すぐにできると踏んでいたFTL関係の作業ですが、今回でようやく終わりです。
前回:「Stellaris」編 第4回――FTL関連の作業その2
2016/08/10 第6回へのリンクを追加。
FTL関連の作業(さらに続き)
前回の最後で技術はきちんと実装されましたが、追加の説明(コンポーネントアンロック:~の部分)はおかしくなっていました。
ここはTECH_UNLOCK_~_DESCというようなキーでlocalisationファイルによって表示する文字列が設定されますので、第3回で技術の名称と説明文を設定するために作ったファイルに、上の画像のようにキーと説明文を追加してやる必要があります。
元になっているのはlocalisationフォルダ内のl_english.ymlの中の記載(上の画像)。TECH_UNLOCK_~_TITLEがアンロックされるコンポーネント、TECH_UNLOCK_~_DESCはそれについての説明文として、そのコンポーネントがアンロックされる技術の解説を指定しています。
わかりにくいですが、例えばTECH_UNLOCK_WARPDRIVE_1_TITLEを見てみると、与えられている説明は”§Hコンポーネントアンロック:§! ワープドライブ 1型”となっています。§H~§!はフォントの色(ここではオレンジ色)を指定しているものと思われます。ワープドライブ1型と表示されるのは、このキーをワープの2段階目の技術が使うように前回設定しましたので、正しい表示です。したがって、変更する必要はありません。
一方、TECH_UNLOCK_WARPDRIVE_1_DESCというキーに与えられている説明は”§Hワープドライブ 1型§!\n$tech_warp_drive_1_desc$”となっています。$~$は、この中のキーをそのまま使うという指定なので、第1段階目の技術の説明文が表示されてしまいます。正しい説明は2段階目の技術の説明文なので、$tech_warp_drive_2_desc$と書き換える必要があります。
こんなふうにTECH_UNLOCK_~_DESCというキーだけ$~$の中のキーの番号をずらしたのが一番上の画像の追加部分です。ただ、そのままでは文字コードでのソートで日本語化MODの説明文よりも順位が下になってしまうので、先頭にタブ文字を追加する必要があります。
ゲーム中できちんと表示されていれば、これでFTL関係の設定は完了です!
ひとつ問題が……
さて、ここまでで無事にFTL技術の改変が完了しましたが、まだひとつ問題が残っています。
それがニューゲームを始めたときに初期のコルベット・調査船・建設船が存在しなくなってしまうという問題。おそらくFTLドライブが初期では利用可能ではないために、必要な初期装備が揃わず、自動設計が機能せずになにも初期艦がないという状況になっていると思われます。
艦船についてはcommon/ship_sizesにある00_ship_sizes.txtで規定されていますが、それらしい部分であるrequired_component_set = “ftl_components”を削除してしまうとFTLドライブをそもそも装備できなくなってしまい……。
しかしながら、FTL技術もまだなく、宇宙港を作っていよいよ地球外植民だという技術水準であることを考えれば、艦船を最初から持っていなくてもいいのではないでしょうか(という理屈で逃げることに……)。
やることリスト(FTL関係部分のみ・再掲)
- FTL航法をアンロックする技術と、FTL以前の航行技術
- 初期のFTL技術を事実上星系間航行ができないように変更し、中盤以降に通常のFTL技術が出てくるように変更する(完了!)
- 化学推進機(バニラの初期スラスター技術)よりも下のグレードの技術・スラスターを作る(余裕があれば)
- FTL航行ができない艦船モジュールの追加(ちょっと形式は異なりますが完了!)
- 初期のFTL技術で出るFTLモジュールを星系間航行ができないようにする(ちょっと形式は異なりますが完了!)
というわけで、気がつけばやることリストのFTL関係部分のほとんどが完了していました。
「化学推進機~」の節は努力目標なので後回しにして、入植関係に移りましょう。
入植関係のやることリスト(再掲)
- 月・火星など、太陽系の惑星の設定を変更し、入植できるようにする
- テラフォーミング技術をもっと早く(初期技術でもよい)に出す
- テラフォーミングガスなどのテラフォーミングに必要な資源をどうするか(必要量はそのままに太陽系内で採れる量を調節?)
入植関係でやることはこのとおり。とりあえず太陽系の惑星に入植できるようにならないことには、FTL航行可能になる時期を遅らせた甲斐がありませんので、惑星の設定変更から手を付けることにしましょう。
太陽系の改造
今回のMOD制作では人類をプレイヤー帝国として選択することを念頭に置いているので、改変は太陽系のみ行います。
まず、common/solar_system_initializers内にあるprescripted_species_systems.txtというファイルをMODの同じフォルダ内にコピペします(solar_system_initializersとフォルダについていますが、このフォルダ内には太陽系以外の星系の設定ファイルも入っています)。
火星の改造
いきなり大きく変更を加えるのもなんですから、まずは火星を入植可能な惑星にしてみましょう。と言っても、惑星のクラス(class)を居住可能なものに変更すれば、それだけで植民可能な惑星になります。
ここでは”pc_barren”(植民不能な乾燥惑星)から”pc_arctic”(極寒型惑星)に変更。さらに、変なアノマリーがつくのを避けるため、prevent_anomaly(おそらくアノマリーが発生しなくなる)も追加しています。
ちょっとビジュアルは合いませんが、大陸型惑星にテラフォーミングする過程で海洋型惑星を経由するため、砂漠型惑星ではなく極寒型惑星に設定しています。というのは、その昔「絢爛舞踏祭」というゲームがありまして……。
本来であれば、惑星の特徴として「低重力」と「弱い磁場」を盛り込みたいのですが、これに関してはうまくいく方法を見いだせていません。
私が試したのは、common/solar_system_initializers内のexample.txtに記載のあるmodifierというものを使って惑星の特徴を設定する方法なのですが、これを記入してもうまくゲーム中に反映されませんでした。これに関して情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、コメント等をいただけると幸いです。
ちょっと短いですが今回はここまで。だんだんMODとして形になってきた感じがありますが、惑星関係は記述があっちこっちに飛んでいてかなりやりにくく感じます。
コメント
>それがニューゲームを始めたときに初期のコルベット・調査船・建設船が存在しなくなってしまうという問題。おそらくFTLドライブが初期では利用可能ではないために、必要な初期装備が揃わず、自動設計が機能せずになにも初期艦がないという状況になっていると思われます。
むしろ最高ですよそれ。
シミュレーションゲームって軌道に乗るまでが楽しいので、序盤の技術力がどんどん躍進していくのは脳汁が出ます。
MOD配布がとても楽しみです。
意図して発生した状況ではなく、解決方法もわからないのですが、私も「あれ、これはこれでアリなのでは……」と思ったのでそのままにしています。
ハインラインパッチでかなり大きく設定まわりが変更されるようなので、MODの配布はその後ということになりますが、ご期待いただけるととても励みになります。ありがとうございます。