「Crusader Kings III」開発日記#122が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は摂政について。「Elegance of the Empire」については省略しています。1.8リリース後の開発日記です。
開発日記
開発日記#122は、摂政について。
摂政
- 摂政は非常に重要な人物で、領地を持たない女性が家族の代わりに力を振るう手段でもあり、大きな権力と権威を持つ一方でその基盤は不安定だった。私たちは摂政の地位の重要性を表現するため、興味深い障害をもたらそうとした。また、権力を行使したり乱用したりする機会を作りたかった。ここで念頭に置いたのは以下のようなプレイヤーのファンタジーだ。
- 権力に貪欲な策略家の摂政
- 王に全力で奉仕する忠実な摂政
- 上前をはねる放任型の摂政
- 摂政制は摂政にとってさまざまなやりとりや遊び方があることで楽しく、主君にとってもそれほど懲罰的でなく楽しいものであり、摂政が繁栄して権力を固める十分な時間があればより深刻なものになり得るである必要があった。
Scales of Power
- ゲーム内では摂政と主君の間の綱引きを「Scales of Power」で表現している。このバーが低いと摂政はより名目的なものに、高いとより実質的なものになり、バーにはレベルごとにさまざまな行動や効果がアンロックされる。一般にレベルが上がるにつれて主君の権力と同じようなことができるようになるが、本来なら無料でできる行動に威信コストが加わる。
- 主君と摂政には、このバーに影響を与えるためにさまざまな通貨(資金・威信・piety)を交換して人々を自分に従わせる行動がある。
- Scales of Powerには自然に止まるポイントがあり、時間の経過とともにゆっくりとそこに向かうが、このポイントの位置は状況により、例えば主君が大人になったばかりで尊大な摂政を除こうとしている場合、静止点は大きく主君側に有利になる。
MandatesとStrife
- Mandatesは主君が摂政に課す任務で、摂政には委任されたことに関するイベントが発生し、忠実に奉仕するか、主君と利益を分け合うか(あるいは完全に盗むか)、与えられた仕事を無視するかの選択肢が一般に与えられる。利益の分配は短期的なボーナスをもたらし、仕事放棄はコストや課題を心配する必要がなく、奉仕は一般に自身が身を切ることで勢力内の封臣とのつながりを強化する。利己的な摂政でもある程度は主君の役に立ち、Scales of Powerは少しずつ摂政の側に傾く。
- Strifeは封臣のプレイヤーに対する評価に影響するもので、摂政がその地位を乱用するたびに増加する。
二人のための玉座
- 一般的に摂政を立てるのはなんらかの事情で自分の領地を離れるときだ。ここで自分の領地とは自分と自分の封臣が持っている領地を指す。摂政はScales of Powerがどれほど自分に傾いているかによって、横領したり、宿敵である封臣を投獄したり、称号を捏造したりとさまざまなことができる。主君が戻るのを邪魔されたり、他の勢力に領地への帰還を止められるなどして長く領地を離れていると、摂政に権力を固める時間を与えてしまい、Scales of Powerが十分高まれば摂政は自分の地位を確立できるようになる。
Entrenched Regencies
- 摂政の立場が確立されると、主君を含めた誰もが摂政に強大な権力があることを認めざるを得なくなる。Scales of Powerは中程度に下がるが、摂政は自分が主君であるかのように行動できるようになり、主君はそれまで無料だった行動に威信コストを支払うようになる。
- 子供や無能力なキャラクターのために摂政が立てられた場合、その摂政は長期にわたって摂政であり続けることをわかっているため、そうした場合は即座にentrenched regencyになる。
Borrowed Powers
- 摂政がScales of Powerでアンロックされる行動のうち、通常は主君のみが行使できる権限、摂政が封臣としての立場と主君の権力の執行者としての立場の2つを利用すること、主君が持っている信頼を利用することなどを、私たちはBorrowed Powersとして大まかにグループ化している。しかし主君は最終的な権力の源泉であるため、重大な行動の多くは主君を通す必要があり、主君は十分な威信があればここで摂政の権力濫用を拒絶する機会がある。また、主君が受け入れても対象者が拒否した場合、摂政は一般に戦争で認めさせるか、対象者に犯罪的理由を発生させて懲罰として譲歩させるかを選ぶ。こうした理由は、摂政の行動に主君が代理権を与えることで摂政の行動が妨げられないようにすると同時に、封臣に政治的脅迫に屈するか、それとも対抗するかという厳しい選択をさせることにある。
摂政による称号剥奪
- 摂政のもっとも強力な武器は封臣の称号を剥奪することだ。主君は当然拒否できるが、摂政にとってさらに重要なハードルは対象を選択するために摂政も請求権を持っていなければならないということだ。摂政による称号剥奪はentrenched regencyでScales of Powerが中程度にある場合にのみ使用できる。
Legal Meddling
- 摂政はlearningを使うか威信を消費して、封臣の伯爵領に請求権を得ることができる。learningの使用は無料だが、威信の消費は2段階あり、50:50に賭けるものと大量に消費して自動的に請求権を得るものがある。
摂政によるRetract Vassal
- Scales of Powerがもっと高まると、摂政は封臣をretractできるようになり、封臣を事実上自分のものにできる。
摂政による投獄
- 摂政は主君の勢力内にいる人物を投獄でき、これには封臣、封臣の廷臣、客人も含まれる。
Shift Privileges
- Legal Meddlingと同じく、威信を消費するか外交スキルで多額の資金とstrifeを得ることができる。対象の封臣は恨みを持つと同時に、強力なマイナスの伯爵領補正を得る。
Syphon Treasury
- 横領にはstewardshipが関連し、一度に盗む額が多いほど難易度が上がり、主君に適用される補正も悪いものになる。stewardshipの低いキャラクターは主君の領地に明示的なマイナスの伯爵領補正をつけるが、中程度なら複数の領地のcontrolを大量に吸い上げ、優れている場合は複数の伯爵領から少量の開発度を盗み出す。
- 横領したキャラクターには秘密が生成され、横領が発覚した場合は主君に返還を命じられることがある。
Subsidise Liege Authority
- 主君に権力がなければ摂政がそれを借りることはできないため、権力に貪欲な摂政は集権化を目指す主君を支援し、威信を支払ってCrown Authorityを強化できる。
Own Vassal Contract
- 少しでも威厳のある摂政は自身の封臣契約に対する権限がある程度あり、ちょっとした変更に副署するのはわけないことだ。
摂政制の終了
- 通常の摂政は旅から戻れば自動的に解任され、他国の牢獄から釈放された場合などでは手動で解任できるが、Entrenched regenciesで摂政を解任するのは簡単ではない。Scales of Powerの最上位レベルでは解任できず、主君は支配権を取り戻すために思い切った行動を取らなければならない。
- これより下のレベルでは、主君が摂政に贈り物をすることで退任を早めることができる。摂政によって好む贈り物は変わり、なにもなくても満足することもあるが、彼らが断っても単に避けられない事態が遅れるだけだ。主君が勢力内に権威を行使しようとする行為は摂政の支配を大きく弱体化させることで、Scales of Powerを摂政から不利なほうに寄せる。
- 摂政が慎重でなければ摂政は最終的に抵抗する力を失い、なにも得られなくなる。
クーデター
- クーデターにはScales of Powerをほぼ最大にする必要がある。これによってすべてのコンテンツが利用可能になり、初期段階であっても主君に対する強力な反撃手段を得られる。
- 最後のレベルに達すると摂政は勢力内の有力封臣に接触して、支援の見返りにさまざまな約束が行える。クーデターには勢力内の有力封臣の過半数の支持を得る必要がある。
- AIの摂政は要件の多くが同じだが、人間レベルの管理なしに実際に奇妙なクーデターを成功させるために要件が少し削られ、強制的に通常より少し活発にさせられている。共謀者が集まったらディシジョンを実行する。
- 摂政は条件を満たした上でどのようなクーデターを行うか、diplomacy・intrigue・prowessから選択する。選んだスキルは主君のスキルと比較され、また主君がどの評議員に助力を頼めるかを決める。もちろんその評議員が陰謀に加担していないことが前提になる。
- 主君が降伏した場合は領地が没収されるが、生命と自由は保証される。主君が摂政に対抗した場合、負ければ投獄されるか殺害されるが、裏切り者の手を逃れることもある。適当な評議員や宮廷の役職者がいれば、代理人として摂政と戦わせることもできる。摂政が負ければ投獄されるか処刑される。
- クーデターが成功すると、摂政は主君が持っていたすべての最上位称号、勢力の首都、首都の公爵領(可能なら)を獲得し、主君が皇帝であった場合は勢力内でもっとも実際の土地が多い王号(例えば神聖ローマ帝国ならドイツ)も手に入れる。
Loyalty
- 摂政は特別なloyaltyの値を持ち、これは特性・関係・文化の伝統・評価・特定の宮廷の役職に影響を受ける。loyaltyの高い摂政は主君の利益になるような選択肢を選び、求められれば喜んで権力を放棄する。
- loyaltyの低い摂政は利己的で、Borrowed Powersを自由に使い、Scales of Powerを動かし、クーデターを真剣に考える。
- その中間の摂政は状況に応じて変わり、時にはBorrowed Powersを使い、Scales of Powerを動かす。
継承
- 摂政には明確な後継者がなく、次の摂政はさまざまな要素で決まるが、継承はある種の社会的な近接性を計算する。特に近親者が一般的に上位となるが、宮廷の種類に関連したスキルや話せる言語も重視され、主君の言語を話せないキャラクターは大きく順位を下げる。もっとも高いスコアを得た者が次の摂政になる。
指名
- 主君は権力共有画面の行動で将来の摂政を指名できるが、より順位の高い人々はこれを喜ばないだろう。
- lowbornの人物は忠義に篤いかもしれないが、勢力内の誰もが快く思うわけではないだろう。私生児である兄弟も適切ではない。
- 将来の正式な摂政を指名すべき理由として、継承が挙げられる。未成年の後継者と指名された忠実な摂政を遺して亡くなった場合、後継者は摂政から強力なフックを得る(21歳の誕生日に失効)。
封臣として摂政になる
- 封臣は摂政になることを積極的に求めることもできる。継承スコアを挙げるほか、キャラクターに対する行動で直接主君に指名を求めることができる。
- 摂政が権力を握っている間は主君が摂政を指名できないが、策略「Overthrow Regent」で摂政に対して事実上のクーデターを行い、自分が後釜に座ることができる。失敗すれば当然投獄されるが、成功しても主君の命に反することであり、犯罪であり続ける。主君がその摂政を投獄するかは主君とその摂政の関係による。
Power Sharing補正
- 一般的に摂政は仕事が増えることでストレスが増える一方、主君はentrenched regenciesでなければストレスが低下する。またentrenched regenciesでは主君は摂政のstewardshipに応じて追加の領地上限を獲得できる。
Modでの改造に関する部分は省略します。
まとめ
- 摂政は「Tours & Tournaments」と同時にリリースされる無料アップデートの内容だ。これは旅機能の中核となるものなので、今後もタイトルの中核機能となることを意図している。
「Elegance of the Empire」については省略します。どのような歴史上のものを参考にしたかが述べられています。
また、最後にCK3の開発ロードマップが掲載されていますが、これについてはこちらの記事をご覧ください。
来週はトーナメントについて。
コメント
幼君が成人前に“何故か”“不幸にも”逝去し続ける事態が続き、外戚として権勢を振るい続けることが可能に…!?
移動宮廷といい政争の強化といい今回のDLCは期待持てそうやなあ
「わるいだいじん」プレイがすっごく捗りそう
CK2の時にうっかり無能者になって、良くわからん奴が摂政になって領土好き勝手に配られた記憶ある。
まあそいつが突然死して親族が摂政になったので粛清タイム始めて解決したがw