「Hearts of Iron IV」開発日記2019年2月13日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はAIの設定について。かなり長め。
概要
開発日記2019年2月13日は、AIの設定について。
- Waking the Tigerにおいて、私たちはAIに複数の国家方針ルートを進めさせるようにバックエンドサポートを作成したが、Man the Gunsと同時リリースの無料の1.6アイアンクラッドアップデートではこの機能をさらに拡張し、カスタムゲームルールメニューと組み合わせて、特定の国家が進める国家方針ルートをプレイヤーが選べるようにした。
- 固有の国家方針ツリーを持つ国家はそれぞれ少なくとも2つのAI戦略計画を持つようになり、この数は国家方針のルート分岐の数による。プレイヤーはAIが特に採るべき計画のいずれかを選ぶこともできるし、AIがランダムに計画を選択するようにもできるし、他のゲーム設定に従うようにもできる。
- AIの設定は他のゲーム設定にオーバーライドするため、史実モードにチェックを入れていて、なおかつドイツのAIが皇帝を復帰させるように設定している場合は「ヒトラーへの反抗」がとられる。これによってプレイヤーが一部の実績を非常に簡単にする状況を作れてしまうため、こうした設定は幅広く実績を獲得できなくなる。
- また、この機能によって、国家方針や連鎖イベントを作成する際に私たちが想定していない状況(民主主義ドイツはファシストフランスを封じ込めるために共産主義ハンガリーと同盟するだろうか? さらにもしイギリスが共産主義だったら?)を作り出してしまう組み合わせをプレイヤーは設定できてしまう。国家方針ツリーに相互排他が数多くあり、組み合わせの数は非常に多いことを考えると、あるAIがそれ以上国家方針を進められなくなったり、意図しない動きをする事態につながり得る。
- 今日はオフィスのメンバーが使うちょっとしたシナリオに基づいた短いAARを見ていくことにしよう。すなわち、「同時にいくつの君主制国家を持てるか?」というものだ。
- そこで、ドイツでは皇帝を帰国させ、ハンガリーではオーストリア=ハンガリーを復興し、ルーマニアでは「バルカン半島の支配」を獲得し、日本では天皇を復帰させ(?)、満州国は独立を勝ち取ろうとし、イギリスでは王党派を支援(ルーマニアのカロル2世は支持したが、そういう意味ではないとこっそり告げられた)し、最後にオランダではオランダ政府のただひとりの人物、ウィルヘルミナ女王を支援することにした。フランスはデフォルトのまま(したがってドイツ帝国に対して反応する)、アメリカとメキシコはランダムとした。私たちはウルグアイとして観戦した。
- ドイツではまず内戦を通じて君主主義者が復活した。ちょっとした傍注だが、私たちはドイツ内戦開始時点での軍の配置を見直し、まとまりのある前線ができるようにした。一方、ハンガリーでも君主主義者が強化され、イギリスでは産業育成が続き、日本は皇道派が支持された。
- ドイツ内線の間に、イギリスはさらに産業育成、ハンガリーは君主制の国家方針を一気に進めた。ルーマニアは拡張を後回しにしたが、おそらく正しい選択だ。
- ヒトラーの夏攻勢で君主主義者はこれを乗り越えるまで1936年のほとんどを劣勢に立たされ続けた。同時にオットー・フォン・ハプスブルクがハンガリーの王位に就いた。ウォリス・シンプソンと結婚するというエドワード8世の要求に激怒したイギリス内閣は総辞職した。満州国は好機を伺い、産業の強化を続けた。
- 1936年10月、ドイツの君主主義者は反転攻勢に出て本来の戦線まで押し戻すことにほぼ成功した。まずハンガリー王となったオットーは野心的な産業拡大計画を進めた。これはハンガリーの労働者に雇用を提供することで支持を集めようとするものであるのは疑いない。
- 観察者が驚いたのは、大統領選挙でローズヴェルトをアルフ・ランドンが打ち負かし、早々にドルを金本位制に戻して前任者の無責任な政策によるダメージを回復させようとしたことだ。
- 1937年に入って、ドイツの君主主義者は南北からファシストの領域の奥深くに進軍した。大英帝国は自治領が祖国から分かれたことで分割され、イギリスのある公務員は次のように叫んだ。「トロイのヘレネ以来、ひとりの婦人によって偉大な国家にこのような不幸がもたらされたことはなかった!(伝えられるところではチャーチルの『彼女が独身でさえあれば』による)」
- 反乱から1年後、ヒトラーに不運の前兆が現れた。メクレンブルクにおける瀬戸際の攻勢が若干の領土を回復したのみで頓挫したのだ。イギリスの王党派はイギリスの君主制に対する支持を固め、オットー・フォン・ハプスブルクは彼の王朝の旧領を回復するための次のステップに進んだ。オーストリアで国民投票を行い、ハンガリーをオーストリア=ハンガリーに転換するのだ。
- 37年4月上旬、戦闘はベルリンに達した。ヒトラーはシュタイナー将軍の反撃にあらん限りの資源を集めて投じたが、将軍たちによってこの攻撃が実施されなかったことを知らされた。ヒトラーはこの知らせを冷静に受け止めた。ベルリンは数日後から戦火の中に沈み、ファシスト政権は月末まで生き延びることはなかった。
- イギリスではエドワード8世が王位に就き、明らかに盛大な戴冠式を準備していた。また、予想に反してオーストリア国民はハプスブルク家の王の支配に戻るよう票を投じた。
- インドの大英帝国からの性急な独立は国内のムスリムによって疑問を突きつけられた。代表権がないことを憂慮したパキスタンとバングラデシュのムスリムが自由のために立ち上がったのだ。観察者は長く血塗られた闘争を予感した。
- その点、スペイン内戦は傍注以下としか顧みられなかった。アルフ・ランドンが「アメリカ第一主義(America First)」政策を唱えたことで世界に衝撃を与えたからだ。
- ツェッペリン・ヒンデンブルクの事故のニュースは主要紙には載らなかったが、ドイツ王女ヴィクトリア・ルイーズは大きな関心を寄せたと伝えられている。
- アジアでは蒋介石主席が周辺の軍閥を統合すべく新たな攻勢の準備を進めていた。皇帝溥儀は日本との再交渉を成功させ、満州国内の統治についてより大きな権限を得た。
- ヨーロッパの報道によれば、ハンガリー王オットーがオーストリア=ハンガリー皇帝としての戴冠式の準備を進めており、ドイツの軍事政権も君主制の復活を目指すことを宣言し、中国の中央政府は広州軍閥と雲南軍閥に対して「南征」を宣言した。
- スペイン内戦は共和派が勝利した。オットー・フォン・ハプスブルクはオーストリア皇帝としてまずボヘミア・スロヴァキアとの関係強化を図り、ドイツ政府に対して「ファシズムの毒蛇」を打倒したことに最大限の祝意を伝え、旧体制の復活についての支援を約束した。
- チェコスロヴァキア政府は風向きを見て(特に以前からの同盟国であるフランスは共産主義の復活に直面しており、そう長く彼らを守れるわけではない)ボヘミア王オットーの要求を容認する決定を下し、オーストリア=ハンガリーに再び統合された。より大きな隣国に出し抜かれたというわけではないが、ルーマニアのカロル2世は国王独裁制を確立しようとした。
- インドではパキスタンが逆に攻勢を取り、今やデリー外縁部に達していた。満州国では溥儀が忠誠心を疑っていた国務院のメンバーを粛清した。中国では蒋介石が彼の真の目標である共産党の撲滅に目を向けたことで南征が膠着状態となった。
- 38年8月4日、退位からおよそ20年後に皇帝ヴィルヘルム2世はドイツに戻った。世界はなぜ君主が必要かを理解したようだと彼は述べた。オーストリア=ハンガリーではトリアノン条約への対応として秘密の再軍備計画が進められた。
- インドでは再び形勢が変わり、インドは全戦線でパキスタン軍を押し返した。
- ドイツのヒトラー政権が倒れたことで、イタリアのファシスト政権は国際社会でますます孤立を深めた。これはヴィルヘルム2世と遠い親戚であるエドワード8世の個人的な書簡のやりとりで行われた首脳級の外交活動でより深刻なものとなった。両者はイタリアに対する見解で一致し、かつての敵国との間での同盟締結に向けて動き始めた。フランスはますます共産主義に傾き、ドイツは大陸における共産主義の脅威に対抗するために背後の守りを欲していた。
- 38年末、インドはパキスタンの最後の抵抗を破り、長く続いた戦いは終わった。
- 39年初頭、ヨーロッパの勢力図は大きく変わっていた。1918年に王座を失った二人の君主が戻り、ひとりは前世紀にはなかったほどの権力を取り戻している。極東では皇帝溥儀が機会をうかがっている。彼は日本がソ連と戦わねばならないことを知っている。その時が好機だ。ルーマニア王は権力を固めた。ハンガリーに強く出るのは現状では不可能だが、依然としてバルカン半島での地位を主張するだろう。
- アメリカでは保守反動勢力が息を吹き返し、右派を大きく動かしている。ヨーロッパの戦後秩序は崩壊し、古き王権が復活したことで、アメリカはヨーロッパへの介入準備を始めている……。
質疑応答
Q1:非史実の国家方針「関東軍との同盟」をプレイヤーが選ぶことを妨げるようなゲームルールはないの? この国家方針は非史実でリアルでもないし、史実モードがオンだとAIも選ばないけど、対戦型の史実マルチプレイでは「史実」として満州国で利用できるんだけど。
A1:そうしたルールはないが、Modではずっと簡単にできる。
Q1-2:バニラでそうなる可能性は?
A1-2:多くのプレイヤーがそうなることを望むならおそらく。
Q2:デフォルトのルール設定はどうなるの? ドイツのデフォルトとファシストの設定はなにが違うの?
A2:デフォルトは史実・非史実の設定やその他のAIの振る舞いに関するトリガーの条件を尊重する。ファシストはなにが起こってもドイツが史実のファシストルートを進むようになる。簡単に言えば、デフォルトは1.5.4と同じ、ファシスト設定では史実モードを切ってもファシストルートを進む。
Q3:ランダムはすべてのルートを同じ重み付けで選ぶの?
A3:例えばドイツなら「ランダムモードでは皇帝ルートやファシストルートには民主主義ルートよりもより大きく重み付けされる」というような意味では、同じ重み付けはしないが、もし国民が望むなら変えるのは簡単だ。だが、特定のルートに進ませることもできるので、私(注:筆者のArchangel85氏)は今のところそれほど大きな問題ではないと思う。
Q4:オーストリア=ハンガリーがチェコスロバキアを吸収するというのは、国家方針で傀儡化した後のディシジョンがあるってこと?
A4:そのとおり。現在のところではディシジョンだ。
Q5:このシステムを使えばプレイヤーに無理やり特定のルートを進ませることもできる?
A5:このシステムは改造できるのでイエスだ。
Q6:このシステムはマルチプレイでも使える? シングルのみ?
A6:私が思うに、マルチプレイグループでModを作って好みのルールをつけることができる(マルチプレイでは全員がModを入れているときに限って機能する)。あるルールが非常に人気ならゲーム本体に取り込むこともあるだろう。
Q7:共和派が勝つスペイン内戦は直った?
A7:これについては多くの時間をかけてバランス取りをやってきた。100%とは言わないが、私がチェックした過去30回では国粋派が負けたのは1回だけだ。
Q8:パッチリリース前にベータ版は出さないの?
A8:私たちがベータ版を出すのはマイナーアップデートだけだ。
Q9:全体的にAIは賢くなった? 無から魔法のように師団を作り出してたけど。
A9:「魔法のように」師団を作り出すことはAIはしないので、あなたの言っていることがよくわからない。私たちは常にAIを改良している。来週のパッチログでAIの節をチェックしてほしい。
来週は1.6アイアンクラッド・Man the Gunsの要約について。
コメント
またシュタイナーが攻撃を断念してる…
ウィキペディアのシュタイナーの写真って舛添に似てるよね
ヒトラー「ちくしょうめぇえええええ!」
皇道派はまあそうなのか?
フランスやイタリアで王朝が復活したりユーゴのペータル2世が平和的に(粋軸入りのではなく)元首になれる日はいつ来るのだろうか?
スペイン内戦で国粋派が弱すぎる不具合は直ってなさそうだな
フランスがイタリアにボコボコにされる上にヴィシーごと強奪されて跡形もなくなる状況は直ったのかな?
後今回のアップデートで中小国が資源関連や研究速度で辛くなることに対して何かしらの対策は取ってるのかな?このままだとファシストのおやつでしかない
…と言うことは、確かAIは極度の資源不足でもペナルティを無視して生産し、師団を配備するチートまがいの行為が出来たはずだがそれは直されないのか。
だいたいアメリカ弱すぎね?
ドイツで独ソ戦終わって1945年頃に攻め込むとして滅茶苦茶あっさり滅ぼせるぞ
海軍はそこそこあるけどイギリスと比べれば分散しててあっさり上陸してるし
なにしろ陸軍が弱すぎ、数も少ない。舐めプしてた史実ならあんなものかも知れんがドイツが攻め込んでくるってなったらソ連以上に徴兵して大量動員、経済を止めてでも兵器を大量生産するだろ、つまり現実ならアメリカvs全世界でも拮抗するぐらいのパワーバランスのはず
攻撃にはそこまで大量投入はしてこないが防御に関してはラスボスとしてもっと強化して欲しいところ
そもそも非戦時国家がどんどん力を増していくって描写が糞過ぎる
ソ連の戦争の教訓のNFもタンヌとの戦争だけで元の力取り戻すし
英米が本気出すころにはドイツの戦争拡張に全く追いつけない
なにもかもが適当。一部AIの脳死突撃戦法もスペインで共和派が勝つのも何回もしてればすぐ気づく致命的に阿呆なAI。なんで何もかもhoi2にすら勝てないのか これならhoi2リメイクしてくれた方がマシじゃん
hoi4のグラフィックでhoi2がしたいい
CASで人的削るだけでひたすら遅滞戦闘してれば敵のマンパワー枯渇して塗り絵のhoi2が素晴らしいってのがよくわからん。
ここで喚いてないで公式フォーラムで意見してくりゃいいのにねえ。
オランダ…
ぎゃんぎゃん騒いでる人いて草
hoi2やっときゃいいじゃん。