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HoI4の海軍の編制と運用――打撃部隊と哨戒任務

HoI4はバージョン1.6+「Man the Guns」以降、海軍や海戦が大幅に見直されました。本記事は現在のHoI4の海戦のメカニズムから打撃部隊任務と哨戒任務を行う艦隊の編制と運用を考えます。

記事執筆時点の最新バージョン:1.9.3


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本記事の狙いと概要

冒頭に書いたように、海戦のメカニズムから打撃部隊任務と哨戒任務を行う艦隊の編制と運用を考えてみようというのが本記事の狙いです。

まず海戦の基本事項を振り返り、特に編制に影響すると思われる直衛効率とポジション値について見ていきます。また、打撃部隊任務と必ずセットで運用することになる哨戒任務についても同様に見ていきます。その後、そこから考えられる打撃部隊任務・哨戒任務を行う艦隊の編制を考えます。

打撃部隊任務

打撃部隊任務は指定した海域の制海権を獲得し、ここに侵入してきた敵任務部隊を撃破することを目的とした任務です。通常は空母や戦艦といった、強力な一方で燃料をドカ食いする主力艦を集めた強力な編制の任務部隊で行います。

なお、打撃部隊任務を行う任務部隊と同じ艦隊に後述の哨戒任務を行う任務部隊がいないと、実際に敵任務部隊と交戦することができません。

海戦のメカニズム

まず、海戦では参加する艦船が水上艦は後ろから空母(空母と輸送艦)・戦列1(戦艦~重巡洋艦)・直衛(軽巡洋艦と駆逐艦)、それから下部の潜水艦の計4つのグループに分けられます。

以下、潜水艦はひとまず置いといて水上艦について説明します。基本的には前に位置するグループが後方のグループを守っています。

直衛効率

戦列と直衛はそれぞれ自グループより後方の「直衛効率」という値に影響を与えます。直衛効率は後方の艦船をどれだけ雷撃から守ることができているかを示すと同時に、すぐ後ろのグループにボーナスをもたらします。

戦列と直衛の間の直衛効率

上の画像のように戦列と直衛の間の直衛効率が64%のとき、戦列に属する艦船は雷撃を受ける可能性があり、同時に戦列に属する艦船には攻撃チャンス+25%(英語ではHit chanceなので命中率のことでしょう)、退却中の艦隊速度+12%のボーナスをもたらします。このボーナスは直衛効率が100%のときそれぞれ最大+40%、20%となります。

戦列と直衛の間の直衛効率は、直衛艦数÷4にポジション値ペナルティを考慮した値と、空母と戦列の合計艦船数の比率によって算出されます。例えば上の画像では、直衛48隻で守れる艦船は12隻で、さらにここに後述するポジション値によるペナルティが14.3%なので値は10.284(「最大x隻を効率よく~」のxは端数切り捨て)。一方、護衛対象は空母4・戦列12の計16隻存在しているため、10.284÷16=0.64275≒64%と計算されます

2020/03/08追記バージョン1.9.0からこの計算式が変更され、直衛艦数÷3で計算されるようになりました。

空母と戦列の間の直衛効率

空母と戦列の間の直衛効率は、戦列と直衛の間の直衛効率も関連するので少しややこしい計算になります。上の画像のように空母と戦列の間の直衛効率が23%、戦列と直衛の間の直衛効率が100%のとき、そもそも直衛艦の段階で防いでくれているので、空母に適用される直衛効率は100%です。

この画像のように空母4、戦列1、直衛艦13のときは空母と戦列の間の直衛効率が25%、戦列と直衛の間の直衛効率が65%2となりますが、空母に適用される直衛効率は73%です。これはおそらく直衛によって護衛されていない残りの35%のうちの25%が戦列によって護衛されるという計算と考えられます。すなわち、(100%-65%)×25%+65%=73.75%という計算(もしかすると内部的には直衛効率も小数点以下含めて計算されているかも)と推測されます。

(空母に適用される直衛効率ではなく)空母と戦列の間の直衛効率そのものは、戦列の艦船数にポジション値ペナルティを考慮した値と、空母の艦船数の比率によって算出されます。上のひとつ前の画像では空母と戦列の間の直衛効率が23%という表示ですが、これは戦列1隻で守れる空母は1隻であるところ、ポジション値によるペナルティが6.5%なので値は0.935(「最大x隻の空母を~」のxは端数切り捨て)。空母は4隻なので、0.935÷4=0.23375≒23%と計算されます。

ポジション値

ポジション値は自軍の戦闘中の艦船に幅広く影響を与えるもので、100%を下回ると自軍の戦闘中の艦船の攻撃、直衛、対空、潜水艦の視認性にペナルティがつきます。ポジション値が0%のとき、攻撃と直衛は最大で-50%、対空は-70%、潜水艦の視認性は+200%のペナルティを受けます。

ポジション値は天候、敵味方の戦闘中の艦船数比率、味方の増援、提督の操艦スキルや特性などが影響します(これ以外にも変動要因はあるかもしれません)。艦船数の比率によるポジション値へのペナルティは、{(味方艦船数÷敵艦船数)-1}×25%、つまり味方が敵の倍いる場合は-25%、味方が敵の3倍のときに最大ペナルティである-50%に到達します。味方の増援によるマイナスは1隻あたり5%として計算され、最大50%のペナルティがつきますが、こちらは時間経過によりわずかですがペナルティが軽減していきます。

提督の操艦スキルはスキル1あたりポジション値が+2.5%され、また提督が「優れた戦術家」を持っていればポジション値が+25%されます。つまり単純に考えれば「優れた戦術家」を持った提督なら敵の倍の艦船数で海戦に臨んでも艦船数によるポジション値ペナルティを受けなくなるため、非常に強力な特性と言えます。

直衛効率とポジション値から考える海戦時の艦船の数と組み合わせ

ここまでで海戦時の編成を考える上でポイントとなる直衛効率とポジション値について確認しましたので、ここから海戦に参加する艦船がどのような編成になっていればいいのかを考えていきます。

直衛効率から考える海戦時の艦船の数と組み合わせ

まず直衛効率を考えると、空母と戦列は1:1、空母・戦列の合計と直衛は1:4となるようにすると直衛効率が最大となることがわかります。空母は4隻より多く入れると空母過多としてペナルティがつくので空母4隻とすると、戦列4隻、直衛32隻、合計で40隻とするのがよいということになります。

2020/03/08追記:先述のとおり、バージョン1.9.0以降は、空母・戦列の合計と直衛は1:3のときに直衛効率が最大となります。空母4隻より多いとペナルティがつくのは変わらないので、空母4なら戦列4、直衛24の合計32隻

ただし、海戦中に艦船を撃沈されることを考えると戦列と直衛は(特に防御力の貧弱な直衛は)もう少し多めにしたほうがいいでしょうから、空母4、戦列5、直衛40の計49隻くらいがバランス的に長く効率的に戦えるのかもしれません。

ポジション値から考える海戦時の艦船の数

ポジション値は海戦時の敵艦船数と比較して1/3の数であるときに、敵のポジション値ペナルティが最大となります

ただし、これはあくまでポジション値の観点からのみ考えたものにすぎず、海戦では当然砲撃や雷撃、防空などさまざまな値が関係して勝敗が決まりますので、少なければいいというものでもありません。ポジション値から考えられる示唆は、個艦ごとの性能を高めてある程度少数の強力な戦闘艦を海戦に参加させるべきだということになるでしょう。

哨戒任務(2020年6月14日追記)

打撃部隊任務を与えた任務部隊が実際に敵任務部隊と交戦するには、その前に敵任務部隊を捕捉する必要があります。敵任務部隊の捕捉はまず敵を発見し、次に捕捉の進捗を100%にすることで完了し、捕捉が完了すると敵任務部隊と交戦できるようになります。打撃部隊任務を与えられた任務部隊が出撃するのはこのタイミングです

敵任務部隊の発見

哨戒任務を与えられた任務部隊は担当海域に移動した後、一定確率で敵任務部隊を発見し、捕捉の進捗率が上昇するフェーズに入ります。発見確率は基本値1%と海域内の任務部隊10%の計11%が通常で、さらに航空優勢に応じて最大+10%され、これに天候やレーダーなどの補正が入るようです。

なお、これは敵の水上艦の発見に関するルールで、英語版Wikiでは潜水艦は異なるルールがあると記載されていますが、詳細は不明。

敵任務部隊の発見については、哨戒任務を行う任務部隊の艦船の構成で変化はないようです。

捕捉の進捗

敵任務部隊を発見したら、次に任務部隊は敵任務部隊の捕捉を進めます。このフェーズには捕捉の進捗(哨戒任務を行う任務部隊と並んで表示される敵任務部隊の表示欄右側のメーター)があり、これを100%にすると捕捉が完了し、敵任務部隊と交戦できるようになります。

捕捉の進捗で重要になるのはツールチップの「毎時の変化」で、これはツールチップの(水上検知+水中検知+速度の差)×一致で計算されます(「一致」は英語ではCoordinationなので、提督の「編成」スキル、あるいはこれに影響される艦隊協調性(英語ではFleet Coordination)が影響しているものと思われます)。例えば上の画像下側の場合は、(3.49+0.00+0.12)×121%=4.3681≒4.37です。

捕捉の進捗は任務部隊の艦船数からは影響されないようですが、艦ごとの性能は影響します。上の画像は、航空機格納庫・レーダー・ソナーをできるだけ搭載して海上・潜水艦探知を高めた軽巡洋艦1隻のみの哨戒任務部隊(画像上部)と、レーダー・ソナーをできるだけ搭載して海上・潜水艦探知を高めた駆逐艦8隻からなる哨戒任務部隊(画像下部)の比較ですが、軽巡1隻のみの哨戒任務部隊のほうが「毎時の変化」は大きくなっています。

このとき使用した艦船の性能はこのとおり。

上の軽巡は「海上の視認性」が駆逐艦の1.5倍ですが、海上探知は倍近くあり、捕捉の進捗ツールチップのでは発見される確率が比較して高くなっていますが、それ以上に発見する確率が高くなっています。同様に、軽巡は駆逐艦よりも最高速度が遅いですが、ツールチップの「速度の差」ではさほど大きな差にはなっておらず、総合して見ると「毎時の変化」は軽巡で5.58%、駆逐で4.37%と、軽巡1隻のほうが有利です。

この比較は厳密に条件を揃えているわけではありませんが、探知能力を高めた軽巡のほうが探知能力を高めた駆逐艦よりも哨戒任務に向いているとは言えそうです。

捕捉の完了

哨戒任務部隊による捕捉が完了、すなわち捕捉の進捗が100%になると、待機していた打撃部隊任務を行う任務部隊が出撃し、敵任務部隊を捕捉した海域に向かい、海戦を行います。哨戒任務部隊の交戦ルールによっては、哨戒任務部隊のみで海戦を始める場合もあるようです。

打撃部隊任務・哨戒任務を行う艦隊の編制と運用

ゲーム中ではひとつの艦隊に10個任務部隊まで入れることができますが、1艦隊で複数の任務部隊に打撃部隊任務を設定すると、複数の打撃部隊が同時にひとつの海域に向かい、結果として海戦では増援によるポジション値ペナルティを食らうことがあるため、打撃部隊任務は1艦隊で同時に1任務部隊までとして運用するのがよさそうです。

その一方で、打撃部隊任務を行う任務部隊は大型艦が多いために海戦で損傷すると修理に時間を取られ、その間担当海域が無防備になってしまうことが多くあります。そのため、艦隊に打撃部隊任務を行う任務部隊を複数入れておく編制がよいでしょう。つまり、艦隊は最大で打撃部隊1-3、哨戒部隊7-9程度の構成となります。

まとめ

以下は今回の記事のまとめです。

  • 打撃部隊任務を行う任務部隊の編制は空母4、戦列4、直衛24が理想的。
  • 哨戒任務を行う任務部隊は可能な限り探知能力を高めた軽巡洋艦1隻で充分。
  • 海戦に参加する艦船数は少ないほうがよいので、数が少なくても充分戦えるように個艦性能を高めるべき。
  • 打撃部隊任務・哨戒任務を行う艦隊は、最大で打撃部隊1-3、哨戒部隊7-9程度の構成がよい。打撃部隊任務は同時に1部隊だけ指定するようにする。

もちろん状況によって対応を変える必要はありますが、この4点をおさえておけば海戦で充分戦えるようになるはずです。


通商破壊・船団護衛についてはこちら。

コメント

  1. かなり為になりました、有難う御座います。
    空母の運用をしないような国、状況の場合、直衛艦の数を減らす(海戦時、戦列4直衛16)ような方向で考えればいいのでしょうか?空母を使わない場合の編成も教えてもらいたいです。少数精鋭が良いなら、戦艦(巡洋戦艦、超巨大戦艦含む)一隻+軽巡四隻が最効率だったりします?

    • 数が少ないほうがポジション値の上では有利ですが、記事にもあるようにある程度数がいないと単純に砲撃力などで負けてしまうのと、こちらがどんなに少なくても敵に与えるポジション値のマイナスは敵の1/3のときの最大50%までなので、そのあたりは程度問題になるんじゃないでしょうか。
      敵主力艦隊と当たるような第一線級の打撃部隊なら、海戦時に戦列4直衛16とするよりも空母を戦列に置き換えて戦列8直衛32のほうが安心できるかと思います。

      海戦だけ見れば理論的には直衛艦はすべて軽巡のほうが有利に戦えるのは確かでしょうが、生産や燃料も含めて考えるとコスト効率的にある程度駆逐艦を入れるほうが効率的かなと感じます。

      • なるほど、「空母を戦列に置き換えて戦列8直衛32」こういう考えの編成も有るんですね、勉強になります。そう考えると、空母の運用は国力的に難しいし、戦艦八隻揃えるのも厳しいような国家で戦列に重巡混ぜて戦艦と重巡で合わせて戦列8とかの編成も生きてくるのか。

        どうにも重巡の存在価値は空母護衛のための低コストの戦列、程度にしか思ってなかったですけど、燃料や生産コスト的に戦艦の代わりをする可能性も有る、と。
        実際、直衛艦だって全部軽巡じゃなくて駆逐艦混ぜますしね。

  2. こういう記事を待ってました!
    管理人さんありがとうございます。

    • お読みいただきありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいです。

  3. 質問なのですが少し前は空母いらないから戦艦作った方がいいって風潮がありましたけど、アップデートで空母が強化されたんですか?

    • https://simulationian.com/2019/05/hoi4-dd20190522/
      https://simulationian.com/2019/06/hoi4-v170official/
      詳しくはこちらの記事をご覧いただきたいと思いますが、1.7.0から海戦で空母は一番最初に攻撃できるようになりました。

    • 後何か、対艦攻撃機(艦載機含む)に強化が入ったとかいう話があって、空母も敵艦撃沈にちゃんと貢献するようになった印象。空母は火砲とかレーダー弄らなくても艦載機さえアプデしていけば火力は衰えないから、最低限の改装で常に一線級の戦力で居続けられるというメリットを生かしやすくなったかも。

      巷では空母をカミカゼのための洋上飛行場として使うと、艦載機の損耗と引き換えに敵艦隊をズタズタにするのが話題になってるようですが…

  4. 対艦攻撃機と潜水艦をばらまいておけば、まともな海戦が起きずに敵艦が溶けていく

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