「Crusader Kings III」開発日記#176が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は東南アジアについて。「All Under Heaven」リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記#176は、東南アジアについて。
中世の東南アジア
- 領主は広大な領域を統一するため、バラモンの僧侶を味方として生ける神、神王となることを目指す。小国は神王に貢物を贈るが、その王が死亡したり、より説得力のある王が現れたりすると、忠誠を捧げる先を考え直すことがあり、マンダラの勢力では忠誠が素早く変わっていく。
マンダラ
- マンダラのバランス面のデザイン意図はプレイヤーに新たな挑戦を提供することだ。マンダラは同規模の封建制・氏族制政府と比べて最初は弱いが、初期の困難を乗り越えれば世代を超えて大きな権力を手にできる。
- マンダラは信仰を中心とし、Pietyがマンダラの主要なリソースとなる。マンダラ政府では献身レベルがさらに3段階(Divine・Demigod・Godlike)追加される。
- キャラクターが新たな献身レベルに到達すると、後継者は次の献身レベルに進むバフを獲得し、このプロセスが繰り返される。これによってgodlikeのキャラクターの系譜を作り上げることができる。
寺院
- 「All Under Heaven」では新たなholdingの種類として寺院要塞を追加する。これはマンダラ領主の主なholdingで、他の領地を持つ政府の首都としても機能し、非マンダラ領主に征服されても機能し続ける。首都の寺院要塞のような大建築物は大プロジェクト機能を使って建設され、これは従属国と協力して行うものだが、詳しくは後述する。完成した大建築物、あるいは首都寺院複合施設はマンダラ勢力の領地上限と封臣上限を引き上げ、神王としての輝き(進貢国や封臣を惹きつける力)を強化する。
- そうした建物の恩恵を得られるのはマンダラだけだ。
Aspect
- マンダラの領主は4つのMandala Aspectsからひとつを選ぶ。
- 創造:建設にボーナスをもたらし、子育てからpietyを得る。主に平和的な手段で継承される。
- 平静:友人になることと同盟相手に寄付を要請することにボーナスをもたらす。主に平和的な手段で継承される。
- 破壊:さらなる開戦事由がアンロックされ、軍事力にボーナスを得る。戦闘や暴力的な死によって継承される可能性がある。
- 策略:「マンダラを疑う」というような策略をアンロックし、上位の階級の相手に対する「貢物を強制する」などのように特定の策略にボーナスをもたらす。殺害されることによって継承される可能性がある。
- Aspectsにはそれぞれ次のレベルに進むための条件があり、献身レベルと首都寺院複合施設の段階に関連している。
輝き
- 輝きは寺院複合施設の最初の段階を完成させるとアンロックされる。輝きは小領主たちが誰に忠誠を誓うかに大きく影響する。
布告
- 布告はAspectsより柔軟な手段で、繁栄・拡張・崇敬の中から選択する。
進貢国の地位
- マンダラは直接領有する領地が少なく、進貢国に依存している。封臣もいるが、他の政府形態に比べてその役割は限定的だ。首都寺院複合施設を拡大するにつれて、進貢国を封臣として統合できる。進貢国は派閥に参加せず、プレイヤーの行動に対する意見もそれほど持たず、神王に対する貢納任務を行う。プレイヤーがそれほど神聖ではないと判明したり、彼らを不当に扱ったりすると、彼らは離反するかもしれない。こうしたことは領地の少なさ、封臣上限、進貢国の多さに反映されている。
貢納の強制
- 戦争以外の勢力拡大手段として、貢納の強制がある。これはAspectと関連スキルに基づく政治的策略で、他の領主を強制的に進貢国にする。
- 相手が既によその進貢国である場合、現在の宗主国が彼らに留まるよう促し、彼らが離反してプレイヤーにつく場合は戦わなければならないかもしれない。
- プレイヤーが進貢国を助けない場合、進貢国との関係は終わる。
東南アジアの海
- 東南アジアの文化や信仰に関する資料は非常に少なく、私たちはもっとも知られているものを追加するように努めた。
ワヌア
- 海に依存した部族制の政府形態で、さらに進歩したければ他の政府形態を選ぶ必要がある。ワヌアは東南アジアの島々にあり、ワヌアから強力なマンダラ神王への道を歩むこともできる。ダルマの教派に帰依するか自身の教派を改革すれば、ボタンひとつで実行可能だ。ワヌアは海を渡って略奪を行うこともでき、ワヌアを特別で楽しいものに感じられるようにする方法も検討している。例えばマンダラの進貢国として得られる正統性により依存するようにするなどだ。
大プロジェクト
- 「All Under Heaven」の機能であり、複数の領主が協力してさまざまなプロジェクトの資金調達を行える。
マンダラの大プロジェクト
- 首都寺院複合施設がまさにそれで、寺院は5つの段階からなる。
- 各段階にはプレイヤーとその従属国が提供する一定の寄付が必要となる。提供者は事業の創始者(この場合はプレイヤー)からの感謝を得る。
- 提供者に対して追加の報酬を提供する任意の寄付もある。
- 寄付を依頼することもでき、フック、賄賂などの説得手段を利用できる。
- 最終段階を完成させると神王としての地位を確立し、大きなボーナスを得る。
中国の大プロジェクト
- 中国では大規模なインフラ整備や複数の寄付者が必要な改善に着目している。万里の長城の区間建設や京杭運河の改善などだ。自然災害から発生する大プロジェクトは自身の地位を高める機会となる。自然災害はマップ上の地理的に不安定な地域で発生するが、中国で発生した自然災害のみがDynastic Cycleに影響する。自然災害については今後の開発日記で触れる。
貢納任務
- マンダラとHegemonicの進貢国は宗主国への貢納任務に出ることができ、これによって彼らの正統性を高める。
マンダラの貢納任務
- 進貢関係を維持するためには、少なくとも宗主の人生で1回、貢納を行う必要がある。貢納任務ではまず持参する貢納品を選ぶ。宦官や妾がいればそうした者を贈ることができるほか、遊牧民の進貢国であれば資金や家畜も贈れる。貢納品を決めたら宗主国の首都に向かう。到着すると、宗主と贈り物を交換するが、宗主がプレイヤーの贈り物を受け取る際に、報酬に影響を与えようとするかを選べる。
- 宗主が選択できる報酬の種類もマンダラか皇帝かによって異なる。
- 進貢国の首都に開発度を高める交易所を設置する。
- 持ち帰って展示するための宝物を与える。
- 異教の習慣を改めさせる僧侶を与える(マンダラが未改革の部族進貢国に与える場合)。
- 報酬を受け取ったらプレイヤーは領地に戻り、返礼品を披露して正統性を得る。
天朝への貢納任務
- 進貢関係から進貢国が負う義務はほとんどなく、少量の威信と資金を支払って中国の正統性の一部を得る。進貢国が支払う資金は皇帝個人の資金となる。皇帝がさらなる義務を課すことがあるが、こうした税や威信の移転は進貢国側にさらなる正統性をもたらす。
- 天朝の進貢国もマンダラの進貢国と同じく貢納を行う必要があるが、皇帝は進貢国の地位に応じた貢納品の期待する規模を持ち、帝国の恩恵という指標で表現される。この指標は、
- 貢納の頻度を測定するタイマーとなる。最低限の貢納品しか納められない場合は頻繁に貢納することを求めるかもしれない。
- 関係を調整する機会をもたらす。
- 減衰率はDynastic Cycleが不安定な時期に増加する。
- 進貢契約は容易に調整できるが、進貢国に有利にするには一定の帝国の恩恵を消費する。
- 帝国の恩恵が非常に高いレベルに達した場合、皇帝は叙任の印章を授与することがある。これは永続的な宝物(regaliaで、望むなら宮廷の宝物にもできる)で、通常与えられない特権を利用できるようになる。
- 貿易アクセス:進貢国と中国の首都プロヴィンスの開発度の差が徐々に小さくなる。
- 家族アクセス:中国の皇室との結婚における高い受容ペナルティを無効化し、家系間の交流にボーナスをもたらす。
- 宮廷アクセス:進貢国の代表者が大臣・総督・賢者と交流できるようにする。
- こうした特権は新たな契約特権として利用可能になり、帝国の恩恵と引き換えに有効化できる。こうした特権から得られるボーナスは保有する帝国の恩恵に比例して増加する。
- 進貢契約は進貢側・宗主側どちらかが死亡しても継承されるが、Hegemonyの称号を失った場合は破棄される。
- 天朝の進貢国はHegemonicの進貢国の一形態であり、他のhegemony称号(インドやローマなど)もHegemonicの進貢国を持つことができる。この場合、帝国の恩恵は従属国の地位となり、中国固有のシステムと結びついた叙任の印章は利用できない。
マップ
- 東南アジアは867年、1066年、1178年ではかなり見え方が異なる。東南アジアでは宗教が複雑に入り組んでいる。867年までには既にさまざまな形のヒンドゥー教と仏教が支配的となっているが、大陸と島の両方に土着の信仰がある。
- 文化はさらに多様性に富んでいる。
- これは1066年の政治状況のスクリーンショットで、北には宋がある。シュリーヴィジャヤはインドのチョーラの信仰によって滅んでいる。
- 公爵領マップモード。ゲーム開始時には公爵領の多くは創設されていない。
- この地域の帝国。
夏休みに入るため、次回は8月上旬とのこと。
次回:開発日記#177
コメント
ワヌア楽しそう、北欧なんかよりよほど人口多いから海賊も半端じゃなく多そう