「Victoria 3」の日本をプレイするにあたって、個人的なポイントをまとめたメモです。
記事執筆時点のバージョン:1.1.2
この記事について
「Victoria 3」の日本をプレイするにあたって、個人的なポイントをまとめたメモです。いわゆる攻略的な内容もあるでしょうが、一般にこのようにプレイするとよいというような内容ではなく、あくまで私が個人的にプレイする際の注意点や方向性をまとめたものです。
全体の方針
Vic3はさまざまなことができるゲームですが、なにをやるかは「日本をどういう国家にしたいか」という目標によって変わり、プレイするにあたってはここをまず考えると愛着を持って遊べるように感じています。
私の場合は「小さく強力な日本」を目指します。これはバージョン1.1.2のデフォルト難易度では国家間競争がかなり緩く、熾烈な経済拡大競争をする必要がない(積極的に植民地を切り取って資源確保する必要がない)こと、単純に多数の州を管理するのが面倒くさいことの2点によるもの(主に後者)です。
日本はスタート時点で小作農が非常に多く、労働力に不自由することがないというのも大きな要因です。かなり長いあいだ国内の賃金が低く抑えられるため、植民地を切り取って投資するより国内に投資したほうが経済発展が早いと感じています。もちろん、ゴムやアヘンなど国内では確保できない資源については、植民地を作るか産出地の国家と密接な関係を作るかして確保する必要があります。
序盤
ゲームを始めるにあたって、まず利益団体「幕府」のリーダー・森敬親が「ジンゴイスト」になるまでリセマラします。ゲームプレイとしては美しくありませんが、森敬親が「ジンゴイスト」だとその後の流れが非常にスムーズです。
ゲーム開始直後には最初の設定として、まず建設セクターを建てます。既に存在している関西・中部、小作農がいない北海道を除くすべての州で建設セクターを建設キューに入れておきます。
建設セクターは最初は木を主に使用するため、木の価格が上昇します。木を生産する伐採所は開始時点で製法を「製材所」に切り替えて生産量を倍にできるので、建設セクターの次は「製材所」で使用する工具を生産する飾り細工工房を建設キューに入れておきます。
さらに、飾り細工工房でも開始時点で製法を「銑鉄の道具」に切り替えて生産量を増やせるため、「銑鉄の道具」で使用する鉄を供給する鉄鉱山を建設キューに入れておきます。
その後は製法のアップデートと価格の高いものの生産を増やすという基本的な経済運営をやっていけば問題ないはずです。余裕があれば軍備を整えたり(現在のバージョンのデフォルト難易度では外国から攻撃されることがほぼないので必要性は低いですが、だからと言って軍備を無視して経済のみに注力するのはあまりにも趣がないように感じられます)、建設セクターを増やしたりしてもいいでしょう。
研究は北海道を完全に取り込むために「植民地化」を選択。冒頭で森敬親が「ジンゴイスト」になるまでリセマラしましたが、そうしていると「植民地化」の研究完了直後に50%程度の制定確率で植民関係の法律を制定でき、ロシアより早く北海道・サハリンの確保を行えます。
ただ、北海道はともかくサハリンはなければないでなんとかなるので、稀にあるロシアの進出が早い場合やリセマラが面倒という場合はのんびりやっていっても問題はないでしょう。ロシアに先手を打たれた場合は北海道確保のためにロシアと戦争することになりますが、その際に外交プレイで「認識の強要」も一緒に飲ませることができることがあるので、どちらも一長一短というところです。
ジャーナル記事「名誉回復」
それ以外では、基本的にジャーナル記事「名誉回復」の達成が序盤の目標になります。条件は上の画像のとおりですが、プレイヤーとして意識するのは幕府を強力でなくすること、すなわち幕府の影響力を20%未満にする(「強力」でなくなるにはもう少し下げる必要がありますが)という条件です。
幕府の影響力の高さは特に法律によるプラス補正が大きいため、上の画像で表示されている法律を順次改正し、幕府の影響力を落としていくことになります。
森敬親が「ジンゴイスト」の場合は陸軍モデル法を農民徴兵から職業軍人へ簡単に変更できるため、開始直後から法改正を進めていきます。技術「植民地化」の研究が終わるまでには確実に変えられているはずで、「植民地化」研究完了後は植民地法を制定し、北海道・サハリンに植民地を作ります。
また、幕府の影響力を落とす法改正の多くはインテリゲンチャが支持する法律で行えるので、インテリゲンチャが支持する法律を通しやすくするために権力を使ってインテリゲンチャを強化します。残りの権力は消費税や布告に使用します。
ジャーナル記事「名誉回復」の達成はVic2の明治維新イベントのように巨大な変化をもたらすものではなく、序盤の目標ではありますがあくまでひとつの区切りのようなものに過ぎないので、そこまで急ぐ必要はありません。早い遅いにこだわるより、(行うなら)経済や政治などの面で無理なく行えそうかどうかというほうがよほど重要でしょう。特に幕府を弱体化する法改正は幕府の承認が下がりやすいため、内戦にならないようにする(承認を-10以下にしない)のは当然ですが、マイナス特性「貴族特権」が発動(承認が-5以下で発動)して政府財政が悪化しないようにする、あるいは発動しても耐えられる状況を作る必要があります。
幕府を弱体化させる法改正を進め、目安としては君主制以外のすべての関連法律を改正したら、このあたりで土地所有者投票法を制定します。選挙によってインテリゲンチャが入るであろう立憲改進党がある程度勝利すれば、幕府を政府から外しても問題ない程度の正当性を立憲改進党その他の利益団体で確保できるはずなので、幕府を政府から外して権力を使って抑圧します。このあたりで幕府の影響力は20%前後になっている見込みです。選挙でぼろ負けした場合は4年後の選挙を待ちます。
施設を建てていく中で徐々にインテリゲンチャや実業家を支持するPOPは増えていくので、時代が下るにつれてより容易に「名誉回復」を達成できるようになるはずです。
農本主義
「名誉回復」の達成を目指す中で必要な法改正をすべて終えたら(可能ならもっと早くに)、次は経済システム法を伝統主義から農本主義に改正します。これは主に農業施設で投資プールを使用可能にするもので、投資プールが使用できると施設建設費用が大幅に軽減され、政府財政に大きな余裕が生まれます。この余裕を使って建設セクターを建て増し、経済発展をさらに加速できます。
私の場合は最終的に干渉主義に持っていくことが多いですが、最終的にどれにするにしても、伝統主義からいきなり変更するのは困難なので、変更しやすい農本主義に一旦変えておいて早い段階で投資プールを機能するようにしておくのは必要なはずです。
経済運営
ゲーム最序盤は都市センターの製法を切り替えて奉仕の供給を増やすなど、既存施設の製法の見直しを考えたほうがよい。
上にも書いたように、経済運営は「製法のアップデート」「価格の高いものの生産を増やす」ということに尽きます。これで効果的に経済を発展させることができます。ただし、画面上部のアラートに「高価な行政品/軍需品」が出ている場合は、財政状態を考えてそちらの価格引き下げを優先してもいいでしょう。また、POPの状況を見て必需品を安価に保つ必要がある場合もあります。
日本は貿易法が孤立主義から始まることや膨大な小作農がいることなどから、序盤のうちは貿易についてはあまり考える必要がありません。プレイ方法にもよりますがゲーム終盤まで小作農が残るので、不足資源は国内で生産し、貿易は国内で賄えない資源の輸入や国内で生産される連産品(肥料と爆発物のような同時に生産される商品)の生産調整に使用する程度というプレイにすることが個人的には多くあります。
政府財政については、基本的には課税レベルも賃金もすべて真ん中のまま進めることがほとんどです。課税レベル最大化・賃金最小化で政府に資金の余裕を作り、めいっぱい建設セクターを建てるというのは確かに非常に効率的に経済発展ができますが、第一に上で書いたような利益団体のマイナス補正や戦争など突発的な事態で政府財政が大きく悪化する場合があること、第二に日本は開始当初は未承認国家で債務に対する金利が危険なほど高いこと、第三に一旦財政が傾くとリカバリーの手段が建設の停止など影響の大きなものになることから、そうしたギリギリの財政運営は特に日本ではあまり優れた方法とは考えていません(もちろんプレイスタイルなどにもよるところが大きいと思いますが)。
真ん中のレベルを基本として、急な収支の悪化が起こった際には増税や賃金引き下げを行い、余裕ができたらまたレベルを戻すという余裕のある財政運営ならば、財政のバランスを悪くするような利益団体のマイナス補正を発動させても大きな問題はなく、政治的な自由度が高まります(特に日本では幕府の影響力を削ぐ法改正をやりやすくなる)し、財政にそれほど注意を払わなくていいので楽にプレイできます。個人的にはこちらのスタイルのほうが気に入っています。
中盤以降
ジャーナル記事「名誉回復」を達成した後は自由に国家を発展させていくことになりますが、私の場合は大学の増設や公共施設(特に教育)の拡大を重視しています。これは研究速度を引き上げるためと、教育自由度を高めることでこの後ますます増えていく技師や資本家などの職業の需要を満たせるようにするためです。
また、貿易法や経済システム法など経済関係の法律も変えていきます。特に注目すべきは税法で、税収が最大になるのはおそらく人頭課税か比例課税なので、できるだけ早くどちらかまで進めていきます。一番下の累進課税は所得税が軽くなる一方で配当税が上がるもので、税収は人頭/比例課税よりも下がりますが、配当による収入を得ていないPOPに有利な税制となっており、財政への影響を考えつつ最終的にはここに行きつきます。
アヘンやゴムなどの国内では獲得できない商品については輸入するか、産出国と関税同盟を結ぶか、産出地に植民地を作るか、産出地を征服するかのいずれかですが、早い年代(1880年代くらいまで)に大量に確保しようとしないなら輸入や関税同盟で十分対応できるように感じられる一方、早期に大量に安定的に確保するにはやはり植民地を作ったり征服するということになるでしょう。
石油についてはバージョン1.1.2でかなり大量に産出するようになった(これは資源の発見という確率要素もありますが)ため、少なくとも20世紀初頭までなら中部とサハリンの石油リグで国内需要をおおよそ満たし、わずかな不足分を輸入で補うくらいのかなり緩めのバランスになっている印象です。
終盤のゲームの重さ
このようなやり方で「名誉回復」以降もゲームを進めてくることが多いですが、私の環境では1910年代頃になるとゲームの進行が非常に遅くなり、またこの頃には建設ポイントも数百に達して経済運営に作業感を感じ始め、飽きてやめてしまっています。進行速度について計測してみたところ、私の環境では5速で1週間経過するのに6.5秒ほどかかっていました(ゲーム開始時点では1秒ほど)。こうした終盤のゲームの重さの改善については、来年リリースされる見込みのバージョン1.2に期待したいところです。
アヘン・ゴムの確保をどう行うかというのは今も模索中ですが、少し待てば十分に出回ることを考えると、やはり植民地を作ったり征服したりというのは今のバージョンではリスクと利益が釣り合わないように感じられます。また、デフォルト難易度では国家間競争が緩すぎる(軍隊を持つ必要がほとんどない)ように感じられるので、難易度を高めて遊んだほうがいいのかもしれません。
コメント
後半の負荷が気になる際はGPUのスケーリングをONにすると、cpu負荷が軽減されてマシにはなります……。
ご紹介いただきありがとうございます。
ゲーム内の設定にはないのでグラフィックボードの設定から行うGPUスケーリングのことと思いますが、私の環境では残念ながら変化はありませんでした。環境によるのかもしれませんね。
維新を起こすと元首がイベントの発生時期に応じた天皇に変わりますが、明治天皇の特性が優秀なため、急いで維新を起こすよりはむしろ史実で明治天皇が即位した1867年以降にするほうがいいとされてますね。
元首についてあまり気にしていませんでしたが、その点でも急ぐ利点はあまりないということになりそうですね。