「Victoria 3」開発日記#166が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はスペインの植民地について。1.12リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記#166は、スペインの植民地について。
無料コンテンツ
植民地行政機関
- 植民地にはそれぞれ固有の統治原理法の派生版が適用される。これはキューバ、プエルトリコ、東インド会社のような植民地行政機関を対象とし、官僚や士官の政治的影響力を大幅に強化する。ゲーム開始時に植民地行政機関のほとんどは臣民制を制定しており、これに修正条項「植民地人種化」が付随する。
- 植民地人種化では植民者とheritageを共有する文化は完全受容され、植民地住民は中程度の差別を受け、故郷以外に住む植民地住民はもっとも深刻な差別を受ける。
- 植民地行政機関で内戦が発生した場合、革命派、または分離派は統治原理法を選択できるイベントが発生する。植民地行政機関が独立した場合も同様だ。
- 新たな外交行動「公用語の変更」は「Sphere of Influence」に含まれ、植民地の宗主国が植民地の主要文化を自国の文化に合わせる。例えば、ポルトガルがイギリス領インドを獲得した場合、公用語を英語からポルトガル語に変えられる。
選挙への信頼
- 選挙を実施するすべての国家に選挙への信頼値が設定され、政治的権利を有する国民が選挙の公正と自由をどれほどを信頼しているかを示す。これが低い場合、政府の正当性が低下するほか、投票による政治的影響力が富に置き換えられる。選挙への信頼値が低いことによるペナルティは投票権の制限やその他の補正で相殺される。
- 選挙の操作は修正条項「自由選挙の伝統」を持っていないすべての国家で利用できる。「自由選挙の伝統」は「選挙縁故主義」廃止と同様の方法、すなわち十分な数の選挙で不正を行わずに実施し続けることで獲得される。この修正条項は国家の正当性を高めると同時に自由民主主義的でない権力分配法の制定を困難にする。
- 「自由選挙の伝統」を持っていない国家では選挙期間の開始時に任意の政党を有利にする選択肢があるイベントが発生する。ここで結果を操作すると選挙への信頼は大きく低下する。
- 初めて選挙法を制定する場合、選挙への信頼値は識字率と都市化率を基準として算出される。選挙への信頼が低い状態でスタートする国家は完全な正当性ペナルティが適用される前に選挙への信頼を高める猶予期間がある。選挙への信頼は挙関連イベントで特定の選択肢を選択することで獲得できる。
有料コンテンツ
文化的共通圏
- 「Iberian Twilight」で利用できるようになるPower Blocsの中核的アイデンティティで、宗教会議が宗教に対して果たす役割と同じく、Power Blocの構成国の文化的同一性を高める。
- 文化的共通圏は主導国が加盟国の主要文化をどの程度受容しているかに応じて結束度を獲得する。例えばスペインなら、ドイツよりベネズエラを加盟させたほうが結束度が高まる。知識人と小ブルジョワの影響力からも恩恵を受けるが、いずれかの加盟国で多文化主義が制定されると結束度が低下する。

- 文化的共通圏の主導国は行動「主要文化の普及」を使用して文化と言語または言語グループの特性を共有する加盟国のうちより威信の低い国家に対して、主要文化を広められる。
植民地総督
- 「Iberian Twilight」のスペインの植民地行政機関に合わせて「Sphere of Influence」にインタラクション「総督任命」を見直し、複数の植民地総督から一人を選べるようになった。
- さらに「総督の要請」も追加した。これによって植民地が自分たちの意向に沿った総督を求められるようになった。
- 植民地総督が任命されると数年で任期が終わり、同じ類型の新たな総督に交代する。このサイクルは本国政府か植民地当局が異なる類型の総督を任命するまで続く。類型には上の画像のようなものがある。ゲーム開始時の植民地国家のすべての国家元首にはそれぞれ特定の特性が付与されている。この特性は任期満了時に後継者に引き継がれる。
モロッコ
- モロッコを支配するアラウィー朝は限定的な支配力しかもっていなかったが、これは「Iberian Twilight」のジャーナル記事「the Bilaad al-Siba」で表現されている。
- このジャーナル記事ではモロッコの諸部族に対する支配権を確立することが課題となり、諸部族はステートごとに分けられていてそれぞれ進捗バーがある。
- 支配力は首都や関連するステート地域全体の開発、高い正当性、強力な軍事力などで高められる。
- スルタンを国内各地への遠征に派遣するという方法もある。この遠征はHarkaとして知られ、実施中には各地域の問題に関するイベントが起こり、判断を下さなければならない。それによって各地域における進捗をさらに進めるか、あるいは損なうことになる。
- 全進捗バーから合計20の進捗を消費する「支配域の拡張」ボタンでは素早く辺境の開拓を進めることができ、南のTekna ConfederationとTuatに対する入植権を確立できる。
キューバ
- 「Iberian Twilight」では史実の流れから少なくとも可能性として認識されていた複数の道筋を探索している。まずキューバでは技術革新によって少ない労働力で砂糖を生産できるようになるまで奴隷貿易への依存が続いたが、これは開発日記#163で紹介した方式とジャーナル記事「La Vida Dulce」で表現されている。
- アメリカ大陸におけるスペイン領が独立する中でスペイン帝国に留まったキューバでも改革派として知られる地主たちがおり、彼らはキューバからスペイン議会に代表を送ることを主張していた。こうした可能性についてはジャーナル記事「Cuba es España」で表現している。
- 史実ではアメリカとスペインの間で外交交渉を通じて独立しようという動きが何度かあった。そうした可能性はジャーナル記事「Independencia」で表現しており、さまざまな要因から独立がアメリカへの編入か、ホセ・マルティが提唱した真の独立かを決める。
- キューバの貿易特化型プレイではハバナ砂糖、バカルディラム、葉巻という高級品を利用できる3つの強力な企業の恩恵を受けられる。
フィリピン
- フィリピンは19世紀の植民地開発とメスティーソの中産階級の成長を表現したジャーナル記事を持った状態でスタートする。「Iberian Twilight」に合わせてゲーム開始時のフィリピン文化はフィリピノ・メスティーソ、タガログ、イロカノ、ビサヤ、ルマドの5つに分かれている。ゲーム開始時の唯一の受容文化はスペイン文化で、国家は主に彼らとスペイン系メスティーソが運営することになるが、新たなフィリピンの物語コンテンツでこの少数による支配を改善できる。
- ナショナリズムを研究すると上の画像の2つのジャーナル記事が登場する。最初のものはスペインに対する独立かより広範な権利を求める意識の高まりを扱う。スペインとの結びつきを強固にするか完全な独立を達成することで、フィリピノ・メスティーソは新たな主要文化となる。
- このジャーナル記事に付随して、スペイン人とフィリピン人修道士(Ilustrados)の対立に関する連鎖イベントもある。
- 2つ目のジャーナル記事「Archipelagic Ethnogenesis」はフィリピンの民族意識の形成に関するもので、完了すると新たな民族文化が生まれ、強力な同化ボーナスを得られる。この文化はスペインとの関係状況に応じてスペイン語系かフィリピン語系のどちらかになる。
ハイチ/ドミニカ共和国
- ハイチが強すぎるという問題に対処するため、ドミニカ革命に関するコンテンツを追加した。ゲーム開始時、ハイチには既に強力なドミニカ民族運動が広まっており、スペイン人、カリブ人、アフリカ系カリブ人を統一している。彼らの力は通常の要素の他に債務水準にも連動しており、反乱の激しい東部地域を保持したい場合は経済がより重要になる。
- この運動がゲーム開始から数年後に政治的に重要になると、ハイチはジャーナル記事「一体不可分」を獲得し、ドミニカ人の抵抗はさらに強まる。
- ドミニカの分離独立運動が始まるとジャーナル記事は失敗し、ドミニカの反乱軍は強力な指導者ペドロ・サンタナのもとに集結する。
- 独立後、ドミニカ共和国はハイチに対抗すべく外国勢力の保護を求める可能性がある。スペインへの併合を求める者やアメリカの保護を求める者がいたが、後者を選んだ場合はサマナ半島を租借させることになる。
次回:開発日記#167

















































コメント