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「Crusader Kings III」開発日記#162――ステップバイステップ

Crusader Kings III

「Crusader Kings III」開発日記#162が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は遊牧民について。「Wandering Nobles」リリース後の開発日記です。

前回:開発日記#161――2024年の振り返り


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開発日記

開発日記#162は、遊牧民について。

  • 私たちはステップの遊牧民の包括的なシステムに取り組んでいて、拡張の制作に取り組んでおり、できるだけ早く機能を紹介することでフィードバックを収集し、続くイテレーションフェーズの間に対応できるようにすることを目指している。そのため、いつもより早くスクリーンショットを掲載しているが、お見せするものはすべて開発中のものだ。
  • 以下は次のDLCの概要であり、今後の開発日記ですべての機能について触れるが、フィードバックを反映させるには時間がかかるため、このアップデートの開発日記はまだ毎週公開にはならない。

Nomadic Government

  • このアップデートの中核は新たなNomadic Governmentで、herd・might・landを強調する。

Herd

  • 利用できる家畜は遊牧民だけが利用できる通貨「Herd」で表現され、身代金、持参金、賄賂、策略、raidingに使用される。またこれによってCultural Headが決まり、Dominance(後半で詳述)を高める。さらに、遊牧民には安定した収入がないため、Herdは土地のFertilityの利用、あるいは遊牧民のsubjectを通じて得られる。これは後述するLandの節で述べる。
  • 遊牧民の主な変更点として、彼らは徴募兵の代わりにHerdの一定比率をHorde Ridersに変換する。Horde Ridersは遊牧民の基礎的な常備軍で、資金を支払うことでHorse Archersのような上位の常備軍にアップグレードできる。Horde Ridersには維持費はかからないが、他の常備軍は毎月威信を維持費として消費する。上のスクリーンショットに描かれている割合はHerdからHordeに変換できる割合だ。この割合はyurtの建造物、家系のパーク、キャラクターの補正などに影響を受ける。

  • 遊牧民マップの名称は通常の命名規則とは異なり、Duchy of ÖrgööではなくBorjigin Mongolsだ。Cultural Headは文化の名称(The Mongols)を名乗り、より小規模な領主は家の名称+文化の組み合わせ(The Borjigin Mongols)を名乗る。Nomadic governmentsにおけるCultural Headは、称号にかかわらずHerdが最大の領主が選ばれる。

Might​

  • 遊牧民の領主は彼らの認識されている力の尺度であるDominanceを利用できる。Dominanceが低いと取るに足らない長であることを意味し、最大のDominanceはチンギス・ハンの台頭を意味する。Dominanceの各レベルは領主がそれに向けて努力しなければならない達成困難な目標であり、十分な大きさのHerdを持つ者のみが次のレベルに到達できる。Dominanceは封臣や領地制限などに影響し、低いレベルではどちらも非常に少ないが、高いレベルでは大きなボーナスを得る。また、Dominanceは移住の際に対象にできる階層(Landの節で詳述)、特別な常備軍・称号・封臣の剥奪の利用、ステップ外での定住、フレーバー豊かなディシジョンなどを決める。
Obedience​

  • Obedienceは服従しているかしていないかの二値を持つ。subjectや廷臣であるすべてのキャラクターは君主に対してObedienceを持ち、これは閾値として機能する。閾値を下回っていれば彼らは従わなくなり、君主に対して陰謀を企てたり、さまざまなインタラクションに対して一般的な受容ペナルティがつくようになる。閾値以上であれば彼らは派閥を形成したり、主君に対して陰謀を企てたりすることはなくなり、Kurultai継承においてはプレイヤーが好む後継者に投票する。Kurultaiは評議会の構成員からなり、彼らを味方につけることは遊牧民にとって非常に重要だ。Obedienceは相手との関係、友情、特性、Kurultaiや宮廷の役職を与えたかどうかなどに基づいて計算される。

Land​

  • 遊牧民は土地のFertilityを利用してHerdを増やす。そのため、彼らの領地がhordeを収容するのに十分な広さがないゲーム序盤では、移住がゲームループの重要な要素となる。伯爵領のFertilityは地形種別に基づいて計算される。遊牧民はHerdが維持できる一定の数値に安定するまで、保有する伯爵領のFertilityを減少させる。この数値は主に領地の大きさに影響を受けるが、Stewardship、家系のパーク、yurtの建造物、その他のキャラクターの補正も影響する。
移住

  • Domain Fertilityが枯渇したら移住するときだ。移住はde jure称号を対象とし、対象にできる称号の階層はDominanceレベルによって決まる。Dominanceレベル2の遊牧民領主は伯爵領と公爵領を対象にできるが、レベル3なら王国領も対象にできる。つまり、小規模な領主は頻繁に移住する必要があり、Herdersに占拠された放棄地を見つけるか、より大きな領主に服従する必要がある。一方、ステップの大規模な領主はより定住的な生活様式を採用し、領域内の領主にObedienceとTributeを求める必要がある。

  • 移住画面では現地の領主と交渉でき、2人以上の独立した領主が同じde jure領地を支配している場合はHerdがもっとも多い領主がプレイヤーとの交渉を主導する。資金・Herd・フックを賄賂として使用でき、相手の受容値はプレイヤーとの関係、相対的なDominanceレベル、威信、武勇、Herd、特性などによって決まる。彼らが承諾するとプレイヤーとそのHerdは目的地までの旅の計画を始める。その場所がすでに廷臣によって提案されていた場合、プレイヤーは追加のボーナスを得るかもしれない。

  • 遊牧民は土地を手放すことを拒むかもしれない。Dominanceのレベルが高く、自分たちがいる場所がかなり快適だと感じている場合は特にそうだ。そうなると戦争に頼らざるを得ない。移住戦争によって攻撃側は武力によって土地を奪えるようになる。対象となった領主は彼らがそのde jure称号以外の称号を持っていれば他の領地に追いやられ、そうでなければ領地を失う。Administrative Noble FamiliesやAdventurersと同様だ。領地を持たない遊牧民はyurtsとアップグレードは維持するが、Fertilityを利用できず、Herdを増やせない。彼らはテントを張る新しい場所を求めて草原をさまよう。
  • どのような移住方法を選んでもObedientな封臣はプレイヤーに従うが、そうでない封臣は称号と土地を維持して元の場所に留まる。プレイヤーが元いた土地はまったく別の誰かが占領することになる。
Herders​

  • ステップにはプレイ不可能な政体であるHerderがおり、マップを埋め尽くす。彼らは時間経過でFertilityを回復させ、軍を持たないために追い払うのは非常に簡単だ。彼らは移住によって取り残された伯爵領を占領する。Herderをsubjectにすることもでき、伯爵領のfertilityに応じて少額のHerdを支払う。Fertilityが回復するのを期待して現地のherderに対して伯爵領を放棄することもできる。
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The Great Steppe

  • ステップの一般的な気候を決める季節システムを作った。The Great SteppeはWestern・Central・Easternの3つに区分され、それぞれに季節がある。季節はその地域のFertilityに影響する。White Zudは家畜の放牧ができなくなる一方で、穏やかで温暖な気候は牧畜に最適だ。
  • 季節によって遊牧民の気分も変化する。Abundant Grazingの季節に領主が封臣からHerdを奪い取れば通常より多くを受け取れる。Severe Droughtではキャラクターは通常より移住することを促される。Havsarsan ZudとBlessing of the Blue Skyではさらに効果が大きくなり、Blessingはその地域のFertilityを十分に増加させ、Havsarsan Zudは領主がすべてのsubjectをobedientにし、定住している人々を侵略する開戦事由を得られるようにする。Stargazerは適性に応じて次の季節を予測することもできるが、これは今後の開発日記で述べる。

The Gurkhan​

  • ステップ全体でただ一人だけがDominanceの最高レベルに到達でき、the Greatest of Khansになれるが、これを阻止する手段もある。Gurkhanはthe Great Steppeで最大のHerdを持つ者であり、最高のDominanceに向かい、すべての者にとって脅威となる。彼らに対するConfederationsが結成されたり、敵対的な策略や戦争がより頻繁に起こるようになる。

Yurt

  • Nomadic Holdingsは基礎的な家畜の囲い以外の建造物を持てないが、かわりに新たなYurt Settlementを利用できる。これは内部アップグレードが可能なmain yurtと、牧草地管理、戦争、外交、襲撃などのアップグレードが可能な、いくつかの特殊な建造物がある。

Tributaries

  • Tributariesは今回の拡張で新たに導入されるより緩やかなsubjectだ。Tributary ContractはSuzerainに支払わなければならないObligations(あるいはTribute)の水準を決める。貢納が行われている間は両者は停戦状態となる。貢納関係は世代を超えて継承される。suzerainがtributariesにとって脅威でないようならtributariesは貢納をやめるかもしれない。以前のsuzerainは彼らを武力で貢納関係に引き戻して、資源と名声の両方をより多く引き出すことができる。Nomadic Tributariesはherdを支払うが、定住のtributariesはNomadic suzerainsに資金を支払う。TributariesはキャラクターインタラクションのDemand Tribute、あるいは開戦事由を通じて獲得する。領地を守るために領主が自発的になることもできる。これについても後日深く掘り下げる予定だ。

Confederations​

  • ステップに強力なkhansが現れると、低い階層の遊牧民領主たちは大きな敵に対抗するためにConfederationを結成することがある。Confederationの構成員は仲間が戦う防衛戦争に全員が参戦する。また、Confederationに属している限り、Dominanceを高めたり、新たな称号を創設できない。

Raid Intents​

  • Raidingは遊牧民が資金を得る主な手段であり、この機能を拡張するためにRaid Intents​を追加した。これによってraidingの望ましい結果を設定でき、興味深いキャラクターを拉致する、隣人の家畜を盗む、単に彼らの所有地を焼き払うなどが行える。一部は部族制のキャラクターも利用できるが、その他は特定のNomadicのアンロックが必要となる。

Nomadic Flavor​

  • 新たなキャラクターインタラクション、ディシジョン、活動の種類、Vassal Stance、イベントその他の遊牧民のフレーバーも多数追加する。チンギス・ハンのストーリーラインやモンゴル特有のイベントももちろん登場する。Kurultai・Blood Brotherhoods・Paizas、フビライのPleasure Dome(注:史実のなにかを指しているというわけではなく、イギリスの詩人コールリッジの『クブラ・カーン』という詩集で出た、英語圏で著名な一節ということのようです)もあるが、詳細は後日述べる。

次回:開発日記#163

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コメント

  1. いよいよ遊牧民か
    CK2の奪った土地の建物を破壊できるシステムも楽しかったけど今回はどうなるかな?

  2. 要は遊牧民の玉突き事故で、アヴァール、ブルガール、マジャール、ハザール、ペチェネグ、クマンとひっきりなしに新たな遊牧民が現れる黒海北岸地域が再現できるってことかな?

    • 遊牧民きたー
      マジャール人のカルパチアへの侵攻も変更されるのかねぇ

  3. 北アフリカ辺りの部族&氏族も遊牧民の方がよくないかって思うけどあの辺りはあの辺りでフォーカスした変更にしないとチグハグになっちゃうかな

  4. The Oirats という名乗りは迫力があるな。

  5. 領地持たなくても活動出来てキャラクター一家の位置が具体的に示されるEstateのシステムってRP的にも画期的な要素だよね
    全部作ると容量が爆発するのは分かるけど封建制の国でも有名貴族の家門でEstate実装して欲しいな
    フランスのカペー家分枝の親王家とかHRE貴族とかは表現し切れないほどいるしPalatineの封建契約でEstateが皇帝/王の首都に移動したりもして欲しい(強欲で強欲な壺)

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