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「Software Inc.」プレイ日記 第19回

Software Inc.

1980年以降の世界でソフトウェア開発会社を経営するシミュレーションゲーム「Software Inc.」を難易度Very Hardで遊ぶプレイ日記第19回。今回は製品が売れない理由を考察します。

前回:プレイ日記 第18回

第1回はこちら。


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前回のあらすじ

前回は1987年1-5月まで。スポーツゲーム「Race Championship」の設計を始め、2Dエディターと家庭用ゲーム機の開発会社を買収しました。しかし当社初の自社開発製品「EQ Mix」は全然売れておらず、売上は低空飛行を続けています。

1987年6月

自社ビルの増築

前回書いたようにマーケティングチームの増員が続いており、1階の大部屋では足りなくなったために自社ビルに2階を増築し、その中央の大部屋をマーケティングチームだけで全部使うように変更します。これでリーダーの執務室を除くとちょうど100名収容できる計算。

1階は中央の大部屋の半分が空いていますが、外周はすべて埋まりました。これまで空いていた右上は開発(プログラマー)チームとミーティングルームとなっています。左下の小部屋が空いていますが、ここは以前空調設備が入っていたところです。暖房設備は地下の小部屋に、冷房設備は上階が屋上である必要があるため、2階に移っています。

1987年8月

「Art Canvas」アルファフェーズ完了

8月第2週、「Art Canvas」のアルファフェーズが完了。

ベータフェーズに移る前にプレスリリースを発表しますが、マーケティングチームの人手不足で写真すら完了しないままでの発表となってしまいました。

「CityLegion Imperium」の前倒し発売

今年11月発売予定のRTSゲーム「CityLegion Imperium」ですが、251件のバグを修正したところで開発チームがバグ修正をやめてサービス業務を始めました。もう修正するバグはないようなので、発売予定を前倒して発売してしまうことにします。

評価はこのとおり。今回もひどい言われようですが、中段の評価を見るにどうやら価格設定が高いようです。

価格変更ウィンドウを見ると、推奨価格61ドルのところ79ドルという設定でした。「EQ Mix」のときは発売前に価格が高すぎると警告してくれましたが、今回は推奨価格からそれほど離れていないということなのか、警告は出ず。今から変更して効果があるのかはわかりませんが、とりあえず推奨価格の61ドルに変更しておきます。

また、パッケージの印刷をすっかり忘れていたので、今から慌てて印刷をかけます。今回も10万本印刷しておきます。さらに、CityLegion Imperium開発チームは同作の他OSへの移植と技術アップグレードを行わせます。

品質にこだわっているのでもちろん品質は「素晴らしい」ですが、創造性は今回も「普通」なので売れ行きはやはり厳しそうに思えますが、さてどうなるか……。

翌週、「CityLegion Imperium」の初週売上が出ましたが、わずか63本……。競合製品を見ると、競合こそ少ないものの、「Supreme EmpireSentinel 2」という昨年10月発売のタイトルが今年4月にアップグレードパッチをリリースしており、それ以降RTS市場を席巻しています。今後「CityLegion Imperium」も技術アップグレードやマーケティングで食い込んでいけるか、今度こそうまくやりたいものです。

なお、「CityLegion Imperium」はゲームなので、アドオンとして拡張パックを作成できます。ただ、拡張パック以前に本体を売らなければならないのと、拡張パック開発には開発要員の増員が必要なので、今回すぐに開発というのは見送ります。

1987年12月

1987年のまとめ

1987年は785万ドルほどの収入超過。過去最高の現金増となりました。

1987年の業績は以下のとおり。

  • (1986年→87年)
  • 売上高:366,417→505,763千ドル(前年比+38%)
  • 営業費用:360,245→494,779千ドル
  • 減価償却費:768→18千ドル
  • 投資損失:298→713千ドル
  • 支払利息:144→113千ドル
  • 税引前当期純利益:4,962→10,141千ドル(+104%)

87年は現在もっとも高額な単価60ドルの電子機器製造案件が継続的に受注できたため、売上・利益ともに前年比を大きく上回る業績となりました。製品の開発・製造・販売は不振ですが、電子機器製造事業が当社の屋台骨となっています。

額が突出して大きい契約と請求のグラフを除いて、少額のグラフを見れるようにしたもの。

創業から現在までの月ごとの収支の推移。足元では電子機器製造案件の受注を控えて自社製品(自社開発ではなく倒産した他社から買収した製品)の「ApexCube」シリーズとそのジョイスティックを自社工場で生産する体制を構築したため、電子機器製造事業が大半を占める「契約」「請求」の勘定は急減し、代わりに最大手の家庭用ゲーム機「Hyper Connect」の最新機種を製造する取引を受注していたために「取引」勘定が急増しています。

その他の統計。現在の従業員は192名で、86年末の116名から76名の増加となっています。一気に6割近い増加ですが、ほとんどはサポート・マーケティング要員です。上の画像ではサーバー帯域幅が急増していますが、これはネットワーク対応OS「Cortex」のホスティング業務によるものです。

現在進行中のソフトウェア開発プロジェクト3件の進捗状況はこのとおり。下から、2Dエディター「Art Canvas」は現在ベータフェーズ。発売日は88年6月ですが、「CityLegion Imperium」のように前倒しでバグ修正が完了しそうな予感がします。当社初の自社開発製品であるオーディオツール「EQ Mix」の後継作「EQ Mix 2」とスポーツゲーム「Race Championship」はともに設計バージョン4。「EQ Mix 2」では「EQ Mix」の無念を晴らしたいところですが、いったいどうなるか。

「CityLegion Imperium」の失敗

自社開発ソフトウェア2本目のRTSゲーム「CityLegion Imperium」も、残念ながらうまくいっているとは言えません。RTS市場は現在ほとんど「Supreme EmpireSentinel」シリーズによる独占状態にあり、「CityLegion Imperium」ではうまく食い込むことができていません。もちろんまだマーケティングや他OSへの移植によって伸びしろはありますが、月に何千本と売れるような見込みはないでしょう。

2作目なので今回はもう少し売れなかった原因を深掘りしてみることにします。当社の「CityLegion Imperium」ともっとも売れている「Supreme EmpireSentinel 2」の比較は上のとおり。品質は「CityLegion Imperium」のほうが優位ですが、創造性については「Supreme EmpireSentinel 2」では最高の「幻視者」となっています。

中段の大きな三角形はマーケティング目標ですが、「CityLegion Imperium」は「ゲームプレイ」に寄った位置にある一方、「Supreme EmpireSentinel 2」は三角形のほぼ中央を目標点としています。

現在のRTSについて市場分析したときの最適なマーケティング目標はこのとおり「ゲームプレイ」に寄った位置です。ということは、マーケティング目標では「CityLegion Imperium」のほうが現在の市場には適合しているはずです。

市場認知度については、完全にゼロからスタートの当社と比べて、「Supreme EmpireSentinel」シリーズを発売しているPatoBurst Interactiveはハート3つ半。ここは残念ながら大きな差があります。

私が個人的好みで品質最優先の開発を行い、開発開始から発売までに時間がかかることで、開発開始時に設定したマーケティング目標から発売時の最適なマーケティング目標が大きく外れてしまうというのも原因かもしれないと考えていましたが、どうやらそうではなさそうです。

難易度Very Hardでは創造性と市場認知度の売上への影響が非常に大きいため、やはりこの2点が売れない主要因と考えるのが自然でしょう。市場認知度はすべてゼロからのスタートなので言わずもがなですが、「EQ Mix」は開発開始時の創造性スコア見込みが4%、「CityLegion Imperium」は3%と1ケタでした。もうすぐ発売予定の2Dエディター「Art Canvas」も5%と1ケタだったので、そう考えると「Art Canvas」も残念ながらあまりヒットしないと考えられます。

一方で、現在開発中の「EQ Mix 2」は創造性スコア見込み67%、「Race Championship」は54%と、いずれもそれなりの値です。私の見立てが正しければ、この2タイトルはある程度ヒットすると見込まれます。「EQ Mix 2」までは現状の開発方法を続け、これもダメだったらそのとき考え直すことにします。

業績は順調

今回は1987年6-12月まで。製品の開発・販売では2タイトル連続で失敗ということになりましたが、電子機器製造事業のおかげで会社の業績は安定しています。製品は失敗が続きますが、失敗できる余裕を作ることには成功していると言えるのかもしれません(……という経営の失敗を糊塗する「よかった探し」)。


製品の創造性スコア見込みについては、これまでは製品の種類ごとのリードデザイナースキルが影響しているものと思っていましたが、「Race Championship」のリードデザイナーのようにリードデザイナースキルが低くてもそれなりの創造性スコア見込みが出る場合があるということは、もしかするとデザイナーの基本スキルも影響しているのかもしれません。なんにせよ、原因分析をしたことで光明が見えてきました。発売はまだだいぶ先ですが、「EQ Mix 2」の売れ行きに期待したいと思います。

次回:プレイ日記 第20回

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コメント

  1. お疲れ様です。
    ということは難易度高い場合はまず認知度優先で軽い作品?から出していくのがいい形…なのかなぁ

    • ご覧いただきありがとうございます。
      そうですね。それほど時間をかけずに創造性の高い製品を短いサイクルで出していく、というのが高難易度ではよさそうです。つまりひとつの製品にしっかり時間をかけて作り込んでいくという私の好みのやり方はうまくないという……。

      • いえいえ、管理人さんのお気持ちも以前の連載で仰ってた記憶ありますが理解できます!
        当初だけ品質:普通~良いくらいで足掛かり作ってまずは知名度上げて…ってのも手かもしれないですけど、やはり拘りたい気持ちも分かるんで…

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