「Hearts of Iron IV」開発日記2021年10月6日分が公開されていましたが、今回はサブ開発日記としてもうひとつ、戦闘時の目標選定に関する開発日記が公開されていましたので、その内容をご紹介。
開発日記
サブ開発日記2021年10月6日は、戦闘時の目標選定について。
- この話題は今日の開発日記のものではないが、ここ数週間で多くの方が投稿されていた話題だ。開発中にお見せするすべての機能や変更点と同様に、実際に発売されるまでは最終的なものと考えるべきではない。
- 戦闘正面幅の「最適解(meta)」の変化については多くの憶測があり、小さな師団が同様の構成のより大きな師団よりも強力になるのではないかという可能性については特にそうだ。ある程度までは、組織率が平均化されるためにこれは常に成立した(2幅の師団20個と40幅の師団1個を同じ状況でスタックしてなにが起こるか見てみよう)。先日述べた目標選定の変更はこの状況をやや悪化させる効果があった。
- そのため、目標選定にさらに変更を加えた。
- 師団は自身の戦闘正面幅の2倍の交戦正面幅(engagement width。Mod制作者はdefinesで変更可能)を持つ。
- 複数の師団が参加する戦闘において、各師団は自身の交戦正面幅までの目標の配列を作成する(例えば戦闘正面幅20の師団1個は、戦闘正面幅10の師団2個と戦闘正面幅20の師団1個を目標とする)。
- 目標は効果的に変更され、幅の小さい師団は多かれ少なかれランダムな目標を攻撃し続けるが、幅の大きい師団は最適な目標をより見つけやすくなる大きな目標プールを持つ。
- 師団は目標それぞれに対して「1 – ( Define( 0.35 ) + ( CountryMod.Coordination * DivisionMod.Initative ) )」に相当するダメージ係数でダメージを与える。
- 師団のイニシアティブ(Division initiative)はご存知のように通信中隊から得られる。通信中隊は私たちが弱すぎると感じることが多いものだった。
- 新たな能力値である連携値(Coordination)は、無線・レーダー技術、ドクトリン(大規模作戦計画)、新たな軍の精神(Military Spirits)など新たな場所に見られるものだ。
- この後、目標リストの中でもっとも低い組織率(※)の師団が目標となり、残りの係数分のダメージを受ける。
- ※「最良の目標選定」に関するロジックはまだ検討中だが、組織率がもっとも低いことが現時点ではプレイヤーの期待にもっとも沿った結果となる。
- まとめ:師団は「最適」な目標とその他の利用可能な目標との間でダメージを不均等に分割するようになった。ダメージをどの程度分割するかはプレイヤーが複数のレベルで管理できる。
- (質疑応答より)スレッドに投稿されたことから目標選定モデルを更新した。優先目標は目標配列の中でもっとも攻撃力の高いものが選ばれ、目標の組織率の割合や自分たちの装甲を貫通できるかによってバイアスがかかる。まとめると、対戦車師団はよほどの理由がない限り戦車を攻撃する。混成師団は自分の長所と目標の長所に基づいて評価を行う。
- この目標選定はゲームの隠れた部分であるということに留意してほしいし、この方向に急激な前進があるとは思っていない。戦略的なレベルにおいては、どの師団がどの師団を攻撃しているかを知るのは困難だ。このようなスレッドがゲームの裏側で起こっていることを理解に少しでもつながればと思っている。
質疑応答
Q:組織率は大隊の平均ではなく師団に一定の組織率を与えればいいのでは? つまり、構成が同じなら幅40の師団は、幅20の師団の2倍の組織率を持つような。
A:組織率も含めたそのような解決策をいろいろと検討してきたが、いずれの場合も基礎的な部分の多くを包括的にリバランスする必要がある。理論的にはいいように聞こえるのはわかるが、理論的な制約を外してしまうとマクロ的には破綻してしまう。
Q:10幅以下のスパムにはどう対応するの?
A:以前のバージョンでは大きな師団はすべての目標に均等にダメージを与えていた。つまり目標が20個師団で構成されていた場合、より大きな師団は同じ割合で20個師団分の組織率を低下させる必要があった。現在は連携値に基づいてひとつひとつの師団を戦闘不能にしていく。
Q:交戦正面幅がよくわからない。
A:交戦正面幅はゲーム内で実際に提示される能力値ではない。これはひとつの師団が攻撃できる目標の最大戦闘正面幅を決めるものだ。戦闘中のすべての目標は選択される前にシャッフルされるため、基本的に最適な目標がどれかを判断する際により大きな配列の有効性を高めることになる。大量の小さな師団は複数の目標がいる戦闘において攻撃を集中させにくい。
Q:つまりイニシアティブの高い師団と連携値の高い国家の組み合わせは、個々の師団に攻撃を集中させやすいということ?
A:そんなようなものだ。師団の戦闘正面幅が広いほど、交戦正面幅の中に「最適な」目標が含まれる可能性が高くなる。連携値が高いほど主要目標と副次目標の間でより優先的にダメージが分配される。
Q:1つの師団のダメージがどのように分割されるのかよくわからない。
A:少し噛み砕いて説明しよう。私たちは戦闘正面幅40の師団をひとつ持っているとする。これは交戦正面幅が80(戦闘正面幅の2倍)だ。攻撃力の全体は100としよう。
ここで戦闘正面幅10の目標が12個師団ある戦闘を考える。目標選定の際に12個のリストはランダムにシャッフルされ、重み付けによって目標リストに師団を追加することを繰り返す。最終的に私たちは12個のうち8個師団を目標リストに入れた。
次にダメージの分割を行う。この師団が連携値合計15%で攻撃するとしよう。その15%をあらかじめ定義されている最低値の35%と合算し、これによって攻撃力の50%がステップ2のためにとって置かれる。残りの50%は目標リスト全体に分配されることになる。
次に、リスト中の目標それぞれに50/8のダメージが与えられる。これは他の攻撃と同様に解決される。
その後、8個師団の目標の中で「最適な」目標を決定し、その目標に対して50%の攻撃を行う。
Q:ゲーム終盤が重くなりそう。
A:先頭における目標選定は毎時間の処理のほんの一部に過ぎない。この変更ではパフォーマンスに明らかな影響は出ないはずだ。
Q:師団の目標の配列はなにによって更新されたり変更されたりするの?
A:攻撃が実行されるたびに、つまり1時間ごとに、戦闘に参加している敵師団に基づいて再計算される。ここには変更はない。
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