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「Stellaris」開発日記#154――StellarisのUXデザイン

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#154が更新されましたので、その内容をご紹介。今回はStellarisのUXデザインについて。

前回:開発日記#153――帝国膨張度と管理許容量


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概要

開発日記#154は、今回はStellarisのUXデザインについて。今回はUXデザイナーのHildorAnduv氏によるものです。昨年12月からStellaris開発チームに参加しているスタッフとのこと。

  • ディスクレーマー:私たちはまだ計画をご紹介する準備ができていない(PDXCONのためにとっておいている)ため、以下はなんらかの新たな機能について特定のなにかを掘り下げるものではなく、プロセスについて述べている。読者のみなさんの好みでなければ読まなくても問題ないが、ゲームがどのようにデザインされ、制作されているかの基本に興味があるなら、少しだけその内幕を見てみよう。

注:PDXCON2019は10月18日~20日開催です。

ホワイトボードでのディスカッション:UXコーナー

  • ホワイトボードは素早くアイディアを出すのに最高の場所だ。ホワイトボードでディスカッションするとき、私はさまざまな分野からチームメンバーに来てもらい、一緒に大まかなアイディアを考える。これはゲームとプレイヤーに必要なものを見つける最良の方法であり、同時に潜在的な落とし穴を早い段階で発見する優れたやり方でもある。
  • 私たちはこれを行うための恒常的なスペースを作りたいと思い、こうしてUXコーナーが生まれた。ここで私たちはグループとして一緒にアイディアを繰り返し考える。恒常的なスペースがあることで変更を促し、チーム内の分野間コミュニケーションも増える。

構成決めとプロトタイプ作成

  • ホワイトボードのスケッチからより詳細な構成を決め、UIデザインの簡単なモックアップを作る。構成はシンプルにすることで素早く反復でき、より重要なこととして表示すべき内容はなにか、どのようなレイアウトがプレイヤーに最適化を見極めることができる。
  • 基本的に私はひとつのキースクリーンを決め、そこから体験全体のユーザーフロー(注:ユーザーの行動の流れを指すようです)を構築する。Ancient Relicsの遺跡調査UIのデザインでは、外したくないいくつかの重要な柱を設定した。
    • ストーリーがつながり、過去のチャプターを読み返せる(素晴らしいアートワークも再び体験できる!)。
    • 戻ってきたときに科学者が成し遂げた進展を感じる。
    • 遺跡発掘が「ゲームらしく」感じる。

  • 遺跡調査全体のUIが決まったら、発掘中のプレイヤーの行動を捉えるためにユーザーフローを考える。

  • ユーザーフローが完成したら、これをつなげて操作できるプロトタイプを作る。このプロトタイプによって、チームメンバーは開発に着手する前に自分たちが作ろうとしているものを体験できる。これはフローの問題点を識別し、開発に投資する前にこれを修正する非常にコストの低い方法だ。

  • UXデザインがまとまった後はゲーム中にそれを作成する。上の画像のように、デザインはリリースまでほとんど保たれている。テキストウィンドウは長いストーリーテキストに合わせて大きくし、ダイスロール機能を理解しやすくするために「difficulty(難易度)」は「breakthrough chance(ブレイクスルー確率)」に変わった。

ユーザーテスト

  • デザインが多くの関門を抜けたとしても、私たちはテストプレイしてもらってフィードバックを元に修正する。幸運なことにパラド社には偉大なユーザーリサーチ部門があり、私たちはテストプレイを行ってリリース前に重要なフィードバックに対処できる。

質疑応答

Q1:これまでのStellarisのUIについてはどう思う?

A1:素晴らしいが、改善できるものは常にある。例えば私は最新の惑星画面をデザインした。でも、これについてはコミュニティのフィードバックに目を光らせている。

Q2:テストプレイとかユーザーリサーチ部門では身体が不自由なプレイヤー(players with limited mobility)を考慮してるの?

A2:色覚異常や身体障害についてのテストはもちろんやりたいと思っているが、私たちはGDPRの制限でそうした仕様についての情報は一切テストの参加者に伝えることができないため、実施するのは難しい。そうしたテストの実施についてさらに研究しなければならないが、これにはこうしたテストをそうした制限や制約のない外部機関に外注する(このプロセスに関与しない)ことも含まれるだろう。一方で、フィードバックは常に大歓迎だ。

Q3:プロトタイプ作成にはなにを使ってるの?

A3:SketchとAdobe XD。Sketchは基本的な機能だけど、XDも使うと遷移アニメーションを作れて担当者とデザインをテストできる。

2019/09/14追記:スレッドでStellarisのAIについて議論される(例の「効率的なAI」と「いいAI」の話など)中で、プロデューサーのJamor氏は以下のような長いコメントを投稿しています。ゲームディレクターのgrekulf氏は創造的な分野やデザインの担当、プロデューサーのJamor氏は時間や予算の管理を担当しているとのこと。

  • 現在ゲームにAIとパフォーマンスの問題があることを正式に認める。
  • 私はみなさんに、AIとパフォーマンスのようなものを維持することは終わりのない大きな課題であり、Stellarisほど大きな成長中のゲームにおいては特にそうだということを知っていてもらいたい。一夜にしてこれを改善するボタンひとつの魔法の弾丸のような解決策は存在しない。一部のパッチではこうした問題にうまく対処していたが、別の一部では遅れを取っていた。私は合意されたリリーススケジュールに従わなければならず、それに対して有限の時間と人をやりくりせねばならないが、バグ修正と改善のためにそうしたものをとっておくことはできる。
  • 私たちパラド社はゲームをリリースして何度かパッチを出したら終わりということはやらず、フルマラソンをやっている。私はここで働く10年前(HoI2以降)からパラド社のファンだし、長期的な取り組みを保つことは同じファンの一人として個人的に約束する。
  • AIやパフォーマンスの修正や改善についてなんのニュースもない理由は単純だ。まだなにも行われていないからだ。私はみなさんを欺くつもりはないし、そうしたことが無事に完了して私の手元に来るまでなにかを約束するつもりもない。それは私のやり方ではない。そうしたことを行った際には、パッチノートに書かれているのに気づくだろう。それまではみなさんを嘘の楽観と空約束で騙したくない。
  • 開発日記で取り上げた開発プロセスについて。私たちは公式発表までまったくなにも言わないということはやりたくない。現在私たちはもっとも注目を集めているPRイベントであるPDXCONを控えており、今後の計画を発表する際にはもちろん私たちに最大限注目してもらいたいと思っている。私たちは最大限の効果が出るように発表する必要があり、だからこそこのゲームや他のゲームもいつまでもサポートし続けることができる。したがって、そうしたときには開発日記や公式のアナウンスでは発表の計画をだめにしてしまわない他のことについて述べる他ない。
  • プロセスについては、ゲームの作り方を垣間見ることが一部の人にとっては興味深いことでも、全員がそうではない。興味がなければ私たちの公式発表まで辛抱してもらいたい。その後は機能に関して深堀りした多くの開発日記を見ることができるはずだ。
  • 私たちはここで毎日プレイヤーやファンやサポーターのために働いている。私たちは基本的な事業の安定のために必要なことと調和しうる限りのことをみなさんに伝えており、私たちの規模の開発者では類を見ないほどコミュニティと非常に緊密な接触を持つことを大事にしている。私たちはそれを続けたいと思っているので、どうか私たちのスタッフに、あるいはお互いに寛大になってもらいたい。この旅を通して私たちについてきてくれていることに感謝する。楽しみはこれからだ。

次回:開発日記#155――起源

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コメント

  1. いや…もっとやりべきことがあるだろう

  2. UIは普通に快適だと思うけど…重すぎるッピ!POPシステムの改善が第一だろ

  3. 更新お疲れ様でした。

    テ、テストプレイ? ユーザーリサーチ? あったの!?
    今まで真っ当にテストプレイしていたら分かるようなバグやアンバランスがたくさんあったはずなのですが……。

  4. GDPRって何だ?ってググったらEU一般データ保護規則の事ですか良い事だと思うんだけど色々難しいんだなぁ…

  5. プロデューサー曰く、
    AIとパフォーマンスの改善は進めているが、成果はまだ無い(直球)
    ぬか喜びさせたくないので、成果が出るまでは情報は出せない

    こんな炎上案件の引き継ぎとか普通にかわいそうなので
    優しくして差し上げろ(SE並みの感想)

    • CIV6ぐらいに至るまでストラテジーゲーのAIがうんちだって話はしょっちゅう聞く話だしな。まあ思うにゲームシステムをAIが扱えるレベルを超えて複雑化させてしまったのが一因なんだろうが
      パフォーマンスは…そもそもステラリス自体パラドゲーの中では異様にグラがリッチだししゃーねーんじゃねーのそれは

    • プロデューサーのJamor氏のコメントを追記しました。

  6. 自分の帝国がでかくなった時に最適解で無いにしても
    ある程度任せられる程度にはなってもらわないと……
    中盤くらいで自分でやらないといけない細かいことが多すぎでゲーム自体が続行困難になってしまう
    DistantWorldsUniverseの会社にユーザーに許してもらえる程度のボケ加減を教わってくるべき

  7. このゲームのAIの問題は無個性すぎることだわ
    外交が国是の影響で友好的かどうかしか差が感じられない

    • わかる。外交姿勢にある程度影響はあるけど、消費財投げつければぞっこんラブする連中には変わりないし内政面とかもっといろいろな個性がほしい。星間帝国の癖に画一的すぎる

  8. UXはプランナーが一人で机に向かって作業をするだけじゃなく皆で話し合って、プロトタイプまで作ってというのはなかなかできているところはないんじゃないかな。素直に良い方法だと思う。

    AIについてはPOPシステムが根本的に重すぎる原因なんだよね。Stellaris3.0?で軽量化と操作の煩わしさとを解決するよう根幹に手を入れて欲しい。

  9. 元スレは見てないが、雰囲気的に多分、こんなどうでもいい投稿してる暇があるなら
    実のある報告しろって言われてる感じでかわいそうw

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