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ゼロから始めるEU4――戦争について

Europa Universalis IV

タイトルに反してゼロから始まっていない本連載ですが、今回はEU4の戦争について考えていきます。

執筆時の最新バージョン:1.20

前回:ゼロから始めるEU4――総論


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今回のポイント

  • 戦争は宣戦布告→戦闘・攻城戦・封鎖→講和という一連の行動
  • 滅亡回避には領土の保全が最も重要だが、戦争になりそうな国家に対して自国への開戦事由を作らせないのももちろん大切
  • 戦争に勝つには決戦で敵主力に勝利できる陸海軍が必要
  • 領土の保全が最も重要なので、負けても領土割譲以外の講和条件で講和すべき

戦争概論

前回で国家の存立には戦争への対策が極めて重要だということがわかりましたが、まずは「そもそもEU4での戦争とはなんなのか」について考えるところから始めていきます。

EU4での戦争は「宣戦布告→戦闘・攻城戦・封鎖→講和という一連の行動」と言っていいでしょう。もちろん宣戦布告に至るまでは外交行動や準備が行われ、講和後は戦後処理が行われますが、そのあたりはについては次回以降に見ていくことにします。

もう少し詳しく戦争の流れを説明すると、

  1. 開戦事由(Casus belli)を選択して(選択せずに宣戦布告も可能だがペナルティあり)攻撃側が宣戦布告する。
  2. 戦勝点(warscore)の獲得を目指し、陸海軍による戦闘、陸軍による要塞の攻城戦やプロヴィンスの占領、海軍によるプロヴィンスの封鎖が行われる。
  3. 講和条件を探り、合意した条件で講和する。講和条件は開戦事由によって不可能なものもある。

という3段階から成ります。以下ではこの各段階について考えてみます。

宣戦布告

宣戦布告するためには基本的には開戦事由が必要です。開戦事由なし(No Casus Belli)でも宣戦布告できますが、大きなペナルティがつきます。

ちょっと話が飛びますが、戦争で国家が滅亡するかどうかは、講和条件としてそうした事項を飲まされ得るかどうかどうかということが焦点となります。これについて、以前は国家を滅亡させる「完全併合(Full annexation)」という講和条件があったようなのですが、これは1.20までになくなったようで、現時点で戦争での国家の滅亡は単純にすべての領土を割譲することで起こることになっているようです。

領土の獲得が可能な開戦事由は非常に多岐にわたり、そうした開戦事由をすべての近隣国に対して与えないようにするということは事実上不可能なので、「こちらのすべての領土の獲得が戦勝点100%以下で可能にならないようにする」というのが国家を戦争で滅亡させない第一歩になりますし、突き詰めていくといかに多くの自国領土を保全するかが国家の生き残りに重要であるということがわかります。

もちろん、ライバル国家のように戦争になる可能性が高い国家に対して自国への開戦事由を作らせないというのも有効な対策になることは間違いありませんが、実施するのは簡単ではないでしょう。

戦争の進展

開戦した後、攻撃側・防衛側双方とも戦勝点を獲得するために行動を起こします。戦勝点を獲得することで攻撃側は戦争の目的を達成し、防衛側はそれを阻止し、逆に賠償金などのなにかしらの利益を得ることもできます。

英語版Wikiによると、戦勝点は

  • プロヴィンスの占領
  • 戦闘での勝利
  • 港の封鎖
  • 戦争目標の達成

の4つのことで獲得することができるとされていますが、結局のところ、こうした行動を取るためには敵よりも強い陸海軍がいるということが重要になります。

占領や攻城戦は時間こそかかりますが多くの兵力は必要ありませんし、敵の港の封鎖も同様ですが、それでは敵の主力に追い払われてしまうのは目に見えています。したがって、戦争が始まってまずやることは、こちらの占領軍や封鎖艦隊が追い払われないように敵の主力を撃滅することと考えてよいでしょう。

敵の主力を撃滅するために、できる限り強力な編成で、できる限り有利な地形や状況で決戦を行います。これに勝利して敵の主力を壊滅させることで、敵はこちらの陸海軍が敵プロヴィンスの占領や封鎖、戦争目標の達成を防ぐことができず、その結果として戦勝点が積み上がっていきます。つまり、「敵よりも強い陸海軍」というのは「決戦で敵主力に勝利できる」ということに帰着します。

講和

こちらに有利な条件が通るので戦争を終わらせてもいいと思ったとき、あるいはこれ以上負けが込むと戦後に悪影響を残すのである程度の譲歩で戦争を終わらせたいと思ったとき、交戦国と講和を結ぶことになります。

AIが講和に応じる条件はいろいろあるようですが、一般的に戦争が長引くと講和に応じやすくなるほか、領土の割譲を条件とするときにはそのプロヴィンスの近隣の要塞を攻略できているかなどが判断されるようです。

自分が負けている側の場合、上で述べたように領土の保全が最も重要なので、できる限り他国に対する請求権を放棄するとか、賠償金を支払うというような、領土割譲以外の条件で講和するべきであるということになるでしょう(もちろん程度問題ではありますが……)。


今回は戦争についてアウトラインを見ていきましたが、いかがでしょうか。おかしなところがあればご指摘をいただけると大変ありがたいです。(特に決戦をせずに戦争に勝てるということがあったりとかそのあたり……)

今回でどうすれば決戦で勝てるかという課題が新たに浮かび上がってきましたので、次回はこれについて考えてみることにします。

次回:ゼロから始めるEU4――戦闘について その1

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コメント

  1. 一回だけ、相手と一切決戦をしないまま相手国を全土占領したことがある。
    ほぼ常に敵より多い兵をスタックしてると、
    相手は挑んでこないし追いかけるのも面倒だから、
    敵が自国領内を占領もしないまま右往左往している間に全土占領して講和してしまった。
    大抵は、一回くらいは決戦をするが。

    後、ありえないが内陸国が英国あたりに宣戦すると、舟がないからそもそも決戦ができないこともあり得る。

    というわけで、戦争でも決戦が起きない可能性もある。

    • なるほど、特殊な例とはいえ決戦なしで決着というのはやはりあることにはあるのですね。
      内陸国と海外の国との戦争というのは思いつきませんでした。ありがとうございます。

  2. あとは漁夫の利で勝つってのもありますね。
    海外領土を持ってるヨーロッパ列強が別の列強と本国で戦っていて疲弊している間、がら空きの植民地を無血占領とか。
    戦争目標が植民地確保なら占領してるだけで勝ち点稼げますし、疲弊していれば簡単に和平してくれます。

    • なるほど、漁夫の利を狙う場合は確かに決戦なしになることが多そうですね。
      そう考えると決戦なしでの戦争は思ったよりも多いのかも……。特に小国スタートではそういう戦争をやる機会がけっこうありそうですし。ありがとうございます。

  3. おフランス様と同盟してる時なんかは野戦は任せちゃって自分は被害が出ないように立ち回るってのもありますね たまにヘタレて負けるけどすぐ持ち直すし

    • 同盟国に任せてしまうというのもあるのですね……意外と決戦なしでやりようがあるものなんですね。

  4. 色々とウマい手が使えることはありますが、多くの戦いでは彼我の同盟軍を合わせた全軍の数と、将軍・技術の差、要は国力で勝敗がほぼ決まるケースが多いかと思います。
    あとはEU4の場合、要塞によるZOCの影響で、敗軍を奥地まで追い詰めに行けないケースが多いのがCK2などとは違う特徴かと思います。
    戦力を消滅させにくくなっているので、一度決戦に勝っても人的の差ですり潰されるケースが起こりやすいですね。

    • >一度決戦に勝っても人的の差ですり潰される
      今週EU4をやっていて思いましたが、どうもそういう感じがしますよね……。逆に最初の一戦で負けても意外と復帰できることもありますし。
      最終的には同盟国も全部合わせた国力で決するというのもそうだと思います。

      そうすると記事の内容を書き直す必要がありますね……。

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