発売日まであと2か月を切った「Hearts of Iron 4」ですが、開発日記#52が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はMODについて。
前回:開発日記#51
2016/4/23 #53へのリンクを追加。
概要
開発日記#52は、MODについて。
- 開発を始めるにあたり、HoI4は今までで最も改造可能なものにしようと決めた。これはいろいろなものをハードコーディングしないということだ(HoI3にはハードコーディングされた部分が多くあった)。HoI4ではこうしたもののすべてをソフトコードにし、シナリオスクリプトの一部はMODのためのプラットフォームで作成している。また、開発に使っているツールも同梱することにした。そのまま提供するので実際のゲームほどには洗練されていないが、それでもとても役に立つはずだ。ゲームは改造者が間違っているところをログにして知らせてくれるようにもなっている。
ツールとMODの作り方
- MODの作成は以前よりも簡単になった。ランチャーを使えば、ゲームを起動することなく、面倒なこともなく、MODツールが自動で空のMODを作成してくれる。
- ここで”-debug”フラグを立ててゲームを始めると、”modderモード”を使うことができる。これは追加のポカミスチェックやMOD作成に役立つツールが使えるモードだ。例えば、ゲーム中のナジャーツールはマップの状態を変更するシンプルなインターフェースのツールだ。
- これはSmålandからいくつかプロヴィンスを再区分して、Östergötlandという素晴らしいステートを作成し、建物の位置を微調整しているところだ。数回のマウスクリックだけで、ナジャーツールによって変更を確認し、MODとして適切なファイルをセーブすることができる。
- これらのファイルはもちろん人間が読めるようになっているし、テキストエディタで簡単に編集することができる。ほとんどのファイル(国のhistoryファイルなど)はナジャーツールから外部プログラムで開くこともでき、ファイルシステムから探し出す必要はない。
- もう一つの便利なツールがインスタントフィードバックシステム、別名”Error Dawg”だ。右下に表示され、ゲームプレイ中にスクリプトのエラーやおかしな点を表示してくれる。クリックするとログが開き、記述忘れや間違いを確認することができる。
- MODを作り、すべてのエラーを修正もして満足したら、ワンクリックでMODツールからSteamワークショップにアップロードして、HoI4のコミュニティに公開することができる。
- リローダビリティにも注力した。いくつかのゲームシステムと同様に、インターフェースをリロードすることができる(ファイルが変更された場合はゲームが自動的にチェックし、ゲーム内で変更点を見ることができる)。例えば、国家目標ツリーが変更のたびにリロードされれば、ゲームを再起動することなく素早く簡単に作成することができるだろう。
スクリプトと言語の改良
- ヘルプ機能のひとつとして、”trigger_docs”というコンソールコマンドを実装した。これは、使われている記述に沿って、ゲームに存在するすべてのトリガーと効果のリストを表示する。これは新たなMOD作成者が探しているものを見つけるのに便利だろうし、以前からのMOD作成者にとっては隠れた可能性を発見するのに役立つはずだ。もちろん、間違いがあれば注意喚起するようにもなっている。
- スクリプト言語については継続してユーザーフレンドリネスを向上させようとしてきており、パラド社の他のゲームでのよかったところを取り上げて、それらをすべてのタイトルに組み込んでいる。他から後になって組み込んだもののひとつは、スクリプトされた効果とトリガーで、その機能は効果やトリガーのかたまり全体を実行するさまざまなゲームのスクリプトファイルに参照されるマクロだ。(?)
スクリプトについての例が掲載されていますが、ここでは割愛します。
- 複雑さを増すよく使われるトリガーと効果の組み合わせにより、こうしたスクリプトの特徴は大きな2つの機能を持つ。(?)第一に、これまで必要だったコードを複製する量が減る。第二に、内容を把握し、内部にスクリプトされたトリガーを追加してイベントに共通の条件を変更しなければならない場合や、アップデートする必要があるところすべてをアップデートしなければならない場合、コードを簡単にメンテナンスできるようになる。
- もうひとつのスクリプト言語への大きな追加は、イベントやイベントチェーン内部のイベントターゲットとして詳しいスコープを定義する機能性だ。(?)これは主君がいるかどうか常に確認するというCK2のスクリプトで大量に使われている。(?)
- イベントターゲットはイベントテキストにおいてさまざまなプロヴィンスや国家を呼び出したり、非常に多くの隠れたイベントに波及することなしに、イベントスコープが正しく評価し、異なる主体や場所でもこれを保ち、正しいターゲットに対して効果を適用することを簡単にする。
- さらに、これらふたつの特徴を組み合わせて、イベントターゲットを定義し、内部でスクリプトされたトリガーや効果を使ってサブルーチンを作ることもできる。(?)
AI
- HoI3のAIはluaスクリプトで走っていたが、幾つかの理由でHoI4ではこれをやめることにした(主に会社としてluaに関する知識が欠けていることと、パフォーマンスが悪いのが大きい)。だが、AIは改造可能だし、変更できる多くのスクリプトがある。これに関してはAI担当の開発日記を待っていてほしい。
来週は、2Dアートとインターフェースについて。
次回:開発日記#53
コメント
mod制作は素晴らしい