発売日まであと2か月を切った「Hearts of Iron 4」ですが、開発日記#53が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は2Dアートについて。
前回:開発日記#52
2016/4/30 #54へのリンクを追加。
概要
開発日記#53は、2Dアートについて。今回は2DアーティストのSideburnoutこと、Mats Virtanen氏のコメントが載っています。
- HoI4では、まず雰囲気作りをした。そのために、数えきれないほどのドキュメンタリー、戦争映画、「バンド・オブ・ブラザース」のようなドラマシリーズを見たし、他社の第二次大戦のゲームもやった。30~40年代の音楽や戦時ポスターがとても好きで、そこからインスピレーションを得ることもあった。
- アクセシビリティやわかりやすさやその他色々の理由によって、HoI3はちょっとダサかった。そこで、最初の優先事項はこれを変えることだった。EU4の教訓と、今回から加わった海外のUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーにより、HoI3と比べて多くの点が変わった。
- 例えば、フルスクリーンからより小さなウィンドウしたが、これによってマルチプレイ時に必要となる「マップを見続けること」が可能になった。(?)エクセルシートにテキストを記入するのではなく、EU4のようにアイコンとツールチップによる表示にした。(?)少ないクリックで重要な画面に到達したり、マップそれ自体により多くの情報を表示したり、アラートを使ったりと、プレイヤーがより簡単にゲームをプレイでき、ユーザーインターフェースを探しまわることがないように、インターフェースを全般的に合理的なものにしようとした。
- EU4での問題として、高解像度でのウィンドウサイズの問題がある。苦心してメイン画面のより多くの部分に表示できるように作りなおしたが、これによってプレイヤーはより長いリストを見ることができたりするようになった。HoI4では、すべてのメイン画面をタイル状の背景を基礎とすることで解決した。(?)
- もうひとつのHoI3からの変更は、より細かく、より装飾された見た目や雰囲気だ。ウィンドウをザラッとしていて暗い感じにして、より大きく細かいアイコンを出すようにした。アイコンについては、今回は写真を使わないことにしたので、今までに作ったことのない量が必要になった。(?)ゲームは大きくなり続け、技術・アイディア・国家目標などを合わせると1,200以上になる。さらに、420名以上のリーダーのポートレイト、1,600以上のインターフェース用アイコンを作った。
- 上の画像は初期のUIパネルのコンセプトだ。まだ全般的な雰囲気をつかもうとしていた段階だった。
- 歴史的に正確な戦車・装備・リーダーのポートレイトなどを作るときには、多くの参考文献を使うことができた。ありがたいことに、第二次世界大戦で使われた、あるいは使われなかったあらゆる種類の装備の青写真が徹底的に文書化されており、さらにそれをネットで簡単に入手することができる。それでも、コンセプト段階にもいかなかった幻の戦車を描き出すのには時間がかかった。
- ここで、ゲームを作るにあたって、細かく描き込んでいくとテキストが長ったらしくなるという問題にぶち当たったが、それは2DMODのコツをまとめた別のスレッドで応えることにしよう。
2DMOD作成
- 私たちは最初からゲームを今までよりMODフレンドリーにしようと考えていた。そのために、とても役に立つ新しいツールや技術も作った。例えば、私たちは”containerWindowType”という新しいGUIウィンドウタイプを使っているが、これは基本的にタイル状の背景(もちろん変更できる)を使い、古いウィンドウタイプよりもずっといいものとなっている。このGUI要素のタイプでは、ピクセルも、画面に対する%も使える。またタイル状の背景をオーバーレイすることもできるし、アイコンをタイルの中央に配置することなどもできる。さらにコンテナウィンドウの中にコンテナウィンドウを作ることも可能だ。ゲーム中で使えるタイル状の背景やオーバーレイの詰め合わせもある。
- もうひとつの気の利いたものがグリッドボックスで、ダサいリスト型とはオサラバできる。グリッドボックスはコンテナタイプウィンドウと結びついており、グリッドボックスのように機能する。サイズをピクセルや親ウィンドウに対する%で設定できたり、垂直、あるいは水平に表示されるエントリーの最大値を設定できたりする。(?)もちろんコンテナウィンドウは自動的にスクロールバーを使う。
- 国特有のすべての装備は国家タグがついており、装備名の前に国家タグをつけることで簡単に追加することができ、ゲームでは自動的に関連する技術ツリーや装備のアイコンが使われるすべてのところでアイコンが置き換わる。
- リーダーの場合はスクリプトファイルからリーダーが使うアセットのパスを変更する必要がある。その国家が新たなリーダーを生成したときに使う汎用のポートレイトを追加することもできる。ファイルはcommonフォルダの中のportraitsフォルダに入っている。もうGUIファイルを探し回る必要はなく、オブジェクトを[Shift]+[Alt]+右クリックで小さなポップアップに開き、直接GUIに配置することができる。
- GUIに関する最大の変更点はインターフェースが自動的にリロードされる点で、以前のゲームのように手動でリロードする必要がない。
- これは外交勝利のMODを簡単に作る方法だ。”guibounds”というツールを使ってカーソルを合わせている要素の範囲を表示させている。[Shift]+[Alt]+右クリックでポップアップを表示させ、正しいGUIの線に直接変更している。ウィンドウのリサイズ、要素の装飾、エントリーが完了したら、サイズを固定し、新しいアートや写真を作ってゲーム中のアセットに入れて見栄えをよくする必要があるが、ゲーム中から持ってきてもいいだろう。
開発日記の最後には壁紙(トップ画像のものも含む)が掲載されています。
次回:開発日記#54
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