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「Stellaris」開発日記#122――惑星の見直し(2/4)

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#122が更新されましたので、その内容をご紹介。今回はPopの職・階級・住居・成長・移住について。

前回:開発日記#121――惑星の見直し(1/4)


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概要

開発日記#122は、今回はPopの職・階級・住居・成長・移住について。

Popの職

  • 「ル=グィン」アップデートにおいて、職(Jobs)は惑星上で資源を産出する主な手段だ。職には上限あり(Capped)のものと上限なし(Uncapped)のものの2種類がある。
  • 上限ありの職は惑星によって数が制限されている職で、例えば鉱業区域(Mining Districts)が生み出す鉱業職(Mining Jobs)と同じだけのPopしか鉱業に従事することはできない。
  • 上限なしの職は要件を満たすPopはいつでもその職に従事させることができるが、一般的に特別な特性や種族の権利設定が必要となる。例えば家畜に設定された種族は特別な「家畜職(Livestock Job)」に従事し、これは維持費がかからず、毎月食糧を生産し、この職にあるPopは非常にわずかな住居(詳細は以下)しか必要としない。
  • Popは就くことができる空いている職に自動的に従事するが、それぞれの職は特定のPopに適不適で重み付けされる。例えば勤勉(Industrious)なPopはそうでないPopよりも鉱物生産に選ばれやすい。
  • 現在の職よりもより適した職があるPopはその職に替わる。したがって、採掘装備を持ったロボットPopを大量に生産すると、有機生命体の鉱業従事者はすぐにその職を失うことになる。
  • プレイヤーは特定の職を優先づけしてその職に従事する者が常にいる状態にすることもできるが、Popに特定の職を主導で割り当てることはできない。というのは、これは私たちが取り除こうとしているタイルシステムのマイクロマネジメントのような要素のひとつだからだ。

  • 資源生産に加えて、統治に関する職や、他のPopが必要とする職が多く存在する。例えば、事務職(Clerks)は「宇宙バリスタ(Space Baristas)」のようにサービス産業に従事し、贅沢品(luxury goods)を少量生産するとともに都市内の経済活動の結果として惑星の貿易価値(Trade Value)を引き上げる。法執行者(Enforcers)は警察で、反対者を抑圧し、惑星の犯罪(Crime、詳細は今後の開発日記で)を減少させる。
  • 希少な職もあり、例えばクリスタル鉱業職(Crystal Miner Jobs)は希少クリスタル(Rare Crystal)の埋蔵資源が存在する惑星にのみ存在する。その他、アノマリーの中にはその惑星にだけ存在しうる職を作り出す惑星の特徴をもたらすものもある。
  • 集合意識や機械帝国のような一部の帝国には、他の帝国には存在しない特別な職がある。
  • 職は完全に改造可能で、自動生成の補正や機能もMod制作者が簡単に惑星に追加できるようになっている。

階級と失業

  • 職の有無にかかわらず、Popの大多数は階級(Stratum)に属している。これは国民の社会的階級その他の幅広いセグメントを表現している。帝国に存在する階級はプレイヤーがプレイしている帝国によるが、通常(非ゲシュタルト)の帝国であれば、国民は以下の3つの階級に通常は分かれる。
    • 支配階級(Rulers):この階級は政府と裕福なエリートを表現する。支配階級のPopは他の2階級と比べて安定度(Stability、詳細は今後の開発日記で)に大きな影響を与える。また幸福に保つには多くの贅沢品を必要とする。
    • 専門家階級(Specialists):この階級は教育を受け、名誉ある高給の職にある国民を表現する。専門家階級は資源の精錬や知的業務に従事し、幸福に保つには労働者階級より多くの贅沢品を必要とする。
    • 労働者階級(Workers):この階級は労働する大多数の国民を表現する。彼らは原料資源の生産に従事し、支配階級や専門家階級と比べて必要とする贅沢品は少ない。

  • この3つ以外に、特別な条件を満たすPop用の特別な階級、例えば奴隷化されたPop向けには奴隷階級(Slave)がある。奴隷階級のPopは贅沢品をほとんど、あるいはまったく必要としないが、一般的には労働者階級の職にのみ従事できる。
  • それぞれの職は階級と結びついており(例えば行政官(Administrators)や貴族(Nobles)は支配階級)、そうした職に就くPopは通常は即座にその階級に昇る。
  • しかし、階級が上がる場合は早いし問題もないが、階級が下がる場合はそうではない。失業したPopはそれまで就いていた職の階級に留まり、下の階級の職が空いていてもその職に就くことを拒否する。時間が経つとそうしたPopは下の階級に落ちるが、同時に失業は大きな不幸を引き起こし、失業した上流階級Popは下の階級に落ちる代わりに惑星の不安定性の巨大な源となる。この影響は強く階層化された帝国ではより大きなものとなる。というのは、社会のセーフティネットの欠如によって失業による幸福度ペナルティが増大するからだ。

住居

  • 私たちがタイルシステムの見直しを決めた主な理由のひとつは、惑星の人口に制限があることだ。ル=グィンアップデートでは、タイルごとにPop1つというシステム的にハードな制約を、住居(Housing)というシステム的にソフトな上限に置き換えた。
  • 住居は惑星において主に区域によって増加し、都市区域は他の資源産出区域よりも多くの住居を提供する。デフォルトではPopあたり1単位の住居を必要とするが、特性・階級・職など非常にさまざまな要因で個々のPopが必要とする住居は変動する。

  • 例えば知性がないか市民権のないロボットPopは通常のPopよりも必要とする住居がずっと少ない。というのは、彼らに必要な保管場所とサポートのインフラが必要とするのは惑星上において市民の住居よりもずっと小さなスペースだからだ。
  • 住居にはシステム的にハードな上限はなく、惑星の人口が住居の増加を伴わずに増加し続ける場合にはPopの必要とする住居数が利用可能な住居数を上回ることもあり得る。これを人口過密(Overcrowding)と呼び、成長速度や幸福度・安定度の低下といったさまざまなネガティブな影響をもたらすが、惑星の移住圧力(Migration Push、詳細は以下)も高める。したがって、人口過密惑星における少しの人口過密は、新たな植民地を成長させるには望ましい。

成長と移住

  • 移住(Migration)はStellarisにおいてあるべきほどに面白く機能していないコンセプトだ。Popがどのように、そしてなぜ移動するかに関するメカニクスはたくさんあるが、こうしたメカニクスはすっかりぼやけていて、Popが単に他の惑星に移動するだけであり、Popが中核惑星の重要な建造物から移住していって迷惑に感じることも多い。
  • こうした理由から、移住メカニクスを見直すにあたって、新たなシステムはPopの成長に直接関係し、惑星への移住からプレイヤーがどんな恩恵を得るかを明確にすることにした。
  • 新たな成長・移住システムでは、惑星ごとに人口動態を決定する5つの主要な変数を持つ。すなわち人口増加(Pop Growth)、人口減少(Pop Decline)、移民流入(Immigration Pull)、移民流出(Emigration Push)、人口生産(Pop Assembly)だ。
    • 人口増加:これは自然繁殖と惑星への移民による惑星の人口増加の基本的な水準だ。惑星では常にひとつの種族しか成長できないが、これは惑星に既に居住している種族しか成長できないということではない。理論的にその惑星に移住できるすべての種族が成長できるが、成長する種族が選ばれる際にはその惑星に充分な人口のない種族が優先される。つまり例えば混合進化の国是を持つ帝国では、惑星に入植した種族だけが成長するのではなく、両方の種族が順番に成長していく。種族の権利もこの優先度を決定する要素で、完全市民権のある種族は居住権しか持たない種族よりも成長する種族に選ばれやすい。
    • 人口減少:人口減少は惑星の特定の種族の減少を表現し、通常は人口の移動や粛清の結果として起こる。人口過密の惑星ではその惑星で人口の多い種族が減少し、新たに成長しているその惑星に充分な人口のない種族と置き換わる。これはつまり時間経過で惑星の人口構成が変わるということであり、例えば受容主義なら、移民条約を締結していればプレイヤーの首星は時間経過で多種族が住む惑星に変わっていく。あるいは排他主義なら、完全市民権を持った主要種族が征服した惑星に移住し、権利の小さな先住種族と置き換わる。特定の種族を粛清するのは、本質的にはその種族の速やかな人口減少を担保するもので、強制移住の場合は難民の形で大規模な移民を送り出す。
    • 移住:惑星ごとに住居、安定度、失業などの要因によって移民流入、移民流出の値が決まる。移民流入から移民流出を差し引いて惑星全体の移民の状況が計算される。移民流出のほうが大きな惑星は人口減少が早まり、潜在的な移住先に配送される全体の移民プール(Migration Pool)へと移民流出の値の分だけ「輸出」する。移民流入のほうが大きな惑星はこの移民プールから一部を受け取り、人口増加に直接変換する。通常、惑星は同じ帝国内にのみ移民を送り出せるが、移民条約や難民受け入れによって国外からの移民を受け入れることもできる。
    • 人口生産:人口生産は惑星の人工物(一般的にはロボット)Popの生産と、特別な建造物がもたらす特定の職から生まれるものを表現する。職によってもたらされる人口生産1単位は惑星において生産される次の人工物Popの成長に1単位分だけ自動的に寄与する。同じ惑星で成長するPopと生産されるPop双方が存在でき、また生産されるPopが人口過密や失業を潜在的に引き起こさない限り、人口生産と移民は関係しない。
  • (スレッド内の投稿より)移住システムは皆さんが思っているような複雑なシステムではない。プレイヤーがどのように関与するかという点については少なくともそうだ。このシステムの要点は以下のとおり。
    • 空いている住居があり、安定度が高く、空いている職がある、あるいはこの3つのいずれかの条件を満たす惑星は移民流入がある。
    • 人口過密で、安定度が低く、失業者がいる、あるいはこの3つのいずれかの条件を満たす惑星は移民流出がある。
    • 惑星でどの種族が成長するか、時間経過で種族構成がどのように変化するかは、種族の権利と条約によって決まる。
  • 調べるところは多いが、これにプレイヤーがどのように関与するかというのは、移民を通じて成長させることに注力したいかどうかが大部分だ。

質疑応答

Q1:職への配置はどういう考慮がされるの?

A1:Popはより重要でより適切な職を求める。通常はより上位の階級の職に就こうとするが、プレイヤーが優先度を設定することもできる。

Q2:奴隷は生産ボーナスつくの? それとも自由民より住居とか贅沢品が少ないことが長所なの?

A2:奴隷のタイプによる。市場奴隷生産性ボーナスがあり、必要な住居や贅沢品が少ないが、鉱業職にしか就けない。家内奴隷にはボーナスがないが、エンターテイナー(Entertainers)として働くこともでき、失業の代わりに特別な「召使い(Servant job)」という職がある。戦闘奴隷にもボーナスはないが、すべての職に就くことができる。

Q2-2:戦闘奴隷についてだけど、職として防衛軍(Defensive Armies)で働くわけではないの?

A2-2:防衛軍は今のところ確かに職から生まれる。

Q3:人工生命体も自由に移住できるようにさせられる?

A3:生産されるPopは移住できない。これは単純に2つの成長システムがオーバーラップするとめちゃくちゃになるからだ。

Q3-2:そうするとマイクロマネジメントなしで生産されるPopの惑星がみたいのが簡単にできるってことか。

A3-2:Popの生産は手動ではできなくなる。ロボット生産を止めたいと思ったらロボット生産工場(Robotics Plant)を稼働停止/破壊しなければならない。

Q3-3:ほかの惑星にロボットを輸出するロボット生産惑星はできないってこと?

A3-3:帝国全体に向けてPopを生産するロボット生産施設のようなものは考えられるかもしれない。

Q4:強制移住はどうなるの?

A4:今のところはこれまでと同じで、Popの移動にエネルギーを支払う。

Q5:カースト制度はどうなるの?

A5:カースト制度は階層化された経済(Stratified Economy)という生活水準に置き換えられる(権威主義者だけが使用できる)。これは労働者階級より専門家階級と特に支配階級を優遇する。

Q6:一度に1種族しか成長しないのは変じゃない?

A6:これはゲームプレイとインターフェースをよりよく、よりわかりやすくするために抽象化した部分だ。ここではリアルであることは目標ではない。


来週は幸福度、安定度、犯罪について。

次回:開発日記#123――惑星の見直し(3/4)

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コメント

  1. 無職人口を限界まで増やすプレイが捗りそう

  2. Civみたいになるのかな?

  3. 基本的に少数民族が増えていくってのはゲーム的には良い影響がいくつもあるのかもしれないが、リアルではない気がするな

    • 関係する質疑応答があったので追記しました。

  4. たくさんの翻訳お疲れ様です。またすごい量の変更が見えてきましたなぁ

  5. これまたVer2.0に引き続いて根幹的なアップデートですね・・・
    大きくプレイ感が変化しそう

  6. Growth and Migrationのunder-representedの訳ですが、「その惑星の少数の種族が優先される」というよりは、「(本来いて然るべきなのに)その惑星には少数しかいないような種族が優先される」という意味かと思います。
    おそらく他の惑星でのPOPの構成比とか惑星の気候とかからその惑星の理論上の構成比が計算されて、実際にいるPOPと乖離が大きい種族が優先されるのではないかと。

    • ありがとうございます。修正しました。

  7. 今までだと受容的だったり移民条約があったりしても新しい植民地のpopに多様性が出るくらいだったけど、これが実装されるとある惑星、あるいは帝国全体で支配種が変動していったりするのかな。
    例えば遺伝子改良や超能力で有能になった種族が周辺国でも支配者階級を独占するようになったりとか。
    そうなるとリーダーの輩出にも影響しそう。

  8. いつも翻訳お疲れ様です。楽しみなアップデートですね。

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