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「Stellaris」開発日記#121――惑星の見直し(1/4)

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#121が更新されましたので、その内容をご紹介。今回は惑星の埋蔵資源、建造物、区域について。

前回:開発日記#120――新たな経済システム


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概要

開発日記#121は、今回は惑星の埋蔵資源、建造物、区域について。

  • 今回から、2.2「ル=グィン」アップデートにおける惑星の見直し、すなわち惑星タイルと置き換えられる惑星管理システムについて紹介する。これは長くなるため、4回に分割する。今回は埋蔵資源(Deposits)、建造物、区域(Districts)について。以下は開発の初期段階のものであることを留意していただきたい。

惑星の見直し

  • 細かな部分に入る前に、この見直しの理由と目標について述べておきたい。私としては、タイルの制約を取り除くことが、もっとも強く求める長期的なゲームの目標だった。これはタイルシステムがもともと悪いものだと考えていたわけではない。
  • しかしこのシステムは非常に窮屈で、ある意味ではStellarisの中核となるコンセプトに照らして弊害があると感じている。タイルごとにひとつのPopとひとつの建造物というハードな制限(注:システム面でかかっている制約という意味と思われる)、1惑星あたり25のタイル・Pop・建造物というハードな制限は、ゲームにおいて存在させ得る社会や惑星の種類を厳しく制約している。
  • ひとつの惑星に膨大な人口が集中した都市惑星を作りたいと思うことはないだろうか。しかしそれは不可能だ。ロボットがすべてを行う完全自動の、なにも欠けることのない惑星は? 価値ある建造スペースを捨てることなしにはできない。もちろん、本当はこういうことができるようにタイルシステムを変えることもできた。例えばタイルごとに追加のPopと建造物のあるサブタイルを持てるようにすることだ。
  • しかし、それではシステムにとっつきやすくする見た目のわかりやすさが損なわれてしまうし、建造物あたり1つのPopという制限には囚われたままだ。つまり、表層的にはこれまでのタイルシステムに近いが、その主な長所を持っておらず、しかしその短所はほとんど引き継いでしまっていると私たちは考えた。
  • 新たな惑星管理システムを設計するときに私たちは以下のような複数の目標を設定した。
    • 新たなシステムは、プレイにおいてStellarisの体験の本質的な部分であるロールプレイングや多様性を基礎とするため、幅広くさまざまな社会をシミュレートできなければならない。
    • 新たなシステムは、惑星をどのように開発するかについてより面白い選択を提示すると同時に、建造物の大量アップグレードのようなつまらないマイクロマネジメントを減らさなければならない。
    • 新たなシステムは、惑星を資源採掘基地ではなく、Popが実際に生活している場所であるように感じさせなければならない。
    • 新たなシステムは、ほとんどが改造可能で、私たちとMod制作者双方が簡単に新たな種類の帝国やプレイスタイルを作り出せるようにしなければならない。
  • 私たちはこの新しいシステムによって、タイルシステムではうまくやれなかったゲームの多くの機能の巨大な改良というだけに留まらず、先週の開発日記で述べた資源の見直しと相まって、真に奇妙な異星人社会を作れるようになったと確信している。

埋蔵資源

新たなアートはできておらず、配置されている画像は仮のものだ。

  • タイルシステムのもとでは埋蔵資源は単にタイルに配置された資源の塊に過ぎなかったが、新たなシステムでは惑星の地形や特徴に近いものとなった。居住惑星ごとに(半ランダムの)埋蔵資源量があり、大きな惑星では通常より多くの埋蔵資源を持っている。
  • 惑星上で埋蔵資源の存在するエリアは経済的に開発され得るところであり、ほとんどの場合で惑星の特定の区域(詳細は以下)の数が増加する。例えば、「肥沃な土地(Fertile Lands)」という埋蔵資源は豊かな農地のある様々な地域を表現するもので、惑星の農業区域(Agriculture Districts)の数が増加する。これは潜在的には食糧を産出する。

  • しかしすべての埋蔵資源が区域に影響するわけではない。いくつかのもの(例えば「水晶の大洞窟(Crystalline Caverns)」や「ベサリアンの原野(Betharian Fields)」など)は、惑星に特別な建造物(詳細は以下)が建設できるようになる希少な埋蔵資源だ。その他、その惑星に住むPopの幸福度を増加させる美しい自然のあるエリアのように、単純に一定の便益を惑星にもたらすものもある。
  • 埋蔵資源にはタイルブロッカーのように機能する埋蔵資源ブロッカー(Deposit Blockers)があり、時間と資源を支出することで取り除かれるまで埋蔵資源の便益が打ち消される。惑星には同じ埋蔵資源が複数存在することがあり、惑星に存在できる埋蔵資源の数にハードな制限はない(が、通常の状況で生成され得る数のキャップはある)。
  • 惑星の埋蔵資源の種類は惑星クラスに影響を受ける。したがって海洋型惑星なら「昆布の森(Kelp Forests)」から食糧を得られるだろうし、極寒型惑星なら代わりに「菌類の大洞窟(Fungal Caverns)」があるだろう。

区域

  • 区域はル=グィンアップデートでどのように惑星を開発するかということの中核となるものだ。区域は居住や資源採掘などに特化した、惑星上の開発された地域を表現している。ほとんどの帝国では4種類の基本的な区域、すなわち都市区域(City Districts)・採掘区域(Mining Districts)・発電所区域(Generator Districts)・農業区域(Agriculture Districts)がある。例外(集合意識は巣区域(Hive Districts)を持つ)については今後の開発日記で述べる。
  • 惑星に持つことができる区域の合計数は惑星サイズと同じで、つまり16のサイズの惑星は16区域をいかなる組み合わせでも持つことができる。さらに、資源産出区域(採掘・発電所・農業)は惑星の埋蔵資源にも制約される。都市区域は惑星の埋蔵資源に制約されず、惑星の自然資源をあきらめて惑星全体に都市区域を広げることもできる。
  • それぞれの区域は以下の効果を持つ。
    • 都市区域:Pop向けに多量の住居(Housing)を、建造物向けにインフラ(Infrastructure)を、そして貿易価値(Trade Value)と贅沢品(Luxury Goods)を産出する事務職(Clerk Jobs)を提供する。
    • 採掘区域:少量の住居・インフラと、鉱物を産出する鉱業職(Mining Jobs)を提供する。
    • 農業区域:少量の住居・インフラと、食糧を産出する農業職(Farming Jobs)を提供する。
    • 発電所区域:少量の住居・インフラと、エネルギー通貨を産出する技術職(Technician Jobs)を提供する。
  • コンセプトの詳細については今後の開発日記で述べる。今のところは区域が帝国におけるその惑星の役割を形成すると述べるに留めておく。例えば高度に都市化した惑星ならば、多くの建造物と研究者のような専門家を支えることができ、帝国の通商路(詳細は今後の開発日記で)に貿易価値を提供できるが、代わりに多くの天然資源を産出することはできない。
  • 惑星の埋蔵資源と惑星の補正はこの決断に影響を与えるだろう。高濃度の鉱物を産出する大きな惑星には膨大な量の埋蔵資源があれば確実に有益な採掘惑星になる。しかし、もしそこが高度に都市化した貿易ハブとしても最適の場所だったら? もはや単に「一番いい隣接ボーナスを出せる首都の位置はどこか?」とか「タイルの資源に従うべきか?」というだけに選択は限られず、帝国の中でそれぞれの役割を果たす多様な惑星を作るという本質的な選択となる。

建造物

  • ル=グィンアップデートでは、建造物はさまざまな職(Jobs)や大規模に採集するのに適さない資源をもたらす特別な施設だ。例えば物理学の埋蔵資源の上に建つ物理学研究所で働く科学者の代わりに研究施設(Research Labs)を建設し、これは帝国の研究に従事する一定量のPopに研究職(Researcher Jobs)を提供する。
  • 建造物は惑星のインフラによって制約され、1つの建造物スロットをアンロックするには惑星に10のインフラが必要となる。建造物には惑星に建造できる数が限られているものもあるが、そうでなければ複数建造可能だ(例えば「先住種モニュメント(Autochthon Monument)」は1つだけだが、「合金工場(Alloy Foundries)」はいくらでも建てられる)。

  • インフラは主に区域の建設によって得られ、都市区域は資源採集区域よりも多くのインフラを得られる(今のところ都市6資源採集2としているが、最終的な数値ではない)。建造物スロットをアンロックするほか、インフラレベルが高いとより効率的になる建造物もあり、また建造物のもたらす職の数は完全に、あるいは部分的に惑星のインフラレベルで決まる。例えば、これは開発中のものの話だが、研究施設と合金工場はどちらもインフラレベルで生み出す職の数が決まる。つまり研究と製造(manufacturing)は高度に都市化した惑星に集中させるほうが、農業惑星を科学研究ハブにしようとするよりも効率的だということになる。
  • 資源を産出する職を提供する建造物の他にも、Popの物質的・社会的ニーズに応えるさまざまな建造物がある。例えば上流階級のPop向けの高級住宅(Luxury Housing)、Popを幸福にする娯楽施設(Entertainment Buildings)、社会不安や犯罪を抑止する法執行機関(Law Enforcement)などだ。人口の稠密な惑星ほどこうした建造物が必要となる。

質疑応答

Q1:「自然への精通」はどうなるの?

A1:変えるか決めてない。惑星サイズではなく区域の最大数を引き上げることになるかも。

Q2:今のシステムではAIは完全に無能だけど、新しいシステムではどうなるの?

A2:完全に改造可能なAIの予算・支出システムを作っている。スクリプトを書くことができて簡単に調整できるし、新たなシステムは全般的にAIを書きやすい(タイルシステムはAIを機能させるのが本当に本当に複雑だった)。


来週は階級、職、住居、移民について。

次回:開発日記#122――惑星の見直し(2/4)

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コメント

  1. 画面見る限りかなり変わる感じだなぁ
    最早ステラリス3.0

  2. 物凄く時間かかりそうだね…

  3. 今のタイルシステムも、わちゃわちゃ感あって好きなんだが、
    後半になると日記にもある通り、アップデート作業感とかがもろにでてきついんだよなぁ
    あと、POPのシステムとかタイルのシステムがメモリとか処理速度にダイレクトに影響してるのも痛い
    惑星毎にもっと特色出せれる形になれば面白いよね

  4. 「主に」って書いてあるから、それ以外の方法もあるんだろうけど、区域だけでインフラを建造物スロットをすべて開放する110まで上げるとなると、仕様変更が無ければ都市区域が18個(6*18=108)と資源採取区域1つ(2*1=2)の19個必要になるから、研究・製造惑星を作るなら、最低惑星サイズ19必要になるんだよなぁ……。

    画像見た限りではインフラ30と20ごとに職+1だから110以上で切りの良い120となると20区域必要……。

    自然への精通の効果は従来どおり、惑星サイズ拡大にしてくれないと最大効率で内政回すのキツそうだなぁ……。

    まあ、実際は区域上限と建築物スロットと人口と職業枠の関係でインフラ60か80、90あたりで妥協することになるのかな。

    無職増えたときに、生活レベルを社会福祉とかにしてると、社会保障費でエネルギー消費増えて経済死にそうだし……。

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