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「Stellaris」開発日記#231――水生種族のポートレートとアート

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#231が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は水生種族のポートレートとアートについて。「Aquatics Species Pack」リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#230――水生種族の艦船とドレイクのアート


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開発日記

開発日記#231は、水生種族のポートレートとアートについて。

物語の探求

  • 新たな種族を作るときはまずその種族のテーマ、ストーリー、物語を検討する。既存の動物に触発されたキャラクターを作る場合も、その動物がなぜそのような姿をしているのか、どのような特徴があるのかを考える。これによってどんな要素がなぜそのように見えるかを理解しやすくなり、そうしたことを異星種族を作るインスピレーションとして利用できる。
  • 例えば、私たちはインスピレーションの源泉として深海を研究した。深海の生物に共通する特徴やそれがもたらす感情を検討することで、強力な物語を作ることができる。私たちは常にさまざまな物語やインスピレーションの源泉を探していて、そうしたものを使ってユニークなキャラクターを作り出している。

ビジュアルでストーリーを伝える

  • 私たちは常に全体のテーマに忠実であり続けるのと同時に、それぞれのキャラクターが独自のストーリーを持ち、視覚的な表現でさまざまな感情を伝えられるようにすることにも力を注いでいる。キャラクターのデザイン、形状、シルエットを少し変えるだけでまったく異なる感情や特徴を伝えることができる。

  • 姿勢、シルエット、形状がどのように異なる感情を伝えるかを考える例として、新たな種族の作成過程を見てみよう。これは甲殻類をモチーフにした新種族を検討しているものだ。ご覧のとおり、さまざまな感情を表現するためにさまざまなポーズやシルエットを使っている。これには種族の作成過程の最初に、キャラクターに表現させたい感情やストーリーに合わせた一貫した視覚言語を作るのが重要だ。
  • アーティストは種族の物語と方向性が定まった後、より明確なコンセプトをスケッチする。

2021年12月26日追記:上の画像の「C6」がスレッドで人気となったことを受けて、このポートレートを実装する公式Mod「Stellaris C6 Mod」が公開されました。

コンセプトづくり

  • コンセプト作成の段階ではさまざまな方向性を検討し、その後適切なビジュアルとストーリーを伝えるデザインを決める。例を見ていこう。

  • この画像はイカのような種族を検討したものだ。前述のように、まずキャラクターの基礎となる物語や感情を決める。このSquidbertでは「謎めいている」「友好的」「きわめて知的」という3つの感情を伝えようとしている。最終的なデザインを決定する前に複数の方向性が検討される。私たちのアーティストはこの種族が前述の物語を伝える手段を考えることについて、素晴らしい仕事をした。

レンダリング

  • 最終的なデザインができたらレンダリングを行い、デザインにさらに値やディテールを追加していく。この段階ではアーティストは光と影を調整し、より詳細な素材を追加する。水生機械種族のポートレートを例に、最終的なコンセプトデザインがどのようなものか、レンダリングプロセスの最初のステップを経た後にどのようになるのかを見ていこう。

  • 左は最終的なデザイン、右はレンダリングしたバージョンで、光と影、素材について多くのディテールが追加されている。

着色とリファイン

  • その後、アーティストがレンダリングをリファインし、カラーバリエーションを追加する必要がある。私たちのアーティストはどのような色を使用するかについて非常に慎重に検討する。全体のテーマに合っており、物語に関連するものでなければならない。種族のデザインには最初から最後まですべてのステップを貫く物語の糸が必要で、カラーバリエーションはそこで重要な役割を果たす。
  • 素晴らしい才能を持つアーティストたちが長い時間をかけて色に磨きをかけている。彼らはインスピレーションの主要な源泉として海にある色や素材を使い、カラーバリエーションも全体のテーマに合わせたものにしている。

  • この後、アーティストはさらに時間をかけてレンダリングをリファインし、ゲーム内での見栄えを確認する。今回の日記で紹介したポートレートの最終的なゲーム内バージョンはこのとおりだ。

ポートレートとアニメーション

  • ポートレートはこのような形でアニメーション担当に回ってくる。元のコンセプトの切り開いたバージョンで、これをペーパードールと呼んでいる。ポートレートにアニメーションをつけるにはポートレートを小さなピースに切り分け、個々のメッシュにする必要がある。次に、キャラクターが見栄えよく変形するようにトポロジーを追加する。

メッシュの配置、ジョイントの配置、コントロールの追加

  • 次のステップではキャラクターを再び完全なものとするためにメッシュを配置する。次に、スケルトンを追加する。キャラクターをできるだけいきいきさせるため、キャラクターを曲げたり、変形させたい場所にジョイントを配置する。スキニングの前にはすべてのジョイントにコントロールを配置する。コントロールを追加してジョイントに固定することでキーフレームを設定するためのまっさらな状態を用意できる。コントロールを追加した後、メッシュをジョイントにスキニングするとリグが完成する。
  • 水生種族のポートレートにアニメーションをつけるとき、キャラクターが水中にいるような感覚を表現したいと思った。ゆっくりとした流れのある動きを多く追加し、水中で動く布のビデオやたくさんの魚のビデオなど、素晴らしい参考資料を調査した。ポートレートではキャラクターが切り替えられるアイドリングモーションを3-5個作る。これは動きが反復的になりすぎないようにするためであり、より反応がよかったり動きの多いアイドリングモーションを作る機会でもある。

2Dアート

  • ここではイベント画像をどのように作っているか、大まかなプロセスを述べる。まずアーティストはイベント画像が伝えようとしているストーリーの簡単な概要を渡される。今回のケースでは新たな水生宇宙ドラゴンが出てくる。

  • 最初のステップは簡単な構図のスケッチをたくさん描くことだ。イラストの基本的なレイアウトや、主要な形や値がどこに配置されているかなどを把握できる。大抵の場合、こうした繰り返しの中から最良のものを選ぶ。

  • 次のステップはイラストを描くことだ。この作業に時間をかけることで以降のステップの描画に大きく役立つ。今回は幸いなことにコンセプトアーティストや3Dアーティストが提供してくれた多くの参考資料があった。

  • 第三のステップでは白黒のレンダリングを行う。これは形状や光と影の領域を肉付けするためのものだ。これを「occlusion pass」と呼ぶアーティストもいる。

  • 第四のステップはこのocclusion passの上に色を割り当てていく。ここでは美しい色の構成や互いを引き立てる色を見つけることに時間をかける。この例ではドラゴンの青と緑が背景の赤と紫を引き立てている。

  • 最後の第五のステップはもっとも時間がかかる。この段階ではディテール、エフェクト、主な光を追加してリファインする。これまでのステップとは大きく異なるように見えるが、これまでのステップはこの段階にスムーズに移行するためには非常に重要だ。最後のステップでは値や色を調整してイラストをより魅力的なものにする。

次回:開発日記#232――3.2のバランス変更とパフォーマンスの改善

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