「Victoria 3」開発日記#175が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は1.13無料アップデートの概要について。1.13リリース前の開発日記です。
前回:開発日記#173――「Volume 3」の無料アップデート概要
開発日記#174は新DLCバンドル「Volume 3」発売に関するものとなっており、こちらの記事で取り上げています。
開発日記
開発日記#175は、1.13無料アップデートの概要について。
- 今回は4月28日に「The Great Wave」と同時にリリースされる無料アップデート1.13の変更点について。
ミッション
- 今回取り上げる変更点の多くは海軍に関連するもので、海軍の挙動をより現実に近いものにし、戦術的な機動を容易に行えるように海軍の操作も改善することを目指した。さらに、世界各地での権益の確保や兵士たちが実際に目的地に到達することを確実にする任務についても海軍がより重要な役割を果たすようにしたいと考えた。
艦艇が実体となる
- バージョン1.13では艦艇は各国が建造する真のユニットとして扱われる。過去のバージョンでは造船所を民間と軍用に分けていたが、再びひとつのものとして扱う。民間用の場合については補給について述べるときに触れることにし、今回は軍事面を取り上げる。
- 建設セクターと同様に、造船所は週ごとに艦船建造ポイントを生み出す。建造中の艦艇には1週間に割り当て可能な最大ポイント数が設定されている。利用可能な艦船建造キャパシティが建造待ちリストの最上位項目が受け取る量を上回る場合、余剰分は次の項目に割り当てられ、並行して建造が進む。私たちは大型艦の建造期間を史実と同様に長期化させているため、並行建造は重要になる。一方、魚雷艇などの小型艦ははるかに早く建造が進む。建設中は艦種によってさまざまな資材が消費される。資材は造船所によって消費され、国内のすべての造船所に平均的に配分される。商品としての戦列艦や装甲艦はなくなった。個々の造船所に独自の建造待ちリストを設けるというアイディアも検討したが、それに要する労力に見合うだけの効果が得られないと判断した。
- 艦艇建造は建設パネルからアクセスできる。建造時には就役後に割り当てるデフォルトの艦隊を選択することができる。
- バージョン1.13では、乗組員は新たに追加された海軍管理局という施設から供給され、海軍基地という施設は廃止された。海軍管理局の導入で艦艇と管理施設の対応関係はなくなった。海軍管理局はレベルごとに合計1,000名の乗組員を雇用でき、100人ずつの単位で振り分けできる。例えば小型のフリゲートは100名で足り、残り900名は他の艦艇に振り分けられる。大型艦では1,500名必要な場合もあり、1レベル以上の枠を占有することになる。海軍管理局は海軍の人材プールのような役割を持つが、100人単位の枠があることで、戦闘で被った損害がどの施設に影響を与えるかを追跡できる。海軍管理局が人員を雇用しており、艦艇がその施設に割り当てられると、海軍管理局は乗組員をその艦艇に配置する。艦艇の人員が完全に充足すると出港できる。
- この画面では特定の1隻の艦艇のすべての情報を確認できる。艦艇の命名規則は動的で、例えば大英帝国が君主制でなくなった場合、接頭辞のHMSはなくなる。艦艇プレビューのすぐ下の3つのバーはヒットポイント・乗組員数・補給状況を示す。このバーが戦闘中にゼロになると艦艇は沈没する。その下にはさまざまな能力値が表示され、特に維持コスト・速度・ダメージ量・封鎖強度・装甲が強調表示されている。維持コストは定期的なメンテナンスコストを抽象化したもので、艦種や必要な物資によって変動し、少量の艦艇建造ポイントも必要とする。これとは別に、戦闘で損傷した艦艇が港に戻った場合、修理コストが必要となる。修理コストは建造に必要な商品の合計に依存し、例えば建造に鋼材100単位と大砲50単位が必要な場合、20%の損傷を修理するには鋼材20単位と砲弾10単位が必要となる。
- 艦隊画面の能力値は艦隊全体で集計または平均化されたものだが、速度は艦隊内でもっとも遅い艦艇が艦隊の速度を決める。また、艦隊の速度が他のノードへの移動時間を変化させるようになった。
- この情報タブでは艦艇を主力艦・巡洋艦・魚雷艇の3つにまとめて概要を確認できる。全体として艦種は20種類に増えた。
- 艦隊パネルの「施設」タブでは、その艦隊に所属する100名以上の水兵を管理する海軍管理局の一覧が表示される。艦隊に所属する艦艇数はこの一覧に表示される艦艇数とは必ずしも一致しない。というのは、1隻の艦艇には複数のステートから乗組員を集めることができ、その場合に各ステートでそれぞれ1隻とカウントされるためだ。
補給
- この拡張の開発で特に重視した目標として、補給をより戦略的に重要な要素にするという点があった。海軍に重点を置いたのは確かだが、同時に海外の陸軍についてもまとめて手を入れることにした。私たちはインフラなしに30万人の兵士を世界中に派遣できることを制限したいと思い、インフラ(補給路上の港)が実際に意味を持つものでなければならないと考えた。さらに、補給線の途絶をより直感的で魔法のようではないようにしようとした。
- まず輸送船団を廃止し、補給船を導入した。これは艦隊や陸軍が必要とする物資を継続的に輸送する役割を象徴化したもので、軍事専用のものだ。貿易や民間利用には商船隊を使用する。民間船商品であるクリッパーや蒸気船は残り、造船所で建造される。造船所はすべて軍艦・補給船・民間向け商品を建造する。補給船の建造は総生産能力のうち軍艦と補給船を生産する比率を設定することで行う。補給船には専用の建造キューがあり、軍艦と補給船を同時に生産することが可能だ。
- 軍艦には補給物資が各艦に搭載されて管理され、その量は艦種によるが、艦隊全体で補給物資は均等化される。このため、搭載量の多い艦艇を保有することには戦略的な利点がある。艦隊の補給消費率は艦艇の数と種類による。大規模な艦隊は小規模な艦隊に比べて維持コストが格段に高くなる。陸軍や艦隊の補給消費量に応じて必要な補給船が決まる。デフォルトでは補給船が十分あれば、艦隊と陸軍に自動的に必要な数の補給船が割り当てられる。
- 補給については艦隊に3段階の優先度を設定できるようにした。さらに、燃料補給基地を表現する必要もあったため、利用可能な最寄りの港からの距離で補給船使用量を減らすようにした。大規模な海外展開を維持する上で極めて重要な要素となる。
- さらに、陸海軍それぞれの兵站センターという施設を導入した。これは自動的に軍の編制の司令部に設置される。これはその編制が必要とするすべての商品を消費する場所で、中央から編制までの具体的な補給経路を可視化できるようになった。これによって補給線攻撃も可能になった。艦隊が補給線を攻撃する場合、実際に影響を受けるノード上の補給船と海戦をして撃沈することで実質的な損害を与えられる。補給船を撃沈するとその編制に到達する補給船は減少し、補給量が減少する。敵の補給を継続的に妨害するには、継続的に補給線を攻撃して補給船を撃沈し続ける必要がある。艦隊の海域での活動などについては後日の公開日記で触れる。
- 補給船の情報はこれまでの輸送船団の表示枠を使い、未割り当ての補給船の数を表示する。内訳表示では使用中の補給船の数も確認できる。
- 現時点では陸上での補給物資輸送に関する詳細な仕組みは実装していないが、海外に展開する陸軍は艦隊と同じルールに従う。彼らにも独自の兵站センターが設定され、陸軍の規模に応じて補給船の航路が設定される。これにより、30万人もの大軍を世界中に展開するのはこれまでより困難になる。
段階的な外交的関心
- 戦略的関心は地域への貢献と投資によって達成される多段階システムとなった。
- 関心レベルを高めるには、その戦略的地域の国家とさまざまな条約を締結する、従属国を持つ、戦力投射のために艦隊を送る、征服するなどの手段がある。
- 関心レベルが高まると、通常では利用できない外交行動や条約の条項を利用でき、植民地請求権の生成のような新たな恩恵も得られる。植民地請求権の生成とは特定のステート地域の半分以上を植民地化すると、そのステート地域に対する請求権を得るというものだ。
- 戦略的地域についてはすべての国家を現地国家と非現地国家に分類する。非現地国家でも現地国家と条約を締結することでその地域への関与が可能になる。現地性は以下の要素によって決まる。
- その地域に首都がある
- その地域に25%の現地性がある
- その地域に編入ステートの25%がある
- その地域の現地性は領有するステート・人口・GDPシェアによって算出される。
- ペルシャとの条約締結でシャーから投資権を獲得し、その見返りに駐在武官を派遣することで、イギリスはレベル1の関心に到達するのに十分な関与を生み出せる。現地国家と外交関係を樹立することで得られる関与の量はその国家の現地性によって変動する。同じ条約を例えば小さなカフィリスタンと締結した場合、得られる関与はずっと少ない。
- 最後に、私たちは戦略的地域を見直し、密度を下げた。
部隊輸送
- 1.13では陸軍は軍艦で海上を移動する。商船隊や補給船を使用することも検討したが、民間船を徴用するというのは実装可能な方法を見出せなかった。このシステムでは陸軍に海を越えて特定のステートに移動するよう命じると、次に輸送と護衛に使用する艦隊を選択する。部隊を輸送する唯一の方法は具体的な目的地を指定することであり、艦隊とともにいつまでも海上にいさせることはできない。艦隊は部隊を輸送している間には他の任務を行えない。艦艇によって部隊輸送の効率性に差があり、部隊輸送に特化した艦艇もあるが、そうした艦艇は戦闘能力が限定的だ。
- ここで特定のステートに移動させると書いたが、軍は司令部にいるのではなく特定のステートに移動させることができるようになった。
- 新たに追加する海兵隊は他の陸上部隊と異なり、恒常的に艦隊と共に行動させられる。海兵隊には通常部隊とは違ってずっと小さい輸送キャパシティが設定されている。また、海兵隊は艦隊が他の任務に従事するのを妨げず、艦隊から直接、海軍による上陸作戦を開始できる。上陸作戦の有効性も高く、ペナルティも大きくない。
海峡その他
- 1.13では世界各地の主要な海峡を正式に定義し、例外を除いて以下のように機能する。
- 海峡の管理権はスクリプトで定義した2つのプロヴィンスの領有国で共有される。
- 海峡の管理者となることで、第一に海峡を通過できる船のアクセスレベルを設定できる。自国のみ・同盟国・敵以外のすべて・すべての国家の中から選択する。さらに、軍艦と民間船で区別することもできる。すべてのアクセスレベル「ANDゲート」として機能するため、例えばエーレスンド海峡はデンマーク通航許可してもスウェーデンが海峡を封鎖すると通航できなくなる。
- プロヴィンスを単に領有しているだけでは海峡の支配権は獲得できず、1段階以上の海軍要塞を建設する必要がある。海軍要塞は自国沿岸部に建設でき、建設に長時間を要し、建設可能な数に上限がある。海峡の支配権を獲得する以外に、当然ながら自国の沿岸防衛が主な機能で、海軍要塞が決める閾値以上の攻撃勢力がない場合、上陸作戦を完全に阻止する。レベル1の海軍要塞の場合、敵は少なくとも6個大隊で攻撃する必要がある。レベル3の場合は11個以上だ(数値は変更される可能性がある)。これは特に小規模な上陸作戦を防ぐのに役立つ。さらに、上陸作戦を行えるほどの戦力で攻撃してきた際に防衛ボーナスが付与される。これは攻撃側の初期戦力と防衛側の戦力の差に応じて変動する。攻撃側が防衛側の2倍の戦力を持っている場合、防衛ボーナスはその最大効果の50%が適用される。
- 海峡では通航料を取ることもでき、海峡を通過する総貿易量に基づいて徴収される。これも通航権と同じく設定でき、例えばエーレスンド海峡ではデンマークが15%、スウェーデンは通航料をかけないとした場合、エーレスンド海峡を通航する者全員に15%の通航料が賦課される。スウェーデンも15%とすれば、全体では30%となる。
- ジブラルタル海峡は例外で、ここは両岸を支配して初めて封鎖できる。これは単純に地中海全体を即座に封鎖できると影響が大きすぎるためだ。
- 運河も海峡と同様のルールが適用される。運河運営会社が徴収する通航料を反映させる仕組みを検討しているが、現時点では実現が難しい。
今後の開発日記
- 3月23日:キャラクターの機能
- 3月26日:艦船デザイナー・旗艦・艦艇の購入
- 4月2日:海戦と砲艦外交
- 4月9日:「The Great Wave」の物語コンテンツ
- 4月16日:「The Great Wave」のアートと音楽
- 4月23日:チェンジログと実績
- 4月28日:「The Great Wave」と1.13のリリース
次回:開発日記#176






















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