「Victoria 3」新DLC「National Awakening」発売は9月23日!

「Victoria 3」開発日記#154――想像の共同体

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#154が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は文化とナショナリズムの表現について。1.10リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#152――1.9の後

開発日記#153は「National Awakening」発売についての内容となっており、こちらの記事で取り上げています。


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開発日記

開発日記#154は、文化とナショナリズムの表現について。

  • 今回の開発日記の機能はすべてアップデート1.10で実装される。
  • 1.10におけるナショナリズムの表現はゲームプレイのために一定の抽象化と仮定を行っている。このアップデートで追加されるシステムは範囲が限られ、「National Awakening」のテーマを念頭に開発された。帝国に懸念材料を提供し、国民国家に地位を向上させるためのツールを与えることを目的とした。二次的な目標として、一般に文化運動の強度を高め、ナショナリズムを世界における真の力と感じられるようにし、従属者と市民を臣民と市民の区別をモデル化することを目指した。
  • このアップデートでは開発日記#152で提案された国家の誇りの機能は実装しない。この機能は今後のアップデートで導入すべきだと考えている。

臣民と市民

  • オーストリアや清のような王朝国家を表現するため、新たな法律「臣民制」を実装した。 臣民制ではPopの受容度はPopのいる場所による。臣民制国家は自国内のPopに受容度30を付与し、「植民地政策なし」と組み合わせると本国からの受容度ボーナスが加算され、受容度は40になる。

  • 臣民制は未承認国家や国民国家モデルを採用していないヨーロッパ諸国の新たなデフォルトの法律だ。君主制と神権政治に限定され、自由主義的な利益集団や政治運動から強く反対される。これまで存在していた民族国家から多文化主義までの市民権法は市民権の多様な定義を反映するように見直された。

文化熱

  • 文化熱は特定の文化の民族意識の尺度だ。

原因

  • 文化熱は多くの要因に影響され、その効果はその文化に属する人口の割合に基づいて適用される。例えば南ドイツ文化の人口の10%が民族国家を制定している南ドイツの国家に居住し、90%が臣民制の国家に居住している場合、南ドイツ文化は法律から合計+2の文化熱を得る。同様のことが識字率や技術「ナショナリズム」の効果などにも適用される。こうした条件の多くは特定の主要文化を有する独立国家の存在に依存している。例えば多くのアイルランド人がアメリカ合衆国に移住し、そこで識字率を向上させ、学者として大学に採用されるとする。これによりアイルランド文化の文化熱が高まり、イギリスはアイルランド文化の住民の文化熱上昇による影響を受け、例えばアイルランド民族運動よるPopの誘引度や積極行動主義の高まりなどが起こる。

影響

  • 文化熱はPopと国家に影響する。文化熱の高いPopは同化に抵抗し、文化運動に参加する傾向が強まる。文化熱の高い文化の少数派文化運動は基礎の積極行動主義にボーナスがつく。運動のObstinance機能と相まって、不満足な少数派文化運動は国家に対してより大きな影響力を持つ。

  • 高い文化熱の主要文化は戦時にボーナスをもたらし、国内政治を民族主義的な方向へ動かす。主要文化の高い文化熱は戦争支持度の減少率を引き下げ、臣民制でない市民権法の下では自由の欲求の上昇率を引き上げる。高い文化熱の主要文化のPopは多数派文化運動に参加する傾向が強く、反対する政治運動から離れ、利益集団に圧力をかけ、民族主義的政治家の出現率を高める。彼らは差別的な市民権法を維持することで、特権層を政治的に不活発な状態にするかもしれない。さらに、高い文化熱の主要文化を持つAI国家は領土の獲得、独立、宿敵に屈辱を与えることを行う場合、より攻撃的になる。国内では民族主義的な課題を選ぶ傾向が強い。

文化的特性の見直し

  • 1.10では各文化が持つ差別化特性が標準化された。デフォルトでは2つの特性(言語特性と系統特性)を持つ。こうした特性は特性グループに含まれ、これによって各文化は文化の近さ・遠さを表現する4つの特性を持つことになる。

  • 文化は伝統特性を獲得したり失ったりする。これは文化間の伝統的な結びつきを反映し、受容度ボーナスをもたらす。

  • 宗教的特性も同様に機能するように見直された。

  • 特性と特性グループのシステムにより、法律が文化や宗教に対して段階的に差別できるようになった。市民権法と政教分離法はこうした可能性を反映するように見直された。一般に、共通の特性を持つ文化は共通の特性グループを持つ文化よりも受容されやすく、共通の特性グループを持つ文化はまったく共通点のない文化より受容されやすい。

運動への機能追加

  • 1.10では政治運動に関していくつか変更し、特にアイデンティティに基づく運動に注力した。こうした変更の目的は、アイデンティティに基づく運動を多民族帝国の脅威となる強力な主体に感じられるようにすることだ。

Obstinance

  • 1.8の政治運動の見直し以降、政治運動に不活発と反乱の中間が存在していなかった。これは特に文化運動に影響しており、1.10では文化運動と宗教運動に新たな中間状態「Obstinance」を追加した。

  • Obstinanceは市民的不服従を表現するが、騒乱とは異なり、Popは急進派でなくてもObstinanceに貢献し得る。運動のObstinanceは支持者から生まれるもので、もっとも政治的に進歩的な集団が最初にObstinateになる傾向にある。利益を代表する政治運動を持たない文化は、完全に組織化された文化に比べてはるかに力を発揮する能力が低い。運動が反乱的なものになると、必然的にObstinateになり、反乱への準備段階で国家を弱体化させる。

  • 複数の運動が同時に発生することもObstinanceの原因になり得る。上の画像ではオーストリアが、チェコ・ポーランド・イタリアの民族運動が同時にObstinance状態になっている。

運動の波及効果

  • 1.10で行うもうひとつの改善は、運動が国境を越えて効果を発揮するようにしたことだ。運動が反乱的になると近隣諸国の同種の運動すべてで積極行動主義が高まる。

  • この効果はイデオロギー運動にも適用され、例えばフランスで共産主義運動が反乱的になると、ベルギー・スペイン・イタリア・ドイツの共産主義運動もエスカレートする。さらに、イデオロギー運動は発生条件が満たされ、かつ威信の高い近隣諸国に運動が存在する場合、発生確率が上昇する。

その他の変更点

  • 上で取り上げた市民権法にある補正「分離主義支援の強度」「分離主義支援への抵抗」とは新たな外交行動「分離主義の支援」に関連したものだ。「分離主義支援」はナショナリズムの研究によってアンロックされ、対象国におけるPopの誘引度と文化少数派運動の積極行動主義を高める。この行動の強度は実施国と対象国の威信の差と、適用される補正「分離主義支援の強度」「分離主義支援への抵抗」によって変動する。民族国家は分離主義支援の強度にボーナスがつくが、一方で分離主義支援に対して脆弱だ。多文化主義国家は分離主義支援に抵抗力があるが、分離主義支援を行う能力は弱い。分離主義支援は実施国の外交官を追放したり、影響を受けた運動を弾圧したり、運動の積極行動主義を低下させる法律を制定することで対抗できる。

  • 布告「国家価値の促進」を改善した。この布告はナショナリズムを研究することでアンロックされ、本国に住むPopを主要文化に強制的に同化させる。

次回は1.10で追加される無料の物語コンテンツについて。

次回:開発日記#155

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