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「Victoria 3」開発日記#39――航路

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#39が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は航路について。本体発売前の開発日記です。

前回:開発日記#38――貿易路と関税


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開発日記

開発日記#39は、航路について。

「クリッパー工場は良い投資だと言っただろ!」

  • 私(注:KaiserJohan氏)はVictoria 3で技術リードを務めているJohan(もう一人のJohan)だ。今日は海洋帝国にとって興味深い追加要素である航路(Shipping Lanes)について。海外領土にはコストがかかるようになり、地球を半周するような軍事遠征を行うことは、これまでのパラドゲーのように簡単ではなくなった。
  • まず、航路の維持に欠かせないものである船団(Convoys)について説明しなければならない。船団は港で生産されるが、港はクリッパー(あるいはその時代の同等物)や他の商品を必要とする政府の建造物だ。
  • 国家ごとに必要な船団の数があり、不足するとすべての航路でペナルティを受ける。これは例えば植民地帝国の過剰拡大や敵の通商破壊によって発生する。
  • 港は海外領土と接続する重要な役割を担っているが、詳細は後述する。

インドは原料や人口など多くの利益をイギリスにもたらすが、大英帝国の至宝が安いものでないことは明らかだ。インドの維持と安全確保には巨大な民間産業と海軍工業力を必要とするが、このことはこうした海外領土が常に価値あるものであることが明確であるということを意味しない。UIと数値は開発中のもの。

  • 航路は港と港の接続を表現し、3つの目的で設けられる。
    • 海外市場との貿易路(Trade Routes)
    • 海外の将軍への補給路(Supply Routes)
    • 市場内のステートを結ぶ港湾接続(Port Connections)
  • 航路はそれぞれ発着港を持つ必要がある。確立されると航路は複数の海洋ノードにまたがって広がり、国家の船団必要量の合計に加算される固有の船団コストを持つ。
  • 航路は補給網(Supply Network)の全体的な強度(詳細は後述)に基づく有効性スコアとも関連し、有効性スコアは航路上で発生した船団への損害で低下することがある。

遠く離れた軍隊を給養するのは大事業だ。遠征軍をイングランドから喜望峰を経てインドに送るのではなく、植民地の入植者や現地住民を使って常備軍を作ることを検討すべきかもしれない。

  • 陸上で境界を接していない2つの市場間の貿易路は海上を通らなければならず、航路を必要とする。陸上で隣接しているかどうかは2つの市場の市場中心地がある場所で決まる。
  • 船団コストは海上ノードの数、商品の量、(もしあれば)商品固有の補正に影響される。有効性は貿易路の競争力に影響し、ひいては商品の出荷量に影響する。貿易路にはそれぞれの市場の市場中心地がある地域のもっとも近い2つの港が使用される。一方の国家に港がない場合は海上貿易路を作成することはできない。
  • 補給路は陸路では到達できない前線に将軍を送るときに必要となる。陸路で将軍の司令部とつながっている味方の港を使用し、前線から到達可能なもっとも近い味方の港に接続する。

インドとイギリスの市場を結ぶには喜望峰を回らなければならず、コストに大きな影響がある。しかし、もしイギリスが近道を発見したとしたら?

  • 港湾接続は少し複雑だ。ステートが市場内の商品にアクセスするためには市場中心地に接続できる必要がある。その経路が海を経由するものである場合(つまり海外にある場合)、市場中心地への航路が確立されていなければならない。これは外国を含む市場内のすべてのステートでそうなっている必要がある。
  • ひとつひとつのステートが固有の航路を持つのではなく、隣接する海外ステートのグループが市場中心地への出口となる単一の港を持つクラスターを形成することもある。英領インドにおけるボンベイのようなものだ。
  • しかしこれはそのような港が存在することが前提だ。どちらかの港で接続が切れると、こうした海外ステートは市場にアクセスできなくなり、孤立した飛び地を形成する。同様に、航路の有効性が損なわれれば海外ステートとの商品のアクセス可能性も低下する。海外領土に依存する海洋帝国が突如として航路の支配権を失ったときにどのような影響が連鎖するか、過去の開発日記を振り返って考えてみてほしい。
  • 市場の所有国は市場のすべての海外ステートと港湾接続を確立し、そのコストを負担しなければならない。これを補うために従属国は船団の一部を宗主国と共有しなければならないが、従属国は自国の貿易・補給路のコストを依然として負担する必要がある。
  • 港湾接続の船団コストは海上ノード数と海外インフラの使用量に影響される。海外植民地のプランテーションや鉱山から原料を獲得し、完成品を生産する高インフラの製造業を市場中心地近くに配置すれば、港湾接続コストを低く保つことができる。植民地の発展と富と引き換えになるが。
  • 最後に、ひとつの国家のすべての航路を組み合わせると、その国家の全体的な補給網ができる。上で述べたように、国家の(注:船団の?)供給量合計とすべての航路のコストの比較から強度(Strength)スコアを算出する。
  • (質疑応答より)船団は商品と考えることはできず、取引もできない。これは船・乗組員・港湾労働者など、海外に物を移動させる能力を表すものだ。港は船(クリッパーや蒸気船)を消費して船団に変換する。クリッパーや蒸気船は他の市場と取引できるが、プレイヤーは港を通じて自国で船団に変換する必要がある。航路を他国に外注することはできない(そうすることは他国がプレイヤーの市場に商品を輸出したり、プレイヤーの市場から輸入したりするのを待つということだ)。
  • 港が政府所有で鉄道のように民営化する選択肢がないことについて、それが最適でないことに同意する。港を拠点とする貿易会社があり、貿易中心地に商品輸送サービスを販売し、貿易中心地はそのサービスが充分安いかどうかをその貿易路が生む利益に照らして賢く判断するというのはとても素晴らしいことだと思うが、現時点では複雑すぎる。補給網は大陸をまたがる帝国を運営する上で非常に重要であり、地球の裏側にいるPopが紅茶からコーヒーに切り替えたことで海外の遠征軍が補給不足になり、貿易中心地と港の利益が製鉄所と競争できる賃金を提供できるレベル以下になる……というのは素晴らしいが、現時点で取り組みたいUXの挑戦ではない。

質疑応答

Q:造船所が蒸気船やクリッパーを生産して港が消費し、蒸気船を消費する港ではクリッパーと比べてレベル/従業員あたりの船団の産出量が増えるってことでいいの?

A:そのとおり。

Q:海賊は出る?

A:パクス・ブリタニカをシミュレートするいい手段だし、海軍を整備する動機付けにもなるだろうが、今のところ通商破壊とは別の海賊行為の仕組みはイベント以外にない。

Q:商品固有の補正について詳しく。

A:距離(海上ノード数)とかさ高(数量)が貿易路で船団をどれだけ使用するかに関係するのは明確だろうと思う。例えば、自動車1単位は小麦1単位より多くの船団を使用する。

Q:アメリカの市場中心地がニューヨークにある場合、日米間の貿易はカリフォルニアを使うのではなく南アメリカを回って航路ができることになるの?

A:いいえ。ニューヨークからカリフォルニアへの陸路があればそうはならない。

Q:内陸の市場は国境を接している市場以外と貿易できないということ?

A:そのとおり。


来週はゲームにおけるアヘン戦争の表現について。

次回:開発日記#40――アヘン戦争

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コメント

  1. CK3は発売前最後の開発日記が39回目でしたが、Vic3はまだしばらく続きそうですね

    • ちなみにstellarisは32回、インペロは47回、hoi4は59回みたいっすよ

  2. EU3のタリフみたいだなあ

  3. アヘン戦争ではイギリスの海上封鎖が清に大打撃を与えたけど
    このシステムだと陸路で繋がっていれば史実ほどの影響はなさそうだな

  4. Vic2の帆船工場みたいにすぐに不要にならず、20世紀初めくらいまでなんだかんだ帆船の需要があると嬉しい。

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