HoI4の生産の最適化を考える その4

前々回までで工場と生産ラインがひとつずつの場合を考え、前回はこれを使って産業技術「流動的ライン生産」と「流れ作業工程」を比較しましたが、今回は複数の工場・生産ラインがある場合を考えます。一応今回で最終回。

前回:HoI4の生産の最適化を考える その3


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概要

前々回で以下のような生産出力の公式を求め、前回でこれを応用してみましたが、今回はイカの式に工場の数と生産ラインを加味してさらに拡張してみようと思います。

生産効率の上昇を加味する場合、期間(T)の間の総生産出力(P)は、基本出力(p)、出力補正(m)、生産効率上限(\bar{e})、初期生産効率(e)、生産効率上昇率(i)としたとき、生産効率が上限に達する期間t

\[ t = \frac{\bar{e}-e}{i} \]

として、

\[ P = \begin{cases} pmT(e+\frac{i(T-1)}{2}) & (1\leqq T\leqq t) \\ pm\left\{\bar{e}T-\frac{1}{2i}(\bar{e}-e)^2\right\} & (t\leqq T) \end{cases} \]

今回の結論

工場の割り振りをなるべく変えないということが肝要なので、どういう装備がどれだけ必要になりそうなのかを計算し、必要な生産出力の比率に従って生産ラインと工場を割り振るのがよさそうだということがわかりました。数式をこねくり回す必要はなかったようです……。

工場数を考慮する

工場を追加したときの挙動

1つ目の工場の生産効率が15%に達した段階で2つ目の工場を新たに追加したときの生産効率。(15%+10%)÷2=12.5%となっている。

工場を新たに追加した場合、どうやら生産効率は工場一つ一つバラバラに設定され、生産ライン全体の生産効率として表示される値はその平均になるようです。

ということは、工場それぞれ個別に生産効率などを考慮する必要があり、計算式もかなり複雑になりそうです……。

工場数を考慮した場合の計算

工場の数を考慮する場合、生産ラインの工場それぞれに1,2,\dots,x,\dots,nと番号を振ると、生産ラインのひとつの工場の稼働期間(T_x)の間の総生産出力(P_x)は、基本出力(p)、出力補正(m)、生産効率上限(\bar{e})、初期生産効率(e_x)、生産効率上昇率(i)としたとき、生産効率が上限に達する期間t_x

\[ t_x = \frac{\bar{e}-e_x}{i} \]

として、

\[ P_x = \begin{cases} pmT_x(e_x+\frac{i(T_x-1)}{2}) & (1\leqq T_x\leqq t_x) \\ pm\left\{\bar{e}T_x-\frac{1}{2i}(\bar{e}-e_x)^2\right\} & (t_x\leqq T_x) \end{cases} \]

したがって、ひとつの生産ラインの総生産出力(P_S)は

\[ P_S = \sum_{x=1}^{n}{P_x} \]

このようになるということはおそらく間違いないのですが、これだと一般化しすぎて使いでがないので、もう少し条件を絞りましょう。

生産ラインのすべての工場で同時に生産を始める場合(そして初期生産効率もすべて同じ場合)、生産ラインの全体の期間(T)の間の総生産出力(P_S)は、基本出力(p)、出力補正(m)、生産効率上限(\bar{e})、初期生産効率(e)、生産効率上昇率(i)としたとき、生産効率が上限に達する期間t

\[ t = \frac{\bar{e}-e}{i} \]

とし、また生産ラインの工場の数をFとすると、

\[ P_S = \begin{cases} pmFT(e+\frac{i(T-1)}{2}) & (1\leqq T\leqq t) \\ pmF\left\{\bar{e}T-\frac{1}{2i}(\bar{e}-e)^2\right\} & (t\leqq T) \end{cases} \]

工場の数を考慮した場合は、工場がラインで生産している期間と初期生産効率さえ考慮すればよいようです。また、この2点を揃えれば、単に工場数をかけるだけで計算することもできるはず。

生産ラインを考慮する

次に複数の生産ラインがある場合を考えます。生産ラインを考慮するとなると、限られた工場をどのタイミングでどのラインに割り振るかが問題となりますが、工場の生産を切り替えることで生産効率が低下してしまうので、できる限り生産を切り替える工場数が少なくなるように生産するのが賢い生産方法であるというのはすぐにわかります。

例えばAとBの2本の生産ラインがあって、Aで必要な生産出力は1,000、Bで必要な生産出力は500である場合、A:B=2:1の比率で工場を割り振れば、途中で切り替える必要はなくなります。

ということは、問題は必要な生産出力がさまざまな品目に対して最初にどれだけの工場を割り当てればよいのかということになるでしょう。極端に言えば、最初に割り振った工場のまま生産を続けて工場の割り振りを変えずに済めば、それが最高効率の生産ということになります。

おや、ということはこれまで散々こねくってきた数式なんて必要なくて、どういう装備がどれだけ必要になりそうなのかを計算し、必要な生産出力の比率に従って生産ラインと工場を割り振るのがよいということになりますね。途中で工場の割り振りを変えたり新しい生産ラインを立ち上げる場合も、全体の中でどれだけの割合となるかを計算して全工場のうちその割合の分だけ工場を割り振ってやればよさそうです。


なんだかそれっぽい結論にはなりましたが、今までの苦労は一体……。でも、生産ラインと工場の割り当てを必要生産出力の比率から考えてやればOKというのはなかなか役に立つんじゃないでしょうか!

年末年始集中連載記事「HoI4の生産の最適化を考える」はなんだか竜頭蛇尾な感じになってしまいましたが、一応今回でおしまいです。とはいえ、「流動的ライン生産」と「流れ作業工程」の比較結果は自分で計算していて目からウロコの結果でした。コメントにて助言や指摘をくださったみなさま、それから数式をこねくった記事にここまでお付き合いいただいたみなさま、まことにありがとうございました。