「Crusader Kings III」開発日記#17が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は政体・封臣の管理・法律・略奪について。本体発売前の開発日記です。
前回:開発日記#16――チュートリアル・ツールチップ・百科事典
開発日記
開発日記#17は、政体・封臣の管理・法律・略奪について。
政体
- プレイヤーがプレイできる政体は封建制(Feudal)、部族制(Tribal)、氏族制(Clan)の3つだ。
封建制
- 封建制はヨーロッパの封建制をベースとしており、義務の考え方に大きく依って立っている。プレイヤーは主君に仕える義務があり、主君は見返りにプレイヤーを保護する。
- これはゲームでもっとも一般的な政体だ。封建制の勢力はCK2とほぼ同様に機能し、他の政体と比べて請求権と継承に重きを置く。
- CK3で新たに追加されたのが封建契約(Feudal Contracts)だ。男爵を除くすべての封建制の封臣はプレイヤーと個別の契約を持ち、プレイヤーの勢力全体に義務が設定されるわけではない。こうした契約は高・中・低の3つのレベルがあり、デフォルトは中だ。
- 高レベルではより多くの徴募兵と税を得られるかわりに評価が低下する。低レベルでは得られるものが少なくなるが、評価が上がる。封臣が反乱を起こすリスクがなければ、通常は高レベルが優れている。しかし一方的に契約を強要することはできない。
- すべての封臣に暴君と思われても問題ない場合を除き、義務の引き上げには封臣に対してhookを持っている必要があるが、引き下げはいつでもできる。
氏族制
- 氏族制はCK2のイクター制と近いが、CK3ではより封建的になった。氏族制はほとんどのイスラム教徒の勢力で使用される。領地よりも家族に重点を置いており、ほとんどの封臣が自分の家系で占められる。
- 義務は契約ではなく評価に大きく基づいており、満足している封臣は不満を持っている封臣より多くの徴募兵と税をもたらす。満足した家族は強力な家族だ。
- 氏族制では開戦事由「氏族の侵略(Clan Invasion)」を利用でき、生涯に一度だけ、名声が最高レベルのときに王国を侵略するのに使用でき、氏族制の名高い領主に強力な恩恵をもたらす。
部族制
- CK2と同じく部族の所領(holding)種別を持ち、多くの軍を提供するが、税は少ない。また、ほとんどの部族は略奪に出ることができるが、これについて詳しくは後述する。
- 部族の勢力は開発度の影響を受けず、自領内では部族制でない勢力の補給上限が低下し、負けにくくなる。しかしこの影響は時代が進むと低下していく。
- 部族勢力では常備軍(Men-at-Arms)に金ではなく威信を支払い、これによって小さな部族でも身の丈以上の強力な軍を持てる。
- 部族制の領主は契約や評価ではなく名声のレベルに基づいて義務を決める。プレイヤーがより名高い領主になれば、封臣はより多くの軍と金をもたらす。
- 部族制の領主は生涯に一度だけ開戦事由「征服(Subjugation)」を利用でき、相手の勢力全体を強制的に封臣化できる。
- ゲームが進むと、最終的には部族制を脱し、氏族制か封建制の勢力になれる。
封臣の管理
- 自勢力を簡単に概観できるように、CK3には勢力画面がある。この画面の封臣タブには自分のすべての封臣が表示される。これにより、徴募兵と税がどこから来たのか、誰が脅威になりそうかを把握でき、封建契約の再交渉ができるようになっている。
- ここでは王権(crown authority)や部族の権力(tribal authority)も変更できる。詳しくは今後の開発日記で述べる。
- また、この画面では有力封臣(Powerful Vassals)も表示される。CK2のDLC「Conclave」のように、自勢力には数人の有力封臣がいる。彼らは評議会に席をもらえることを期待し、そうでなければ不満を表明する。
- 領地タブではどこで金と徴募兵を得ているのか、どこに建造物を建てることができるかを表示する。また、個人的に保有している伯爵領の開発度や支配度も表示し、改善できる場所を簡単に確認できる。
- 継承タブは現在開発中のため画像をお見せできない。ここでは、継承法を変更したり、後継者を確認したり、死亡したときに失う称号を確認したりできる。選挙制の称号を持っている場合はここから簡単に選挙画面にアクセスできる。
法律
- CK2のように、封建制・氏族制の勢力には王権があり、部族制には部族の権力がある。こうしたもののレベルが高くなると投獄(部族制の話で、他の政体では最初から行える)称号剥奪、内部での戦争の禁止、後継者の指名といった機能がアンロックされる。一方で、封臣は不満を持つ。
- 部族の権力は王権よりずっと弱体なもので、これは時代が進むと徐々に部族制が封建制や氏族制に取って代わられることを表現する。
- 継承法では、実際の意味をより明確にするため、Gavelkindの名称をPartitionに改めた。これは867年と1066年のどちらの時代でもほとんどの勢力のデフォルトの継承法だ。
- 分割相続(Partition)には3つのバリエーションがあり、通常の分割相続はCK2のGavelkindのように機能する。すなわち後継者の間でおおよそ均等に分割し、第一位の継承者よりも下位の階級となった継承者は封臣となる。
- しかし、特に867年においてはより悪い形式で始まる。この連合型分割相続(Confederate Partition)は、可能なら主要称号と同じ階級の称号も作成する。したがってノルウェーでスウェーデンを征服してスウェーデン王位を廃止したとしても、プレイヤーキャラクターが死亡したときに復活し、第二位の継承者は独立領主となる。部族制は例外はあるが通常この継承法にロックされている。
- 改善されたバージョンの半分割相続(High Partition)は、第一位の継承者が半分以上の称号を継承するため、子供が2人だろうが10人だろうが関係なく、第一位の継承者は同じ量の領地を得る。
- 次に、継承の形態として長子相続(Oldest Child Succession、Primogenitureの置き換え)、末子相続(Youngest Child Succession、Ultimogenitureの置き換え)、家内年長者相続(House Seniority)がある。CK2の年長者相続とは異なり、家内年長者相続では家系全体ではなく自家を相続できる者のうちの最年長者が選ばれる。
- 選挙制の継承にも多くのバリエーションがある。封建選挙制(Feudal Elective)、選帝侯選挙制(Princely Elective、神聖ローマ帝国の継承法)、その他いくつかの文化による派生型だ。それぞれ誰が投票できるか、誰が選ばれるか、AIが誰に投票するかを選ぶ方法についてさまざまな制限がある。
- さらに性別法についても完備している。すなわち男子のみ(Male Only)、男子優先(Male Preference)、平等(Equal)、女子優先(Female Preference)、女子のみ(Female Only)だ。
略奪(raiding)
- CK3でも略奪があり、改良を加え、略奪を受ける側になるのがそれほどつまらなくないようにした。コアシステムはCK2と非常によく似ている。異教か部族の領主なら、他の領主の領地を略奪できる。
- それには略奪軍を挙兵し、目標まで移動する。
- 目標に到達すると、軍は自分がいる男爵領を略奪し始める。これは非常に迅速なプロセスだが、その間、軍は移動できず、反撃のための軍から逃れることはできない。
- この変更によってAIがすぐに逃げ出せなくなったため、充分な兵力を迅速に召集できるなら略奪軍への対応はずっと簡単になった。
- CK2では略奪は伯爵領レベルだったが、CK3では男爵領レベルとなった。また攻城戦の機能を使用しなくなり、かわりに防備が整っているかどうかが影響しない同様のシステムを使う。
- さらに、略奪軍を撃破すると略奪軍が持っていた金をすべて獲得できる。略奪に即座に対応できない場合でも、略奪軍を撃破することには依然として大きな価値があるということだ。また、CK2と同じく、数年間その敵による略奪を受けなくなる。
- CK2と同じく、略奪軍は規模に応じて運べる戦利品の量が制限される。軍が味方の土地に到着すると戦利品は預けられ、その後は解散するか、再び略奪に出るかのどちらかとなる。
- 生活の質に関連することだが、略奪軍が選択された場合、既に略奪を受けたプロヴィンスがマップ上に表示される。これにより、避けるべき場所を簡単に確認できる。プロヴィンスにカーソルを合わせると、どれほど多くのものを略奪できるかも表示される。
質疑応答
Q1:略奪軍を使って間接的に封臣から金を奪うことができるってこと?
A1:そうだ。封臣が金を失うわけではないが、最近略奪を受けた(Recently Looted)という補正が男爵領につく。これは間接的にプレイヤーにも影響するが、プレイヤー個人よりも封臣のほうが間違いなく悪影響を受ける。
Q2:総督制(Viceroyalties)はあるの?
A2:総督制をCK3に引き継ぐことは絶対にやりたくなかった。マイクロマネジメントが多すぎるだけでなく、戦争中などのストレスの多い期間にも最適にプレイするにはシステムを操作しなければならなかった。リリース後に総督制の機能を作ることになったら、1からうまく作り直すことになるだろう。
Q3:共和制と神権制はプレイできないということだとして、Modで改造すればプレイできるようになる?
A3:そうしたものがどれほど改造できるようになるかはまだ決めていないはずだ。しかし共和制と神権制はCK3の家系を元にしたゲームではうまく機能しない。
来週はCK3の戦争について。
今回のシステム面の変更に対して、フォーラムではかなり批判的な論調が強く、パラド社側もカスタマーサポートスタッフが誹謗中傷をやめるよう警告を発する事態となっています。
コメント
いつも、翻訳お疲れ様です。
なぜ、かなり批判的な論調が強いのでしょう?
共和制や神権制がプレイできないからでしょうか?
ざっと見た感じ、プレイできる政体3つは少なすぎ、封建契約の内容が3段階のレベルでしか選択できないのは単純すぎって声が多い感じですね。
あと自分はGavelkindとかPrimogeniture/Ultimogenitureみたいな単語はCK2で知ったのでそれが変わるのはちょっと寂しいなと感じましたが、海外でもなんで変えんねんと結構否定的に捉えてる人がいるようで。
政体も契約内容もDLCで追加されるのでは。批判の中には本編を薄めてDLCで儲けようとしてるのではという疑念もあるのかな
共和国は追加して欲しい一方で遊牧は当面オミットしても良いかなーって気がする
キャラクターと家系にフォーカスして掘り下げるってのは正しい選択に思うけどなぁ
そこがCKのコアの部分だと思うし。
うまく行ってほしい
CK2でも封建/部族/イクター以外でやることは滅多になかったしそこまで気にならないなあ
用語の変更への反感は正直結構理解できるけれども
氏族制の説明を聞くにイスラムプレイはできるっぽいね。
とりあえずCK2のdlc全ての要素を最初から入れる必要はないと思う。
共和国プレイにはまず土地を持たない有力者一族として遊べるようにならないといけないね
一族の収入の問題とかもあるし結構難しいのでは