「Hearts of Iron IV」開発日記2025年10月21日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は中華ソビエト共和国について。「No Compromise, No Surrender」リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記2025年10月21日分は、中華ソビエト共和国について。
- 共産主義中国の国民精神に楽観できる要素は見当たらない。長征を余儀なくされ、国民党に多くの党員が弾圧された。こうした要素はコンテンツ設計における「圧倒的な劣勢からの逆転」という重要な目標と一致している。
マップの変更
- ユーザーの主な意見は中国の地図をより正確にしてほしいというものだった。ゲームプレイ上の理由からある程度の妥協は避けられないが、フィードバックに対応し、地域名や軍閥の名称を見直した。山岳地帯を実際の位置関係に合わせるなど、地形も正確にした。
- これに伴い、中華ソビエト共和国が支配する領土も当時の状況をより忠実に反映させた。
- 共産党は2ステートを支配しているが、これは利点ではない。中国共産党はこうした地域を完全に支配していたわけではなく、「The Yulin Garrison」というステート補正でこれを表現し、ディシジョンや国家方針で取り除けるようにしている。
国家方針ツリー
産業ルート
- 共産党の産業の状況はよくない。
- しかし中華ソビエト共和国には厳しい出発点から立ち直り、迅速に工業化を進め、経済面で急成長する機会がある。
経済計画
- 経済計画に関してはソ連やドイツなどの従来のモデルとは異なるアプローチを採用したいと考えた。リスクとリターンの要素を導入し、プレイヤーがどの程度のリスクを許容するか選択できるように設計した。どちらのボーナスも産業力を強化する効果を持つが、同時に達成すべき課題もあり、課題をクリアできれば大きな成果が得られる。
地方の調査
- 国民党と共に統一戦線に参加した場合、周囲を同盟勢力に囲まれて拡張できなくなり、産業拡大が阻害されるため、この国家方針を追加した。これは政治力を消費して建設スロットを獲得するディシジョンをアンロックする。
地方/都市開発
- 初期段階では国民精神「農業社会」を持っているが、これは産業ツリー内で変更できる。「農地改革」にも変更できるが、都市化路線を選択した場合は「都市社会」という国民精神に変更できる。
軍事ルート
将軍
- 優先課題として、私たちは中華ソビエト共和国が使用可能なキャラクターを増やした。数名の提督も登場するが、海軍創設には相当な努力が必要となる。
- 私たちは長征の影響を参加した将軍たちと結びつけ、彼らが共産主義闘争の国民的象徴となるよう設計し、その一環で将軍には新たな特性を付与した。
スタート時の軍事的状況
- 長征によって紅軍はわずかとなり、何長工・張国涛の両将軍は陕北に到着していない。したがって、序盤の国家方針は紅軍を再建するものだ。
- その後、プレイヤーは人民解放軍とその多岐にわたる部署を創設する。
陸軍
- ここでは小規模な職業軍人の陸軍か、多数の兵士を配備する陸軍かを選ぶ。
- 他国の機械化・装甲化された陸軍に追い付くための仕組みも必要だった。
海軍
- このブランチも追いつくためのものであり、選択可能な国家方針にそれが反映されている。まずは造船所を建設する。
- この後は1950年代にソ連の艦艇を多数保有していたことから、それを国家方針に反映させ、他の艦型も追加している。
空軍
- 私たちは空軍についてのプレイヤーの追い上げを、主に技術面の強化によって実現することにした。研究ボーナス、生産ラインの立ち上げ、レーダーや対空砲を強化する国家方針がある。
- これまでより正確な空軍総司令官も追加した。
MIO
- 利用可能なMIOの一部は共通だが、大半は中華ソビエト共和国専用だ。
政治ルート
中央委員会における権力闘争
- 毛沢東の最大の対抗勢力は28人半のボリシェヴィキと張国燾だ。この3つの国内派閥は勢力均衡システムでそれぞれボーナスを持っている。これは中華ソビエト共和国の中心的な要素ではないが、このシステムから得られるボーナスは国民党軍や日本軍の双方との戦いにおいて極めて有利に働く可能性がある。
史実
- 時間は中華ソビエト共和国の味方ではないが、適切な戦略を立て、時機を見計らえば、中国全土を支配できる。毛沢東が共産党を完全に掌握するか、あるいは彼の宿敵中央委員会の実権を握る前に、軍事力と産業を強化する国家方針を取ることができる。
- 「東方/西方遠征」では隣国と国境紛争を起こせるが、疲弊した紅軍にとっては厳しいものとなる。「敵を知る」を完了すると隣国に対するボーナスを得るが、これは領土を迅速に拡大する唯一の手段ではない。しかしこれによって「国境警備隊の襲撃」がアンロックされ、近隣地域の支配権獲得をさらに容易にできる。
- 「延安の支配権奪取」はこの国家方針を実施するタイミングによって、国境紛争が起こるか、国民党と同盟関係にある場合は無償でステートを獲得できる。
- その後、プレイヤーは新たに獲得した領土を開発するか、中国の他地域に対してより積極的な姿勢を取るかを選択する。
- 「Burn the Paper Tiger」では陣営を立ち上げて国民党を招聘できる。「Rally the Peasants and Guide the Central Committee」ではBalance of Powerを毛沢東側に変化させるディシジョンがアンロックされ、「Embrace the Change in Leadership」では毛沢東が中央委員会の支配権を確立する。
- これが終わると、次は日本軍と対峙する。日本軍の侵攻を遅らせるため、「遊撃戦論」では民兵組織を強化でき、これは歩兵サブドクトリン「非正規戦」や作戦サブドクトリン「人民戦争」との相乗効果も期待できる。ディシジョン「遊撃戦」もアンロックされる。
- このブランチでは「敵後方に基地を設置」を進め、戦争中のいずれの国家に対しても、自国の中核ステートにおいて「破壊工作の確立」が行える。「ゲリラの支援」ではディシジョン「遊撃戦」のコストが半減し、効果が高まる。
- 「プロパガンダ活動」では統一戦線内での主導権争いが始まる。「人民の支持確保」ではディシジョン「中国諸州における支持結集」がアンロックされ、戦争状態にない中国ステートに浸透でき、将来戦争が発生した際にそのステートでボーナスを獲得できる。徹底的に浸透できれば戦争が始まった時点でそのステートが自国に寝返り、民兵部隊が蜂起する。
- しかしこうしたことには手側も必ず対抗措置をとる。
- 「兵器庫の襲撃」では補給ハブがあるステートで実施でき、標的とした国家の歩兵装備を入手できる。
- 「延安整風運動」で毛沢東が中国共産党の指導者となり、Balance of Powerの状況に応じて指導者特性を得る。
- 「百団大戦」で攻勢を開始し、「Prepare for the Inevitable」では国民党軍に対する内戦の準備を行える。
28人半のボリシェヴィキ
- 長征以前には党内で重要な地位を占めていた博古と王明は、十分な影響力を獲得して実権を掌握できる状況になれば党の指導者になれる。
- ボリシェヴィキが政権を掌握すれば、毛沢東が提唱した農村的な共産主義観とは異なり、より都市化されたものとなる。また、ソ連との緊密な協力関係も模索する。
- 28人半のボリシェヴィキは新たな陣営の機能に関する独自のシステムを利用できる。
- 陣営の影響力システムは周恩来を第二次統一戦線の他の陣営構成国に外交使節として派遣することで、陣営の影響力を獲得できるディシジョンだ。
- 浸透と遊撃戦のシステムは引き続き使用可能だが、効果は大幅に低下する。しかしこのブランチをさらに進めることで、こうしたディシジョンのコストを半減させることができる。
不本意な二頭政治
- このルートにはまず張国燾が中華ソビエト共和国に到着するのを待つ必要があり、その後張国燾と毛沢東の間で「不本意な二頭政治」を形成する。
- 「民衆の信頼を得る」では浸透についてディシジョン「Rally Support in Chinese States」がアンロックされる。「民衆の動員」では民兵4ユニットと追加の人的資源を獲得する。「Promote Guerilla Warfare」と「Promote a Regular Army」の後、兵器庫襲撃などの遊撃戦術を重視するか、従来型の陸軍を構築するかを選ぶ。その後は毛沢東か張国燾のどちらを支持するかを選ぶ。
- 「Demand the Loyalty of the Warlords」では自身の陣営を立ち上げ、あるいは「先制攻撃」では国民党の背後を突ける。「ソ連からのレンドリースを確保」では生産能力を強化できる。
- その後は「西側諸国への接近」か「ソビエト連邦との緊密な関係構築」のいずれかを選択でき、それぞれ独自のボーナスがある。
- 緊急的な手段を導入することで補給や生産を強化できる。こうした取り組みは長期的に継続可能であり、最終的には恒久的な制度として定着させることができる。
- これが終われば不本意な二頭政治ルートはほぼ終わり、「全ての農民を兵士に」と「勝利への進軍」を残すのみとなる。
最終局面
- さまざまな政治ルートはすべて中華人民共和国を建国する共通の国家方針に向かう。中核化と統合の取り組み、旧領の回復、中華人民共和国建国後の政策を行える。
- まとめると、プレイヤーは極めて困難な初期状況から国家の再建と発展を図りつつ、軍閥勢力や国民党政権、そして日本の脅威に対処する。第二次国共合作を成立させ、共通の敵に対抗する道を選ぶか、あるいは全ての敵と全力で戦う道を選ぶかはプレイヤー次第だ。日本問題が解決した後は、国内問題に注力する時が来る。
次回:開発日記2025年10月28日?
コメント
ほんとなんで勝てたんだよコイツら…
POPが共産党を支持したからだぞ。HOI4のシステムでは再現できないのは当然。
建国後のルートは史実(大躍進・文革)をかっ飛ばして、鄧小平ルート・習近平ルート・民主化ルートの三択に直行するのか・・・
(いやまあ、意図的に大躍進や文革を起こしてデバフまみれになるなんて、ロールプレイ好きのドマゾじゃないと選ばんだろうからこれでいいんだろうけど)
最終的にまさかの社会民主主義ルートっぽいのあるな
実際に青くなるかはともかく