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「Hearts of Iron IV」開発日記2018年6月27日――燃料(と1.5.4について)

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2018年6月27日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。実に1か月ぶりとなる今回は、みなさん(もちろん私も含めて)お待ちかねの燃料について。長め。

前回:開発日記2018年5月23日――Man the GunsとPDXCON


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概要

開発日記2018年6月27日は、燃料について。

数値は最終的なものではない。

  • 燃料はもともとはHoI4の車両の生産から取り除くことにしたものだった。理由は2つある。シンプルにすることでゲームの敷居と学習難度を下げ、またHoI3における燃料備蓄の問題(後述)を回避するためだ。
  • 私は今でもこうしたことがゲームプレイへの影響がある、価値のあるトレードオフだと思っているが、いくつかの領域では、特に海戦においては、燃料の補給の心配がまったくないということが正しいとは感じられない。燃料は特に日本の戦争計画を左右したものだったのだ。
  • これと「私たちのファンは複雑になるようなちょっとしたものを確実に取り扱うことができる」という感覚が組み合わさり、今ではこの領域の拡張なしに海戦の拡張を作ることはできないという考えを固めた。

  • 燃料は師団におけるトラック、戦車その他のエンジンのある陸上装備で使われる。立ち止まっているか戦略的再配置(実際には現在のところまったく消費しないが、バランス取りで変わる可能性がある)しているときよりも、戦闘や異動しているときのほうがより多く燃料を消費する。
  • 師団は少しだけ燃料を携行しているため(補給が機能している状態に近い)、補給が断たれても少しの間だけその恩恵がある。師団が劣悪な補給状況にある場合、燃料の補充も遅れ(つまり頻繁に戦闘や素早い移動ができなくなる)、完全に補給が断たれれば補充は不可能になるかもしれない。燃料が不足している状態では、燃料を必要とする大隊の能力にネガティブな影響があり、どれほど燃料が不足しているかによって移動速度に甚大な影響を及ぼす。

  • アクティブな航空隊は燃料を消費する。消費量は航空機の種類(戦略爆撃機は燃料をどか食いする)と任務によって変わる。例えば、迎撃任務の航空機は地上を攻撃する敵航空機がいるときだけ出撃するので非常に効率的に燃料を使う。
  • 輸送機による空輸でも、包囲の中などに燃料を届けることができる。
  • 航空隊の燃料が不足すると、大きな効率ペナルティが付く。

  • 多くの主力艦を動かすことは、Man the Gunsにおいては注意しなければならない。こうした巨艦は、飢えた赤ん坊のクジラに乳をやるかのごとくプレイヤーの燃料備蓄を食い尽くす。こうしたことを取り回し、艦隊をよりリアルに、そしてより統制できるようにするため、私たちは多くの変更を行ったが、これは将来の開発日記をお待ちいただきたい。
  • 主なポイントは、大きな艦隊は稼働させるのが高くつき、艦隊の最良の使い道はどのようなものか、そして残りの燃料をどれくらい使うかについて、プレイヤーは決断する必要がある。これについて、プレイヤーは誰が燃料を優先して使えるのかを、生産の優先度のように管理することができる(が、私たちは三軍の間でもっと簡単にバランスが取れるようにさらなる管理手段を追加する作業もしている)。
  • 艦隊の燃料が不足すると、能力と航続距離にペナルティを受ける。

生産

  • 燃料は使用されない石油から生産され、石油を使う装備はもはや生産に石油を必要としない。私は今のところ銅(copper)かなにか別の資源を追加して置き換える(あるいは石油以外も)ことを考えているが、私たちはそれがいいアイディアかどうか確認する予定だ。
  •  いずれにせよ、燃料が不足する場合には以下のような対処法がある。
    • 石油の豊富なステートを得る。
    • 石油の出るステートのインフラを改善する。
    • 外国から石油を輸入する。
    • 合成精製所を建設する。
    • 燃料をレンドリースで得る。
    • 敵国の備蓄を得る。
    • 石油から燃料への変換技術の改善を研究する。
    • 石油1単位ごとにプレイヤーは現在の技術により一定量の燃料を生成する。この燃料はプレイヤーの軍隊で消費するために備蓄される。

備蓄

  • 燃料は備蓄でき、戦時に安定した燃料供給がない場合にはそれが必要でもある。国家の備蓄可能量はステートとそのインフラ、経済法、そして燃料サイロがあるかどうかに依存する。これは建造物スロットを使う新たな建造物で、燃料備蓄可能量の大半を供給すると考えられるものだ。これはまた爆撃などによってダメージを受け、最悪の場合は燃料の喪失につながる。また、隣国の降伏は燃料を得るよい方法で、装備の獲得のように機能する。
  • HoI3にも燃料備蓄はあったが、これには多くの問題があった。初心者はどれくらい備蓄があるのか(あるいはどれくらい持っていなければならないのか)わからず、経験者は心配しなくていい水準の備蓄を作ることになんの問題もなかった。
  • HoI4においては、私たちは工業力の増強と備蓄の増加がトレードオフになることを狙う(民需工場はさらなる工場を建設する代わりに貿易で石油を輸入しなければならない)と同時に、備蓄の総量は妥当な範囲になるようにした。私たちの目標は、燃料がすべての作戦で考慮しなければならないものとなり、燃料を確保しようとすると長期的には工業のアウトプットが低下するようにすることだ。
  • 燃料は無料アップデートの内容だが、もちろん有料のDLCには関連する機能がある(今後の開発日記に乞うご期待!)。
  • 燃料については私たちはまだ作業中なのでこのへんで切り上げよう。私たちがやったこととこれからやろうと計画していることについて、みなさんにわかってもらえたと思いたいところだ。インターフェースについては将来の開発日記に備えて書かなかったが、これは多くのことがゲームプレイフィードバックによって変更される可能性があるということでもある。しかし安心してほしい、リリースまでの開発日記で私はこれについてお知らせしていく予定だ。

1.5.4について

  • 楽しいプライバシーポリシーアップデートやEU一般データ保護規則(GDPR)のお知らせでメールボックスをいっぱいにしたいと思う人は誰もいないだろう。こうしたことはすべてブリュッセルから私たちを訪ねてきた、スーツを着た弁護士の犬がいる画面で閲覧できる。彼は私たちのゲームが従うべき多くの規則があることを教えてくれた。そこで、法的観点からいい子でいるために、HoI4にいくつかのことを追加した。もっとも重要なのは、簡単に見ることができるようにプライバシーポリシーをゲームに含めたということだ。
  • 法的文書は長く退屈で、私たちがやることに変わりはない。そのため、私はここで質問に回答して日記の残りを書くことに時間を使うことにした。プライバシーポリシーはゲーム内で見れるほか、こちらでも見ることができる(注:プライバシーポリシーは中国語・フランス語・英語・ドイツ語・イタリア語・韓国語・ポーランド語・ロシア語・スペイン語と幅広く用意されていますが、市場の小ささによるものか、日本語はないようです……)。
  • 私が述べておきたいのは、プレイヤーからの情報収集がいかに私たちの役に立っているかということだ。これは非常に有用だ! テレメトリーがなければ私たちは推測に頼ることになり、ノイジーマイノリティの言うことを聞き入れてしまうリスクもある。
  • 例えば、テレメトリーデータはどの国家の方針図を開発するか決める大きな要因になっている。また方針図でどのルートが人気かデータを取り、バランスの問題やもっと愛情と注意を注げたはずの不人気なルートを見つけたりしている。さらにマルチプレイの同期エラーにも気付けるし、自動で私たちに送られるクラッシュレポートも問題の修正に役立っている。
  • これらすべてとフォーラムの一部の投稿を組み合わせが、私たちの作業の役に立っている。
  • 私たちはGDPR遵守のためのホットフィックスを作らなければならなかったので、以前から求められていた点についてもこっそり修正した。中国(同様のことはどこでも発生する可能性があったが)において国家を併合すると戦争も引き継がれ(中国の主導権争いで支配権を奪取したときのような)、同時に占領もされるというような問題を修正した。日本のプレイヤーとしては、これは占領した地域が敵に寝返ってしまい、軍の補給も断たれ、面白くない状況になる。またいくつかの巨大Modで報告されていたクラッシュの問題も修正した。(注:1.5.4パッチについてはこちらもご覧ください
  • (質疑応答より)言及するのを忘れていたが、私たちは1.5の間に弱体化された戦車の火力を戻すつもりでいる。つまり燃料は必要になるが、戦車はもうちょっとだけパワフルになる。

質疑応答

Q1:燃料サイロと同じ考え方で師団スパムも制限できたりしないの?

A1:もっと直接に陸軍の規模をコントロールするメカニクスを作りたいが、より複雑な設計になってしまうという問題がある。

Q2:燃料サイロみたいなのをほかの資源でも使わないの?

A2:今のところ固まったものはなにもないが、私(注:副コンテンツリード代理のArchangel85氏)はpodcat(注:ゲームディレクター)が賛同するか担当を離れるまで弾薬について言い続けるよ。

15:00追記:コメントにてご指摘いただき訂正しました)

Q3:このパッチ(1.5.4)で空母航空隊がアホみたいに落とされるのは直った?

A3:直ってない。これは大規模なもので、拡張に向けて見直しを行っている。

Q4:燃料に絡めて例えばルーマニアの国家方針ツリーが変わったりする?

A4:その点についてはまったく考えていない。

2018/06/29追記:以下の質疑応答を追加。

Q5:合成精製所はどういうふうになるの? 石油を生産するのか、それとも直接燃料をせいさんするのか。

A5:石油を生産し、これは燃料への変換技術をもって燃料に変換される。したがって油井を持っていたり貿易で輸入するよりも、より高価で非効率なものとなる。

Q6:艦船も戦闘で燃料をもっと消費するようになるの?

A6:そのとおり。史実では消費量が15倍になったケースもある。問題はHoI4での海戦が「現実」の交戦よりもずっと長いことで、したがって同じように増やすわけにはいかない。今のところは5倍だが、変わる可能性がある。


もうパラド社は夏休みですが、HoI4開発日記は更新があるようです。来週はイギリスについて。

次回:開発日記2018年7月4日――神よ国王を守り給え:イギリス方針ツリーの見直し

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コメント

  1. 質疑応答のQ2ですが、原文にkeep pitching ammoとあったので、燃料同様の仕組みを弾薬についても導入することをArchangel85氏は推しているということではないでしょうか?

    あと、個人的に気になったやり取りがフォーラムにありました。
    「生産に石油を消費しなくなったことで、代わりの資源としてHOI2やHOI3のエネルギー資源に当たる石炭を導入してはどうか?」 という問いに対して、「石炭はWW2のどこの国でも大した問題にはならなかった。ドイツはもちろん、日本ですら自給できた。だから導入してもゲーム中ではあまり意味がないのでたぶん導入しない」と返してました。
    私も、工場を動かすのにエネルギーがいらないというのが少し疑問だったのですが、このあたりの戦争に影響しない要素は排除してゲームを単純化するHOI4の意思は、とくにpodcat氏はかたそうです。戦争経済への影響が小さいとして金の導入に反対してたのもpodcat氏ですし。

    一方で、平時、戦時中の燃料消費は軍隊だけではなかったこともあり、軍の移動以外の活動にも燃料を消費するか、経済法で得られる燃料を制限すべきでは、という話題もあり、興味深かったです。

    • ありがとうございます。修正しました。

  2. 戦車の画像見る限りだと、軽戦車の左にツリーが追加されるのかな?

  3. テレメトリー取ってるならDLCの不人気ルートテコ入れして欲しいなあ

  4. 燃料と言ったら日本も深くかかわってるけど
    日本のNFツリーの変更や追加も考えてないんだろうか

  5. 確かに軽戦車のとなりに左に線が伸びている…
    装甲車のスペースが歩兵欄から戦車欄に移るのかな?

  6. 日本つらそう

  7. 日本はWtTでテコ入れとまではいかないもののツリーは一度一新されてるから、すぐには厳しいんじゃないかな、軍閥も強くなって苦労が絶えなくなりそう

  8. まーた日本弱体か…

  9. 弱体化は間違いないけど
    燃料に関しては今までの仕様のほうがおかしかったからな
    変な形で謎ナーフされるよりはよほど納得できるというのもあるし

  10. 実際問題日本は燃料で大苦戦してるんだししゃーない。
    ただ解決手段の追加はいくつかは欲しいな。

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