「Victoria 3」開発日記#155が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は1.10の物語コンテンツについて。1.10リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記#155は、1.10の物語コンテンツについて。
諸国民の春
- 1848年革命とその後退という大変革を表現するため、私たちはジャーナル記事「諸国民の春」を更新し、ヨーロッパのいずれかの国家で自由主義か社会主義の運動から革命が起こると、「諸国民の春」は平等主義を研究したすべてのヨーロッパ諸国で発生する。
- 「諸国民の春」では政治運動は自由主義・社会主義・保守主義に大まかに分類される。具体的にどの運動が「諸国民の春」を有効化するかはツールチップでわかる。
- 「諸国民の春」の進行中は政治運動全体の積極行動主義が高まり、自由主義的な政治運動がより多くの支持を得る。失敗・成功の条件も変更し、「諸国民の春」は3年間継続するようになり、3年間革命を免れるか、1年間すべての自由主義的な運動を抑制し続けることができれば、保守主義の勝利となる。
- 1848年革命を正確にたどるため、特定の条件が満たされると革命運動に直ちに権力を掌握する能力がもたらされる。首都ステートで急進派が10%を超えると、該当する運動が反乱状態となり、革命勢力が権力を掌握しようとする。
- このような革命は即座に革命勢力に勝利をもたらし、革命は不安定な第2段階に進む。「赤い夏」は史実の革命勢力が破滅を招いた状況を表現する。ジャーナル記事「赤い夏」には2つの進捗バーがあり、最初のバーは革命の定着を、2つ目のバーは反革命勢力の拡大を表す。反革命が100%に達すると革命は鎮圧され、その国家が「諸国民の春」開始時に持っていた権力分配法・言論の自由法・国内治安法に戻る。
- 革命は高い正当性、自由主義者と近代化主義者の支持、知識人の影響力、利益集団「地主」「軍部」の非主流化で進行する。反革命は法律「君主制」地主と軍部の影響力、活発な反乱や従属国の反乱、政府内に自由主義的利益集団がいないことなどで進行する。保守派が混乱を引き起こしている場合、革命派は安定の保証人として自己を位置付けることができる。
- 急進派の結末もあり、君主制を廃止しつつ正当な急進派か社会主義の政府を維持することで、反革命を鎮圧し、革命を救うことができる。
- 「諸国民の春」の準備期間中に十分な数の急進派を確保するため、私たちはヨーロッパじゃがいも飢饉を表現するジャーナル記事も用意した。これはヨーロッパのステートが収穫条件「病気の流行」を持つことで発動し、ヨーロッパにおける「病気の流行」の発生率と深刻度が高まる。
国民自由主義
- ドイツ国民運動はアップデート1.10で追加される3つの文化固有運動のひとつだ。他にイタリア・ユーゴスラヴィアがある。こうした運動はすべて国民自由主義思想を持ち、ドイツ・イタリア・南スラヴ諸国の統一を促す。ドイツとイタリアの場合、文化多数派運動と急進派運動に代わって登場する。南スラヴの場合はより排他的な民族主義運動と対立することが多かったため、そうしたものと支持者を争う。
- 国民自由主義は主要文化の文化熱を高める法律、例えば公立学校やより排他的な市民権法などを支持する傾向がある。また、市民の自由の拡大を支持し、ギルド制度に反対する。
- こうした国民自由主義運動はドイツとイタリアの統一に重要な役割を果たす。ドイツやイタリアを統一する意思はドイツやイタリアの国民運動が政府内の利益集団にかける圧力に大きく依存するようになった。ジャーナル記事「イタリア統一運動」もイタリア国民運動に合わせて更新された。
労働者団体
- 1.10では労働政策が導入される。労働者団体法グループは労働組合・ギルドや、そうしたものの法的地位に関するものだ。一般により寛容な労働法制にすることで利益集団「労働組合」のの影響力は増大し、過激な人物を生み出す可能性が下がる。また、労働運動は社会主義・アナキズム・共産主義運動よりPopにとって魅力的になる。
- ギルド制度は都市の施設の25%を労働者の所有とし、商店主の政治力を高め、資格要件を大幅に緩和する。コーポラティスト、伝統主義者、小ブルジョワはギルド制度を支持するが、市場重視の思想や実業家・労働組合は廃止を支持する。
- 団結禁止法は労働組合の影響力を弱め、労働運動のPopに対する魅力を低下させる一方、政治運動からの急進派の増加と社会主義・アナキズム・共産主義運動のPopに対する魅力を高める。これが有効な場合、虚無主義・アナキズム・共産主義・前衛主義などの急進的思想を持つキャラクターを生成する可能性が高まる。これは実業家と市場自由主義者に好まれる。
- 反ストライキ法は結社の権利と団結禁止法の中間的なもので、過激化を招きにくい一方で、反労働思想とも対立しにくい。
- 結社の権利は労働組合と労働運動に有利で、その影響力と人気を高める一方、急進派の増加率と急進的な思想を持つ人物が生成される可能性を低下させる。これは改革主義者、社会民主主義者、さまざまな共産主義思想、労働組合に支持される。
- Corporatised Unionsは法律「コーポラティズム」でアンロックされ、生活水準の向上による体制派の増加、生活水準の低下による急進派の増加がいずれも大きくなり、社会主義・アナキズム・共産主義運動への魅力を低下させ、労働組合がコーポラティズム的なキャラクターを生成する可能性を高める。これはファシスト、統合主義者、コーポラティストに好まれ、利益集団「労働組合」は労働組合の禁止よりこちらを好む。
- 法律の制定によるイベントも用意されている。上のイベントではより緩和された労働組合法の制定を目指す興味深い一時的な同盟が形成されるかもしれない。
バルカン半島の政治設定
- 1.10では1.9の法律のバリエーションの可能性を生かすようにした。オスマン帝国についてはミッレト制の再現が要望されてきており、アブラハムの宗教に対しては受容度を高め、他の宗教に対しては深刻な差別を行う。以前は補正「ジズヤ税」とされていた効果も含まれ、徴兵可能な連隊に対するペナルティとなる。
- オーストリアの初期の法律も見直され、Crownland Dietsと荘園制という2つの派生物がある。前者は貴族の政治力を減じた世襲官僚制の派生物であり、後者は農奴制と小作農の中間的なものだ。
- 1781年に農奴制は廃止され、移動の自由と転職が認められたが、領主に対する封建的な義務は残った。1848年革命ではこの廃止が要求された。
- 荘園制の国家では自給自足農場で賦役労働が有効になり、生産量が減少し、そのステートの建設効率が上昇する。
- 荘園制はゲーム開始時にオーストリア帝国とドナウ川沿岸の公国で有効化されている。ドナウ川沿岸の公国にも新たな政治設定が行われている。
- Organic Regulationはロシアとドナウ川沿岸の公国の間のアドリアノープル条約に関連しており、この条約ではロシアの独立支援の見返りとしてOrganic Regulationなどの譲歩を約束している。
- モンテネグロは主にオスマン帝国の領土を襲撃することで自活しており、これを表現するためにWomen in the FieldsとŠef Paternalismという2つの派生物がある。
- Women in the Fieldsは男性人口のほぼ全員が徴兵対象となる一方で、女性は家事と農業労働の両方に従事する。
- Šef Paternalismは略奪によって得た戦利品を分配する手段を表現している。
大崩壊
- オスマン帝国向けのジャーナル記事「大崩壊」は特に大きな災害後に帝国が崩壊する状況を表現する。オスマン帝国がタンジマートを成功させずに終えており、かつ未承認国家になった後に共和制を導入するか、革命を経験した場合に有効になる。
- これはオスマン帝国の滅亡を計るタイマーの役割を果たすが、ボタンには滅亡を逃れるための選択肢がある。タンジマートが完了していない場合、オスマン帝国が共和国となることは帝国の存続と相容れないことに注意してほしい。
- タイマーが切れる前に完了できない場合、大崩壊が発動して帝国は小国に分裂する。トルコは議会制か大統領制の共和国となる。
大ギリシャ主義
- 1.10ではジャーナル記事「ギリシャのナショナリズム」が見直され、東ローマとなるまでの経路が複数用意され、複数のリスクと報酬がある。
- ギリシャが大ギリシャ主義を追求した場合、その野心を拡大する機会を得る。東ローマとなることを追求すると悪名が高まり、ジャーナル記事の完了条件が変わる。より野心的な目標を設定するほど大きな報酬が得られるが、失敗した場合それに応じたペナルティが課される。
ハンガリー問題
- オーストリアのジャーナル記事「ハンガリー問題」が見直された。
- オーストリアは帝国再編について多くの解決策を検討しており、この大部分は「National Awakening」のコンテンツだが、無料アップデートでも利用可能な選択肢としてCrown Landsと二重君主制の統合を目指すものがある。Crown Landsの統合はオーストリアのCrown Landの従属国の自由の欲求が25未満のときに利用可能で、Crown Landの従属国すべてを併合するが、ジャーナル記事は完了しない。
- 二重君主制の確立は帝国をオーストリアとハンガリーの同君連合に再編する。これはハンガリー問題を直ちに完了するが、ドイツの統一を断念し、ハンガリーの自治権を大幅に拡大する代償を伴う。
- オーストリア=ハンガリーを再編する際、クロアチアの運命も決めることになる。オーストリアとハンガリーの間で分割されたままか、いずれかの領土に組み込まれるか。
- このジャーナル記事が有効である限り、ハンガリーの分離独立はオーストリアの安定性にとって明確な脅威となる。ハンガリーが独立すれば、他のcrown-landsも追随するだろう。
マップの見直し
- 今回も無料アップデートと共にマップの調整が実施される。
- BukovinaはMoldaviaステートから分離され、Ukrainianのhomelandとなっている。Albanianが多数派のKosovoは独立したステート地域となっている。
- Silesiaステートは上下に分割され、Upper Silesiaはオーストリアとプロイセンに分かれた状態で始まる。Serbiaは東西で分割され、Western Serbiaにはオスマン帝国の分割ステートがある。
- 東西のSlovakiaはSlovakiaとRutheniaに分かれ、ここではハンガリー語の動的名称で表示されている。
- SulvalkiaはVilniusステートからLithuaniaに移り、HoyerswerdaをUpper SilesiaにすることでSaxonyの国境を修正した。
- このほか、ステートの人口構成、資源、Pop種別などの調整を行った。
東アフリカ
- 東アフリカは発売以来手つかずだったが、CK3の次のDLC「All Under Heaven」でスワヒリ海岸が追加されることのリソースを利用してVic3でも東アフリカを見直し、スワヒリ海岸とエチオピア北部の見直しを行った。ケニアとタンザニアの海岸線はオマーンの植民地領土とモザンビーク北部の小国群がある。ザンジバルがオマーンから分離した場合、ジャーナル記事では承認されることで支配を固めるか、東アフリカ内陸部を支配するまで、東アフリカ沿岸から植民地勢力を排除し続ける必要がある。失敗した場合、ザンジバルは崩壊する。エチオピアでは領土の初期配置が変更され、諸侯国が支配権を争っており、いずれかがエチオピア中心部の統一に成功しても、南と東の自国領土を植民地化しなければ領土を拡大できない。
東南アジア本土
- インドシナは初期配置が変更され、南部に分権的な高地住民を包括するグループでもあるChampaが追加されている。カンボジアは大南の反乱的な傀儡国として始まり、動的名称も追加された。シャムと大南の間の紛争地域も見直された。Vientianeとメコン川周辺はシャムの領土だが、内陸部は大南の領土となっている。ハブ、道路、鉄道路線も再配置され、フエが大南の首都となっている。
来週は「National Awakening」の物語コンテンツについて。
次回:開発日記#156
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