パラド社発の宇宙4Xゲーム「Stellaris」の開発日記#57が更新されましたので、その内容をご紹介。今回は種族について。
概要
開発日記#57は、種族について。
- 今回は1.5「バンクス」アップデートとこれと同時に発売される拡張での新たな内容についてだ。インターフェースは最終版ではないことに注意してほしい。
種族の権利(無料の内容)
- これまで、プレイヤーの種族の権利は政策によって管理され、「プレイヤー帝国の創建種族」と「それ以外」に分けられていた。私たちはこの分野に対してもっと細かさが必要で、それによって他種族帝国がより面白くなり、国民の間にさらなる区別を設けることができると感じた。
- そこでバンクスでは、帝国内の種族ごとに個別に権利と義務を定められるようにすることにした。帝国内部の種族に対する権利の設定に加えて、帝国外の種族に対しても権利を設定することができ(例えば、完全な市民権と高い生活水準によって移住を促すことで、帝国に特定の種族を引き寄せることができる)、また特に権利を定めない種族に対して適用されるデフォルトの権利の設定もある。
- 帝国における種族の最も基本的な地位は市民権だ。市民権は種族に与えられる権利と権限を総体的に定めるものだ。自由かそうでないか、国家の政治プロセスに参加できるかどうか、移動の制限、帝国全土で生活する権利があるかどうかだ。権利と義務に加え、市民権はPopの移住先としての魅力にも影響する。完全な市民権を現在持っているPopは権利が制限されてしまう他の帝国へ移住しようとはしないだろうし、二級市民に甘んじているPopはよりよい暮らしが約束されている場所に移住する可能性は高い。
- 完全な市民権:完全な市民権を持つ種族は帝国に完全に統合された人々だ。彼らは民主主義においては投票権を持ち、すべての種類のリーダーにもなれる。彼らに対する人口抑制政策を施行することは禁止されている。
- カースト制度:カースト制度を持つ種族は完全な市民権と奴隷制の混合状態にある。農場や鉱山で働く人々は奴隷化されている一方で、残りの人々には奴隷労働者が生み出した果実を楽しむ自由がある。
- 限定的市民権:限定的市民権を持つ種族は帝国にいることを許容されているが、完全に統合されてはいない人々だ。奴隷化されているわけではないが、投票権や政治家への支持は制限され、人口制限や帝国の中核世界への移住禁止を行うことができる(詳細は以下)。
- 奴隷:この設定が行われた種族は例外なく奴隷化される。彼らはなんの権利もなく、最も劣悪な条件で暮らしている。
- 有害分子:有害分子は帝国に存在することが望ましくないとされる種族だ。粛清政策によって、彼らを駆除の対象とするか、帝国から追い払うかのどちらかを意味する(詳細は以下)。
- 兵役は帝国によってその種族に課せられた軍事的義務だ。これは兵士や士官としての完全な軍務を行わせ、通常はリーダーになることができない種族(例えば限定的市民権によって)であっても、プレイヤーが将軍や提督をその種族から採用できるようにすることもできる。
- 生活水準は国民が経済的にどの程度恵まれているかを表す。例えば、社会保障から恩恵を受けるか、職業に制限があるかなどだ。Popの生活水準が高くなると、より多くの消費財を使うようになり、より幸福になる(消費財については以下)。
- 移住制限はその種族が自由に居住惑星を移動できるかどうかを定める。移住制限は奴隷と粛清中のPopに対しては常に適用される。
- 人口制限はその種族が人口を増やしてよいかを定める。人口制限が課された種族は新たなPopが成長しなくなるが、既に存在するPopsが死ぬことはない。
- 種族ができることを決定するほか、種族の権利は幸福度や消費財のようなほかのさまざまな要素に影響を与える(例えば、奴隷化された場合や人口制限が課された場合、Popは一般的に幸福ではなくなる)。帝国内のさまざまな派閥もまた種族の権利からさまざまな影響を受ける。権威主義のPopはカースト制度を好み、至上主義者の派閥は異種族に対して完全な市民権を認めると幸福ではなくなる。
粛清と奴隷制の種別(有料の内容)
- バンクスアップデートで種族の権利が無料で全員に与えられるのに加えて、有料の内容として特別な粛清・奴隷政策も存在する。これはプレイヤーの帝国が特定の種族に対する奴隷制の形態や粛清に利用する手段について定めることができるものだ。デフォルトの設定(動産としての奴隷制、絶滅政策)は拡張なしでも利用でき、政策による強制移住も可能だが、その他の選択肢は拡張が必要となる。
- 奴隷制の種別は以下のとおり。
- 動産としての奴隷:これは大規模な強制労働を表す。動産としての奴隷は食糧や鉱物の生産にボーナスがつき、エネルギーと科学力の生産にペナルティがつく。また、カースト制度のもとでは鉱物と食糧を生産するPopは奴隷となる。
- 家内奴隷:これはプランテーション奴隷と年季奉公の組み合わせを表す。家内奴隷はいかなる資源の生産に対してもボーナスはつかず、鉱物・エネルギー・科学力の生産に小さなペナルティがあるが、同じ惑星上の奴隷でない市民の幸福度を上昇させる。
- 軍用奴隷:これは強制的な軍の奴隷制を表す。軍用奴隷はどの資源の生産にもボーナスはなく、エネルギー・科学力の生産に中程度のペナルティがあるが、彼らから募った陸上軍はより強力になる。
- 家畜:これはその種族が通常は食糧として処分されることを表す。家畜の生産は一定量の追加の食糧となるが、ほかの資源の生産にはまったく利用できない。
- 粛清の種別は以下のとおり。
- 絶滅:この種族はシステマティックに、とりうるあらゆる手段で殺害される。これは粛清の最も早い手段だが、対象となる種族は殺害が進む間、いかなる資源も生産しない。
- 強制退去:この種族は強制的に移住させられ、家屋を破壊されることで退去させられる。強制退去させられたPopは死に絶えることはないが、他の歓迎してくれる帝国に逃げようとし、植民地化されていない惑星に定住することもある。このプロセスはゆっくりだが、ほかの粛清の方法よりも他の帝国を怒らせる度合いは小さい。
- 強制労働:この種族は収容所に入れられ、不充分な食糧と住まいのもとでひどい環境で厳しい労働を強いられ、事実上死ぬまで働かされる。強制労働を行うPopは絶滅政策よりもゆっくりと死んでいくが、鉱物、食糧、(大きなペナルティはあるが)エネルギーの生産は続けられる。
- 処理:この種族は他の種族の消費に供するために食品として処理される。処理されるPopは一定の食糧を産出し、かなり早いペースで死に絶えるが、ほかの資源は生産しない。
- 去勢:この種族は化学的去勢や生物学的変異を通じて生殖活動を妨げられ、実質的には自然に死滅していく。去勢されたPopは通常の機能を維持するが、高い生活水準を与えても幸福度に大きなペナルティがつく。死に絶える速度は種族の寿命によるが、一般にはとてもゆっくりだ。
消費財(無料の内容)
- バンクスでは鉱物のインフレに対応する。鉱物生産はゲーム中盤~終盤にかけて、特に大きく広がった帝国では雪だるま式に増加していく傾向にある。これに対応するため、消費財という新たな鉱物の消費先を設けた。消費財は国民が必要とするもののために使われる工業的基盤を表現している。すなわち、大砲ではなくバターを生産することだ。
- 帝国内のPopごとに、毎月一定量の消費財を必要とし、その量は主に生活水準に依存する。消費財1単位は志向、伝統、帝国が防衛戦争を行っているかなどに依存して一定量の鉱物を消費する。
難民と中核世界(無料の内容)
- 本日最後に紹介するのは、種族の権利と関係する新たな政策だ。中核世界の人口政策は、Popが中核世界の(セクターでない)惑星に住めるかどうかを定め、これは市民のみ(完全な市民権・カースト制度)、市民と奴隷(完全な市民権・カースト制度・奴隷)、すべての種族のいずれかに設定できる。
- プレイヤーが中核世界に対して制限を設け、そこに居住を禁止された人々がいる場合、彼らはセクターに移住するか、他の帝国が彼らを呼び寄せようとしている場合はもとの帝国を出て行く。Popを奴隷化したり、絶滅政策の対象になることもあるが、影響力のある受容主義の派閥が存在すれば、彼らの出国を手助けする。
- 他の帝国が粛清、奴隷化、強制移住から逃れた人々を受け入れるかどうかは、難民政策に依存する。他の種族を受け入れることを選んで難民となったPopは自由にプレイヤーの帝国内を移動することを許すか、より限定的に、市民権を与えた種族の難民のみを受け入れるか、または単に難民の受け入れをまったくしないか、プレイヤーは選ぶことができる。
質疑応答
Q1:すべての種族を限定的市民権とか奴隷にすることはできるの?
A1:できない。建国した種族は完全な市民権かカースト制度のみ。
Q2:面倒な志向をもったPopを粛清することもできる?
A2:できない。
来週は、軌道上の居住施設について。
次回:開発日記58――居住施設
コメント
・・・家畜!?
キ、キノコ型ならまあ何とか?
過酷な宇宙になってきましたね・・・。
CK2でもカニバリズムが実装されていますし、なんといいますか、パラド社開発スタジオはこういう要素がどうやら好きなんじゃないかという気がしますね……。
“有料の内容”というのはDLCで使用可能になるコンテンツということでしょうか?
そのはずです。