「Hearts of Iron IV」開発日記2024年10月30日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はベルギーについて。「Götterdämmerung」リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記2024年10月30日分は、ベルギーについて。
解説動画も公開されています。
概要
- ゲーム開始時のベルギーは経済が第一次世界大戦の影響から回復していない。オランダやスイスと同じように中立政策をとり、英仏との同盟関係も解消している。腐敗に悩まされた首相はファシストに調査を要求され激怒している。ベルギーはフランス語圏のワロン人とオランダ語圏のフラマン人という双子の文化を持つ国家でもある。こうしたことを反映した国民精神がある。
- ベルギーは戦争に巻き込まれるのを防ぐため、国王が中立を宣言しない限り、ドイツからの敵対的な言説が深刻になっているにもかかわらず、さらなる軍事支出に対する制裁を拒否している。同時に腐敗の蔓延に対するファシストの煽動によって民主主義政府は辞任し、最終的にいずれかのイデオロギーが政権を握ることになる。
軍事・産業ルート
- これは防衛ルートとも呼ばれる。「Redoubt of Antwerp」は十分な要塞が出現し、「Belgian Gates」「Iron Wall」は防御効果を高める。後半ではベルギーが低地諸国のひとつであるという立場を利用した選択肢もある。
- ベルギー陸軍は強力でドイツの侵攻前に60万人の兵士を集め、まともな将校がおり、発達した産業が歩兵と砲兵に高品質の装備を提供している。また、私たちは第一次大戦に絡めて装甲車という選択肢を与え、「Scars of WW1」を克服して経験を利用できるようにした。「Royal Military Academy」も重要だ。「Belgian Special Forces」は補正「Chasseur Ardennais」と合わせて非常に強力でユニークなものになる。
- ベルギーの経済状況は悪いが、潜在能力は非常に大きく、新工場を素早く建設して効率的に効率的にできる。「Cockerill」はベルギー工業の中核で、第二次大戦期も銑鉄や列車を製造していた。列車は戦争直前の主要輸出品でもあった。
- 第二次大戦開戦時のベルギー空軍は未発達だったが、優れた設計能力があり、全金属製航空機開発の先駆者Alfred Renardやツインローターヘリの父Nicholas Florineなどがいた。
- ベルギーは1927年に全艦隊を解体した。この海軍ルートはゼロから始めるためのものだ。その一方で、政府に適切な人材を配置し、アントワープを発展させることで、世界市場で資源を購入する際に大きなアドバンテージを得られる。
政治ルート
- ベルギーには民主主義の抵抗、ファシストの台頭、共産主義の厳しい決断の各ルートがある。君主主義はすべてのルートに関係する。
- 汚職問題に着手するにはPaul van Zeeland政権が辞任する必要がある。これによって即座に選挙となり、史実のPaul van Zeeland政権とEmile Vandervelde政権の2つの可能性がある。前者の政権が持ちこたえられるのは限られた時間しかない。ファシストのLeon Degrelleは汚職捜査を強化し、Paul van Zeeland自身が関与していることを明らかにし、これが政権崩壊につながる。
- 国王レオポルド3世が介入して民主的なPaul-Émile Jansonを選ぶか、Degrelleの汚職撲滅を評価するかのいずれかになる。
史実ルート
- 第一歩は「Plan de Man」を実行することだ。これによって「Economic Downturn」が軽減される。「Dyle Plan」と合わせて「Economic Recovery」につながる。「Dyle Plan」は第一次世界大戦時のようにDyle川でベルギーが抵抗して英仏軍の到着を待つ軍事戦略だ。しかし「Economic Recovery」は幻のようなもので、首相はPaul-Henri Spaakに交代した。彼のリーダーシップは「Adriaan Martens Crisis」で試され、史実では辞任してHubert Pierlotに首相を交代したが、政治的代償を払ってSpaakをとどまらせ、「Council of Europe」でEuropean Unionを建国できる。Pierlotは史実の戦争時の指導者であり、ロンドンに逃れて亡命政府を樹立した。降伏しない場合は中立を破って陣営に加わることもできる。
The King Surrenders
- ベルギーのデザインを始めるにあたっては、亡命政府でも楽しく遊べるようにしたかった。責任の一部は国王の肩にかかる。国王が亡命政府からどのように扱われるかによって、どのような存在になるかが決まる。史実では国王を統治にふさわしくないと宣言し、ロンドンの亡命政府を中心に抵抗活動を行った。これは連合国からの支持を得て、コンゴの資源を使ってベルギーを取り戻すためのものだ。「Prisoner King」はそれらしい非史実ルートで、国王は囚人としての地位を利用してベルギーのレジスタンス活動を強固にし、君主制の復活を始める。
ファシストルート
- Degrelleが首相となったら、どのファシストグループを支持するかを選ぶ。2つの大きな派閥があり、それぞれ大まかな目標を掲げている。
- Rexistsは「ファシストの国粋主義」ルートで、ベルギーを発展させる。
- VNVは「ファシストの拡張主義」ルートで、大きなベルギーを作る。
- 中間の共通ルートはどちらの側でも行える。
- Rexistsは戦争中、ドイツの主要な協力者であったため、このルートはドイツ寄りで、ファシストドイツから得るものが大きい。小さく強力な国家へのアプローチを阻むのは国内のファシスト支持率なので、Degrelleは国内の権力掌握に努める必要がある。
- VNVはフラマン民族主義だが、ただでさえ小さな国を分裂させたくはなかったので、オランダと団結してかつてのブルゴーニュの認識を呼び起こそうと考えた。彼らが非常に強力なら「Belgica」で古代ローマの属州を復活させてフランス本国の一部に中核ステートを獲得することもできる。
- 共有国家方針ツリーでは、ルクセンブルクとの平和的統一、陣営への参加、他国を攻撃するために早期に中立を放棄すること、国家権力を強化するための手段を得ることなどが行える。
The Constituional Crisisルート
- Degrelleが政権を握っても、Hubert Pierlotが議会の保護を発動して国王がDegrelleに確定させることに同意する前に、国王が一時的に統治できなくなることを宣言する。これにより国王の任命は無効となり、Pierlotは選挙を要求する。これが国王レオポルドの退位につながり、フランドル伯シャルルがRoyal Regentとなる。リアリティについて疑問のある方向けに説明しておくが、似たようなことが1990年のベルギーで実際に起こっている。
- Pierlotの自由党とSpaakの社会党の間で選挙が行われ、ベルギーは連合国の保護を得るか、ソ連に接近するかを選ぶ。国内では防備の建設を続け、防衛ルートと合わせると巨大な要塞になる。
社会主義/共産主義ルート
- 最初の選挙でVanderveldeを選ぶと、ベルギーは社会主義への道を歩むことになる。このルートでは民主主義を維持するが、先のほうでは共産主義を目指すこともできる。このルートでは外交的な展望が重視される。スペイン共和国に大きな支援を提供でき、コンゴには帝国主義と社会主義的価値観の結合物をもたらした。社会主義ベルギーは中立に背を向けることなく平和維持軍(義勇軍)を派遣できる。最終的に社会主義ベルギーはソ連につく(「Raise the Red Flag」はゲームプレイ上の理由から共産主義になるものだ)か、European Unionを結成できる。
顧問・司令官その他
- ベルギーの顧問で特筆すべきは以下。
- Paul Henri Spaakは貿易で民間工場あたりの原材料の量を増やす。
- Edgar Sengierは核関連の特別計画の速度を向上させる。
- Walthere Deweはゲーム内では[編集済み]だ。
- Dieudonné Saiveは工場の生産量、研究速度、MIO資金の獲得量を増加させる。
- 私たちはFN FALをベルギーの小火器の最終段階に追加した。1950年代にNATO軍に広く採用されたものをなぜ追加したかというと、ベルギーが降伏していなければSaiveの兵器設計能力、ジョン・ブローニングとの緊密な協力関係、ドイツのSturmgewehr 44の入手によってベルギーは戦争後期に独自のアサルトライフルを開発していただろうと確信しているためだ。
- ベルギーは一般に有能な士官がいた。この将軍たちの多くは最初から使えるわけではないが、利用可能なスキルの選択肢は多い。元帥はいないが、上の画像の数名は候補になるし、下の2名は後で雇用できる。
- ベルギーは第2次世界大戦中に海軍を持たなかったが、戦後ベルギー海軍を再建した責任者がいる。
- ベルギーのユニットモデルはこのとおり。
音楽については省略します。
次回:開発日記2024年11月日
コメント
小国なのに日本よりコンテンツが充実してるな