「Crusader Kings III」開発日記#49――冷たい抱擁

「Crusader Kings III」開発日記#49が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は冬について。1.3パッチリリース前の開発日記です。

前回：開発日記#46――1.2.2パッチノート

#47・#48については前回の記事をご覧ください。

開発日記

開発日記#49は、冬について。

• 本題に入る前に、まずみなさんは次のDLCコンテンツについてのニュースを待ち望んでいると思うが、まだその話を始める準備ができていない。しかしそんなに長く待つ必要はない。忍耐は美徳と言われるが、それよりもこれをお知らせしておくほうがいいだろう。
• 今後数週間の開発日記では次のメジャーアップデートである1.3の内容について述べる。いつものように、1.3は次のDLCと同時にリリースされる予定だ。

冬の到来

• CK3に冬が導入され、既に厳しい中世世界がさらに過酷なものになる！　冬が近づくにつれてマップは徐々に雪に覆われていき、凍てつく寒さがはっきりとわかるようになる。システム自体はかなり柔軟で、冬が来るべき地方とそうでない地方を設定できるため、非常に自由度の高いコントロールが可能だ。冬はマップの最北端だけに限らず、ペルシャの山地やチベット高原のなどでも雪が降るはずだ。
• 冬の導入はゲームプレイでも考慮される。冬には穏やか（mild）・通常（normal）・厳しい（harsh）の3つのバリエーションがある。穏やかな冬と通常の冬は中央ヨーロッパと南ヨーロッパの一部で一般的で、厳しい冬はまれだが発生する可能性がある。サーミ、モンゴル、ヒマラヤなどでは厳しい冬が当たり前になると予想して、それに応じた計画を立てることになる。
• 私たちはどの男爵領にどの程度の冬が来ているか一目でわかるようにしたいと考えた。雪の量は冬のレベルが高いほど多くなる。穏やかな冬は緑の部分がはっきりと見えるのでわかりやすい。対照的に、厳しい冬はほとんどの場合でプロヴィンス全体が雪で覆われる。
• 冬の厳しさにもよるが、軍隊は時間の経過とともに補給物資を失い始める。厳しい冬は冬は毎月より多くの補給物資を失うことを意味し、これによって冬期に長期間にわたって補給物資の限界を超えるのは危険になる。また、厳しい冬は軍隊が戦闘中により多くの死傷者を出す。

• 冬は常備軍（Men-at-Arms）にも影響する。騎兵ユニットは通常の冬と厳しい冬ではパフォーマンスが低下する。特に重騎兵はかなりのペナルティを受ける。プレイヤーが冬期に山地で戦うことがわかっている場合、重騎兵の使用を避けるべきだ。一方で、一部の常備軍は冬期の戦闘に（時には非常に大きな）ボーナスを得る。そのようなユニットのひとつがチベット文化のユニットMountaineersだ。山の寒さや雪に慣れている彼らは、冬に戦闘に参加するとダメージボーナスを得る。
• 常備軍に冬期ボーナス（またはペナルティ）を設定するシステムは地形ボーナスを設定するものと同じように動作し、Mod制作者に非常にフレンドリーなものとなっている。

音の計画

• スウェーデン人にとって冬はトーストに塗ったバターのようなもの。私たちはこれを愛している！（ブルブル……早く春が来てくれ！）マップ上で音声を更新した領域が2つある。
• 所領（holdings）：所領に対する音声はリアルタイムで更新される。プレイヤーの領地に、あるいはその他のすべての土地で、冬がやってくると人々は家の中に入り、鳥たちはより南の地域に移動し、動物たちは厩舎や暖かい暖炉のそばで過ごす。

• これを実現する手段は雪と氷のある地域をカバーするシェーダーをリアルタイムのfloatパラメーターにリンクさせ、それを私たちが使っているオーディオミドルウェアエンジンFmodに通すことだ。
• 素晴らしいが、実際にはなにをするのか？　サウンドレイヤーを減衰させたり、イコライザーやリバーブなどのエフェクトをコントロールしたり、夏の間に存在していたオリジナルのサウンドをリシェイプして冬のものに変化させたりする。

• VFX：穏やかな冬と厳しい冬のどちらにも向けて、私たちは吹雪をもたらした。プレイヤーがこの音を聞いたら、プレイヤーの軍隊はこの地域でペナルティを受ける可能性が高い。くれぐれも注意してほしい！

• 吹雪はパーティクルシステムを使ってマップ上に生成される。これにより、穏やかな吹雪が厳しい吹雪に変化するときに、効果音を空間化できる（3DのX-Y-Zの位置に効果音を配置できる）。冬期にFmodの中で行われていることをお見せしよう。

義務的なマップの更新

• 私（注：ゲームデザイナーのServancour氏）は可能であればいつでも小規模なマップの更新や改善を行おうとしている。リリース以来、私たちは改善できると思われるいくつかの地域を特定してきた。このうちの一部は1.3でアップデートされる予定だが、まずはアイルランドについて。

• アイルランドの男爵領は少し大きすぎ、イングランドやスコットランドと比べて所領の密度がかなり低くなっていた。特にアイルランドの西半分にはかなり大きな男爵領がいくつかあった。この問題を解決するため、私たちは複数の新たな男爵領・伯爵領を追加し、アイルランドでのプレイ体験全般を改善した。

• イタリアはアイルランドのように大きな男爵領はなく、ヨーロッパの他の多くの地域と比較しても遜色がない。特に所領数全体という観点では。イタリアは全体的に伯爵領あたりの所領の数が少なすぎたため、アルプスからレッジョ・カラブリアまでの半島全体に新たな男爵領を追加した。特に南半分には多くの注意を払った。
• 新たな設定では男爵領を2つしか持たない伯爵領がかなり減った。例を挙げると、Veneto伯爵領には新たな男爵領Malamaccoが追加され、AgnoneがLanciano伯爵領にあり、Lecceが同名の伯爵領に所領として存在するようになった。全体としてこれでイタリアの史実の影響力がより表現されるようになり、プレイが楽しくなった。

質疑応答

Q1：冬は経済には影響しないの？

A1：今のところは戦闘だけだ。

次回：開発日記#50――耳に残る詩