今回から、ストラテジーゲーム「Supreme Ruler Ultimate」の2つ目のプレイ日記を連載します。このプレイ日記では、前回のプレイ日記”所得倍増計画”のデータを引き続き使用して、今度はキューバ国防軍を建軍することを目指します。
「Supreme Ruler Ultimate」の紹介記事はこちら。
2015/7/25 内容を追加・修正。
概要
前回の”所得倍増計画”では、経済・内政面のみについて取り上げ、外交・軍事面についてはほぼ触れませんでした。そのため、今回のプレイ日記では、キューバ国防軍(Fuerzas Armadas de Cuba, FAC)を編制する過程をプレイ日記にしようと思い立ちました。
今回のプレイ日記は主に軍事面について解説しますが、本格的な総力戦の解説はしません(というか、キューバでは小さすぎてできません)。正直なところ、フランス電撃戦や独ソ戦などの大規模陸戦は部隊の数と勢いで決まる(ユニットが多すぎて人力ではどうしようもない)ので、あまり解説にはふさわしくないと思いました。
プレイ環境やプレイ目標については以下の通りです。
- バージョン:9.0.42
- MOD:なし
- ゲームの初期設定(GAME SETTINGS):「初期の財政状態(Initial fund)」を新規国債発行なし(No New Bonds)→デフォルト(Default)へ変更
- 開始シナリオ:1936年”The Road to War”(”所得倍増計画”のデータを1947年8月まで進めたものを使用します)
- プレイ国家:キューバ
- 最終目標:現役兵員数を40,000人まで増やす
40,000人という数字は、GDP/cや戦略的環境の近いエクアドルの兵員数と人口を考慮して、少し軽めの目標として設定しているものです。
エクアドルのGDP/cは、キューバより少し上の818ドル、人口は400万人ほど。エクアドルは南隣のペルーと少し険悪な仲というのはありますが、キューバと同じく連合国で、枢軸国からは遠く離れているという点で、戦略的環境は似ています。
エクアドルの現役兵員数はおよそ22,000人。キューバの人口はほぼ倍ですが、GDP/cが少し低い分おまけしてキリよく40,000人を目標とします。
1947年のキューバ
経済状況
1947年8月時点のキューバの経済状況はこんな感じ。GDP/cは、”所得倍増計画”終了時の倍以上の805ドル。人口は、35万人ほど増えた463万人。
GDPランキング(とありますが、正確にはGDP/cランキング)では上位19位(植民地を除けば16位)という、世界の中でも相当裕福な国になりました。もう先進国と言ってもいいでしょう。
GDP/cが805ドルというのは、同じカリブ海のお隣の国であるハイチとドミニカの約4倍、中米の雄メキシコと比べても約1.3倍ですから、わずか11年で「中米の一等国」を名乗ってもいい立派な国になりました。
裕福にはなりましたが、産業構造は相変わらず一次産業頼り。農産物と石油の輸出で外貨を稼ぐ、農業大国です。農産物はアメリカ・ブラジルに次ぐ世界3位の輸出量。
軍備の状況
さて、肝心の1947年8月時点のキューバの軍備はこんな感じ。現役将兵は7,390名、予備役は82,922名。自動車化工兵大隊(このゲームでの陸上ユニット1つはほとんどが大隊規模です)が1個ありますが、今のところ戦える部隊はこれだけです。
自動車化工兵大隊は兵員数540名の部隊なので、それ以外の6,850名はすべて軍事施設に配置されている人員です。
ユニットステータスの見方
その自動車化工兵大隊の詳しいステータスはこちら。これを例にして、軍事ユニットのステータスを解説します。
最上段
一番上左のアイコンの下の黄緑の○印3つは、これは全世界の軍事技術の流れから相対的に見て、このユニットがどれほど先進的なユニットであるかを示しています。最新のものは緑の○4つ、次に黄緑の○3つ、黄色の○2つ、時代遅れのものは赤の○1つで表されます。
左上の枠内
次に、その下の左上、文字で記載がある部分。
- Class:そのユニットのタイプ(陸上ユニットは歩兵、戦車、偵察、対戦車、砲兵、対空、輸送の7種)。
- Personnel:そのユニットに所属する兵員数。予備(Reserve)に入れたユニットを再配置する際には、これだけの予備役兵員が減少します。
- Weight:は重さ。輸送艦等に搭載するときの制約になります。
- Default Strength:ユニットの体力のようなもので、ゼロになるとユニットは破壊されます。自動車化工兵大隊では、1個分隊10人でStrength1と見ればいいかもしれません。
- Country of origin:どこの国のユニットであるかを示します。MultipleやWorldwideとあるのは一般的なユニットですが、例えば翔鶴型空母は日本のみが生産可能だったり、同じ歩兵でもCountry of originによってパラメータが変わっていたりします。
- Movement Type:徒歩、騎乗、装輪、装軌、牽引など、どのような手段で移動するか。地形や天候によって移動力がそれぞれ影響を受けて変化します。
- Reaction Time:現在調査中。おそらく命令を下してからの反応速度です。
- Cargo Capacity:搭載許容量。自動車化工兵大隊はゼロですが、輸送艦や輸送機には設定されています。WeightがCargo Capacityをオーバーするユニットは搭載できません。
その下のアイコンは、そのユニットの特性です。自動車化工兵大隊は左から「Soft Target」「Amphibious」「Bridging」「Demolition」「Engineer」の5つの特性が設定されています。
- Soft Target:非装甲目標。このゲームでも、HoIシリーズのように装甲・非装甲で判定に使われる攻撃力が異なります。
- Amphibious:上陸戦用ユニット。調査中ですが、上陸戦を行えるかどうかでしょう。
- Bridging:このアイコンがついているユニットは、命令に「Bridging」が追加され、架橋することができます。
- Demolition:このアイコンがついているユニットは、命令に「Demolition」が追加され、橋や建造物を破壊できます。
- Engineer:工兵ユニット。戦時/平時問わず、建造物の建設を早めることができます。1ユニットでだいたい1.2倍くらいに加速されます。
1個だけ自動車化工兵大隊を作ったのは、建設速度が早くなる特性を使いたかったためです。
右上の12個のアイコン
次に、右上のアイコンが12個並んでいるところ。ここはユニットの移動や搭載能力に関するパラメータが表示されています。左上から右に説明します。
- Strength:Default Strengthで説明したとおり、ユニットの体力のようなものです。
- Fuel:燃料搭載量。これが切れると、装輪・装軌ユニットは動けなくなります。徒歩ユニットなど、これがゼロに設定されているユニットもあります。マップのSuppliesの割合によって常に補給されます。
- Supplies:弾薬搭載量。これが切れると、ユニットは攻撃できなくなります。マップのSuppliesの割合によって常に補給されます。
- Missile Capacity:ユニットに搭載できるミサイルの数。
- Profile:現在調査中。なんなのか見当もつきません。
- Spotting:敵を認識できる距離。このゲームは1ヘックスが16kmなので、23kmは隣接したヘックスの敵をだいたい認識できることになりますが、隠密性が高いユニットは認識できない場合もあります。
- Precision Spotting:現在調査中ですが、潜水艦を探知する能力でしょう。
- Combat Time:最大量の弾薬を持っているときに何回攻撃できるかを表しています。砲兵は少ないことが多いです。
- Move Range:航続距離。最大量の燃料を持っているときに補給なしでどれだけ移動できるかを表しています。陸上ユニットだと補給があるのであまり意識しなくてもいいですが、航空機や艦船では重要なパラメータです。
- Move Speed:移動速度。自動車化工兵大隊は装輪ユニットなので45km/hと高速ですが、徒歩ユニットだと速くて6km/h、遅いと3km/hくらいになります。
- Max Missile Size:現在調査中ですが、搭載できるミサイルの大きさでしょう。
- Carrier Capacity:空母のみに関係するパラメータで、搭載できる航空ユニット数を表します。
右側中段の12個のアイコン
次に、中段のアイコンが12個並んでいるところ。ここはユニットの戦闘力に関するパラメータが表示されています。これも左上から右に説明します。
- Fortification Attack:調査中ですが、建造物への攻撃力でしょう。
- Soft Attack:非装甲目標に対する攻撃力。
- Hard Attack:装甲目標に対する攻撃力。
- Close Attack:近接戦闘になった際の攻撃力。近接戦闘はジャングルや都市など、見通しの悪い地形で発生します。
- Close Air Attack:低高度目標に対する対空攻撃力。通常の爆撃機が攻撃してくる際に低空まで降りてきますので、そのときの攻撃力と見ていいでしょう。
- Mid Air Attack:中高度目標に対する対空攻撃力。通常の航空機が飛行するのは中高度と考えてよいでしょう。
- High Air Attack:高高度目標に対する対空攻撃力。戦略爆撃機などは高高度を飛行します。
- Surface Attack:水上艦に対する攻撃力。
- Close Defense:近接戦闘になった際の防御力。
- Ground Defense:通常の地上戦になった際の防御力。
- Air Defense:航空機と戦闘になった際の防御力。
- Indirect Defense:砲兵の砲撃や、戦略爆撃機の爆撃など、間接攻撃に対する防御力。
右下のMANUFACTURING DETAILS
ここにはユニットの生産や維持についての情報が表示されています。
- Price / Days to Build:ユニット生産に要する金額と日数。
- Military Goods Needed:ユニット生産に要する軍需物資。
- Annual Maintenance:ユニットを配置している間にかかる年間維持費。
- Uranium Required:ユニットが使用するウラン。通常のユニットではゼロです。
- Year:ユニットの開発基準年。
右下のアイコンは、大臣に自動的にユニットを生産させる際に、この種類のユニットをどの程度生産するかどうかを指示するものです。
キリが悪いですが、少し長くなりすぎてしまうので、今回はここまで。次回もユニットステータスの見方から解説します。
あまりにもキリが悪いので、ユニットステータスの見方を全部入れました。かなり長くなってしまいましたが、ご容赦いただければ……。
コメント
待ってました(笑)
参考にします。
農業メインでここまで成長できるんですね。
WW2の影響ですか?
原油価格もあまり上昇せず、軍需物資はほとんど生産していませんので、WW2の影響で利益を得たかというと、あんまりそういう印象はないですね。
(もちろん戦争で農場が破壊されて戦争当事国の食糧生産が減少したというのはあるかもしれませんが、体感ではわかりません)
単純に利益の出る輸出品目(農産物)の生産を拡大するだけで、急速な経済成長ができるゲームバランスになっているのかなと。
それから、軍備に金をかけずに、国家財政をすべて経済成長につぎ込んだというのも大きいと思います。
ちゃんと軍備を整えようとすると、予想以上に金がかかることがわかりましたので……。
確かに軍は金食い虫ですよね。
WW2開始後から各国が軍備を増やす分、農業需要が高まるのではないかと思ったのですが、どうなんでしょう。
各国が軍備を増強し始める頃になると、国際市場での食糧価格が上昇するというのはあります。
ただそれが軍備を増やしたことによるものなのか、他の要因によるものなのかはハッキリとはわからないですね……。
戦争が始まると世界的にインフレがけっこうなスピードで進んでいくので、実質的にはあまり変化がないということもあり得ます。