2025年4月30日、コーエーテクモHDが2025年3月期通期決算を発表しました。前年度比で売上高はわずかに減少した一方、利益は10%前後の増加となりました。
前四半期:2025年3月期第3四半期(2024年第4四半期)
2025年3月期通期決算
2025年4月30日、コーエーテクモHDが2025年3月期通期決算を発表しました。以下、決算短信と決算説明会資料をもとに、今回の業績や会社の状況を見ていきます。
前年度比で売上高は-1.7%とわずかながら減収となった一方、利益は10%前後の増益となっています。会社側は売上減の要因について説明していませんが、営業利益については「運営タイトルのコスト削減を進めたこと等により、前年度を上回る営業利益を達成し」たと述べています。
経常利益以下については、「金融市場を注視しながら機動的な運用を行ったことで、営業外収支、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高とな」ったとのこと。決算説明資料の最後のページに営業外収支の推移のグラフが掲載されていますが、2020年度に急増した後、2022年度は一時的にほとんどトントン程度まで減少したのを除いて、安定して150億円前後の利益を出しています。
貸借対照表では、負債がさらに減少して総資産は一段と減少。上の画像のように四半期ごとにグラフにしてみると、2024年度は一貫して負債と総資産を減らしてきているのがわかります(純資産は通期で増加)。
中期経営計画の振り返り
2024年度は2022-24年度の3年間(本来は21-23年度の3年間でしたが、当初の営業利益目標300億円を1年目の21年度で達成できてしまったため、さらに業績目標を積み増して22年度からの3年間となっていました)である第3次中期経営計画の最終年であるため、この中期経営計画の振り返りのスライドが決算説明資料に掲載されていました。
500万本級・200万本級タイトルについては具体的にどれがどれだったのかは明言されていませんが、500万本級については目標未達となってしまったようです(200万本級については4タイトルが200万本のハードルを超えたという意味なのか、200万本級のつもりで発売したのが4タイトルだったという意味なのか不明)。
次の中期経営計画
現在進行中の2025-27年度を実施期間とする次の第4次中期経営計画では、営業利益についてこれまでの単年度400億円のほかに複数の目標が掲載されています。また、単一タイトルでの販売本数目標はなくなり、3か年累計での売上・販売本数目標へと変わっています。1本1本の当たり外れについて目標を立てるのは難しいという判断なのかもしれません。
上に書いたように、これまでの第3次中期経営計画は1年目にいきなり営業利益目標を達成したことで野心的な目標を掲げたものの、営業利益・販売本数の目標について未達が多かったことから、第4次中期経営計画はそれよりは保守的な目標を掲げたというように見えます。
前四半期の記事で相当ヒットしそうだと書いた「真・三國無双 ORIGINS」は、販売本数100万本を突破したとのこと。
ちょっと話は変わりますが、2025年3月12日の電ファミニコゲーマーの襟川陽一氏インタビュー記事にて、「(引用者注:「信長の野望」「三國志」「Winning Post」について)これらのタイトルはずっとパソコン版を作っていこうと思っています。パソコンの時代に繋がってくださったお客様が、継続的に買ってくださいますから」と述べられていました。歴史シミュレーションシリーズのコーエーテクモ社内におけるウェイトは今後もどんどん小さくなっていくのでしょうし、25年6月には襟川氏が社長から会長となる予定ということが既に発表されていますが、少なくとも襟川氏がご健在な間は歴史シミュレーションの新作が開発されると考えてよさそうです。もっと力を入れた歴史シミュレーションゲームをコーエーテクモに作ってもらいたいなと個人的には思っているので、今後の歴史シミュレーションシリーズに期待したいところです。
次四半期:
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