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「Victoria 3」開発日記#118――Power Blocsその2

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#118が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はPower Blocsについて。1.7リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#117――「Sphere of Influence」のUX


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開発日記

開発日記#118は、Power Blocsについて。

  • 今回は「Sphere of Influence」の新システムであるPower Blocsについて。Power Blocsについてまだ知らない方は開発日記#109をお読みいただきたい。なお、今回紹介する補正・ボーナス・特殊能力などは開発中の値であり、現在調整中のものだ。

Identities​

  • リリース時には5種類のCentral Identity Pillarsがあり、うちひとつはDLCがなくても利用できる。Identitiesはいくつかの点で他のIdentitiesと異なる。
    • Identitiesはそれぞれ主導国が利用できる固有の能力がある。
    • 主導国や構成国にひとつ以上の固有の効果がある。
    • Blocがそれぞれ少なくともひとつ必要とするPrincipleのPrimary Principle Groupsが異なる。
    • 一部のPrinciple Groupは特定のIdentityによってのみアンロックされる。
    • Power BlocのCohesion値の計算方法はIdentityによる。
  • 「Sphere of Influence」がなくてもイギリス・ロシア・オスマン帝国・オーストリアには史実のPower Blocがあり、Trade League(注:「Sphere of Influence」がなくても利用できるPower Bloc)でないものもあるが、そうしたPower BlocのPrinciplesを維持することはできるものの、拡張したり、通常選べない他のPrinciplesに置き換えたりはできない。5つのIdentitiesは以下のとおり。
    • Trade League(1.7で無料で利用可能)
    • Sovereign Empire
    • Military Treaty
    • Ideological Union
    • Religious Convocation

Trade League​

  • Trade LeagueはPower Blocの構成国を自動的に主導国の関税同盟に加入させる。これによって1.7で削除される関税同盟機能を代替する。主導国は4つの貿易路の官僚制コストが無料になる。

  • Principle Group「Internal Trade」はこのIdentityでアンロックされ、Trade LeagueのPrimary Principle Groupsのひとつでもある。Power Blocを作る際には、こうしたPrimary Groupsからひとつを選ぶ必要がある。
  • 第1段階には全加盟国に対して市場アクセスの価格への影響ボーナスという大きなものが用意されている。主導国では輸送船団の寄与が増加し、関税の増加やその他のインフラの改善もある。

  • External Trade Groupでは貿易路に関する改善が行われるほか、貿易センターで影響力にボーナスをもたらす新たな方式がアンロックされる。第3段階では構成国は関心がない地域にも貿易路を作成できるようになる。
  • Trade LeaguesではCohesionの計算がBloc全体のGDPに対する主導国のGDP比率から行われ、主導国の比率が高いほどCohesionが高まる。また、市場で商品不足が起こっているとペナルティがある。これを相殺するため、各商品の主要生産者(1位~3位)にボーナスを加えた。

Sovereign Empire​

  • ゲーム開始時には大英帝国、ロシア帝国、オスマン帝国がこれを持っている。これによって主導国は他のPower Blocの構成国を征服して属国にできる。さらに、このPower Blocの主導国のすべての従属国で毎週のLiberty Desire上昇量を減少させることができる(現在の効果の説明文は間違っており、自国ではなく従属国に適用されるように変更される)。

  • Sovereign Empireの2つのPrimary Principle GroupsのひとつであるVassalizationは、従属国を持つことや従属国を管理することに関するさまざまな改善が行われ、第3段階では従属国を強化する布告も利用できるようになる。

  • Sovereign Empire専用のExploitation of Membersは、主導国にのみ利益があり、通常の構成国にはペナルティがある。構成国は利益を得られないので、Cohesionは低下する。

  • Sovereign Empiresでは、主導国の従属国の中でもっとも高いLiberty DesireがそのままCohesionに対するペナルティとなる。例えばイギリスの従属国でイギリス東インド会社がもっとも高いLiberty Desireを持ち、その値が40であった場合、Cohesionペナルティは40となる。一方で、主導国はPower Blocにおける威信の比率に応じてCohesionボーナスを得る。

Military Treaty​

  • Military Treaty​の「戦争目標を無料化する」とは、Military Treatyの主導国は主導国も関与する構成国の外交戦において副次的な戦争目標をひとつ追加できるということだ。スクリーンショットのすべての構成国の軍需物資コストを減少させる補正(注:「-50.0% Military Goods Cost」を指していると思われる)はプレースホルダーで、別の効果が追加される予定だ。さらに主導国・構成国ともにPower Projectionによって威信を得る効果もある。Primary Principle Groupsは2つあり、そのうちひとつはMilitary Treaty専用だ。

  • このPrincipleを持つPower Blocsは、その構成国間では戦争ができない。段階が上がると自国が外交戦の目標になった場合に国家を懐柔しやすくなり、第3段階では構成国が外交戦の目標になった際に全構成国が外交戦に強制的に参加する。

  • これはMilitary Treaty専用のもので、悪名の発生を抑制したり、全構成国が他の構成国の外交戦に参加したりと、これは世界征服する際に適している。第3段階ではCohesionペナルティに注意してほしい。
  • Military TreatyのCohesionはBloc内におけるPower Projectionの主導国の比率に依存する。また、Bloc内でもっとも高い悪名値と主導国との関係がもっとも悪い国家によってCohesionペナルティがある。

Ideological Union​

  • 主導国は構成国にForce Regime Changesを行えるが、これには主導国の法律とどれほど異なっているかやPower BlocのCohesionなどの条件がある。Ideological Union​ではGovernance PrinciplesとDistribution of Powerの法律が主導国ともっとも異なる国家によってCohesionが低下する。主導国の正統性が高いとCohesionは高まる。
  • Primary Principle GroupsはCreative LegislatureとIdeological Truthの2つがあり、後者はIdeological Union​専用だ。

  • Creative Legislatureは法律の制定にさまざまなボーナスがある。失速確率の減少、制定過程の加速のほか、第3段階では実質的に後退可能回数が1回増える。また、運動の出現確率を引き下げられる。

  • これは利益集団と政府に注目したもので、不要な政治活動家を生きにくくし、権力を消費して望む利益集団を強化するとともに敵を抑圧し、第3段階では正当性の最低値を25引き上げる。
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Religious Convocation​

  • 主導国が国教を構成国に強制する固有の外交行動がある。これには一定のCohesionと威信が必要で、新たな構成国に直ちに使用することはできない。Religious Convocationは全構成国の改宗率を引き上げる。リリースまでにさらにもうひとつ、急進派を減らす効果も追加予定だ。
  • Primary Principle Groupsは2つあり、Divine EconomicsはReligious Convocation専用だ。

  • これは信仰と経済に関するもので、従属国の宗教が異なる場合、従属国の支払いは増加するが、 宗教が同じである場合は貿易路の競争力が高まる。第2段階でアンロックされる方式ではManor HouseとFinancial Districtの労働力の一部を聖職者にできる。

  • このグループでは、相手国の国教が同じである場合、Liberty Desireと外交提案を受け入れるかどうかが改善される。第3段階では主導国が自国の教会と国家法を構成国に強制できる。
  • Religious ConvocationsのCohesionは、第一に主導国の利益集団「Devout」の影響力がボーナスとなる。第二に、主導国と同じ宗教の構成国でその宗教を信仰する人口比率がもっとも低い国家に基づいてCohesionが増減する。その宗教を信仰する人口比率が0%ならペナルティだが、50%ならボーナスとなる。

Principles

  • Primary Principle Groupsとは別にさまざまなPrinciplesのグループがあり、5つのIdentity専用グループを含めて合計20のPrinciple Groupがあり、それぞれに3つのPrinciplesがある。

  • このグループはTrade LeagueのCentral Identity Pillarを選ばずに関税同盟を作るためのものだ。

  • このグループは警察制度の効果を強化する。権力+50と政治運動の急進性低下は制度のレベルごとに適用される。

  • このグループは第1段階ではEconomic Dependenceからより多くのLeverageを獲得できる。Economic Dependenceは他国に対してどれほど投資したかに基づいて決まる。第2段階では国有化コストが減少し、他国への依存度を下げるために利用できる。第3段階ではすべての構成国が自国より国家ランクの低い構成国に対して自動的にInvestment Rightsを獲得する。これによって国家ランクの低い構成国をBloc内に留めやすくなる。
  • 前回のPower Blocsの開発日記からスロットについて変更が行われた。「Sphere of Influence」があるとデフォルトではPrinciplesのスロットが2つあるが、「Sphere of Influence」がなくてもスロットはひとつあり、Primary Principle Groupからひとつ選択できる。全構成国の威信の合計値で他のPower Blocsを超えた場合、第3・第4のスロットを獲得する。第5位までのPower Blocsで構成国が5か国以上の場合は第3のスロットを、第3位までのPower Blocsで構成国が10か国以上の場合は第4のスロットを獲得する。これに合わせてPrinciple Mandatesの上限がなくなり、理論上は第3段階のPrinciplesを4つ持つことができる。
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Leverage

  • 前回のPower Blocsの開発日記からLeverageも変更した。Leverageとは他国をBlocに参加させるために必要なものだ。前回述べた源泉のほかに隣接関係の要素を追加した。直接隣接していたり、条約港を持っていたりすると、より多くのLeverageを得られる。悪名値が高いと得られるLeverageが減少するため、Leverageを得たいなら悪名値を抑える必要がある。その他さまざまな外交協定によって得られるLeverageが増減する。

  • Leverageの計算方法も変更し、1000のLeverageプールをすべての関係国が取り合う形にした。1000という値は決して変化しない。上の画像ではギリシャのLeverageがどのように配分されるかを表示している。上の棒グラフは現在の状況を示しており、ギリシャは自国に影響を与えようとするBlocsに対抗している。その国家自身の比率は「Unclaimed Leverage」と呼ばれる。しかし関係する4つのPower Blocsすべてがギリシャより高いLeverage Factor(Leverageの「収入」のようなもの)を持っている。例えば多くの外交協定を締結している、貿易を行っている、外交戦でギリシャに味方しているなどだ。そのため、時間経過で関係するPower BlocsのLeverage比率が高まり、最終的には(この状況が変わらなければ)下の棒グラフのようになる。ロシア帝国は40%のLeverage Shareを獲得し、ギリシャを自身のBlocに入れることに成功する可能性が高い。棒グラフの各要素にマウスオーバーすれば比率がどのように計算されたのかについて詳しい情報が見られる。このシステム変更により、遅れて参加したとしてもLeverageを争うことができるようになったし、他のBlocのLeverage Shareを引き下げることもできるようになった。
  • Leverageは物語コンテンツ、特にGreat GameGraveyard of Empiresにも関与しており、これについては以前の開発日記で述べた。例えばアフガニスタン統一では、イギリスやロシアにアピールすることでそれぞれのPower Blocsに対するLeverageが生まれる。同様に、ジャーナル記事「the Eastern Frontier」でもそのボタンやCircassiaの承認は対象国におけるPower BlocsのLeverageを生み出す。

来週は1.7の全体的な変更点について。

次回:開発日記#119――1.7の変更点の詰め合わせ

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コメント

  1. いつも更新をありがとうございます
    だいぶ外交関係回りが煮詰められて、やることが増えそうですね。

    他のタイトルの話で恐縮なのですが、
    しばらく前からTinto talkで更新されている
    プロジェクトカエサルについては扱う予定ございませんでしょうか?

    14世紀から500年ほどを扱う、EUとVICの合の子のような仕様になりそうで
    どうなるか楽しみにしております。

    お忙しいところ勝手な要望で恐縮ですが、もしご興味がありましたら。

    • 9周年の記念の記事で Tinto Talks については取り上げる予定はないと仰っていますね。
      ただ、私も、可能ならばぜひ取り上げてほしいなと思っています。

      Tinto talks の投稿を読むくらいなら今どきは自動和訳もできる技術が進んでいますが、コメント等での感想・交流はやはり日本語のページでないと事実上不可能ですし、コミュニティがなくなってしまったなぁという思いです。

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