイしているので、遠くから見ても判別できるようにしなければならず、難航することもある。
最後の準備とSteamバックエンド
- すべてのコンテンツが完成し、届けられるようになると、すべてゲーム中でうまく動くか確認する。このときは私の手を離れて品質保証部門の手に移り、リリースできるようになるまで待つことになる。
- ここで、私はSteamバックエンドのジャングルに入らなければならない。もしあなたがこの仕事についたら、職務経歴書には「Steamバックエンドの経験」と書いて転職することだろう。もしValve(Steamの運営会社)の社員でなければ、あなたにはその職に就いてSteamバックエンドをアップデートし、もっとユーザーフレンドリーにしてもらいたいものだ。
- とにかく、ここで関係するものを設定し、他者からのマイニングやリークを避けるために偽の名前を付与する。もちろん、リリース前には正しい名前をつけることになる。
見直し
- リリースの後、すべてのプロセスをもう一度やる。私は常に同時に走っているさまざまなプロジェクトを抱えていて、いつもなにかのDLC開発の序盤や中盤や終盤にいる。だから退屈したことは一度もない。
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