「Crusader Kings III」開発日記#175が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は日本と朝鮮について。「All Under Heaven」リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記#175は、日本と朝鮮について。
日本
- 中国と異なり、政府は天皇に代わって統治する摂政（regent）が支配している。ゲームプレイの簡素化のため、摂政と関白を関白にまとめている。関白は天皇との二元統治者ではないが、両者はそれぞれ独自の二元統治者を持つ可能性がある。
- 藤原氏は繁栄した一族で、1178年にはほぼ500人の生存者がいるが、別の家族で藤原氏を打倒するプレイも不可能ではない。
- 関白はビザンツ帝国のAcclamation継承と近く、影響力を消費することで順位が上下するが、皇族については特別な重みづけがあり、Blocsも関連する。
- プロヴィンスはほぼ伯爵領レベルの任命であり、総督は同時に複数のプロヴィンスを統治できない。史実の令制国はゲーム内では伯爵領となっており、伊賀・志摩・阿波など、規模が小さすぎて隣の伯爵領に併合されている場合もある。デフォルトでは関白を含む律令制の領主は日本に置いて公爵領・王国領を創設できないが、多くの役職を家の構成員で占めることができる。
- 荘園は日本の政府に固有の住居だ。惣領制はadministrativeでない政府形態で、estateスタイルの住居を持ち、政府形態を切り替えてもアップグレードを維持する。一部の建造物は特定の家の目標によってのみアンロックされる。
- 「All Under Heaven」では天皇はプレイ可能なキャラクターであり、律令制の領主と同じく荘園を持つYamato家の構成員だ。天皇が最高位の称号を獲得した場合、彼らは退位して強力な法皇として日本を統治するか、両方の称号を維持する選択肢があるイベントが発生するが、後者は好意的に受け止められないだろう。（注：「両方の称号を維持する」は天皇と関白ではないかとコメントでご指摘いただきました。ありがとうございます）
- ゲーム中では史実の平家や源家のようにYamato家の総督は分家を立てることができる。
Imperial Policies
- 関白・将軍・天皇などの日本の最上位の主君はImperial Policiesを利用でき、Crown Authorityと同じくクールダウン期間をおいて自由に変更できる。一部のものは日本のゲームプレイを大幅に変更する可能性があり、例えば日本帝国内の領主が自由に宣戦布告できないが、Imperial Expansionを実施すれば他地域で通常利用可能な開戦事由がアンロックされ、傭兵と常備軍のコストが低下する。一方、Defence Mobilizationでは優位性を高め、律令制の領主が通常は惣領制の領主に限定されている常備軍のMounted Samurai horse archerを利用可能にする。
家の目標
- 日本の家にはビザンツの家の力に似た家の目標があり、レベルに応じて恩恵がある。家長は威信を消費して目標のレベルを上げたり、種別を変えることができる。種別を変える場合、レベルは最低から始まる。Serviceは総督の効率性と候補者スコアに、Ceremonyは威信とRenownの生成に、Strengthは常備軍と軍事能力にそれぞれボーナスをもたらす。ボーナス以外にも家の目標はBlocsの推進力にもなる。
家の関係
- 無料パッチでは家の関係を追加する。同じ勢力内、あるいは同じランクの家の間で宣戦布告や結婚などの行動を取ると、両家の関係が上下する。
- 対立から友好まで7つのレベルがあり、段階に合わせて他家の構成員に対する家の構成員の評価が変わる。さらにレベルごとに他家とのインタラクションにボーナスや補正値をもたらす。
Blocs
- Blocsは同盟なしに互いを防衛する手段であり、「Khans of the Steppe」で追加された連合と同様に機能するが、構成員となるのはキャラクターではなく家だ。主導的な家がBlocの主な意思決定者となり、他の家は意欲的な協力者であるとみなされる。主導的な家の家長はBlocに加入する家を決めたり、家を追放したりできる。
- Blocには結束値があり、高いと構成する家にボーナスがある。結束値は構成する家の数、政府形態、家の目標が主導的な家の目標と一致しているか、構成する家同士の関係に基づく。主導的な家の目標はBlocの原則のように機能し、Serviceなら律令制の利益を代表し、Strengthなら軍事力の拡大を目指す。家の目標は政府形態に制約されない。主導的な家の目標が同じである複数のBlocsが存在することは珍しい。
- Blocの構成員はBlocを主導する家の家長の派閥に自動的に参加し、律令制であれば彼らの関白の継承スコアを高め、防衛戦争に参戦する（投獄や称号剥奪で始まったTyranny戦争も含む）。
武士の興隆
- 律令制の領主は政府形態を惣領制に変えることができるが、これは関白には犯罪とみなされ、すべての律令制の領主は称号を返還させる開戦事由を使用できる。しかし惣領制の領主はより強力で、常備軍のMounted Samurai horse archerを利用できる。さらに惣領制の領主は互いに結束して防衛するため、拡大を阻止するのは困難になる。最後の開始日では日本のほとんどが律令制ではなく武士の家族である平家・源家に支配されている。
朝鮮
- 新羅が分裂した後、高句麗が最終的に新羅を倒して朝鮮半島全体を支配したが、この朝鮮半島統一はディシジョン「三韓統一」で表現している。これはひとつ以上の王国を保有し、朝鮮半島で支配的な立場を得た領主が行える。このディシジョンで旧王国の称号を廃止し、統一王国の帝国級称号を創設し、統一した者の文化に応じて三韓や高麗と命名される。これは朝鮮文化の領主が朝鮮の帝国級称号を創設する唯一の手段だ。このディシジョンによって、日本のChrysanthemum Throneに近い長子相続制の王国級称号Yongsun Throneも創設され、さらに他の朝鮮文化の文化受容度を高め、融合した朝鮮文化を形成しやすくする。
- 新たな統一王国の称号は固有のAcclamationスタイルの継承法があり、Yongsun Throneの家系に有利となっている。これによって強力な家族が国家の支配権を掌握し、王家がYamato家のような儀礼的な立場に追いやられる可能性がある。
能力主義政府
- 朝鮮・大越・渤海・遼・金は中国の天朝政府に近い能力主義政府を使用する。能力主義政府は天朝政府と同じく貴族、Estates、Merit、試験制度を持ち、同じシステムで官僚を総督に任命するが、最上位の科挙を実施することはできない。
マップ
- ゲーム開始時に日本は本州北部に正当な権利を持っていない。日高見王国（日本が支配する場合は陸奥）はアムール帝国の正当な一部となっており、アイヌモシリ王国があるサハリン島と北海道も同様だ。三韓（または高麗）帝国は渤海とその周辺から成る安東帝国と接している。
- 筑紫は九州、大和は本州西部と四国、吾妻は本州東部から成っている。三韓は高句麗・百済・新羅から成る。
- 公爵領については、日本は五畿七道に基づいて分割されている。律令制の領主は公爵領を創設できないため、惣領制の領主によって創設され、自家の名称を使用する。三韓の公爵領は高麗のMokという行政区画に基づいている。渤海は行政区画に分割されると同時に、その他の地域は支配的な部族を元にしている。
- 文化については、日本は大和文化で概ね統一されている。朝鮮の三国時代の文化は1066年の高麗文化まで統一されていない。渤海文化は高麗文化と漠河文化の融合文化だ。
- 宗教については大規模な見直しを行うため、今回は保留する。
次回：開発日記#176
コメント
思った以上に本格的！
これは楽しみ。
琉球とか伊豆諸島は無いぽいな
琉球はあるよ
天皇が中国の皇帝っぽい被り物してて笑った
まあ確かにこの時代はなんでも中国の真似だったんだろうけど（天皇を帝、天子と呼んだり）
大河ドラマとか見てるとこんなんだったかなあ…
「両方の称号を維持する選択肢」は天皇かつ関白ってことじゃないすかね。
ありがとうございます。記事に追記しました。
あの皇帝の冠は冕冠（べんかん）といって即位の礼や朝賀の礼の際に被ったもので日本でも孝明天皇の時代まで用いてるぞ
ただあくまで儀式の際の服装だから普段使いはちょっと違和感がある
前回の記事より断然読みやすくなって感謝しています。いつも記事をまとめてくださり、ありがとうございます。
儀式の時とかは被ったりしたらしい。
読みやすくなっていて嬉しくなりました。ありがとうございます！
アムール帝国…
去年の『光る君へ』では即位式の衣装をかなり丁寧にやってましたね（https://serai.jp/hobby/1179602）。
それはそれとして問題の画像にはきっちり「note art is still WIP」と書き添えられてます。
今フォーラムで今後のコンテンツの方向性についてのアンケートやってるけど、特に重点置かれてるのが
貿易&商人・封建制と十字軍・帝国と法律・宗教の4カテゴリについて
チャプター5以降のDLCはこの辺がテーマになってきそうだな
期待してなかっただけに悪くない印象。源平藤橘……？ なんだいそれは