「Hearts of Iron IV」開発日記2017年5月24日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はユーゴスラビアと空域について。
概要
開発日記2017年5月24日は、ユーゴスラビアと空域について。
ユーゴスラビア
- Death or Dishonorでは、私たちはプレイヤーを起こるであろうことがわかっている難しい選択と決断をしなければならない立場に置くことにした。ユーゴスラビアはいろいろな点でこの種のゲームプレイにおあつらえ向きだ。
- 歴史的には。枢軸国・連合国両者から自陣営につくと宣言させようという強い圧力があったにもかかわらず、ユーゴスラビアはできる限り長く中立を保とうとした。摂政パヴレの政権は最終的に枢軸国への参加を決め、できるだけ戦争から遠ざかろうとしたが、政権はあっという間にクーデターにより倒れた。これがヒトラーによる侵略を誘発し、国家は2週間足らずで瓦解した。そしていくつかの地域はこれを解放者としておおっぴらに歓迎した。
- 崩壊の原因は劣悪な軍備から、ユーゴスラビアを平等な統合政府ではなくいくらかの領土を付け足した大セルビアであると考える多くの民族集団の不満まで数多くある。この状況はゲームでは国民精神で再現され、これは統合度を30%まで低下させ、政府顧問の任用や法律の変更をより高価にし、工場の生産を減らし、士官の登用を高くつくものにする。
- この問題に対する突破口はいくつかあり、これはいくらかの領土を諦め、自分たちの政府樹立を認める必要がある。(?)その結果として、他の地域においてもプレイヤーの判断が考慮されることとなる――なぜ手許に残らない領土を開発する必要があるのか?
- 時間は極めて重要だ。ドイツとイギリスはどちらもプレイヤーを自陣営に加入させることに重大な関心を抱いており、彼らはときどきプレイヤーにそれを思い出させる。どちらか一方につくと宣言すればもちろん他方とは対立し、またその宣言が早すぎれば政府は先鋭化し、国家は内戦に見舞われる。
- こうした非常に大きな問題を解決するため、私たちはユーゴスラビアに拡張のための多くの選択肢を与えることは理にかなっていないと考えた。これには実力のある軍と国民の統合が必要で、史実のユーゴスラビアにはどちらもまったくなかった。しかし、いくらかの問題に望ましい解決を見つけることはできる。枢軸国か連合国に加入することで、少なくともいくらかの報酬を得ることはできる。
- もちろん、プレイヤーが世界革命に参加し、破壊に取り憑かれた帝国主義者たちの取るに足らない闘争から離れることもできる。不運にも、最も近い同盟国はやや攻撃的な隣国の向こう側におり、また、国家にはびこる問題をできるだけ早く解決しても、軍は依然として多くのものを必要とする。すべての陣営の敵を前に、プレイヤーは選ばなければならない……死か、それとも屈辱か。
- 新たな将軍と指導者のポートレート、3Dモデルはこの通り。
- 航空機と戦車ももちろんある。
戦略エリアのアップデート
- Archangel85(パラド社スタッフ)により、戦略エリアの分割と調整が行われた。目標はより容易にそのエリアをカバーできるようにすることで、特に史実で激戦区や長く戦闘が行われたエリアを重視した。二次目標は上陸作戦が起こる可能性が高いエリアで空母を使って航空優勢を確立しやすくすることだ。
具体的な変更点については長いので省略します。説明に反して、史実ではあまり戦いが起こらなかった部分の修正が多い気がしますが……。
- 私たちはこの変更がどのように影響するかをまだ検証中で、将来的にさらなる変更が加わる可能性がある(イベリア半島とフランスについてはまだ完了していない)。
国家ごとの航空隊の命名についてのフレーバー
- 私たちが行った空軍についての変更のうち小さいものだが、航空隊に名前をつけられるようにした。最初はゲームが自動で命名していたが、私達はすぐに「1. German Heavy Fighter Wing」という名称が「Zerstörergeschwader 1」という名称ほどかっこよくないことに気づいた。そこで、コンテンツデザイナーに愚痴を言われたが、Havebeard(パラド社スタッフ)がテンプレートから国家固有の名称を生成できるようにした。私たちは既に大国、TfV、DoDで取り上げた国々のほか、いくつかの中小国(ブラジル、イラン、トルコ、ポーランド、フィンランド、中国、スウェーデン)のフレーバーネームも追加した。
MODでのスクリプトの書き方については省略します。
- このシステムを陸軍師団にも広げることは、将来のDLCでのやることリストに入っている(トラストミー)。
質疑応答
Q1:ユーゴスラビアの状況の解決はこれまではドイツの国家方針ツリーでやってたけど、ドイツの国家方針ツリーで新しいイベントかなんかがあるの?
A1:ドイツの国家方針ツリーのイベントはそのまま残るが、いくつかのさらなるやりとりがある(ユーゴスラビアに枢軸国に加入するよう圧力をかけるような)。今のドイツの方針ツリーでのユーゴスラビアの取り扱いには完全には満足していないが、ドイツの方針ツリーの機能の見直しは将来のパッチで行うことになる。
Q1-1:将来のことだというのはわかるけど、これは国家方針ツリーの全面的な見直しパッチなのか、それとも列強各国個別にやっていくつもりなのか?
A1-1:国家方針ツリーにかかる手間を考えると、一つの大きな拡張で一つか二つやるのが限界だと思う。
Q1-2:素晴らしい。「プレイヤーの40%がドイツでプレイする」という統計からすれば、ドイツの方針ツリーは優先度最高だよね?
A1-2:日本とも関係するがそのとおりだ。DoDの開発の初期にはドイツにも手を入れるつもりだったが、すぐに数多くの小規模な変更(最大で10の方針ツリーの変更や追加)か、通常の変更かを選ぶことになった。私たちはドイツのツリーは元からあるものの中で最悪ではないと考え、もう少しそのままにしておくことにした。
(注:ということは、引き合いに出されている日本のツリーが最悪……?)
(podcat氏の回答)40%というのは列強や方針ツリーのある国の中での話。全体では24%だよ。PDXCONでの私のプレゼンテーションのスライドを見てほしい。
来週は、AIとチェコスロバキアについて。
コメント
日本のNFはシンプルでそれなりに強いとは思いますけど
何が出来るか、何を取るべきかという面で一番面白みのないツリーですからね
チトー関連のイベント増えてるのかな
> 日本のNF
あまりできることに広がりがないという意味では、もうちょっと深みというか、できることが増えてほしい感じではありますよね。
オーストラリアやニュージーランドで日本との関係を模索する方針も出てきましたし、次の改修ではうまく絡めて面白くしてもらいたいところです。
> チトー関連のイベント
ユーゴスラビアで欠かせない人物ですからなにかしら追加はあるんでしょうけども、どうなんでしょうね。
スライドのPRCってのは中華人民共和国?
民国より多いのは意外です。