「Victoria 3」開発日記#126――1.8の概要

「Victoria 3」開発日記#126が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は1.8の概要について。1.8リリース前の開発日記です。

前回：開発日記#125――暑いバグの夏

開発日記

開発日記#126は、1.8の概要について。

• 開発日記#124では1.8は小規模なアップデートになり、バグ修正と全体的な改良に集中すると書いた。これは計画では1.9を比較的大規模なアップデートとする予定だったためだが、詳細を詰めてみると予定していたスケジュールではうまくいかないことがわかった。というのは、この2つのアップデートをあまりに近づけて作業しなければならない（1.8のリリース後のサポートに問題がある）か、1.9を来年まで遅らせなければならないためであり、どちらも私たちは望んでいない。そこで、1.8を1.8と1.9の両方を統合したものにし、バグ修正と改良のほかに新機能も含めることにした。
• 以下で紹介する機能は開発中のものだ。

Ideological Forces（政治運動の見直し）

• 政治システムでよく言われる不満として、キャラクターのイデオロギーにランダムな部分が多いという点がある。利益集団内で特定の法律への支持を集める方法は不透明であったり、没入感もやりがいもない方法でコンテンツの一部に依存していたりする。
• 1.8ではこの問題に狙いを定めた。Ideological Forcesと名付けたが、より正確には政治運動の見直しと呼ぶべきものだ。政治運動をひとつの法改正を求める自然発生的で一時的な要求から、より広範な政治的課題を持つ長期的なイデオロギー運動へと変える。例えば、奴隷制廃止のための運動が現れるのではなく、長期的な法律に関する課題を持つ奴隷制廃止運動が現れ、これがPopを惹きつけ、そうしたPopが支持している利益集団に影響を及ぼす。政治運動には宗教的・文化的な少数派（および多数派）の運動も含まれ、それに伴って内戦や分離独立のシステムも変わる。

差別の見直し

• この機能はまだ検討中のものなので詳細は省くが、主な目標は以下のとおり。
  • 差別を単なる二値的ものではなく、複数の「レベル」があるものにする。
  • Popの受ける差別のレベルを法律で定められていること以外の要因によって決定する。
  • 同化を完全に受け入れられたPopにとってのみ利用可能な機能ではなく、適切に有用な機能に変える。

Food Availability・飢饉・Harvest Incidents

harvest incidentsを示すマップモード。朝鮮半島は豊作だが、東アフリカの内陸部では状況はよくない（色のついた海域は無視してほしい。開発中の機能によるバグだ）。

• 1.8では農業と食糧事情にまつわるゲームプレイの拡大も計画している。そこでfood availabilityの概念を導入する。これは生活水準とは別のものだが、本質的には連動している。Popのfood availabilityは彼らが購入するもののうちどれだけが自分たちの食料になるか、彼らが購入する食品がどれほど高価か、そうした商品のうちで不足があるかによって決定することを、今のところは考えている。food availabilityが低いとPopの死亡率と急進派が増加し、十分に広まるとステートに飢饉が発生する。
• 当時の食糧生産は天候や気候に大きく左右され、多くの農民は1、2回の凶作で破滅の瀬戸際に立たされた。この予測不可能性をシミュレートするため、「Harvest Incidents」を追加している。これはより長い時間枠でさまざまな地方の農業生産を増減させる。
• 以上がアップデート1.8の「大きな変更点」だが、もちろんこれが予定していることのすべてではない。以下ではその他の変更点や改善点をいくつか挙げておく。いずれも今後数週間で詳しく触れる。
  • 施設の企業による所有・投資
  • 一括国有化ツール
  • formationsの複数選択と右クリックによる命令
  • 従属国に代わって戦争目標を追加すること
• これ以外にも多くのバグ修正、バランス変更その他の改善がある。

来週は一括国有化と企業による施設の所有について。

次回：開発日記#127――一括国有化と企業による施設所有