「Europa Universalis IV」開発日記2021年11月2日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はアフリカのアートについて。1.32リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記2021年11月2日分は、アフリカのアートについて。
- 昨年、バルセロナスタジオのアートチームは爆発的に大きくなり、3DキャラクターアーティストからUI開発者まで、あらゆる分野の9人の才能あるアーティストを擁するまでになった。
- では、イマージョンパックのアート制作はどのようなプロセスで行われるのか? 今回は@Johan(注:Paradox Tintoスタジオマネージャー)からサハラ以南のアフリカのユニットモデル16体と宣教師2名を用意してほしいと頼まれたが、サハラ以南のアフリカはこれまでのアートDLCではほとんど取り上げられなかった地域だ。
- ゲームのどの文化でアートが不足しているかを確認したところ、東アフリカと西アフリカには既にユニットモデルがあったが、アフリカ南部の大部分はユニットパックでカバーされていないことに気づいた。
- 私たちのアーティストはこの地域の人々が歴史的に着用してきた服装の調査を始めた。この種のゲームでは歴史的な信頼性が非常に重要なので、参考資料には注意した。しかし、後の段階ではもう少し創造性を発揮して「もしも」のユニットモデルを作り、技術的進歩を成し遂げたプレイヤーに報いることにした。
- 調査の後、コンセプトアーティストのIreneと2DアーティストのRubenはキャラクターのコンセプト作りを始めた。目標はシンプルな戦士から時代が進むにつれて複雑な外見になっていき、最終的にはナポレオン時代のヨーロッパの規律正しい連隊をイメージしつつアフリカ特有のひねりを加えたものにすることだ。こうしたユニットは複数の国家で使用されるため、この段階で国家の色をどこに配置するかを決める必要があった。この場合赤が主要な色、黄が第二の色、青が第三の色だ。
- 最初のアイディアが最良のものであることは稀なので何度も繰り返し検討し、適切な形や色を見つけようとした。例えばCopticの宣教師の例が上の画像だ。
- その後の数か月でN-iX Game & VR Studioと協力し、こうしたコンセプトを機能的で見栄えのする3Dモデルに仕上げた。最初はZBrushで布のひだや表面のディテールをすべて盛り込んだ非常に高解像度のモデルを作成するところから始めた。このモデルはデジタルクレイスカルプティングとクロスシミュレーションを組み合わせてあり、どちらも現代のビデオゲームにおけるキャラクターモデリングには必須のものだ。
- 美しい見た目だがリアルタイムレンダリングにはポリゴン数が多すぎるため、次のステップではローポリモデルに巻き付けられた法線マップのテクスチャーにディテールをベイクする。ベイクしたらテクスチャリングのプロセスに入る。EU4では過去にPhotoshopで何十枚ものレイヤーを重ねていたが、最近になって私たちはモデルのテクスチャリングに適した非常に強力なツールであるSubstance 3D Painterを使うようになった。
- テクスチャーを完成させたらモデルをリギングしてスケルトンにし、最後にゲームにインポートする。宣教師の場合は新たなアニメーションも作成した。そのあと実装を行って、テストは社内のQAコーディネーターが管理し、外部のQAチームが実施する。
- こうしたユニットパック作成にかかる期間については、4月前半に開始して9月に完成した。最終製品が上の画像だ。ご意見を聞かせてもらいたい。
- 10月にご紹介した新たなミッションツリーアイコンやモニュメントに加えて、2Dアーティストたちは世界の忘れられた地域の顧問のポートレートも制作した。「Leviathan」のリリース時にオーストラリアのアボリジニ、東南アジア、ポリネシアの人々のフレーバーが非常に多く盛り込まれていたため、こうした文化の顧問ポートレートは私たちのアートリクエストリストの上位にあった。そこで「Origins」ではそれぞれの地域の男性と女性の顧問ポートレートを作成した。
- もちろん、リリースには新たなロードスクリーンが必要だ。今回はポルトガルの植民地化に抵抗したアンゴラの女王Nzingha Mbande of Ndongoだ。彼女はアフリカの歴史において偉大なインスピレーションを与えた女性の一人として記憶されており、以前の無料DLC「Women in History」でも取り上げた。
- ロードスクリーンはもちろん1.32パッチに含まれている。無料アップデートの詳細は近日中にお届けする。
2021年11月5日追記:2021年11月4日に「Origins」1週間前ということでチェンジログに関する開発日記が公開されましたが、当サイトでは記事にしてご紹介はしませんので、気になる方は直接フォーラムをご覧ください。
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