「Victoria 3」新DLC「Sphere of Influence」発売は5月6日!

「Stellaris」開発日記#24――AI

Stellaris 開発日記

stellaris-dd24

パラド社発の宇宙4Xゲーム「Stellaris」の開発日記#24が更新されていましたので、その内容をご紹介。

前回:開発日記#23――マルチプレイ

2016/5/18 "Fallen Empire"の訳語を「滅びかけの帝国」から「斜陽の帝国」へ変更。

スポンサーリンク

概要

開発日記#24は、AIについて。

AIのパーソナリティ

  • 「Stellaris」のAIを作るにあたって大きく変わったところは、AIがゲームによってランダム化された性質を持つということだ。精神性と特性の組み合わせは数多くあり、プレイヤーにとってAIの帝国が全て同じように感じられてしまうか、「攻撃的な異星人」「平和的な異星人」というように単純にカテゴライズされてしまうリスクがあった。狂信的な集産主義のAIは普通の集産主義のAIと異なる意思決定をするようにしたが、こうした事前知識がないプレイヤーにとっては同じに見えてしまうかもしれない。
  • この問題をなんとかするため、AIがどう振る舞うかを管理するAIパーソナリティのシステムを考えた。これはAIがなにと戦おうとし、なにに興味を持って外交取引をしようとし、どのようにお金を使い、資源をなにに使うかを管理する。パーソナリティは精神性、政治体制、特性によって決まり、外交取引の際にプレイヤーはパーソナリティを見ることができる。プレイヤーが判別しやすくするため、すべてのパーソナリティはSF的な言葉に喩えられている。
  • パーソナリティは特に外交に大きな影響を与える。プレイヤーが連邦を形成しようとするなら、冷酷な資本主義者と組むよりも連邦の建設者の帝国と組むほうがやりやすいだろう。そして、異星人嫌いの孤立主義者はよほどの理由がない限り忘れてしまうことだ。
  • 帝国がプレイヤーをどう思っているかは態度に現れ、外交取引でどのように考えて取引を成立させるかに影響を与える。
  • 通常のパーソナリティに加えて、斜陽の帝国(Fallen Empire)に特有のパーソナリティも存在する。斜陽の帝国はただひとつの狂信的な精神性を持つ。すなわち、かつての繁栄に数世紀後の今もしがみついている。この精神性が彼らのパーソナリティを決定し、また同様に彼らがプレイヤーの行動をどう見るかを決める。例えば、異星人嫌いの斜陽の帝国はプレイヤーを含めて誰ともなにもしようとはしないし、国境を侵せばカンカンに怒るだろう。精神主義の斜陽の帝国は自分たちを銀河の聖地の守護者と考えており、プレイヤーの植民者が彼らの聖なる惑星を踏みにじるのを好意的に見ることはないだろう。
  • 斜陽の帝国はプレイヤーの帝国を征服することなどできないのだから、彼らを怒らせたって問題ないと考えるかもしれないが、それは考え直すべきだ。斜陽の帝国はプレイヤーに惑星を放棄させる特殊な戦争目標を持ち、先人に充分敬意を払わない成り上がり者の種族を攻撃しようとする。

脅威とライバル

  • 脅威はEU4の攻撃的拡張(Aggressive Expansion)のシステムに近い。惑星や他の帝国を征服したり、施設を破壊したりすると、他の帝国に対して脅威を与えることになる。与える脅威の量は、なにかが起こったところの帝国からの距離と彼らのパーソナリティによって決まる。異星人嫌いの孤立主義者は銀河の半分から異星人を追放しても気に留めないだろうが、拡張主義の帝国が彼らの周りの惑星をすべて飲み込んだら、確実に注意を向けるだろう。
  • 同じ攻撃者に脅かされている帝国は互いの態度にプラス補正がかかり、同盟や連邦に加入する可能性が高まる。プレイヤーが銀河を統一しようと暴れまわっても、脅威は時間とともに減少するので、征服に時間がかかっている場合は必ずしもプレイヤーに対して同盟が形成されるわけではない。
  • EU4から借りてきたAIの振る舞いのもうひとつはライバルだ。プレイヤーと同盟を結んでいないどの独立国をもライバルと宣言することができ、同時に最大3か国をライバルとすることができる。ライバルを持つことで、そのライバルが自国と比べて相対的にどれくらい強力かをベースとした量の影響力を毎月得ることができる。これは精神性によって修正を受け、軍国主義の帝国ならば、平和主義者よりライバル関係から多くの利益を得ることができる(が、同盟にいる間はより多くの影響力を必要とする)。
  • 普通、帝国はライバルだと宣言されて喜びはしないし、ライバルだと宣言し返されることも多い。ライバルがいることで敵との関係が改善し、友好国との関係が悪化することもある。そのため、ライバルシステムは銀河の対立と同盟の関係を最も左右するものとなるだろう。

AIの経済

  • これは面白いものではないし、プレイヤーに見えるものでもないが、しっかりとした経済は幾つかの理由により、「Stellaris」のAIの中で最優先に開発した。第一に、AIは明らかなチートに頼らずにプレイヤーと競争できるようにするためだ。AIは経験豊富なプレイヤーほどうまくやることは決してないが、プレイヤーがひとつのAI国家を生産で追い抜けることと、5つのAI国家を生産で追い抜けることは大きく異なる。第二に、開発日記#21(開発日記#21――管理セクター)に書いたセクター管理のため、AIはプレイヤーの惑星を積極的に建設し、管理することになる。やはり経験豊富なプレイヤーほどうまくやることは決してないが、プレイヤーがAIに妨害されていると感じないくらいにはうまくやれるようにする必要がある。
  • こうした条件を満たすため、AIにはとんでもなく多くの時間をかけた。AIが持つすべての鉱物とエナジークレジットは艦隊整備や植民地開拓のための特別な計画に組み込まれ、またAIのパーソナリティや必要なものによっても使われ方は変わる。(?)AIは計画に組み込まれた資源を適切に使うことのみを許されるため、その惑星が建設で忙しくなって新たな植民地の創設に失敗するとか、採鉱ステーションが鉱物を食いつぶしてしまって艦隊を整備できないということはない。差し迫った状況になると、AIは他のところから資源を振り替える。もし戦争で艦隊が撃破されてしまったら、新たな艦隊建設のために残りの鉱物すべてを振り替えるだろう。
  • 建設に関する意思決定をするとき、AIはまず死活的に必要な資源(マイナスで推移しているときのエネルギーなど)を確認し、次に産出されていない資源と生産に使う資源を比較し、最後に資源を投ずる価値があるほど役立つかを考える。セクターではさらにプレイヤーが設定した重視する資源をより多く産出できるかどうかを確認する。

質疑応答

Q1:狂信的な平和主義の斜陽の帝国とかもあるの?

A1:今のところ、斜陽の帝国が持てる特性は、異星人好き/嫌い、物質主義/精神主義だけだけど、これから追加する予定。

斜陽の帝国のパーソナリティは以下のとおり。

異星人好き:慈悲深い観察者

異星人嫌い:戦闘的孤立主義者

精神主義:聖地の守護者

物質主義:知識の番人

Q2:影響力ってなに?

A2:同盟・布告・前哨ステーション・ある種の建造物に使われる。

Q3-1:AIのパーソナリティはMODでいじれる?

A3-1:99%はいじれるが、新たなアーキタイプを作ることはできない。でも同じアーキタイプでも全然違うパーソナリティを作ることはできる。

Q3-2:アーキタイプってなに?

A3-2:アーキタイプは核となる振る舞いを決定する。例えば「繁殖者」ならAIは人口を増やすことに集中する。これはMODで変えられないけど、全然違う「繁殖者」にすることはできる。


来週は、デブリとリバースエンジニアリングについて。

次回:開発日記#25

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました