映画スタジオ経営シム「Hollywood Animal」は4月10日に早期アクセス開始予定です。

「Software Inc.」プレイ日記 第20回

Software Inc.

1980年以降の世界でソフトウェア開発会社を経営するシミュレーションゲーム「Software Inc.」を難易度Very Hardで遊ぶプレイ日記第20回。今回は3本目の製品を発売します。

前回:プレイ日記 第19回

第1回はこちら。


スポンサーリンク

前回のあらすじ

前回は1987年6-12月まで。RTSゲーム「CityLegion Imperium」も残念ながら不発に終わり、その原因を分析したところ、市場認知度と製品の創造性がやはり問題だろうということを改めて認識し、「EQ Mix 2」以降の製品では問題なさそうという結論に至りました。実際にそうなのか、確認していきましょう。

1988年3月

駐車場不足

3月第4週(4日目)、従業員が199名まで増えたこともあり、遂にこれまで使っていた駐車場の収容能力に限界が来ました。しかし駐車場は3階までしか作れないようです。

既に駐車場は不足しているので、新たに駐車場用地を取得することにします。

本社の右側にある大きめの土地は建物が建っていて、合計500万ドル弱とかなり高価。

一方、本社工場左上の土地は狭いですが、40万ドル未満とお手頃価格。工場すぐ上の土地も安いですが、土地区画としては大きめなので駐車場にはもったいない感じがします。というわけで、左上の黄緑の枠の土地を購入し、駐車場を作ることにします。

こちらもとりあえずは平地の駐車場としますが、必要ならその都度上階を建設して立体駐車場にしていきます。

1988年5月

「Art Canvas」の前倒し発売

5月第3週(3日目)、2Dエディター「Art Canvas」のベータフェーズを進めていたArt Canvas開発チームがバグ修正をやめてサービス業務を始めました。修正するバグはもうないのでしょう。発売予定は来月(88年6月)ですが、「CityLegion Imperium」のときのように前倒しで発売することにします。

評価は「CityLegion Imperium」のときと似たようなもの。やはり価格が高いと言われています。パッケージは既に10万本を印刷して在庫にしてあります。

売価は80ドルの設定ですが、推奨は61ドルとのことなので修正しておきます。

前回の考察が正しいとするならば、残念ながら「Art Canvas」は「EQ Mix」や「CityLegion Imperium」と同じように全然売れないと思われますが、移植やバグ修正などやれることはやっていきます。

全然売れないと思ったのですが、発売初週売上本数は278本と、思ったより良好。移植やマーケティングを行っていけば月間1,000本くらいには行けそうな気もします。一方で、現在の2Dエディター市場は「Ink Styles 5」一強状態。直近1か月間で13万本ほどを売り上げています。文字どおり桁が(3つも)違います……。

なお、過去に発売して商業的には失敗した「EQ Mix」と「CityLegion Imperium」の現状はこのとおり。「EQ Mix」は月間販売本数こそ300本程度で頭打ちになっていますが、ライセンス収入で月間9,000ドルの収入を得ています。一般には知られていない一方で、業務用としては一定の評価を得たのかもしれません。「CityLegion Imperium」は競合の「Supreme EmpireSentinel 2」が市場全体にほぼ行き渡ってしまったことで売れ始めているというちょっと変な状況にあります。ただ今月新たなRTSタイトルが発売されたので、今後も販売本数が増加していくかは未知数です。

1988年6月

「Art Canvas」がベストプロダクト賞受賞

これまでまったく縁がありませんでしたが、毎年6月にはIT産業のさまざまな要素を評価する賞が発表されています。その中のベストプロダクト賞1位に「Art Canvas」が選出されました。

ベストプロダクト賞受賞により、トロフィーが家具として登場します。ベストプロダクト賞のトロフィーは効率が高まるようですが、どれほどの効果があるのかはよくわかりません。

とりあえずもっとも大きなオフィスであるマーケティングチームのオフィスに飾っておきます。

「Art Canvas」はベストプロダクト賞受賞によって評価が高まったのか、6月は合計で2,159本の販売となりました。創造性スコア見込みの低いタイトルとしては異例の売上と言っていいでしょう。どうして「EQ Mix」や「CityLegion Imperium」もこうなってくれなかったのか……。

「EQ Mix 2」設計完了

6月第2週(2日目)、オーディオツール「EQ Mix 2」の設計が完了。

発売予定時期は89年9月。

プレスリリースは「写真」まで完了したものの、「動画」は半分ほどまでしか進まず。

前作「EQ Mix」は現時点でハート半分にも満たない程度の市場認知度しか作れませんでしたが、「EQ Mix 2」は前作の雪辱を果たせるかどうか。現在の見込みではそれなりに売れるはずですが、どうなるのでしょう。

新たなゲームの仕様決定

OSのリードデザイナースキルを持っている創造性の高いデザイナーがいるため、「EQ Mix 2」の次はどうにかOSをやりたい気持ちはあるのですが、プログラマーの技術力の点でやはり準備不足と言わざるを得ません。また、「CityLegion Imperium」の拡張パック開発も考えましたが、本体が全然売れていないのに拡張パックを出しても仕方ないように思えます。

そこで、「CityLegion Imperium」の続編となるRTSゲームを開発することにします。機能は上のとおり。フレームワークの関係で技術レベルはちょっと古いですが、「CityLegion Imperium」と同じ機能構成です。

今回も前作「CityLegion Imperium」のリードデザイナーだったエマーソン・ローレンスをリードデザイナーに起用。製品の創造性スコア見込みは69%と、1桁だった前作から大幅に高まる見込みです。私の売れない原因考察が正しければ、今作は売れます。

ただ、商業的には明確に失敗した「CityLegion Imperium」の名前を引き継いで「CityLegion Imperium 2」とするのはなんだかよくない気がするので、タイトルは「Imperium」に変更します。おそらく「Totalwar: Rome」のような古代ローマを舞台としたRTSなのでしょう。

新たなオフィス用ソフトウェアの仕様決定

デザイナーが余る見込みなので、さらに今度はオフィス用ソフトウェアの開発を始めることにします。既に前作にできるウイルス対策ソフトの知的所有権を持っているウイルス対策ソフトの開発も考えましたが、リードデザイナーになれるデザイナーがいないため、オフィス用ソフトウェアとしました。

当社には前作にできるオフィス用ソフトウェアの知的所有権がないため、既存のものを購入しますが、そもそもオフィス用ソフトウェアは「DocMate」シリーズ、最大手の「Open Letter」シリーズ、既に開発が終了して長い「UltraPublish Pro」シリーズの3シリーズしかなく、前二者は知的所有権を売却するつもりはないようなので、選択の余地なく「UltraPublish Pro」シリーズの知的所有権を購入。

余談ですが、購入先のCrile Productionsは「Art Canvas」の元になった「Art Suite」シリーズ、「Race Championship」の元になった「Base Championship」の知的所有権を保有していた会社でもありました。タイムラインを見ると、84年11月にPrimeFanas Digitalという会社から一気に複数の知的所有権を購入し、それを当社がまた購入しているという経緯のようです。

搭載する機能はこのとおり。今回は開発速度向上の利点は重視せず、すべてレベル1の機能で済ますこととオフィス用ソフトウェアのアドオンであるコンテントパック開発を意識して機能を選んでいます。

リードデザイナーは今回が初となるベネット・オルティス。創造性は85%と高めで、創造性スコア見込みも51%と、初の製品にしては十分でしょう。これも問題なく売れてくれるはずです。

名称は古いものをそのまま引き継ぐのもなんなので、「Ultra Office」に改称。

業績は安定

今回は1988年1-6月まで。「Art Canvas」が意外な成功を見せたことでなんとか面目を施せそうです。ただ、創造性スコア見込みの低さから売れないだろうと踏んでいた「Art Canvas」がベストプロダクト賞を受賞して売れたことで、創造性スコア見込みから売上を予測するのもそれほど精度のいいものではなさそうということになります。創造性スコア見込みが一定程度あるから売れるだろうと踏んだ「EQ Mix 2」以降の製品も、発売してみたら盛大にコケる可能性は依然として残っているということになるでしょう……。

現在開発中の製品4本の進捗状況はこのとおり。「Race Championship」はもうまもなく設計完了の予定です。


賞を獲ったことで売上が増えるというのはまったく想定していない売れ方でしたが、なんにせよ売れはしたので結果オーライというやつでしょう。しかし今度は、ベストプロダクト賞などの賞はどういう評価で与えられているのか、気になるところです。また、「Art Canvas」では発売時にこれまで言われてきた「知的財産の後退だ(おそらくシリーズとしての評価が低下したという意味)」という文言がありませんでした。これもどういう理由なのか明確には説明されませんが、気になります。

一方で、すべて説明されてしまうと面白みがないという側面もあると思いますので、これくらいの説明されなさ・わからなさがいいのかもしれませんね。

次回:プレイ日記 第21回

スポンサーリンク

コメント

  1. お疲れ様です。Art Canvas受賞おめでとうございます!
    EQ Mixが地味に売れてたり、色々分からないことも多いですが仰るように分からん所を自分なりに考えるのシミュレーションゲームの楽しみですよな…

    • ありがとうございます!
      個人的にはいろいろ試行錯誤してゲームをわかっていく過程が楽しいなと思う一方で、昨今ではいろいろな要因でそんなに気長にゲームを遊んでられないプレイヤーが多そうな気もしますし、シミュレーションゲームを作る側はそのあたり大変そうですね。

タイトルとURLをコピーしました