2024年10月28日、コーエーテクモHDが2025年3月期第2四半期決算を発表しました。前年比で売上とすべての利益項目が減額という結果となりましたが、期初予想から利益は増額となりました。
前四半期:2025年3月期第1四半期(2024年第2四半期)
2025年3月期第2四半期決算
2024年10月28日、コーエーテクモHDが2025年3月期第2四半期決算を発表しました。以下、決算短信と決算説明会資料をもとに、今回の業績や会社の状況を見ていきます。
当四半期はパッケージ・モバイルともに新規タイトルがなかったようですが、一定の売上や営業利益は維持できたようです。
当四半期累計業績が前年比で下振れするのは業績予想の時点で織り込まれていました。業績予想比では売上高がモバイルの目標未達で下振れの一方、今回の決算発表前に開示された業績予想修正で触れられていたとおり、営業外収支が大きく伸びて経常利益以下が大きく業績予想を超過しています。
中期経営計画の振り返りと今後
現在進行中の2025年3月期で現在の中期経営計画期間が終わるため、来年度以降の方向性についても触れられています。現在の第3次中期経営計画では、500万本級パッケージゲームが2本、200万本級が4本出たとのこと。この3年間でめぼしいタイトルと言えば「仁王2」、「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」、「ライザのアトリエ」シリーズ、「WILD HEARTS」、「Wo Long: Fallen Dynasty」、「Rise of Ronin」あたりでしょうか。
長期的には特にデジタルエンタテインメント事業における営業利益額で世界10位以内を目指すということが掲げられていますが、既に現在14位というのはちょっと意外に感じました(世界の中でのコーエーテクモをあまり意識しなかったので……)。ここから上は日本メーカーだけ見てもソニー、任天堂、カプコン、コナミ、スクエニ、バンナムあたりと戦っていくということになるのでしょうし、さらに世界となれば欧米・中韓の大手メーカーとも渡り合っていくということになると考えると、かなり野心的な目標にも思えます。
コーエーテクモのゲーム開発方針のようなものも掲載されています。品質最優先というのは、個人的にこれまで「風呂敷を広げたはいいけれど完成度がついてこない……」というタイプの海外製ゲームに多く遭遇しているので、ぜひとも今後も続けていってもらいたいなと思います。
パッケージゲームの開発体制についてのスライドでは、「信長の野望」シリーズや「三國志」シリーズが属する「シブサワコウ」ブランドはスタジオ規模「大」にもかかわらず大型タイトル(「ミドル」が販売数十万本程度とされているので、「大型」は100万本程度以上と思われます)はないという寂しい状況となっています。直近の「信長の野望・新生」もパワーアップキット合わせて合計38万本ということだったので、なにか突破口を見つけて大きく成長してほしいものです。
直近では「三國志8 REMAKE」が10月24日に発売されました。まだそれほど遊んでいないので詳しくは後日レビュー記事を書くつもりですが、個人的には「つまらなくはないけど積極的におすすめできるゲームでもない」というのが現時点での印象です。おそらくいつもどおり今後パワーアップキットが出てくるのだろうと思いますが、ゲームテンポの悪さやコンテンツ(特に会話イベントや請負仕事のバリエーション)の少なさをうまく解消してもらえるといいなと思います。
コメント
コエテクってもはや襟川会長によるヘッジファンドなんですかね…?