「Hearts of Iron IV」開発日記2025年6月18日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は海軍について。「Graveyard of Empires」リリース後の開発日記です。
前回:開発日記2025年6月12日――陣営の力学の見直しその1
開発日記
開発日記2025年6月18日分は、海軍について。
- HoI4は海軍が理解しにくいということがよく言われる。即座に効果があるもの(制海権)と時間がかかるもの(建造)、実際の戦闘が始まるまで明らかでないもの(艦艇の優勢値や任務部隊の直衛)がある。任務システムも複雑で、目標を達成するための最良の方法として、港に停泊したまま世界中の海に対して優位性をもたらし続ける巨大な打撃部隊のように、直感に反するものもある。
コアコンセプト
- 私たちが現在取り組んでいることの基礎は以下のとおり。
- 海軍のゲームプレイをより戦略的にし、必要なら対抗手段をとる機会があり、より予測可能で、頻繁に変わらないものにする。
- 任務をより直感的で明確な目的と使用例があるものにする。
- 艦隊の積極的な活用を促す。
- 海軍システムの要素をプレイヤーに明確に伝える更新とコミュニケーションの改善。
- 太平洋における島嶼支配と海軍の兵站の重要性を高める。
- 空母の更新と、陸上基地の航空機と海軍任務部隊との相互作用の改善。
海軍のゲームプレイの更新
Naval Dominance
- Naval Dominanceという概念を導入する。艦艇が優勢値を持っていたように、艦艇はNaval Dominanceを持つ。Naval Dominanceは海域の支配を示す手段で、海域は地形に応じて支配を主張するのに必要な値が設定されている。戦時には敵のDominance値との比率も考慮される。支配に必要な比率も66%に変更された。
- 海域にNaval Dominanceを確立すると、例えば輸送路全体を確保すれば、貿易と補給に必要な輸送船団数が最大25%減少する。また、上陸作戦目標を確保する助けにもなる。
- Dominanceは確立するのに時間がかかるが、艦艇の交戦や修理でも即座に消えるわけではない。
任務の更新
- 現在の任務を中核任務(哨戒・船団襲撃・船団護衛・打撃部隊)と補助任務(演習・機雷敷設・掃海・上陸支援)に分ける。中核任務はnaval dominanceを確立する手段だ。哨戒はDominanceの構築、船団襲撃は敵のDominanceの減少、船団護衛はDominance値の防衛が行える。打撃部隊は「シナジーツール」として機能し、他の任務の効果を強化する。補助任務はnaval dominanceに直接関係しないが、naval dominanceから恩恵を得る。例えば機雷敷設・掃海はnaval dominanceがある海域では効率的に行える。
母港・航続距離・補給
- 艦隊に対して母港システムを再導入する。艦隊は母港を持つ必要があり、利用可能な海軍基地を選択できる。
- 艦艇の航続距離は母港からの距離で測られるようになった。
- 補給も母港から調達する。
島ステートの建設上限
- 「Götterdämmerung」ではプロヴィンス単位の建造物に地形によって制限を加えたが、同様にステート単位の建造物にも上限を設ける。今回は小さな島で2000機の航空機を運用できる航空基地を建設できないようにする。今のところ、この制限は島ステートカテゴリー(極小島・小島・大島)によって決まる。
上陸作戦
- 上陸作戦の調整も行っている。現在は技術やドクトリンその他の補正から決まる全世界的な上陸作戦能力があり、上陸作戦に割り当てた師団数に応じて計画に時間がかかる。しかしこのシステムは1個師団の海軍侵攻を連発することが最適となってしまっている。新たなシステムでは技術やドクトリンなどで同時に計画できる上陸作戦数が決まり、上陸作戦に一定の師団数を割り当てることができ、計画に一定の時間がかかる。基礎的な輸送技術すら研究していない国家でも新たなシステムでは上陸作戦を行える。
海の支配権の可視化
- デフォルトのマップモードでは海の支配権を確認できるようになり、戦争中に海域支配の移り変わりを表現し、「海軍の前線」のような感覚をもたらす。また、沿岸の海域が敵の色で表示される場合は一種の警告としても機能する。
次回:開発日記2025年6月日
コメント
遂に小さな島に2千機対応の飛行場を建設できなくなるのか。当たり前っちゃ当たり前だけどいざ変更を明言されると新鮮な気持ち。
太平洋戦線のような広範囲に上陸作戦を展開していくプレイングと現在のシステムはマッチしてなかったからなあ