「Europa Universalis IV」開発日記2022年12月20日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はユニット能力のバランス調整について。1.35リリース前の開発日記です。
前回:開発日記2022年12月13日――1.35のロードマップ
開発日記
開発日記2022年12月20日分は、ユニット能力のバランス調整について。
- 今回取り上げるユニットの能力(Unit Pips)のバランス調整はこの開発日記に寄せられたフィードバックも考慮して今後テストされるものだ。異なる技術グループ間のユニットの能力はEU4リリース以来ほとんど変更が行われておらず、1.34アップデートで戦闘における計算の変更を行ったので、今がバランス調整を行ういい機会だと考えた。
- まずユニットの能力が戦闘でどのように機能するのか簡単に述べておく。戦闘の各フェーズにおいて、戦力ダメージ(Strength Damage)はユニットの攻撃ダメージ能力(Offensive Damage Pips)に応じて与えられ、士気ダメージ(Morale Damage)は攻撃ダメージ能力と攻撃士気能力(Offensive Morale Pips)に応じて与えられる。防御はユニットの防御能力(Defensive Pips)に応じて同様に機能するが、さらに後列ユニットの防御能力の半分(端数切り捨て)が加算される。つまり、特に歩兵では、ゲームを通じて能力値の優先順位がShockフェーズで強くあることから防御能力に特化して射撃(Fire)フェーズで強くあることに移っていくということだ。
- 今回のユニット能力のバランス調整では、その技術レベルで明らかに強いまたは弱い異常値を持つ歩兵ユニットと、最初の技術以降に砲兵ユニットのさらなる選択肢を導入することに主に注目したいと考えている。
- いつものように、以下は最終的な数字ではなく、パッチリリースまでに変更される可能性がある。
- アボリジニとポリネシアのユニットに関する変更として、アメリカやアフリカのユニットグループに合わせて能力値の総数を引き下げた。この変更で他のユニットと比較して突出して強くはないが、強さをある程度保っている。
- この変更は他のグループにも影響するため、そちらも同時に調整する必要がある。アナトリアグループは序盤のユニットに攻撃士気ダメージ値があるという非常に大きな優位性を持っている。私たちは技術5と9(注:上の画像では10と書いてあるが……)のユニットでこれを調整した。残念ながらこれはイスラム教ユニットグループに影響し、この時点でイスラム教ユニットグループがアナトリアグループに対して有利になることはないはずであり、さらにインドのユニットにも影響する。そのため、そちらも調整しなければならなかった。
- アナトリアグループは技術12で能力値の大きなスパイクを維持し、周囲のグループにとって脅威となるようにした。こうしたユニットは技術18まで残るため、新たなユニットを得るのは他のグループより大幅に遅れる。
- イスラム教グループでは他のグループとは無関係に変更された部分がある。技術23のユニットは攻撃・防御射撃能力(Fire Pips)が非常に貧弱で、これを埋め合わせるために高い士気・Shock能力を持っていたが、ゲーム終盤の射撃フェーズの重要性を考慮し、防御Shock能力と引き換えに防御射撃能力を強化した。
- 中国グループのユニットには技術19で攻撃士気能力3に加えて射撃能力で攻撃3・防御3を持つ突出したものがあった。このユニットの欠点はその後継ユニットが他のグループより遅れて技術25で使用可能になることだ(注:上の画像では26と書いてあるが……)。近隣のほとんどのグループに対して有利であるため、攻撃士気能力を1下げて解決とした。
- 同じ技術レベルの遊牧民グループには優秀ではないものの堅実な歩兵ユニットがあり、遊牧民の軍事的衰退というテーマにより適合するように少しだけ弱体化を行った。
- アフリカグループ(中央、東、西アフリカを含む)は能力値を少しばかり見直し、技術30の最後のユニットでこれまでのバージョン以上に実質的なアップグレードが行われる。
- 最後にHigh Americanグループでは、技術18のユニットで少し能力値を増やした。これまではこのユニットの能力値合計はその前のユニットレベルと同じだった。
- 砲兵については、ユニットごとにより防御に重点を置いたもうひとつのユニットを導入した。こうした砲兵は攻撃射撃・士気能力を犠牲にして防御能力の半分を前列に加算する。また技術13では選択肢のひとつを防御型にするという調整も行った。
- 新たなタイプの砲兵について私たちは各レベルの「防御」バージョンと名付けているが、これはプレースホルダーであって確定ではなく、それぞれのユニットの名称について提案を受け付けている。
来年の開発日記は1月10日再開とのこと。
2023年1月13日追記:2023年の開発日記再開は1月17日にずれ込むとのこと。
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