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「Software Inc.」プレイ日記 第28回

Software Inc.

1980年以降の世界でソフトウェア開発会社を経営するシミュレーションゲーム「Software Inc.」を難易度Very Hardで遊ぶプレイ日記第28回。今回はパブリッシャーに関する実験をしています。

前回:プレイ日記 第27回

第1回はこちら。


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前回のあらすじ

前回は1991年7月~92年1月まで。工場建て増しのため一時的に電子機器製造事業を止めていたため、後半は大幅な収入超過となっていますが、今回から再び電子機器製造事業の受注を再開するため、支出超過がしばらく続く見通しです。ソフトウェア事業では売れ筋製品に競合の新製品が投入されたことで売上が半減するという事態になっています。今回完成するであろう拡張パックなどでどうにかテコ入れしたいところ。

現在進行中のプロジェクト6件の状況。今回はおそらく拡張パック「カルタゴの脅威」、スポーツゲーム「Race Championship 2」、オフィス用ソフトウェア「Ultra Office」の3本を発売することになる見込みですが、ソフトウェア事業の売上を回復させることができるかどうか。

1992年2月

ここからバージョンが1.8.23→1.8.26に上がっています。

「Imperium」拡張パック「カルタゴの脅威」設計完了

2月第2週(2日目)、RTSゲーム「Imperium」の拡張パック「カルタゴの脅威」の設計が完了。設計を始めたのは昨年12月なので、わずか3か月ほどでの設計完了となりました。

拡張パックのマーケティングについて、私がマーケティングのやり方について参考にしているnosedigger氏のSteamガイドによれば、アルファフェーズ開始時にプレスリリース、ベータフェーズ開始時にプレスビルドを出すのがよいとされています(通常のソフトウェアと異なり、プレスリリースは1回のみ)。ここでこれに則ってマーケティングをやっていくことにします。

というわけで、発売日を1年3か月以内(通常のソフトウェアと拡張パックで同じなのかはわかりませんが、とりあえず同じであるという前提で進めます)となる93年4月に設定。

「カルタゴの脅威」をアルファフェーズに進めてから、プレスリリースを発表します。設計フェーズが3か月ほどと短かったため、プレスリリースはまだ6割ほどしか完成していません。

その結果、フォロワーとして一気に5,252人を獲得。潜在顧客数である「Imperium」のアクティブユーザー数は12万人超なので少ないようにも感じますが、致し方ありません。発売までフォロワー数を減らさないように誇大広告も忘れずに開始しておきます。

3Dエディタ「Vector Styles」設計開始

「カルタゴの脅威」の設計が完了したため、Imperium拡張設計チームの次の仕事として、3Dエディタ「Vector Styles」の設計を始めます。リードデザイナーは創造性が72%で「普通」ですが、今は他に創造性の高い3Dエディタのリードデザイナー候補がいないため、致し方ありません。ただ、72%の創造性は低いわけではないので、悪くはない選択のはずです。

3Dエディタはまだ市場に製品がないため、なにかのIPを前作に指定できません。時間はかかりますが、完全オリジナルということでじっくりやっていきましょう。

イベントカレンダーを見ると、来年10月には世界初の3Dエディタが発売予定のようです。

1992年3月

オフィス用ソフトウェア開発会社の倒産

3月第2週、1970年から長く続いたオフィス用ソフトウェア「DocMate」シリーズを開発しているQuantumWash Solutionsが倒産しそうなので、株式を買い占めます。

オフィス用ソフトウェアは長らく「DocMate」シリーズ1強で、他の開発会社はすべて倒産して当社が知的所有権を保有していましたが、足元では91年創業の新興メーカーWinKniff Corp.の「Work Manager」に押されていたようです。

翌日には予想どおり倒産し、「DocMate」シリーズの知的所有権を獲得。しかし既に「UltraPublish Pro」シリーズを元に「Ultra Office」を開発しているので、残念ながら「DocMate」シリーズはこのまま死蔵されることになりそうです。

1992年4月

家庭用ゲーム機開発会社の倒産

4月第3週、今度は家庭用ゲーム機「DimensionSphere」シリーズを開発しているBrainCloce Inc.が倒産しそうなので、株式を買い占めます。

家庭用ゲーム機最大手の「Hyper Connect」シリーズとの競争に負け、最新の「DimensionSphere 8」もあまり販売が振るわなかったようです。

翌日には予想どおり倒産し、「Hyper Connect」シリーズの知的所有権を獲得。

1992年5月

スポーツゲーム「Race Championship 2」発売

5月第3週(3日目)、Race Championship 2開発チームがバグ修正の手を止めたため、スポーツゲーム「Race Championship 2」を1か月前倒しで発売します。

いつものとおり、品質については高い評価の一方で、知名度については低評価。

品質は最高の「素晴らしい」、創造性は「刺激的」となりました。

推奨価格76ドルに対して79ドルの設定だったので、これも推奨価格に変更。

スポーツゲームではPrimeFanas Digitalが圧倒的市場認知度のため、前作と同じくPrimeFanas Digitalにパブリッシャーを頼むことにします。

手の空いたRace Championship 2開発チームは引き続き「Race Championship 2」の技術アップグレードに当たらせます。

初週売上

パブリッシャーを付けたこともあり、初週売上は4,210本(物理パッケージのみ)とまずまずの滑り出し。

現在のスポーツゲーム市場は前作「Race Championship」と「SportClans Olympics 2」で二分しています。最大手は「Race Championship 2」のパブリッシャーとなっているPrimeFanas Digitalが発売している「Fishing Bonanza」ですが、これはあまりにも売れて既に市場に完全に行き渡ってしまっている状態。「Race Championship 2」もそうなってもらいたいものです。

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1992年6月

「Imperium」拡張パック「カルタゴの脅威」アルファフェーズ完了

6月第1週(1日目)、RTSゲーム「Imperium」の拡張パック「カルタゴの脅威」のアルファフェーズが完了。ベータフェーズに進むと同時に、プレス用ビルドをリリースします。

反応はまずまず。

「Race Championship 2」がベストプロダクト賞を受賞

昨年の「Imperium」に続いて、今年は「Race Championship 2」がベストプロダクト賞を受賞。ただし今年は銀賞の受賞となってしまいました。金賞は新興オフィス用ソフトウェア「Work Manager」。

トロフィーはいつものように2階のマーケティングチームの大部屋に飾っておきます。

オフィス用ソフトウェア「Ultra Office」発売

6月第4週(4日目)、発売日となったため、オフィス用ソフトウェア「Ultra Office」を予定どおり発売します。バグは修正し切れませんでした。

内容については評価されていますが、価格が高すぎると言われています。

推奨価格76ドルのところ、100ドルの設定。仕方ないので、推奨価格に売価を引き下げます。

品質は最高の「素晴らしい」ですが、創造性はリードデザイナーのベネット・オルティス初の製品のためか、「普通」となりました。まあこんなものでしょう。

パブリッシャーについては、もっとも高い市場認知度(というより市場認知度を持つ唯一)のパブリッシャーはWinKniff Corp.ですが、ここですらハート1個も市場認知度がないので、「Ultra Office」は自社販売とすることにします。

手の空いたUltra Office開発チームは引き続き「Ultra Office」の技術アップグレードに当たらせます。

初週売上

パブリッシャーなしの自社販売ですが、初週売上は2,662本(物理パッケージのみ)と悪くない滑り出しです。今後技術アップグレードやマーケティングの拡大によってさらなる売上拡大が見込めます。

競合はWinKniff Corp.の「Work Manager」のみ。それ以外のオフィス用ソフトウェアはすべて当社の保有IPです。「Work Manager」を打倒してオフィス用ソフトウェア市場を席巻できるか。

パブリッシャーをつけたときとつけないときの市場認知度の変化を見る実験

左がパブリッシャーをつけていない場合、右がパブリッシャーを付けた場合の市場認知度。右のほうが矢印がわずかに薄い。

上に書いたようにオフィス用ソフトウェア市場ではWinKniff Corp.が唯一の市場認知度を持つパブリッシャーで、それもハート半分程度とわずかなものにすぎませんが、「Ultra Office」発売直後にパブリッシャーとしてWinKniff Corp.をつけた場合とつけない場合で、初週経過後の段階で市場認知度がどう変わるかを実験してみました。その結果が上の画像。

明確な差はついていないように感じられますが、上の画像ではパブリッシャーをつけたとき(画像右側)のほうが市場認知度の上昇を示す緑の矢印が左と比べて薄いように感じられます。販売本数については、パブリッシャーをつけない場合は上に書いたように初週売上が2,662本でしたが、パブリッシャーをつけた場合は3,425本(物理パッケージのみ)と1.5倍近い販売本数となっています。

何度も繰り返し実験したわけではないのでランダムな変動の影響の可能性もありますが、パブリッシャーをつけた場合のほうが販売本数が多いにもかかわらず、市場認知度の上昇量がパブリッシャーをつけない場合より小さいことから、パブリッシャーをつけるとやはり販売本数に対して市場認知度が上がりにくいという関係は成り立っていそうに思えます。

ファン増加数の変化

「パブリッシャーの認知度は売上とマーケティングの努力に影響を与えるが、同時に製品のファンのほとんどをパブリッシャーが受け取る」との説明。

ファンの増加数は市場認知度増加量には影響がなく、販売本数と連動しているようです。ファン数については、パブリッシャーをつけない場合は1,968人(物理パッケージのみの販売本数の74%ほど)、パブリッシャーをつけた場合は2,513人(物理パッケージのみの販売本数の73%ほど)で、比率としては大きな差は見られませんでした。

ただし、前節の画像にあるように、パブリッシャーをつけない場合はファンが365,346人となっているところ、パブリッシャーをつけた場合は365,005人で、341人の差が出ています。他にも販売している製品があり、こちらもランダムで少しばかり数値が変動しているでしょうから、すべてが「Ultra Office」でパブリッシャーをつけたかどうかの影響とは言い切れませんが、上の画像のように「パブリッシャーをつけるとファンのほとんどがパブリッシャーにつく」と説明されているため、パブリッシャーをつけた場合のファン増加数2,513人も多くがパブリッシャーについているのだろうと思われます。仮に341人の差がすべて「Ultra Office」でパブリッシャーをつけたかどうかによるものとすると、パブリッシャーをつけた場合の(「Ultra Office」のではなく)当社のファン増加数は2,513-341=2,172人、物理パッケージのみの販売本数の63%ほどとなります。ただ、これは「製品のファンのほとんど(most of)がパブリッシャーにつく」という説明からすると、違和感がある数字にも思えます。

なお、ファン数が多いと市場認知度を高めやすいということがファンのツールチップで説明されており(この説明は英語版でも同内容なので確かでしょう)、そうすると自社販売は短期的には製品が売れにくいものの、長期的には市場認知度が高まりやすく、パブリッシャーをつけるのは短期的には製品が売れて収益が増加するものの、長期的な市場認知度の高まりは限定的になるということが言えそうです。

3か月での変化

左がパブリッシャーをつけていない場合(上の画像と同じ)、右がパブリッシャーを付けた場合の市場認知度。パブリッシャーをつけないほうがファン数も市場認知度も増えている。

1週間(1日)では変化がわかりにくいので、その後3か月分時間を進めて両者の違いを確認してみたところ、やはりパブリッシャーをつけないほうがオフィス用ソフトウェアの市場認知度が高まっており、当社のファン数も多くなっていることが確認できました。販売本数とファン増加数は以下のとおり。

  • パブリッシャーをつけた場合
    • 販売本数合計(デジタル販売含む):49,147
    • (製品の)ファン増加数:7月)10,075、8月)9,914、9月)10,537、合計)30,526
  • パブリッシャーをつけない場合
    • 販売本数合計(デジタル販売含む):39,350
    • (製品の)ファン増加数:7月)8,009、8月)7,941、9月)8,480、合計)24,430

こうしてみると、やはりパブリッシャーをつけると収益と引き換えにファン数や市場認知度の上昇が失われると考えたほうがいいように思えます。

今回つけたパブリッシャーはハート半分程度しか認知度のない会社でしたが、第24回でスポーツゲーム市場で認知度が最大のハート6個であるパブリッシャーをつけるかどうか調べたときも、当社の市場認知度については差が明らかでないものの、ファン数についてはパブリッシャーをつけない場合で33人とわずかですが多くなっていました。パブリッシャーの認知度が高い場合でも、同様の傾向にあると考えていいのではないでしょうか。

現在の当社はソフトウェアの販売収益がないと潰れてしまうという状態にはないため、今後はなるべくパブリッシャーをつけず、市場認知度を高めることを重視してやっていこうかなと考えています。

スポーツゲーム「Race Championship 2」初月売上

先月発売のスポーツゲーム「Race Championship 2」の初月売上は、14,465本(物理パッケージのみ)と悪くない数字。唯一のライバル製品「SportClans Olympics 2」のシェアを食えています。ただ、どうせなら前作「Race Championship」の安定した販売シェアも食ってでも大きく売れてほしいところ。

今回のまとめ

今回は1992年2月~6月まで。会社の倒産や製品のリリースが重なりました。収支は大幅な支出超過となっていますが、これは工場を建て増しした後、電子機器製造事業の受注を再開したことによるものです。5月に「Race Championship 2」、6月に「Ultra Office」を発売し、ソフトウェアの売上は再び増加に転じました。この増加基調を今後も維持したいですが、どうなるか。

現在進行中のプロジェクト6件の状況。「Imperium」の拡張パック「カルタゴの脅威」は既にバグ修正が完了していますが、プレス用ビルド発表の効果でフォロワーが増え続けており、増加し切るまでしばらく放って置いています。ただ肝心の「Imperium」のアクティブユーザー数が7月中に10万人を割りそうな雰囲気なので、これは次回早々に発売予定。「Ultra Office」はリリース後の技術アップグレード作業で、これが終わった後は他OSへの移植に取り掛かります。「Earth Sim」と「EQ Mix 3」は次回あたりでようやく設計が完了する見込みです。

現在の市場認知度。新たにオフィス用ソフトウェア「Ultra Office」を発売したことで、オフィス用ソフトウェアの認知度が一気にハート半分弱まで増加しています。


今回パブリッシャーをつけたときとつけないときの実験をやってみて、やはり思ったような傾向があるのだなということが確認できて安心しました。というのは、こうしたトレードオフがないとゲームシステムとして面白くならないのではないか(発売する製品は比較衡量なしに無条件ですべてパブリッシャーをつけたほうがいいことになってしまう)と思っていたためです。最初にこうしたことを確認した第24回の時点でもっと長い期間での比較を試しておくべきでした……。

次回は初の拡張パック「カルタゴの脅威」の発売と、「Earth Sim」「EQ Mix 3」のアルファフェーズ開始を見込んでいます。ライバル製品に押されてすっかり落ち目になってしまった「Imperium」が拡張パックで復活できるか、そして拡張パックがどれほど売れるのか、楽しみです。

次回:プレイ日記 第29回

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