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「Hearts of Iron IV」開発日記2017年11月8日――決定的行動

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2017年11月8日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はイベントとディシジョンについて。

前回:開発日記2017年11月1日――航空機と補給物資


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概要

開発日記2017年11月8日は、イベントとディシジョンについて。今回はコンテンツデザイナーのBratyn氏によるものです。

  • こちらの開発日記でpodcat(注:HoI4ゲームディレクター)が書いていた「プレイヤーが素早くダイナミックな決断を行えるようにする手段。」というのに立ち返ろう。
  • 国家方針ツリーはナラティブなツールとして非常によく機能するが、私たちはこれに完全に満足していたわけではない。複雑なストーリーラインや長期的な選択肢を示し、どれが利用可能かをプレイヤーに示し、特定の方向に努力を集中させるというような点では確かによくできている。しかし、これはツリーのデザインに強く依存していて、ほとんどの方針は70日のリードタイムが必要であり、まったくダイナミックではないというのは重要な問題だ。
  • これはプレイヤーにとって問題がある(例えば、異なる方針を選んだ後にウラルに工場を移す必要があるのに、実際に移動させるまでに130日も耐えなければならない)だけでなく、デザイナーにとっても事前に世界の状況を予言する必要があるため、制作するのは非常に難しい。
  • そこでディシジョン(decision)システムだ。この背景にあるアイディアは、プレイヤーが起こりつつある危機にダイナミックに素早く反応できるようにすることであり、国家方針の70日のタイムテーブルに固定されないことだ。さらにこれによってコンテンツデザイナーとMOD制作者は、プレイヤーがすることや反応を作ることができるようになる。このうちの前者がディシジョン、後者がミッション(missions)だ。これらは両方ともカテゴリー(categories)に分かれ、それぞれにアイコン、フレーバーの文章、可能なら小さな画像も設定される。
  • これは国家方針システムと置き換えるつもりのものではない。私たちは抽象的な国家方針を細かく述べるディシジョンをセットにした国家方針ツリーの追加もしたいと思っており、これによってよりダイナミックなゲームプレイが可能になる。例えば、国家方針によってディシジョンが現れ、いつ効果を発動するかはプレイヤーが決められる。

ディシジョン

  • ディシジョンは2つの形態を取る。もっとも単純な例は、他のパラドゲーと同じく単にクリックすればディシジョンを起こせるものだ。ボタンをクリックすることで一回限りの効果が起こる。国家方針が即時に完了したときとまったく同じだ。ディシジョンは永久の効果も一時的な効果もあり、そういう意味では国民精神にも似ている(これは国民精神のリストを扱いやすくもする)。

  • もうひとつのディシジョンは「期限付き」だ。これは短い一定期間だけアクティブで、その期間の間だけ補正を得る(ボーナスとペナルティどちらでも)し、また期間がすぎると通常のディシジョンと同じように一回限りの効果を得る。(? 期間内の期限にプラスしてさらに期間後にもなにか効果があるということ?)
  • こうしたディシジョンのコストは政治力だが、その他のペナルティやコストが設定されることもある。例えば「陸軍改革」ディシジョンは効果として陸軍経験値にペナルティを受け、さらにリストにある政治力も消費する。
  • 私たちが広くディシジョンを使うことに変えた例は、イデオロギーの変更だ。以前はイデオロギーを推進する政府顧問を入れる必要があり、ランダムなインターバルのイベントを経ることで起こっていたが、プレイヤーはほとんどこれに関与できず、国民投票と内戦でわざわざ大変なほうを選ぶ理由もなかった。
  • これからは、イデオロギーを推進する政府顧問を採用すると多くのディシジョンを行うことができるようになる。平和的だが時間のかかる方法もあるが、内戦は短く済み、一般的にはより魅力的なものとなる。

  • 多くのディシジョンは内戦にあたってプレイヤーの側の将来の戦力を増やし、特定の将軍の指示を確保し、同時に一時的な「奇襲攻撃」ボーナスと小さな兵器の隠匿場所を得る。すべてが必要というわけではなく、条件を満たして準備が整ったと思うのなら、「内戦の開始(ignite the civil war)」を行い、イチかバチかやってみることになる。

  • イデオロギーの変更がいつ起こるかについて、ディシジョンの基準を満たせばプレイヤーは完全なコントロールを得る。

  • 見直されたもうひとつのものは資源システムだ。これは現在は非常に硬直的で、インフラレベルと関連することで少しはダイナミックになるが、これだけでは資源マップを根本的に書き換えるリアルな方法とは言えない。
  • 新しいディシジョンは、採掘技術レベルによって新たな埋蔵資源を「探査」することができる。さまざまな史実の埋蔵資源が、関連するプロヴィンスを支配している国家にとってアクセスできるようになる。新たな資源を開発する国家方針がある場合は(イタリアのアフリカ油田)、国家方針でディシジョンがロックされ、その逆もある。

ミッション

  • ミッションは、プレイヤーが条件を満たす必要があるディシジョンだ。条件が満たされるとディシジョンのようにボーナスをもたらす。しかしこれには時間制限があり、期間内にミッションを完遂できないとペナルティを受ける。例えば、Z計画は一定期間内に一定数の艦艇を建造する必要がある。

  • これにより、私たちはソ連やその他の国に進攻するときにプレイヤーの目標を方向づけすることができるようになった。これはほかのディシジョンと結びついて軍に一時的なブーストをかけることができる。だが、これは失敗したときにペナルティがある特定の目標にプレイヤーが責任を持つというときに限られる。

ディシジョンとミッションの相互作用

  • 双方は互いに興味深い方法で関係している。例えば、ドイツのディシジョン「アントン作戦」はヴィシー・フランスについてのミッションをもたらし、ヴィシー・フランスにすぐに政府を解体するように警告を与えるが、ヴィシー・フランスにはその前に艦隊を自沈させるディシジョンが与えられる。ドイツのプレイヤーは素早く行動すればこれを防ぐことができ、フランス艦隊をまるまる手に入れることができる。

  • 一方、イギリスのプレイヤーは強制的に艦隊を接収しようとするか、これを損傷させようとする。

  • メフォ手形は3か月ごとに「メフォ手形の期限延長(extend MEFO bills)」ディシジョンを行う必要がある。もうひとつの選択肢は手形に満期を迎えさせることで、これは短期的には償還金に苦しむことになるが、長期的には多くの政治力を節約できる。

危機(Crises)

  • 以前の安定度と戦争協力度についての開発日記で、実は既に危機のひとつをお見せしている。安定度と戦争協力度のどちらかが非常に低くなると国民は政府の手に負えなくなり、徴兵を回避しようとしたり、ストライキしようとするというのがそれだ。ディシジョンシステムはこれを取り扱う単純なディシジョンを持っており、問題にどうアプローチするかを選ぶイベントが起こる。同時にアプローチが失敗すれば時間とともに事態が悪化していくのをシミュレートするミッションも出る。
  • 私たちはこれがポップアップ地獄をなくし、ゲームをよりダイナミックで予測不可能なものにしてくれると感じている。

スペシャルプロジェクト

  • ディシジョンの中には小さな一時的な補正では表現しきれない巨額の投資に関するものがある。特に、大きな工業力の振り分けを必要とするプロジェクトに関するものだ。「Special Projects」という工業タブの新たなカテゴリーはこうした投資についてのものだ。

ポップアップスパムへの対応

  • 新たなディシジョンインターフェースで私たちが取り組んだのはイベントスパム問題だ。プレイヤーに表示されるニュースその他のイベントの量は増え続けている。これは望ましいことでもあるが、時にはうっとうしいと感じられることもある。
  • 新たなインターフェースでは、通常イベントやニュースイベントをポップアップで表示するか、それともプレイヤーが好きなときに見れるディシジョンインターフェースに入れておくかを選ぶチェックボックスがある。これによって、プレイヤーの好きなように通知の形式を選ぶことができる。ちょっと重いマルチプレイでソ連侵攻を行うときは全部のイベントをメニューに貯めておいたほうがいいだろうし、ゲーム序盤は世界でなにが起こっているかを知ってゲームをどのような方向に動かすかを考えられるようにしたほうがいいだろう。

ディシジョンの将来

  • ディシジョンは国家方針ツリーとイベントを補完する素晴らしいものであり、将来の拡張では継続して追加していこうと思っている。ディシジョンのベースシステムと、ゲームバランスや安定度のような新たな内容と関連する核となるディシジョンは、1.5コーンフレークアップデートに入っているが、フレーバーの大部分や、探査、スペシャルプロジェクトなどはDLCの内容だ。

質疑応答

Q1:政治力の使い道が増えたけど、政治力の入手方法は今のままなの?

A1:バランスはまだ調整中だが、一般的には政治力の多くの使い道があるし、これは最終的にもそういうことになると思う。つまり、今までは使い道が少なすぎた。

(別のスタッフ)プレイヤーは政治力の使い道に優先順位をつけることになるし、政治力についてももう少し気を配ることになる。安定度が高いとより多くの政治力を得られる。大きな問題になるなら、たぶん私たちは数値を調整するよ。

Q2:「我々は決して降伏しない」の演説も入れてほしいんだけど。(おそらくディシジョンとして)

A2:チャーチルの3つの有名な演説は全部あるよ。


来週は国家方針ツリーについて。

次回:開発日記2017年11月15日――中国国民党

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コメント

  1. なんか結局、「HOI3」の「TFH」に近づけていると思うのは気のせいでしょうか(^^;?

  2. >>「HOI3」の「TFH」
    私もそれ思いました。
    しかし読み進めるとhoi3よりかなり発展したものであることがわかりました。

    DLCが発売されるごとに国家方針が追加されていくと、既存の国家方針とうまくかみ合わなくなってしまうのではないかという懸念もあります。既にその傾向はありますし。
    その意味でもディシジョンは有意義になるかもしれません。

    国家方針システムがダイナミックさに欠けているというのは、言われてみればそうかもしれません。今更いうことか?という気もしないではないですけど。

  3. ディシジョン・ミッションってこれAIも自動で選択するようになってるんでしょうかね、あるいは中に人がいる国家だけかな?

  4. ディシジョンのAIの選択の優先順位の設定方法とか気になるけど、ai_will_doの利用になるのかな?

  5. ディシジョンに政治力が必要なわけだから、アメリカの大恐慌精神の政治力-1.0はいよいよもってバカでかい目の上の瘤なわけだ。そのへんどうするのかね。

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