「Hearts of Iron IV」開発日記2021年5月12日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はバルト三国とポーランドについて。1.11「バルバロッサ」リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記2021年5月12日は、バルト三国とポーランドについて。
バルト三国
- 今回は次の拡張で導入される3つの新たな国家方針ツリー、ラトビア・リトアニア・エストニアについて。
- バルト三国は中国と同様に国家方針ツリーの一部の分岐を共有するが、その他の部分は固有のものだ。今回は共有部分である工業に関するものと共産主義に関するものををご紹介する。
工業ツリー
- 工業に関する分岐から始めよう。バルト三国はいずれも産業設備や軍の装備について海外からの投資に大きく依存している。そのため、自国経済への供給を民主主義国に委ねるか、軍事力の供給を枢軸国にゆだねるかを決めることになる。
- バルト三国はいずれもソ連やドイツに占領されていたために工業力が欠けている。そこで首都に労働者を引き寄せ、再軍備を開始し、研究部門を発展させることができる。
- 最後に、産業を近代化することでバルト三国はより自給自足的になり、軍事力を増強することに関して外国へ依存するのを終わらせることができる。また、エストニアとラトビアはマップ上の資源を開発できる。リトアニアは大きく農業に依存していたため「農耕社会(Agrarian Society)」のバリエーションの国民精神をもってスタートするが、これは工業ツリーを通じてゆっくりと大きな利益に変わる。
共産主義ツリー
- バルト三国はいずれもソ連との戦いを経験したばかりで、共産主義に対する民衆の支持は極めて低かった。バルト三国が政府を転覆させて共産主義国家を樹立しようとするなら、戦争をしなければならない。
- ソ連の介入に頼るか、下層階級との関係を調整し独立を維持しながら自力で共産主義を確立するかを選ぶことになる。
- 革命が終わって共産主義国になると、プレイヤーはリトアニア=白ロシア・ソビエト社会主義共和国を復活させる選択肢を得る。ソ連側についた場合、ソ連はプレイヤーにベラルーシの半分を割譲し、残りは戦争かモロトフ=リッベントロップ協定によって獲得することになる。
- しかしプレイヤーが独立しているなら、敵対的な手段で獲得しなければならない。バルト諸国はスペイン内戦の駐屯部隊管理システムのように、ベラルーシの統一に向けた支持をプロパガンダする必要がある。時間切れになるとベラルーシは独立し、内戦が始まる。勝者側は勝利したバルト諸国かソ連のいずれかに併合される。
- プロパガンダ戦争を通じて近隣諸国を共産主義に転向させることもできる。バルト諸国のプレイヤーがバルト三国全体に社会主義を確立するためにどのような手段をとったかによらず、統一バルト・ソビエト社会主義共和国を建国できる。
- そこからスカンディナヴィアやポーランドに対して新たに得た力を使い、バルト海全域での共産主義を実現できるかもしれない。
- 来週はバルト三国それぞれの固有の政治ツリーについて。
ポーランドの国家方針ツリーの変更点
- 以前ポーランドの国家方針ツリーについてご紹介してからいくつかの変更を行った。まず、開発日記を書いた後に追加された新たな国家方針アイコンをご紹介したい。
- 当初、ポーランドにはマップ外に原子炉を設置し、亡命政府としてプレイしている間にひとつの核爆弾を獲得できるようにする予定だった。これは核兵器開発計画における彼らの役割を反映したものだが、私たちはこれがゲームプレイの目的に対してあまりに没入感を壊しすぎてしまうのではないかと少しばかり決めかねていた。さらにみなさんの多くもそのように感じたようなので、私たちはマップ外の原子炉を削除し、工業に関する分岐に国家方針を移動させた。
- 次に、カール・アルブレヒト・フォン・ハプスブルク(Karl Albrecht von Habsburg)を君主主義ポーランドの選択肢として実装する時間を得た。彼にはチェコスロヴァキアに対するハプスブルク家の請求権を主張する固有の分岐がある。
- チェコスロヴァキアの請求はリトアニアのポーランド=リトアニア共和国(Commonwealth)に関する分岐と同じディシジョンのシステムを使い、両国が統一されると新国家はドイツに住む西スラブ人の保護者を宣言できる。
- カール・アルブレヒト1世はポーランド軍に勤めたことで知られており、王になってもその意欲は変わらないだろう。兵隊王(Soldier-King)として固有のパーソナリティを多く持ち、また元帥にもなる。
- ハンガリーがポーランドの敵と結んでいると、カール・アルブレヒトはオットー・フォン・ハプスブルクを支持してホルティの退陣を要求し、ハンガリーにハプスブルクルートをとることを強制し、ハプスブルク家のポーランドと外交的に手を結ぶことができる。
- ガリツィア=ロドメリアはハプスブルク家のポーランド支配を象徴するものであり、カール・アルブレヒトはガリツィア議会(the Diet of Galicia)を復活させ、「王立議会(Royal Sejm)」の国民精神をもたらし、首都をクラクフに移すことができる。
- 君主選出のメカニクスについて明らかにしておこう。国家方針「Fulfil the 5th of November Act」が完了すると、候補者が立候補し、自分を売り込む。したがって摂政評議会がPavel Bermondt-Avalovのような候補者に接触して招聘するのはほとんど意味がないが、Pavelは明らかに王になろうと自分を売り込むタイプだ。
- 最後に、私たちはテスト中にポーランドのツリーの幅が広すぎてスクロールするのがかなり面倒だということに気づいた。そこで政治ルートを選択したときにポーランドのツリーが自動的にコンパクトになるシステムを実装した。
- 来週はバルト三国の固有のルートについてだが、ティザーを残しておく。
- (その後のスレッドにて)新たなステートのスクリーンショットを入れようとしていたが忘れていた。
質疑応答
Q1:国家方針ツリーの折り畳みは他の国家方針ツリーにも実装できる?
A1:もともとはスペインのもの向けにやったことだが、大きなツリーでは役に立つ。今後はもっと使っていくことになると思う。
次回:開発日記2021年5月19日
コメント
翻訳お疲れ様です
バルト三国にNF追加は良いのですが、正直どこまで需要があるのやら
そしてフィンランドにNFの追加はあるのか
ニュージーランドみたいな地味なやつじゃなければ需要あるかもよ
極端な例を挙げるとルクセンブルクが中道ルートで世界統一みたいな
天候の影響を見直すのであれば、冬戦争やりごたえありそうだな。
だけどフィンランドNFはいろんな配慮から出ない気がする。
いつも翻訳ありがとうございます。
リトアニアはともかく、他のバルト三国に固有NFを入れるくらいなら北欧国家に手を加えて欲しいなぁ
それとも後のイタリアDLCとの抱き合わせのための温存なのか
パラドがフィンランドにNFを追加するんだったらノルウェーやスウェーデンにも追加するって言ってた気が。
北欧はBftBみたいなカントリーパックになるのかなぁ。
バルト3国、ポーランド、ソ連に加えて北欧諸国まで手を入れることは、今までの傾向から推測すると可能性低そうに思える。
フォーラムを見ると無いよりは有った方がいい、期待してなかったけど嬉しい、という反応が主流かな
ニュージーランドよりは好意的な印象
TfVの反省としてNF追加は地域別に行う方針なので、ある意味では順当といえる
マイナー国家の固有ツリーが追加される事自体は、多様なプレイに繋がって皆嬉しいのは同意。
ただ、ゲームのグランドデザインの中で比重が大きいであろうメジャー国家のアップデートを優先してやってくれ…って声があるのは至極当然な気がする。
折角アプデ毎に良いゲームになってるのだから、ソ連、イタリア、日本といったメジャー達が現環境に追いついていない現状を何とかしてほしいなぁ。
国家方針自体、個人的には無くしても良いと思ってる
その代わりにhoi2の時のような完全イベント制にしてもらえば。
hoi5にご期待ください
何故イベント制をやめてNFにしたのかというのは開発から繰り返し語られていることや、hoi4より後にeu4やインペロでミッションツリーが実装されたことを考えるとhoi5もイベント制が復活する可能性は低いと思う
どういう理由で変えたってパラド言ってたの?
史実プレイやる人以外はイベント制なんて邪魔なだけだしなぁ…
自由にプレイする場合は特にイベントのメリットを感じにくい
求める人はどういうメリットを感じているんだろうか?
hoi4をWW2を下敷きにしたサンドボックスとして遊ぶ事が一般的とは思わないです
一応歴史ゲームなんでね
https://simulationian.com/2019/06/hoi4-dd20190605/
Q:多くのプレイヤーが過去のHoIシリーズのように史実に沿ったシングルプレイをやっているのに、どうしてHoI4をペースの早い非史実の競争的なマルチプレイに向かわせているの?
A:実際には史実どおりに遊んでいないほうが多数派だ。だいたい半々に分かれており、いくつかの国家では非史実ルートのほうが人気がある。
https://forum.paradoxplaza.com/forum/threads/hearts-of-iron-iv-development-diary-1-our-vision.754427/
Hearts of Iron is, like most Paradox Development Studio titles, a grand strategy game in an open sandbox.(HoIは他のパラドゲー同様サンドボックスのグランドストラテジーゲームだ)
開発者と半数以上のプレイヤーはあなたの意見に賛同していないようですね
ごめんね、確かに一般的でないと言ったのは言い過ぎだったね
それでも半々は充分な数だし、後者は恣意的援用にも程があるが
わかりやすいようにピックアップするのを恣意的援用だと言うなら自分で読んで下さいとしか
一応補足しておくとこの後も数回sandboxという単語は使用される
個々の国のNF選択の比率についてもこのサイトで翻訳されているのだから、折角このサイトに書き込むくらいならもう少し先入観のない視点でこのサイトの記事を見て回ることを勧める