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「Victoria 3」開発日記#75――外交の改善

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#75が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は外交の改善について。1.2リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#74――UXの改善


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開発日記

開発日記#75は、外交の改善について。

  • この記事に書かれていることは既に試せるようになっているか、今後数週間で行われるオープンベータのアップデートに含まれる。今回は外交の変更について、特に新機能とAIに着目する。

日本幕府から単純に北海道を横取りすることはできなくなった。というのは、日本幕府は北海道島のアイヌ支配地域に対して請求権を持ってスタートするためだ。

  • 最初の改善は植民地請求権(Colonial Claims)だ。これは植民地化に関する変更で、非史実の馬鹿げたことの一部を防ぐためのものだ。非史実の馬鹿げたことというのは、例えば日本が北海道を獲得する前に殺到したり、アメリカがティエラ・デル・フエゴに進出したりするようなことだ。非常に簡単に言えば、これは一部の国家が分権的国家(Decentralized Nations)の領有するステートに対して請求権を持った状態でスタートし、請求権を持つ国家がそこに関心を持ち続けている間は請求権を持っていないすべての国家がそのステートに植民地化できなくなるということだ。
  • 例えば、1.2でハドソン湾会社はアルバータに対して請求権を持っているが、アメリカ合衆国は持っていない。つまりアメリカはまずハドソン湾会社に戦争目標「請求権の剥奪」を使って請求権を剥奪しなければ、カナダの植民地化を行えない。同様に、チリとアルゼンチンはパタゴニアの一部で重複する領有権を持っており、これについて両国が競争することはあるが、ラテンアメリカに野心を抱くベルギーに奪われることはない。
  • 1.2では外交戦(Diplomatic Plays)「先住民の蜂起」の仕組みが改善された。1.1.2では、先住民の蜂起を鎮圧した入植国家は分権的国家全体を併合し、おかしなペース配分とバランスの問題につながっていた。これは入植国家が鎮圧された先住民との間で特別な「入植権」をもたらす外交協定を結ぶように変更され、この協定は停戦期間中継続する。この期間中は植民地化速度が倍になり、その分権的国家からさらなる蜂起は発生しなくなる。

主要な要求を拡大するためのコストは戦争目標のコストと完全に結びついているため、小さく人口の少ないユタを得ようとする場合はかなり低い。

  • 次は外交戦の変更で、国家は外交戦において主要な要求(Primary Demands)を拡大できるようになった。リリース以来繰り返し指摘されてきた問題として、プレイヤーが十分強くなるとAIはプレイヤーに対する外交戦で譲歩するようになるが、このとき一度にひとつの戦争目標を譲歩するだけで、次の要求ができるようになるまでに5年間の休戦期間ができていた。これは譲歩する理由があるべきだという設計原則には合致するが、あまりにもイライラさせられることがあるし、アメリカのAIもメキシコから一度に1ステートしか獲得できず、西海岸に到達するのに苦労していた。
  • これに直接対処すると同時に、戦争でチャンスを得るのが常に最善ではないようにするため、主要な要求(最初に追加された戦争目標で、譲歩すると強制されるもの)を複数にして相手が譲歩したときにすべてが強制されるようにし、副次的要求(Secondary Demands)は戦争になった場合にのみ関連するようにした。今はどちらの側も最初に追加される戦争目標は常に主要な要求だが、さらに主要な要求を追加する方法がある。
  • 第一に、他国を味方につけるための懐柔(Swaying)で追加された、主要な敵国(あるいはその従属国)を標的とするすべての戦争目標は、自動的に主要な要求になる。つまり、フランスに対して外交戦を開始し、フランスがスペインに支持されている場合、自国がフランスを標的とする戦争目標で懐柔した相手国は主要な要求としてその戦争目標を追加するが、スペインを標的とする戦争目標は副次的要求となる。AIはこのことを理解しており、主要な要求をより高く評価する。というのは、実際に約束されたものを受け取れる可能性がずっと高いためだ。
  • 第二に、自国が追加した戦争目標も、主要な敵国(あるいはその従属国)を標的とする場合は主要な要求となる。しかしこれは懐柔による主要な要求の追加より「正当性に欠ける」とみなされ、戦争目標を追加するコストに比例して策略値(maneuvers)を消費し、悪名が発生する。つまり、自国のために主要な要求を追加することは、さらなる戦争目標の追加や他国を味方につけるための懐柔と引き換えに行われる。AIもプレイヤーが主要な要求を積み上げる場合は譲歩する可能性が下がるように調整している。これはある時点で要求の理不尽さが戦わざるを得ないほど高まるためだ。

清の陸軍が巨大なので軍の規模に対する死傷者の数はほぼ同じだが、イギリスは戦場で勝利を重ねているために戦争支持の低下がずっと遅い。

  • 最後に、講和に関するAIと戦争疲弊度(War Exhaustion)について。この2つは1.2で多くの改善が行われているが、そのほとんどはまだオープンベータに反映されていない。戦争疲弊度は国家の戦争支持が-100まで低下する速度で、戦争支持が-100に達すると国家は強制的に降伏する。1.1.2では戦争疲弊度の主な源泉は領土、特に戦争目標と首都の占領で、これが激しい非難を浴びている「ベルリンに上陸作戦をするだけ」という最適解プレイにつながっている。
  • 1.2でも占領による戦争疲弊度上昇はあるが、戦争目標や首都の占領による増加量は引き下げられ、他の領土の占領による戦争疲弊度上昇は線形に増加するものではなくなり、国家の完全占領に近づくにつれて急速に増加する。敵に完全に支配されたモデナはすぐに降伏するだろうし、カフカスのステートをいくつか占領されただけのロシアはほとんど影響を受けないだろう。
  • 戦争疲弊度の主な源泉は死傷者戦闘の敗北に変わり、死傷者による戦争疲弊度上昇は国家が利用可能な人的資源合計に対して変動するようになった。つまり、2か国の総人口が同じであったとしても、1万人の陸軍は5,000人の死傷者によって受ける影響が10万人の陸軍より大きい。利用可能な人的資源には正規の大隊は(動員されているか否かにかかわらず)すべて算入され、徴兵された兵士は実際に召集されたときに算入される。つまり、より多くの兵士を召集すれば戦争疲弊度に直接影響を与えられる。
  • さらに、死傷者による戦争疲弊度上昇は自国側が敗北した戦闘の割合(戦闘の規模に比例するため、5大隊対1大隊の戦闘より100大隊対100大隊の戦闘を重くカウントする)によって変動するようになった。これは戦闘に勝ち続ける国家は負け続ける国家よりはるかに多くの損失を吸収でき、戦場での勝利が戦争全体の勝利により直接的な役割を果たすことを意味する。

清は相当な譲歩をしているが、イギリスのAIはこの講和交渉を拒否するだろう。というのは、イギリスは清を降伏させてほしいものすべてを手に入れられると考えているからだ。

  • 講和交渉のAIも更新し、中核となるロジックを書き換えることで公平な講和交渉をまとめる能力が高まり、講和内容が受け入れられるかを判断するときにより多角的に検討するようにもなった。
  • 第一に、「達成可能な戦争目標」という新要素を追加した。これは講和交渉が不成立となった場合に相手が降伏して戦争目標を得られる可能性が高いかどうかをAIが検討するものだ。このような戦争目標をAIが持っている場合、そうした戦争目標が講和内容に含まれない限りは講和にはるかに消極的になり、同時に戦争が続けばいずれ失う戦争目標を敵に要求されたときはそれを受け入れる可能性が高まる。
  • 第二に、AIは講和についてより多くの要素(両陣営の相対的な軍事力など)を考慮するようになり、その他の要素も調整された。例えばAIの金準備の規模は以前ほど重視しなくなった。
  • 以上は1.2での外交の改善に関する網羅的なリストではない。今後のオープンベータアップデートではまだ多くの改善を予定しており、特に外交AIをよりそれらしく振る舞うようにし、重要な同盟国により忠実になるが、詳細は後日述べる。

来週はパフォーマンスの改善について。

次回:開発日記#76――パフォーマンス

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コメント

  1. ようやく国境が綺麗になるのか

  2. これは良い変更。

  3. 植民関連は距離の概念が無い今作ではこうするしかないのかな

  4. こういういい調整をどんどんして欲しいね

  5. 戦争疲弊度の仕組みが変わることでアヘン戦争はどうなるかな

  6. アヘン戦争で火事場泥棒して北京割譲させたり
    北海道樺太がぐちゃぐちゃになったり
    日露戦争でアラスカ占領して認識変えさせたり
    といった今までの定番プレイがガラッと変わるな

  7. 首都占領の評価が落ちるのは義和団事件の解決とか考えるとあれだけどメタ的にしょうがないか
    首都落とさないとにっちもいかないよりはいいのかな

  8. かなり別ゲーになる予感がする
    色々と変わりそうで当然セーブデータも共有できないのだろうし、今やってるゲームは最後まで走って終わらせておく必要があるね
    楽しみだけど、時間が無いよ!w

  9. いよいよ有料ベータから進みだした感がある

  10. 植民地の請求権もそれはそれでどうかなと
    日本で蝦夷開放してプレイしても北海道植民できなくてバグかと思った

  11. ロシアが北海道に植民するってのは歴史のifとしてあり得たことだろうし、絶対にダメってことじゃない
    日本に絶対に植民しないことがおかしいのであって
    日本AIが植民しないのは1.2でも相変わらずで、請求権だけ持った日本が放置し続けるせいで
    北海道はずっと白いままという

    • 訂正 ×日本に絶対に植民しない 〇日本が絶対に植民しない

  12. 北海道がこの状況なら南米とニューギニアは入植できないね、入植が固定されてほぼ史実通りになりそう

    • まあアフリカは空白の地だろうしセーフセーフ

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