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「Victoria 3」開発日記#165――スペイン

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#165が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はスペインについて。1.12リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#163――細則部分

開発日記#164はModについての内容となっており、記事にして紹介していません。

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開発日記

開発日記#165は、スペインについて。

  • 今回は1.12で追加されるスペインの物語コンテンツとクーデターシステムについて。

スペインの政治に関する設定

  • スペインの寡頭制的自由主義の流れを表現するため、スペインの地主は父権主義を置き換えるイデオロギー「Moderantist」を持ってスタートする。

  • Vic3の時代を通じてスペイン軍は政治に介入し続け、憲法の名の下に専制的と見なした政権の打倒を目指したが、この傾向は軍隊のイデオロギー「Liberal Praetorian」で表現しており、立憲君主制とスペイン国民の市民の権利を支持するものだ。

  • イサベル派スペインは比較的自由主義的な法律でスタートする。これには新たな法律の派生型である大土地所有制も含まれる。大土地所有制は主にアンダルシア地方の広大な農園を表現し、日雇い労働者の不安定な雇用形態が特徴だ。

  • スペインの寡頭制には2つの修正条項「選挙縁故主義(開発日記#163で述べた)」「Chamber of Procurators(非常に限定的な投票権を与えるもの)」がある。

  • カルロス派スペインは自由主義的とは言えない。ゲーム開始時から臣民制と専制政治を採っている。

  • カルロス派スペインにも固有のイデオロギーがあり、イサベル派スペインの地主が自由貿易を支持していたのに対して、カルロス派スペインの地主は反動的だ。軍隊もイサベル派スペインの軍隊とは対照的だ。

カルリスタ戦争

  • 私たちはカルロス派スペインの支配地域を3つに分けた。これは戦闘が激しかった地域を表現するためだ。アンダルシア地方やガリシア地方のカルロス派は表現されていないが、「Iberian Twilight」ではそうした地域のカルロス派に関するイベントがある。

  • カルリスタ戦争はゲーム開始時に「ゲリラ戦」となっている。ゲリラ戦は通常の戦争とは異なる以下のようなゲームルールがある。
    • 戦闘は一般的に規模が小さく、通常の戦争に比べてはるかに低い頻度で発生する。
    • ゲリラ戦固有の新たな戦闘条件があり、これは一般に士気ダメージを与え、敵から受ける士気ダメージを最小化することに注力するものだ。多くのキャラクター特性も調整されており、通常の戦争では有用性が低いとされていた特性でもゲリラ戦の戦闘では効果的に機能するようになっている。
    • ゲリラ戦の期間中、いかなる地域も占領されない。
  • しかし最終的にゲリラ戦はケースバイケースで変化しなければならない。私たちが今後同様のことをやる場合は一般化された基本ルールを設けることも考えられるが、カルリスタ戦争についてはジャーナル記事のボタンの形でこれを行い、通常はカルロス派が部隊を揃えて通常の全面戦争を開始し、「Royal Expedition」を通じて攻勢に出る。しかしカルロス派が時間を浪費した場合、自由主義スペインが戦争をエスカレートさせることもある。ゲリラ戦の段階では領土の支配権は移動しないが、戦闘で勝利することで得点を獲得でき、戦争が最終段階に移行すると双方に一時的に戦闘能力を増強する補正が与えられ、、血みどろの激戦を経て戦争が終結する。

  • 小さな試みとして、今回は「人物紹介」の形式でZumalacárreguiを取り上げており、ゲーム開始時にはもういないが、この戦争において極めて影響力のあった人物のためにジャーナル記事で紹介するのが適切と考えた。

  • また、自由主義スペインとカルロス派スペインで部隊の種類と将軍の情報を更新した。スペインとポルトガルはゲーム開始時からナポレオン戦争時代の技術を使えるようにし、これにより双方はゲーム開始時点で機動砲兵を利用できる。自由主義スペインの将軍で特に注目すべきはラモン・カブレラで、彼はマエスロラスゴで強力な部隊を構築しつつある。

クーデター

  • 1.12で導入されたクーデターシステムはイマージョンパック「Voice of the People」のジャーナル記事「クーデター!」を置き換え、すべてのユーザーに無料で提供される。これに伴い、「Iberian Twilight」の有料機能であるディシジョン「支配王朝の廃止」を「Voice of the People」でアンロックするようにした。
  • 特定の利益集団の支持が10を下回り、かつその利益集団に属する司令官がいる場合、政府に対するクーデターを開始することがある。

  • クーデターの成功確率は司令官のクーデター強度と政府のクーデター抵抗力を比較して計算する。司令官のクーデター能力は人気度、指揮下の部隊数、首都との距離、所属する利益集団の影響力、物語コンテンツによって付与されるボーナスやペナルティから計算される。政府のクーデター抵抗力は正当性と軍に対抗できる武装組織の存在によって決まる。

  • クーデターが始まると事態はクーデター能力とクーデター抵抗力の比率によって進捗する。上の画像ではバルドメロ・エスパルテロの高い人気がクーデターの成功に大きく寄与している。史実ではエスパルテロは1840年革命の後に摂政マリア・クリスティーナから職務を引き継いで摂政となったが、司令官が摂政政府に対するクーデターを成功させたときにそのようなイベントがある。クーデターが成功した場合に生じる影響は状況による。この例では小ブルジョワが反対する法律の制定が進められているが、この法律の制定が中止され、彼らが支持する別の法律が有効化される。さらに、今後2年間、あるいは次の選挙が行われるまで、小ブルジョワが主導する政府を強制される。

  • 進捗バーが100%に達するとクーデターを起こした司令官はプロヌンシアミエントを出す。このジャーナル記事が有効な状態でクーデター司令官を追放・引退させようとしたプロヌンシアミエントが発動するが、その場合のクーデター能力は実施が早まった度合いに応じて弱体化する。状況によって政府はクーデターに抵抗する機会を得るか、政権を追われる。前者はクーデター司令官を追放・引退させようとしたことでプロヌンシアミエントが発動した場合と、政府のクーデター抵抗力とクーデター司令官のクーデター能力が拮抗している場合に発生する。後者はクーデター司令官のクーデター能力が大きく上回っている場合に起こる。クーデターが失敗に終わった場合、クーデター司令官の人気に比例して部隊と、その司令官が所属する利益集団が急進化する。

  • 特定の状況では自ら政府に対するクーデター起こすこともできる。「Iberian Twilight」か「Voice of the People」を所有するプレイヤーはディシジョン「支配王朝の廃止」を実行でき、これによりクーデターが開始され、支配王朝が置き換えられる。ポルトガルでミゲル王を復位させたい場合、ミゲル派の司令官を登用して立憲政府を打倒できる立場に就かせることで可能になる。
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有料コンテンツ

  • 以下は「Iberian Twilight」に含まれる物語コンテンツだ。

2つのスペイン

  • ジャーナル記事「2つのスペイン」はカルリスタ戦争終結後にアンロックされる。これは近代スペインにおける自由主義と保守主義の対立と協調を表現している。

  • このジャーナル記事には2つの進捗バーがあり、一方は保守主義と自由主義の勢力バランス、もう一方は両者の間の緊張度を示す。緊張が高まると運動の活発さが高まり、スペインのクーデター抵抗力は低下する。一方が相手側を打倒しようとする場合、クーデターを企てる可能性のある司令官を排除しておくことが極めて重要だ。

  • 自由主義は知識人と労働組合、保守主義は地主とカトリック教会という中核的な利益集団の影響力から恩恵を得る。さらに他の利益集団、司令官が率いる部隊、自由主義・保守主義の政治運動からも恩恵がある。社会主義の指導者や政治運動はこのジャーナル記事では自由主義とはみなされないが、運動の活発さからボーナスを得ることはできる。自由主義のために戦うことを選択した場合、ゲーム終盤には自由主義と社会主義の間で分裂して反動勢力が台頭してくる可能性がある。

再生​

  • ゲームが十分進行すると、かなり野心的な経済改革計画が提示される。遅らせることもできるが、実施を決めた場合、ジャーナル記事「経済再生」が利用可能になる。

  • これはオスマン帝国の「タンジマート」に近く、さまざまな子ジャーナル記事の目標達成状況を記録する親ジャーナル記事がある。親ジャーナル記事の完了はスペインの政治的安定に恩恵をもたらす一方、子ジャーナル記事の完了は経済パフォーマンスに直接的な影響を及ぼす。

  • 時間内に6つの副次目標すべてを達成するのが難しい場合、世論の期待を調整することはできるが、報酬が減少する。政治的安定よりも経済発展を優先したいのであれば、経済関連の副次目標の数を減らすことも有用だ。

  • 子ジャーナル記事はそれぞれ目標を調整することもできる。このような調整の成否は法律や制度と関連しており、成功すればそのジャーナル記事の達成は大幅に容易になるが、報酬も大幅に減る。

スペインの新世界

  • 西半球の旧植民地のいずれかと条約を結ぼうとした場合にみられる大きな外交的抵抗は、当時のスペインがアメリカ大陸の旧植民地の独立を正式に認めていなかったという事実を反映している。

  • アウトライナーのダミーのジャーナル記事によって、カルリスタ戦争の後にはなんらかの決断が必要なことを表している。この問題が解決すると、史実の交渉と外交的承認の道と、植民地回復の道の2つの道を提示される。

  • 正常化を進めると、ジャーナル記事「イスパノアメリカ」が出現する。これはかつてのアメリカ大陸の従属国との条約締結をテーマにしたコンテンツで、独立承認を行う。アメリカ大陸側の国家も外交的承認の欠如に対するジャーナル記事があり、彼らはスペインの働きかけに対して協力的になる可能性が高い。

  • 植民地回復路線を選択した場合、ジャーナル記事「レコンキスタ」が出現する。これを選ぶと、アメリカとイギリスから厳しい圧力を受ける。

名誉革命

  • スペインにおいて不人気な君主に対するクーデターが成功し、ジャーナル記事「2つのスペイン」の緊張値が十分高い場合、支配王朝は王位から追放され、暫定政府が樹立される。

  • イベント「名誉革命」ではクーデターによって権力を掌握した人物、通常はクーデターを主導した司令官の属する利益集団の指導者を摂政に任命する。

  • ジャーナル記事「名誉革命」でスペインはさまざまな候補者の中から王位に就く者を選ぶことができる。こうしたボタンでは外国勢力に接近する(外交的に影響をもたらす可能性がある)か、スペインに近い候補者かを選べる。候補者としてはブラガンサ家、サヴォイア家、ホーエンツォレルン家、スペイン・ボルボン家の両系統、バルドメロ・エスパルテロがいる。
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アナキズム

  • 「The Internacionalistas」はスペインにおけるアナキスト運動の誕生を表現するものだ。アナキスト運動が重要性を持つようになるとこのジャーナル記事が出現し、スペインは海外からアナキストの政治活動家を招くことができるようになる。

  • このジャーナル記事は政府かアナキストの勝利で終わる。アナキストの勝利はアナキストを革命に導くことで達成され、政府の勝利にはアナキズムを非主流化するか、一定期間にわたってアナキスト運動を完全に排除する必要がある。このジャーナル記事が有効になっている間、スペインではイベント「行為によるプロパガンダ」の発生確率が高まる。

  • 「Iberian Twilight」では活発さの高いアナキズム/虚無主義運動があるすべての国家で発生する新たなイベントがいくつかある。アナキズムを研究していてこうした運動がある場合、アナキストは「行為によるプロパガンダ」を起こすようになる。

  • 「行為によるプロパガンダ」が続いてこうした運動の活発さが高い状態が続くと、アナキストは政治家・経営者・統治者・後継者に対する暗殺を始め、これはアナキスト運動のPopへの魅力を低下させる。

ウルトラマリンの野望​

  • 連鎖イベント「スペイン領アフリカ」は関与の度合いを拡大していく実験だ。スペインが目標(メリリャ周辺に安全地帯を確立し、西サハラに植民地を獲得する)を達成するたびに軍隊は次々と要求を行い、スペインをアフリカの奥深くへと引き込み、より大きな紛争へと導く。このジャーナル記事を進めるにつれて軍隊の影響力ボーナスは大きくなり、失敗時の報いも深刻なものになる。

次回:開発日記#166

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