海軍戦略・戦術シミュレーションゲーム「Rule the Waves 3」を日本で、領土を拡大しない縛りを設けて遊んでいくプレイ日記第3回。今回は1894年から。
前回:日本不拡大プレイ 第2回
1894年
1月
緊張度が低いため、帝国議会は海軍予算の減額を決議。これから緊張が高まっていくというのに……。
照準鏡
イギリス政府が火器管制技術「照準鏡」の権利を販売してくれるとのこと。ありがたく買わせてもらうことにします。
射撃精度が少し上昇します。
1894年1月時点の日本艦隊
1894年1月時点の日本海軍の戦力構成は以下のとおり。
- 常備艦隊(計17隻)
- 戦艦「扶桑」
- 第1戦艦戦隊(司令官:塚原少将)
- 富士型戦艦「富士」
- 富士型戦艦「八島」
- 第1装甲巡洋艦戦隊(司令官:長沢少将)
- 磐手型装甲巡洋艦「磐手」
- 磐手型装甲巡洋艦「阿蘇」
- 第2装甲巡洋艦戦隊(司令官:平塚少将)
- 浅間型装甲巡洋艦「浅間」
- 浅間型装甲巡洋艦「出雲」
- 装甲巡洋艦「八雲」
- 防護巡洋艦「畝傍」
- 第1防護巡洋艦戦隊(司令官:荒木大佐)
- 和泉型防護巡洋艦「和泉」
- 和泉型防護巡洋艦「浪速」
- 防護巡洋艦「高千穂」
- 防護巡洋艦「千代田」
- 砲艦(コルベット)「金剛」
- 砲艦「比叡」
- 高雄型砲艦「高雄」
- 高雄型砲艦「葛城」
- 建造中(計4隻・すべてイギリスにて建造中)
- 富士型戦艦「敷島」
- 富士型戦艦「初瀬」
- 八重山型防護巡洋艦「八重山」
- 八重山型防護巡洋艦「千島」
18ノットしか出ない磐手型の第1装甲巡洋艦戦隊を第1戦艦戦隊に追従させ、これを戦列として敵戦艦の砲撃を引き受け、その間に他の巡洋艦が敵戦艦に接近し、雷撃を行って撃沈するという戦法を想定しています。ただ、現時点では敵戦艦を直衛する敵巡洋艦への対応を考えることができていません。敵装甲巡洋艦より優れた戦闘力の装甲巡洋艦を建造し、雷撃する巡洋艦の露払いをさせる必要があるのではないかと考えているところです。
3月
イギリスで建造していた八重山型防護巡洋艦1番艦「八重山」が就役。技術ボーナスも獲得できました。
諜報員の拘束
ロシアで諜報員が拘束されたというイベント。どちらを選んでも結局緊張は高まるので、下の「諜報員を国家の英雄にする」を選択。
ランダムな緊張度の変化も相まって、ロシアとの緊張度は一気に危険水準へ。スペインと清も同様の状況になりました。全艦艇を動員状態にし、砲撃と雷撃戦の特別訓練を開始します。
英独の海戦
インド洋にて英独の海戦が発生。ドイツのコルベット「デルフィン」・装甲巡「ヨルク」が沈没。
装甲巡「ヨルク」は昨年就役したばかりの新鋭巡洋艦だったようです。前年の戦艦2隻喪失に続き、ドイツにとっては痛い損失でしょう。
4月
イギリスで建造していた八重山型防護巡洋艦2番艦「千島」が就役。1番艦「八重山」と合わせて第2防護巡洋艦戦隊を編成。予定していたとおり「艦隊の矛」になってもらう予定です。
防護巡「千代田」謎の爆沈
防護巡「千代田」が函館で謎の爆沈を遂げる事件が発生、ロシアによる工作が疑われており、マスコミは行動を求めているが、どのような提案をするかというイベント。同盟国もない現在、日本が単独でロシアと戦争して勝てる見込みはありません。ここは涙を飲んで妥協しなければならないでしょう。下の「我々は事態を鎮静化させ、公平な調査を待つべきだ」を選択。予算が増えますが、威信が大きく低下し、緊張度も上昇します(この選択肢では緊張度が下がるべきのような気もしますが)。
ロシアとの緊張度は戦争寸前まで上昇。ロシアは日本以外との緊張度が低く、戦争になったときに味方に付いてくれそうな国家がありません。どうにかロシアとの戦争は避けたいところです。
喪失した防護巡「千代田」は速力21ノットと比較的高速で、魚雷発射管は2本しかありませんが雷撃部隊に適していると考えていたので、日本としては大きな損失です。
技術開発
艦艇設計技術「設計計算の改善」、榴弾技術「メリニット」を獲得。前者は船体重量が1%減少、後者は砲弾のダメージがわずかに上昇します。
5月
海軍情報部門の意欲的な若手士官がロシアの停泊中の主力艦を爆破する計画を立て、これを実行するかどうかを尋ねられるイベント。先月爆破された防護巡「千代田」の意趣返しをしてやろうということなのでしょう。しかし現状ではロシアと戦争しても勝ち目がないので、「そのような卑怯なやり口は我が海軍の伝統にはない! そのような企みについてこれ以上聞きたくない!」を選択。
仏伊関係の悪化
仏伊間の緊張が非常に高まっているとの知らせ。
確かに戦争一歩手前まで緊張度が高まっています。英独戦争に続いて仏伊戦争も起こるのかもしれません。
6月
ロシア海軍の大型艦の大部分が動員状態になっているという報告に対してなにをすべきかというイベント。とにかくロシアを刺激したくないので、「彼らは年次演習を行っているのだろう。心配するな!」を選択。
こうも宥和的態度を取り続けていると若手士官あたりから弱腰と批判されそうですが、さすがに対ロシアとなると戦力差が歴然なのか、海軍元帥会議の威信は22とそれほど下がっていません。この調子でどうにかロシアとの危機を戦争せずに乗り切りたいところです。
新型装甲巡洋艦の設計
まだ富士型戦艦3番艦「敷島」・4番艦「初瀬」が建造中ですが、少し予算に余裕が出てきたので新型装甲巡洋艦を設計します。この装甲巡は敵戦艦の直衛についている敵巡洋艦を撃破することを目指すもので、防護巡が行う敵戦艦への雷撃を支援します。「敵の砲撃に戦艦が耐えている間に巡洋艦が接近・雷撃して敵戦艦を撃破する」という現在の日本海軍の戦闘教義は、この新型装甲巡をもって完成することになるでしょう!
では、新型装甲巡が戦うべき敵巡洋艦の性能を見てみましょう。まずはロシア。
- 主砲:最大8インチ(20.3cm)砲
- 速力:最高20ノット
- 舷側装甲:4インチ(102mm)
緊張が高まっている清も見ておきます。
- 主砲:最大8インチ(20.3cm)砲
- 速力:最高21ノット
- 舷側装甲:最大4インチ(102mm)
同じく緊張が高まりつつあるスペインも、露清とおおむね同様の性能です。以上の3か国の防護巡も確認しましたが、21ノットを超える艦はなし。
これを踏まえて、以下の項目を要求性能とします。
- 主砲:4インチ装甲を貫通可能
- 速力:22ノット以上
- 舷側装甲:8インチ砲に耐えること
- 魚雷発射管装備(敵戦艦への雷撃に参加できるようにする)
この要求性能から設計したのが常磐型装甲巡洋艦です。12,000トンと富士型戦艦よりも大型になってしまいましたが、敵巡洋艦を相手にするには十分な戦闘力があるはずです。
- 主砲:8インチ(20.3cm)単装砲4門(片舷3門)
- 速力:22ノット
- 舷側装甲:6インチ(152mm)
- 魚雷発射管4基(側面)
イギリスの8インチ主砲はおよそ2,000mまでなら4インチ装甲を貫通可能。一方、6インチ装甲は8インチ砲の超近距離射撃でも貫通を許しません。22ノットという足の速さで敵巡洋艦に接近し、砲撃によって敵装甲巡を撃破できる見込みです。これも数がほしいところですが、12,000トンの巨艦を今の日本が何隻も建造できるわけがないので、さしあたり2隻の建造を予定しています。
7月
船体建造技術「造船用鉄鋼の改善」、砲塔・砲座技術「装填の機械化」を獲得。前者は船体重量が1%減少、後者は射撃速度がわずかに上昇します。
8月
ドイツから新型巡洋艦が親善訪問に訪れ(イギリスと戦争中なのに?)、マスメディアがその先進的な機能を報じている中、なんとコメントするかというイベント。イギリスと戦争中のドイツが日本に対して強硬な態度を取れるとは思えないので、ドイツの足元を見て「これがドイツの持てる最高の艦だとするなら、ドイツなど恐るるに足らない」と強がって威信を稼いでおきます。
9月
諜報員によれば、ロシアは4か月以内に日本と開戦する計画であるとのこと。どこかで妥協できるタイミングがあればいいのですが……。
常磐型装甲巡洋艦の発注
そんな中、設計が完了した常磐型装甲巡洋艦「常磐」「吾妻」を発注。
10月
スペインとの植民地危機が発生、なんと政府に助言するかというイベント。「我々は戦争準備ができておらず、緊張の高まりを避けるために妥協すべきです」を選択。ロシアとの開戦間近という状況でさらにスペインという敵を抱えるのは避けたいためです。
戦力比較では日本の戦艦3隻・装甲巡洋艦5隻に対して、スペインは戦艦4隻・装甲巡7隻とスペインのほうが優勢。それでも1対1なら勝ち目はあると思いますが、現在の状況では威信を失ってでも関係悪化を避けざるを得ません。
12月
小規模部隊・魚雷戦技術「駆逐艦」を獲得。300トンまでの駆逐艦を建造できるようになります。
日本の海軍士官が「戦艦に雷撃するなら防護巡よりもっと小型・高速の艦艇を大量に配備したほうがいいのではないか」ということに気が付いたのでしょう。
戦争の噂
外交官がロシアで対日戦の噂があると報告。年末から年明けあたりが「Xデー」になりそうです。
現在の外交関係はこのとおり。スペインとの緊張緩和には成功しましたが、ここに来て清との関係が一段と悪化。さすがにロシアと清の2か国を相手にはしたくありません。ロシアと戦争になってしまうにしても、同時に清とも開戦してしまうのは避けなければなりません(もちろんロシアと戦争にならないならそれに越したことはありませんが)。
今回は1894年、ロシアとの関係が急速に悪化する中、新型装甲巡洋艦の設計を行いました。転換点はロシアに拘束された諜報員を国家の英雄に祭り上げたところだったように思えます。軽率な判断だったかもしれません……。次回は1895年、ロシアと遂に戦争になってしまうのかというところから。
次回:日本不拡大プレイ 第4回
コメント
ハラハラしますが、プレイヤーが外交を完全にはコントロールできないのもこのゲームの面白さと思うので楽しみに呼んでいます。
> プレイヤーが外交を完全にはコントロールできないのもこのゲームの面白さ
本当におっしゃるとおりで、外交に振り回される中でそれにどう対応するかを楽しむという側面がありますね。本プレイ日記でもまさに振り回されている最中ですが、いったいどうなってしまうのか、お付き合いいただけましたらうれしいです。
おおー…これはなかなかにキツイ展開で、戦争になったら想定している雷撃の成否とプレイヤーの腕が試されますね
どうなるのか楽しみに待ってます!
意図しない本当にキツイ展開で、こんな戦力差でロシアと戦争にならざるを得ないのか……というちょっとした絶望感がありますね(もうひとつのコメントへの返信で書いたように、そうなることもあるのが本作のひとつの楽しみとも思うのですが)。
プレイ日記として公開している以上、私としては華麗に逆転勝利を収めてかっこいいところをお見せするのが理想ですが、現実としてはどうなるのか、次回もお付き合いいただけましたらうれしいです。